【プロが解説】PC(パソコン)がフリーズ、電源が落ちた時の対策教えます

パソコンを使用していると、突然動きが止まってしまい、何をしても動作をさせることができなくなってしまう、ということがあります。このような症状をフリーズと呼び、これはそれほど珍しいものではありません。また、これとは別に、パソコンが起動さえできずに動かなくなってしまうというパターンもあります。いずれの場合にせよ、パソコンが正常に使用できない状態になってしまっているのは困ることが多いでしょう。
それでは、もしこのようにパソコンが正常に動かない状態になってしまった場合、どのように対処をすることができるのでしょうか。ここでは、パソコンのフリーズと起動不能の症状への対処法について紹介します。

フリーズが発生する原因は何?

それではまず、そもそもフリーズという症状がどのような原因によって発生しているのかについて紹介します。この原因についてある程度把握することができていれば、その部分に対処することによって今後発生することがないように、予防を行ったり、あるいはその部分をピンポイントに解決するための修理を行ったりすることができるためです。
実はパソコンのフリーズには様々な原因を考えることができ、一概にこれが原因である、というように断定することはできません。そこでここでは、そんなパソコンのフリーズの原因として考えられることをいくつかリストアップし、それらについて紹介します。

熱によるフリーズ

フリーズの原因として考えられることの1つとして、まずは熱による影響が挙げられます。これはパソコンに限ったことではありませんが、機械類というのは過度な熱には弱い性質を持っています。特にパソコンは稼働によって熱を発生させるものであるため、内部にこの熱が溜まってしまうことによって温度が高くなりすぎてしまう可能性があります。
内部の熱が高くなると、マザーボードに使用されている電解コンデンサに影響が発生します。こうなると正常な稼働ができなくなってしまってフリーズを誘発したり、場合によっては破損して使用できない状態になってしまったりもします。
このように熱が溜まってしまう原因としては、まずはファンの駆動が上手くできなくなってしまっていることが考えられます。パソコンは内部の熱を逃がすために外に向かって風を送り出すためのファンを持っていますが、掃除が行き届いておらず埃が溜まってしまっているなどの状態になっていると、このファンの働きが弱くなってしまう可能性があります。また、夏場などは環境の温度が高すぎて熱を排出できない状態になってしまっていることが原因となって熱暴走を起こしていることもあります。

メモリ不足によるフリーズ

フリーズの原因として、2つ目に紹介するのはメモリ不足についてです。メモリというのはパソコンを動かすための一時的な記憶媒体のことで、RAMと呼ばれることもある処理を行うためのハードウェアです。パソコンの内部で大容量のファイルなどを動かするような動作を行うとこのメモリが動く事によって処理をすることとなります。
ただし、このメモリ容量が不足している場合、一度に大きなファイルを動かすことができない可能性があります。このような状態になっている時にパソコンにフリーズが発生する可能性があります。複数の作業を平行して行わせているような場合には特にこの症状が発生しやすいため、自分のパソコンのメモリに見合った動きをさせる用に注意しなければなりません。

ディスク上の問題

フリーズが発生する原因として、次に紹介するのはハードディスクに問題が発生しているということです。ハードディスクはパソコン内部のデータを保管しておくための長期保存用の記憶デバイスのことで、データは基本的にこの上で動かされることになります。ただ、このハードディスクは長年使用していると経年劣化によって不良セクタというものが発生することがあります。
この不良セクタというのは簡単に言えば物理的損傷のことで、使用することができないエリアのようなものが発生している、と考えると良いでしょう。パソコンの中でも特に寿命が短いパーツであるため、ハードディスクはある程度余裕を持って交換を考えなければならないものでもあります。不良セクタに対してデータ移動が行われた場合などには処理を継続することができなくなり、フリーズが発生してしまう可能性もあります。

ソフトウェアやドライバーの問題

フリーズが発生する原因として、最後に紹介するのは使用しているソフトウェアや、ドライバーに問題が発生している可能性についてです。パソコン上で作業をするためには様々なソフトウェアを動かすことになりますが、これらがパソコンと相性が悪いものであったりする場合に動かなくなってしまう可能性があります。または、ソフトウェア側のバグによってフリーズが発生する、ということもないわけではありません。
また、ドライバーに問題が発生している可能性もあります。ドライバーというのは簡単にいうとパソコン上で様々なデバイスを動かすために組み込むプログラムのことです。例えばマウスやキーボード、その他にもモニターなどについても、ドライバーがあることによって正常に動かすことができるようになっています。これらの部分に問題が発生してしまっている場合、それが動かせなくなってしまう上にフリーズが発生してしまう可能性があるということです。

では、フリーズが発生したらどう対処すれば良い?

それでは、上記の様な原因によってフリーズが発生してしまったという場合には、どのように対処するのが良いのでしょうか。上記の原因からもわかるように、根本的な問題であるためにそれ自体に対処をしなければならないケースと、短期的な問題であるため、一時的に解決することができれば良い場合とがあります。ここでは、それぞれについてどのような対処法があるのかについて紹介します。

熱によるフリーズの解決方法

それではまず、熱が原因と考えられるフリーズが発生している場合の対応策について紹介します。これについては、端的にこの熱をどのようにして排出するのか、ということが重要になります。適切に熱を排出することができるような状態になれば、パソコンの駆動も正常に行えるようになるためです。
まず考えられるのはファンの不調であるため、一度パソコンの電源を落としてカバーを開け、ファンの掃除などを行ってみるようにしましょう。ノートパソコンである場合には、排気口付近の掃除を行ったり、その場所を塞いでしまうことがないように注意したりすることで解決するケースもあります。
これでも解決することができない場合、タワー型パソコンであれば使用できる方法として、カバーを開けた状態で、そこに扇風機などで風を当てながら使用する、というものがあります。一見すると乱暴なように見えますが、これは外部からファンを使用しているのと同様の状態であり、熱を排出することに効果を発揮します。夏場などの熱い環境で使用していることによって問題が発生しているのであれば効果的でしょう。また、もしエアコンを使用していないのであれば、エアコンを使用して部屋自体を冷やす、というのも効果的です。節電を考えている方も多く、ちょっとした気温でエアコンを使用したくない、という方も多いかもしれませんが、パソコンはデリケートなものであるため、その状態で使用し続けると故障してより大きな問題に繋がる可能性もあります。

メモリ不足によるフリーズの解決方法

次に、メモリが不足していることによって処理が止まってしまっている場合のフリーズの解決方法について紹介します。こちらの場合重要なポイントとなるのは、処理が遅いながらも継続しているのか、あるいは完全に停止してしまっているのかを見極めることです。これについては、ハードディスクに対するアクセスランプが点滅しているかどうかによってある程度判断することができます。アクセスランプが点滅している場合については、動作処理にパソコンが苦労している状態にあるため、単純に時間を待つことによって動き出す可能性があります。
ただ、その場合でも動き出さないという場合もあるため、ある程度の時間経過を観察しても駄目なようであれば、この解決方法での解決は諦めたほうが良いでしょう。

ハードディスクの問題によるフリーズの解決

それでは、ハードディスクが問題となってフリーズが発生している場合についてはどうすればよいのでしょうか。こちらについては、残念ながら簡単な方法で解決することはできません。使用するハードディスクを交換するのが最も簡単な解決方法となるでしょう。外付けハードディスクに問題が発生しているのであればまだ比較的簡単に交換作業を行うことができますが、内蔵ハードディスクやシステムディスクに問題が発生している場合には作業が難しくなってしまいがちです。
合致するハードディスクをインチ数で確認した上で交換作業を行うようにしましょう。

アプリケーションやドライバーの不具合の解決方法

最後に、アプリケーションやドライバーが問題となっている場合の解決方法についてです。こちらについては、まずアプリケーションを再インストールしてみるのが良いでしょう。インストールに失敗していることによって一部の機能が適切に使用できない状態になっていることが原因であることも多いためです。
ドライバーが問題となっている場合は、ドライバーが最新のものとなっているのかをまず確認します。更新情報がある場合については新しいものに更新することによって解決する場合もあります。ただし、ドライバーの更新によってかえって相性が悪くなってしまうという可能性がないわけではないため、アップデート情報を調べ、問題があるような情報がないかは事前に確認をしておいたほうが安全です。

そもそも全く動かない場合は?

フリーズが発生した時に、問題が発生しているソフトウェアだけが動かない場合と、パソコン全体が動かない場合とがあります。これ以上動かす事ができないという場合については、どのように対処をするのが良いのでしょうか。
まず、キーボードが反応している状態なのであれば、タスクマネージャーを開いて問題を発生させているプログラムを強制的に終了させるのが良いでしょう。キーボードでCtrlキーとAltキーとDeleteキーを同時に押すとタスクマネージャーが起動するようになっています。プロセスのタブから問題が発生しているプログラムを選択し、プロセスの強制終了を選択しましょう。一度では終了されない場合もあるため、その場合には2度試してみるようにします。
ただし、キーボードが動かない状態になっているのであればこの方法では対処することができません。このような状態になっている場合には、電源ボタンを長く押して電源を落とすようにしましょう。ただし、この方法はパソコンのデータに対して損傷を発生させてしまう可能性もあるものです。できればこのような方法にはすぐ頼らず、ある程度時間を置いて経過を観察し、他にどうしようもない、という場合に使用する方法だと考えておくのが良いでしょう。

そもそも起動しない場合は?

ここまでは、パソコンが動いている間にフリーズしてしまった場合の対処法について紹介しました。最後に、そもそもパソコンが起動しない状態で固まってしまった場合に付いては、どのように対応することができるのでしょうか。

セーフモードで起動してみよう

パソコンが起動段階で動かなくなってしまっている場合には、Windowsの機能であるセーフモードを使用して起動を試みてみるのが良いでしょう。これは必要最低限のプログラムだけで起動を行うというもので、問題となっているプログラムを起動させることなくパソコンを起動できる可能性があるため、問題を解決できることがあります。

パソコンがフリーズしてしまった場合のまとめ

それでは最後に、パソコンがフリーズしてしまった場合の対処法について、まとめを紹介します。最初にポイントとなるのは、まずどのような原因でフリーズが発生しているのかについてある程度把握することです。パソコンのフリーズには様々な原因があり、それが熱によるものなのか、あるいはソフトウェアによるものなのかによって、当然対処法にも違いが生じることになります。
それぞれの原因を把握し、それに対して適切な方法で対処を取る事が重要です。パソコンが固まってしまうとパニックになってパソコンの電源を落としてしまうような対処をしてしまうこともあるかも知れませんが、このような対処はパソコンの寿命を縮めることにつながってしまうため、できるだけ最終手段であると考えておくと良いでしょう。
基本的にフリーズというのは、大抵の場合ちょっとした対処で解決することができる問題です。ただ、場合によってはハードディスクの損傷などのハードウェア面での問題が関係していることもあり、このような場合についてはハードウェアの交換というより根本的な解決を求める必要があるかも知れません。

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