ネズミがいるかも?兆候と駆除方法、対策について

住宅被害と言うとシロアリやスズメバチを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はネズミによる住宅被害も多く報告されています。このページでは、そんなネズミに関する被害や駆除方法、対策について紹介したいと思います。

ネズミによる住宅被害に関する情報が少ないのは、そもそもネズミを見たことが無い人が多い為です。ネズミは薄暗いところを好み密かに被害を広げていきます。その点、スズメバチやゴキブリ等は人の目に付くところに出現しますし、シロアリについては被害が甚大な為、積極的な対策がとられているわけです。情報は少ないのですが、被害が大きくなってしまうのがネズミの厄介なところです。是非、このサイトの情報を参考にしてみて下さい。

①ネズミによる害

ネズミによる害として気を付けたい3大ポイントが「建物の被害」「ダニの発生」「病原菌の蔓延」です。いずれか1つでも大事ですが複数重なることも多く注意が必要です。それぞれについてどんな被害があるか順番に見ていきましょう。

①-1建物の被害

ネズミは強靭な前歯を持っており、建物の様々な部分を食い荒らします。正確には食い荒らすと言うよりは、適切な食事を行なう為に前歯が伸びすぎないよう硬い物で前歯を削っています。ただ、この習性により建物に被害を起こしていくのです。ネズミによる建物の被害で最も大きいのが「柱の損傷」です。大黒柱をはじめ、屋根裏に張り巡らされている骨組み部分の柱を削り散らかします。住宅の幹になる部分の柱が削られてしまうと雨漏りや傾きの原因となり最悪倒壊も恐れもあります。特に地震が多い日本においては建物の強度が最重要とされていますので、ネズミによる建物の劣化は一大事と言えるでしょう。

また、屋根裏に潜んでいるネズミも多く、屋内の電気ケーブルをかじってしまうケースも多発しています。電気ケーブルがかじられてしまうと漏電の可能性もあり、最悪火災に繋がってしまうこともあるので注意が必要です。

①-2ダニの発生

ネズミには必ずと言って良いほどダニが寄生しています。特に多く寄生しているのが「イエダニ」です。このイエダニは吸血性のため、人間の血を吸うこともあり、感染症などの可能性はもちろんあります。最も怖いのがペスト菌の感染です。ペスト菌を持ったネズミを吸血したダニに噛まれることで感染します。ペスト菌に感染すると死に至る事もあるため要注意です。また、ネズミのダニの影響が最も大きいのは「ヒョウヒダニ」の増殖と言えます。ヒョウヒダニはイエダニの死がいを食べて増殖します。よく「ダニに刺されて痒い、腫れた」と聞くことがありますが、この原因の8割以上はヒョウヒダニと言われています。ネズミが発生すると言うことはヒョウヒダニの増殖にも繋がってきますので、いずれ人間にも害が及ぶことになってしまいます。

①-3病原菌の蔓延

ネズミは、地下や下水道など環境汚染が進行している場所に多く生息しているため、サルモネラ菌や腸チフスなどの様々な病原菌を抱えています。そんな多くの病原菌を抱えたネズミは、次々に住処を変えて行く為、どんどん病原菌を蔓延させて行きます。病原菌は人間だけではなくペットにも影響を与えてしまう為、油断出来ません。特にネズミに噛まれてしまったときは、体内に病原菌が入り込んでしまう可能性があるため注意しましょう。

②こんなときはネズミが家にいる可能性が

普段自宅に居てもあまり気づくことが無いネズミですが、実はよく観察するとネズミが居るかどうかわかる方法があります。これまでに紹介している通り、多くの被害をもたらすことがわかっていますので、ネズミが居るとなれば少しでも早く発見し、対策したいですよね。ネズミが居る家には、ある特徴がありますので順番に紹介したいと思います。

②-1天井裏、壁から音、鳴き声が聞こえる

ネズミに最も気づきやすいのが「ネズミの生活音」です。特に天井裏から「カタカタカタ」「トトトト」という音が聞こえたら、それはネズミの足音です。古い家になるとネズミを追いかける猫の足音まで聞こえてきますが、ネズミ自体500mlのペットボトルサイズにまで成長することもあるので多少大きな音がする場合もあります。

また、「キィキィ」と言う音はネズミの鳴き声の可能性が高いです。ネズミは「チューチュー」と鳴くイメージが強いと思いますが、実はキィキィと鳴きますのでよく耳を澄ませて見てください。

補足として音は左右上下の壁に反射して聞こえてくると言う点です。外で音がすると思っていても実は家の中だったと言う事がありますので、ここに挙げたような音が聞こえた場合、屋内にネズミがいると思っても良いかもしれません。少なからず音がするということは怪奇現象等では無いので、その後の経過にも注目しましょう。

②-2フンが落ちている

家の中や庭、家周りにフンが落ちていたらネズミが潜んでいると考えたほうが良いでしょう。ネズミのフンは、細くて短い形状と言う特徴があります。だいたい1cmくらいで細く黒い固形物があったらそれは、ネズミのフンと考えてください。基本的には一箇所にいくつか集中していることが多いのですが、ネズミが動いたときなどに一緒に動いてしまうこともあるので半径20~30cm位にいくつか落ちていないか確認してみましょう。

②-3食品の袋等に穴が開けられている

実は、ネズミは非常に賢い動物なので人間の目を盗んでキッチンに入り込んでいることも多々あります。特に飲食店の厨房などはネズミに狙われやすく注意が必要です。ネズミがキッチンや厨房に忍び込むのは夜間が多いのですが、注意したいのが食品です。パンやお米などの袋を破ってしまうこともあるので、食品の袋に知らない穴が開いていたらネズミの存在を疑っても良いかもしれません。

②-4ダニが多く発生している

ダニが急激に増えた!と言う場合もネズミが家に居る可能性があります。そもそもダニが増える環境と言うのは「高温多湿」「エサが豊富」のどちらかと言われています。ですから暖かくなる時期には多く見られるのですが、それ以上にダニが繁殖しやすいようなエサが豊富な家では一年中ダニが出ると考えて良いでしょう。これらのサイクルとネズミを関連付けるのがイエダニの存在と言えます。ネズミには必ずと言って良いほど寄生しているイエダニの死がいはヒョウヒダニの好物でもあります。ですからダニが増えたということはネズミが運んできたダニが原因となっている可能性が高く、そうなってくると家にネズミがいる可能性も高まります。

②-5壁に穴、隙間がある

壁に穴や隙間がある場合、ネズミが家に居る可能性が高まります。特に意図しない穴や大きな地震も無かったのに隙間が発生している場合はネズミにかじられた可能性が高いので注意しましょう。その際の注意点ですが、地面からの高さなども参考にしましょう。ネズミは柱の途中をかじることが難しく地面に足を付けて前歯が届く範囲かどうかと言う点がポイントです。また、基本的には近くでみないとわからない程度のキズがほとんどですから、定期的に注意深く見回りすることをおススメします。

③自力で駆除するメリット、デメリット

ネズミの場合は、スズメバチやシロアリとは異なり自力での駆除も比較的容易に行なうことが可能です。とは言え少なからず注意点もありますので、自力で駆除するメリットとデメリットについて紹介したいと思います。

③-1メリット

自力でネズミを駆除する最大のメリットは、金銭面と言えるでしょう。業者に依頼すると家の規模にもよりますが、1回で数千円から数万円かかります。それに比べて自力で駆除出来れば、その分の費用は無料になります。また、ホームセンターなどでネズミ撃退グッズを購入した場合でも、グッズ自体が千円から二千円前後で購入可能なので大幅はコストダウンを図ることが出来ます。ネズミ駆除を行なう場合、スズメバチの巣を駆除するように1度の作業で終わるとは限りません。このコストが複数回発生することになると大きな出費に繋がりますので、その費用を節約出来ると言うのは大変大きなメリットと言えるでしょう。

スケジュールを自由に組めると言うメリットもあるでしょう。業者に依頼することになると日程の調整が必要になりますので、都合を合わせなければなりません。大概は土日に対応をお願いすることになるのでその煩わしさもなくなります。また、主婦にとっては業者を呼ぶ為に掃除をしなければならないので、その必要が無くなると言う点も大きなメリットと言えるでしょう。

③-2デメリット

自力でネズミを駆除する最大のデメリットは、完全に駆除出来ない場合があると言う点です。業者に依頼すれば、ネズミの習性や行動パターンをよく理解していますので一網打尽となる可能性も高いです。ネズミは繁殖力が強く一匹見つけると大体の場合複数匹いると言われていますが、自力で駆除する場合何匹いるか、どこら辺に固まっているかがわからないというデメリットは付いて回るでしょう。

また、自力で駆除を試みた場合、成功するまでに長時間かかってしまう可能性が高いと言うデメリットもあります。ネズミは夜に行動することが多いため、行動パターンの把握や調査に時間を要します。更にその時間も対応の必要があると言うデメリットもあるので心身共に疲労が蓄積してしまう結果となるでしょう。

④自分でできる駆除、対策方法

ネズミの駆除や対策方法はいくつかありますが、自力で簡単に行なえる方法を紹介したいと思います。基本的には複数の方法を組み合わせることが強力ですが、どれか1つだけでも効果がありますので状況に合わせて行なってみてください。

④-1捕獲する

最も単純でポピュラーな方法が捕獲です。捕獲と言っても手や網で捕まえるのではなく、専用の捕獲用品を使用します。捕獲用品には粘着タイプと挟みタイプがありますので、設置場所の形状に合わせて利用すると良いでしょう。粘着タイプは人間でも剥がせないくらい強力ですが、小さく素早いネズミの場合逃げ切られてしまうこともあります。また、挟みタイプの場合、1匹を高確率で捕獲することが可能ですが、そのまま死がいを見てしまうことになります。いずれの捕獲用品も優秀ですが状況に応じた使い分けが必要と言えるでしょう。

④-2追い払う&寄せ付けない

侵入してきたネズミを追い払う、または一度家を離れたネズミを寄せ付けないと言う対策もあります。ネズミは、強烈なニオイを嫌がりますので忌避剤などの使用が効果的です。また、最近では簡単に設置出来る超音波式のネズミ駆除器も登場しました。この駆除器はネズミが嫌がる音を出し家に寄せ付けない効果があるため、家が汚れたりガスが充満すると言ったことも無く手軽に利用出来、注目されています。

④-3侵入経路を塞ぐ

侵入経路を塞ぐと言う対策も有ります。ネズミは2cmほどの隙間が有れば侵入可能です。通気口や換気扇、戸袋の隙間など様々なところから侵入してきます。そう言ったネズミの侵入口となる場所に専用のネットや金網を設置することで侵入経路を塞ぎます。こちらもホームセンターなどで簡単に手に入るので手軽に設置可能です。ただし、ネットや金網を破られていないか定期的に確認することが必要と言う点やそもそも自宅内にネズミが居るときに侵入経路を塞いでしまわないようにする点については注意しましょう。

⑤自力でできない、やりたくなければプロに任せましょう

ネズミの駆除や対策は大変ですし、やりたくないと言う人も多いでしょう。そう言った場合はプロの業者にお願いしましょう。自力で駆除するよりは費用は掛かりますが、確実にネズミの駆除・対策を講じてくれます。女性の独り暮らしであったり高齢者のみのご家庭では、自分で駆除するよりもプロにお任せした方が良いと言えるでしょう。

注意する点と言えば、ネズミ駆除の業者は沢山あるので依頼は慎重に行なうと言う点です。高いお金を出してプロにお願いして駆除に失敗してしまっては元も子もありません。まずは複数の業者に見積もりを依頼することや口コミサイトなどを利用してよく比較検討しましょう。

まとめ

ネズミに関する被害は紹介したとおり甚大です。特に建物に大きな被害が起きてからでは取り返しが付かなくなってしまいます。また、あまり大きな問題となることは少ないのですがダニによる被害も軽視出来ません。いずれにしてもネズミが家にいるかもしれない!と思った時は、早急に対策を講じましょう。

ネズミが家に居るかもしれない!というサインはいくつかあります。特に屋根裏の音や柱、食品の袋にキズが付けられている場合は要注意です。また、侵入経路となる場所が黒ずんでいる場合、ネズミの体から付着した可能性が高いです。いずれにしても当サイトで紹介している「音がする」「フンがある」「食品の袋に穴」「ダニの発生」「壁に穴・隙間」に複数該当している場合は、ほぼネズミがいると思って良いでしょう。

ネズミ駆除の方法や対策についてもいくつか紹介しましたが、自力での駆除や対策も手軽に行なえるようになりました。お金を掛けずに行なえる方法がほとんどなので積極的に行なってみてはいかがでしょうか。どうしても自分でやりたくない!もしくはできない!と言う人はプロに任せましょう。多少の費用は掛かりますが短期間で確実な駆除が実施出来るででしょう。

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