漏電?ブレーカーが落ちたとき、確認してみよう

お風呂あがり、エアコンで快適になっているお部屋で髪を乾かそうとしてドライヤーのスイッチを入れた瞬間に、「バチン!」と音がしたかと思うとお部屋全体が真っ暗に! こんな経験、きっとあるのではないでしょうか。
これは所謂、ブレーカーが落ちたという状態です。
こんなことは起きて欲しくないと思うでしょうが、ちゃんとした原因があって起きているのです。
原因を知ってその対策をしておけば、いきなりお部屋の中が真っ暗になってしまうということは防げるし、もしものときにどうすれば良いのかもわかるものです。

ブレーカーが落ちるという現象はあまり歓迎したくはないものですが、とても大きな役割を持っているのです。
それは電気を安全に使い続けるために、敢えてそうなっているのです。
それでは先ずブレーカーが落ちる原因とはいったい何なのかというところから、お話していってみましょう

電気を使っている状態に何かの原因・異常があるから、ブレーカーが落ちる。

引き込み線
引き込み線

①ブレーカーが落ちる原因

ブレーカーが落ちる原因は、次の二つのいずれかの場合に限定されています。
つまりこの二つのどちらかが原因なのですから、何も起きる前であっても予測しておくことも出来ると言えるでしょう。

ブレーカーが落ちる原因は、電気の使いすぎであるか漏電しているかのどちらかです。
いずれにしてもそのまま電気を使い続けると何か大きな被害が起こってしまうかもしれない、そのように想定されるから一時的に電気を遮断して安全を確保しようとしているのです。
それでは、その各々について詳しくお話していくことと致しましょう。

電気の使い過ぎ

先ず、電気の使い過ぎという場合です。
電気製品はその特性もあり、使う電気の量がある程度決まっています。
使われている電気製品で消費される電力が、お家全体の消費量を上回ったとき、電気の使い過ぎという状態になります。
つまり電力の消費量がどの程度であるのかを知っていると回避する目安にもなるでしょう。

ブレーカーの落ちる原因として良く知られている家電製品と一般的な消費電力はこのようになります。
■10アンペア・掃除機や電気ケトル
■12アンペア・ヘアドライヤー
■13アンペア・炊飯器や食器乾燥機、衣類乾燥機
■14アンペア・IHクッキングヒーターやオーブン
■15アンペア・電子レンジ
ざっと見ていても、キッチンにあるものが大きな電力を消費しているのが分かるでしょうか。
これらの家電製品は同時に使用されることも多いものですから、それらが積み重なって使用されているととても大きな電力を消費していると分かるでしょうか。
それに加えてエアコンなどを使用し部屋の電気もつけていればあっという間に限界を迎えてしまうのです。
このアンペアブレーカーの分岐先には、安全ブレーカーというものが付いています。一般的にはこの安全ブレーカーが落ちることも多いのです。
アンペアブレーカーが契約アンペアに対するものとすれば、安全ブレーカーは個別の電力管理といえるものです。個別の部屋単位であったり、個別のコンセント単位のものと考えると区別しやすいでしょうか。安全ブレーカーは一時的で個別の電力により落ちるものですから落ちたならスイッチを入れ替えるだけで問題はありません。
アンペアブレーカーや漏電ブレーカーよりも補助的と言えるでしょう。

漏電

次に漏電の場合です。
漏電とはその字のごとく、電気が漏れている状態です。
電気が漏れるという現象は想像が付きにくいでしょうか、そうであれば水道にホースをつないでお風呂に水を張っているところを想像してみてください。蛇口やホースに問題が無ければ、どこにも水は漏れませんが途中に穴が空いていたり取り付けが甘かったりしたらどうでしょうか。
これが電気の場合は、漏電となります。原因としては配線コードが古くなっていたりコンセントが古くなってたりして起こることも多々あります。
また豪雨などにより雨漏れし、それが原因で漏電してしまうという場合もあります。

このように電気の使い過ぎや漏電によって、ブレーカーが落ちてしまうのです。
さて、このブレーカーの落ち方により原因が違い更に対策も変ってきます。
ブレーカーと一言で言っても、二つの種類がありそのいずれかによって対策も変ってきます。
それでは具体的に二つのブレーカーが落ちたときに確認するポイントを、アンペアブレーカーと漏電ブレーカー各々に分けてお話して参りましょう。

②落ちたときにまず確認するポイント

ブレーカーが落ちたと言っても、それがアンペアブレーカーなのかそれとも漏電ブレーカーなのかで大きく変わってくるものです。
各々のブレーカーの持っている役割やその対処方法は次のようになります。

個別ブレーカー
個別ブレーカー

アンペアブレーカーが落ちた場合

アンペアブレーカーが落ちるときは、電力会社との契約アンペアを超えて電気を使用した場合です。
一瞬であっても、契約電力を超えているからその安全性を確保するために一時的に電力供給をストップしているので復旧は簡単です。ブレーカーが落ちるのは概ね部屋単位になっていますから、ブレーカーが落ちた部屋以外はそのまま電気が使えているでしょう。アンペアブレーカーが落ちたとき、多くの場合はつまみが下向きになっているのでこれを上向きにすることで回復します。
しかしまったく同じ状態で使用を開始すれば再びブレーカーが落ちることになるので、復旧させる前にはいくつかの電源を切っておくと良いでしょう。特に電力消費の大きいものを切っておくと安心できます。消費電力の大きいものの目安としては、熱を発したり逆に冷却したりするものを考えると良いでしょう。そして次に動作を伴うものです。モーターを回したり、止まっていたものを動かすときは思っている以上に電気が使われています。

漏電ブレーカーが落ちた場合

漏電ブレーカーは家の中で、漏電が発生した場合に作動します。
漏電は家の中のどこで発生するかわかりません。漏電ブレーカーは家の中に漏電が起きたときに発生する、異常な電気の流れを感じ取ると作動する余らにできています。
漏電はその発生場所だけでなく、他の電気回路にもとても大きな影響を与えてしまいます。そのようなことの未然に防止するために漏電ブレーカーが取り付けられているのです。
漏電ブレーカーは、0.03アンペアで作動します。これはこの数値を超える電流が人体にも影響を与えるからです。つまり、かなり危険といえます。
漏電ブレーカーが作動したら、全ての電気器具をコンセントから抜いてから、ブレーカーのスイッチを入れます。このときに、再び漏電ブレーカーが落ちるようであれば素人が手におえる範疇ではないと言えます。専門の電気工事業者による点検が必要です。
家電器具に問題があった場合は、その器具をコンセントに接続したときに漏電ブレーカーが落ちます。そうなった電化製品は危険ですから絶対に使用しないでください。

③電気が復旧しないときは

ブレーカーが落ちても、復旧してくれればそれで特に問題はないでしょう。
しかしどうしても復旧しないときもあります。このような場合には速やかに専門家に頼ることが一番です。それは電気が目に見えないことも理由の一つです。目に見えないものであるのですから、きちんとした知識と技術を持っている専門家ほど心強い味方はありません。

先ず、最初に考え付くのは電力会社に電話することでしょうか。電気を使う契約をしているのですから一番確実とも言えるでしょう。
電力会社との契約書はすぐに見つけられなくても、毎月の電力使用量確認票とかを見ると連絡先が書いてあるのでそれを見れば連絡先は分かるでしょう。当然ながら、電気が使えなくなっているのですからパソコンで調べるという方法も危ういですね。スマートフォンやタブレットで調べるもの方法ですが、NTTの番号案内でその地域の代表番号を聞き、そこから担当部署なりを教えて貰うという方法もあります。
電力会社のトラブル発生時の窓口連絡先を調べておいて目の届くところに貼っておくというのもひとつの方法です。

電力会社に直接電話するというのも、方法としては間違っていません。しかし地元の電気工事店であれば、移動する時間もかなり短縮できます。
電気工事の専門業者は全国各地にあります。そういったところは地元で実績を持っているので安心ということもあります。ここで気を付けて頂きたいのは、ちゃんとした専門業者であるかということです。単純なことであっても、電気というものは大きな被害をもたらすこともあります。地元にある専門業者は、電力会社の指定工事店や認定工事店として登録されています。こういったお店を事前に調べておくと良いでしょう。
決して素人判断で工事したりしないでください。電気は便利なものですが、危険なものでもあります。金属を接触させたり、濡れた手で触れないように注意しておくことも大切です。

④ブレーカーを落とさないために

電気が普通に使えている生活は、当たり前のものと感じているのではないでしょうか。当然ですよね。でも、それが一瞬にして使えなくなると大変ですね。
ブレーカーを落とさずに使い続けるためにはいったいどのようなことに注意していれば良いのでしょうか。普段の生活の中でどのようなことに注意していけば良いのか、簡単に取り纏めてみましょう。

単一コンセント
単一コンセント

電気を使い過ぎない

一番大切なことは、電気を使い過ぎないことです。これは普段から意識しているだけでもかなり効果があります。また、電気を使い過ぎないということは電気代の節約にも大きく関わってくるものです。
まったく電気を使っていないという状態は、なかなかありません。自分では意識していなくとも、テレビでも冷蔵庫でも待機電力という消費があります。当然、お家にある家電製品の数が増えるほど消費電力も増えていくのです。コンセントを抜かない限り、消費電力がゼロではないと考えておくと良いでしょう。
エコロジーという考えも大切です。必要が無いのにつけたままの電燈などもつもり重なると大きな電力消費になります。同じ家電品でも、省エネタイプのものに買い替えるというのも一つの方法と言えます。

契約アンペア、プランの変更

家族が増えたり、生活様式が変わったりするとそれによって消費される電力も変ってきます。
これまで一人暮らしで夜しか家に帰ってこなかった人が、家族が増えて一日中誰かが家にいるとなれば使用電力も全く変わってきます。それまでは十分な電気の使用量だったとしても、環境が変わるのですから、ブレーカーが何度も落ちるというようなことにもなるでしょう。
契約アンペア数が果たして適正であるのかを、必要に応じて見直すことをお勧めします。同時に動かす家電製品が増えれば当然必要なアンペア数も違ってきます。また、同じように電気料金のプランも時折は見直しが必要です。
各電力会社では、このような契約内容やブランの見直しを積極的にサポートしてくれています。せっかくの機会ですから、こういったサポートを上手に利用してみてはいかがでしょうか。

集合コンセント
集合コンセント

まとめ

これまで何の不都合もなく生活が出来ていたのに、ブレーカーが落ちるという一大事に見舞われると冷静な判断が出来なくなるでしょう。
しかし、ブレーカーが落ちるという場合には、ちゃんとした理由があるのです。電気を使い過ぎているから、警告としてブレーカーを落としてくれていることも有ります。また、お家の家電製品や配線の異常を知らせるためにブレーカーが落ちることもあります。
アンペアブレーカーも漏電ブレーカーも、そして安全ブレーカーもその各々が安全に電気を使って生活できるように手助けしてくれているのです。
ブレーカーが落ちるということは、何かの異常があったというお知らせです。そのお知らせを正しく認識して、最も適切な対応をすることでブレーカーが落ちるということを減らしていけるでしょう。

これまでは、電気はその地区の電力会社からしか供給を受けられないものでした。しかし時代の変遷とともに電力も自由に会社を選べるようになりました。
東京電力や関西電力などの電力会社だけではなく、都市ガスの会社がガソリン会社や通信会社からも電力供給を受けられるようになってきました。なかには、自宅で太陽光発電を行って余った電気を電力会社に売ることまでできるようになりました。
しかし、どんな方法を使っていたとしてもブレーカーが落ちるという現象は無くなることはありません。それは、安全であり続けるための警告という一面を持っているからです。
誰しも、急にブレーカーが落ちて楽しい気分になることなどないでしょう。しかし、それがなかったら大きな事故を引き起こしているかも知れないのです。
ブレーカーが落ちるということは、普通にいつ起きたとしても不思議ではないこと。そしてそれは何か問題が起きかけていることを知らせてくれているのです。
ブレーカーが落ちても、慌てずに落ち着いて対処して頂けるようにお役立てください。