シーリングファンをつけるメリットは?効果はある?

今、多くの家庭などで愛用されるアイテムのひとつにシーリングファンがあります。構造としては扇風機と同じですが、扇風機とは異なるメリットがあるアイテムとして重宝されています。
しかし、シーリングファンを付けることでどのようなメリットが得られ、どのような効果があるのか、具体的な情報をご存知ない方もいるはずです。
そのような方々のためにシーリングファンを導入するメリットや具体的な効果についてご説明してまいります。

①シーリングファンとは

名前くらいは聞いたことがあっても、シーリングファンの具体的な活用方法や構造はご存知ない方も多いのではないでしょうか。まずはシーリングファンの概要を説明します。

1.1住宅や店舗で空調システムとして機能

シーリングファンという名称を聞いても、どのような品物なのか想像がつかない人もいるでしょう。しかし、実際には意外と多くの店舗や住宅において既に用いられているアイテムですから、実は気づかないうちに目にしていたことがある方は多いものです。
シーリングファンは端的に表現すれば家や店舗などにおいて天井にあるシーリングを活用して取り付ける扇風機のことです。扇風機と同じようにいくつかの羽根が備わっており、これを天井に付けることで室内の空気を循環させる機器です。室内の空気環境を整えるためには加湿器や空気清浄機、除湿器、さらにはエアコンや扇風機など様々な電化製品が存在していますが、この中でもシーリングファンを選ぶ人は多くなっていると言われています。
電気コストの安さや静かな稼働、見た目のオシャレさなど様々な要因からこうした状況になっています。空気を循環させて室内の空気すべての温度を一定に保つこともできることから、エアコンなどの効き目を効率化させる効果もあると言われている代物です。

1.2天井に手軽に付けられる安心感がある

天井に備え付けるとなれば面倒な工事を想像しがちですが、シーリングファンは電気照明器具の装着と同じ形で備え付けることが可能です。
照明機器を部屋の明かりとして付けた経験がある方ならわかると思いますが、今は戸建て住宅や分譲マンション、賃貸住宅などにおいて天井に共通の器具が備わっており、これをシーリングと呼んでいます。
角型シーリングや丸型シーリングがありますが、それぞれ照明器具についている爪部分をひっかけて回すだけで装着ができます。とてもシンプルな方法のために女性であっても気軽に照明器具を付けられるようになっているわけですが、シーリングファンもこれと同じ仕組みです。
つまり、脱着がとても手軽なので、面倒な手間暇は不要ですし、専門知識も不要です。さらにオシャレなデザインのものや木目柄のデザイン、ホワイトやブラックなど部屋に馴染むカラーのシーリングファンなども多いため、どのような家や店舗であっても問題ないアイテムと言われています。
部屋のインテリアとして導入している人も多いですし、エアコンの補助的な役割を果たす意味合いで導入されている方も多いです。目的は人それぞれでしょうが、部屋の印象や快適性を大きく変えてくれる可能性がある代物なので、部屋の模様替えや引越しを検討されている方、さらには照明器具の変更を検討されている方などは、ぜひシーリングファンの魅力を把握してみてください。

②種類

ひと口にシーリングファンと言っても様々なタイプがあります。自分が求めるタイプがどれなのか、しっかり吟味しましょう。

2.1照明と一体になったタイプ

シーリングファンには主に2つのタイプがあります。ひとつは風を部屋に送り出すファンとしての機能のみを備えたシーリングファンです。もうひとつは照明器具としての機能も兼ね備えたシーリングファンです。
お住まいの家によって異なりますが、天井に照明器具の受け皿となるシーリングが設置されていても、その数には限りがあります。そのため、部屋の天井に照明がひとつしか装着できない環境にある人が照明機能の備わっていないシーリングファンを付けてしまうと、その部屋は照明のない部屋となってしまいます。
無論、室内照明にも様々なタイプがありますので、必ずしも天井から明かりを照らさないといけないとは限りません。間接照明やスポットライトを通常の電源コンセントと繋いで使用する方法もあります。
しかし、天井に明かりがないと困るということであれば、ファンだけにシーリングを独占させるのではなく、照明器具としての機能も備わったシーリングファンを使用しましょう。このタイプであれば、部屋の空気を循環させるという機能と室内を明るく照らすという両方の機能を果たしてくれます。

2.2多彩なラインナップが存在

それぞれの機器によって異なりますが、ファンと照明が合わさっているタイプの場合、電源のオンオフが共通になっているものと、別々になっているものがあります。つまり、明かりを消したくて電源をオフにした場合、同時にファンも止まってしまうタイプもあれば、照明は切ってもファンは回り続けるタイプがあるのです。
蒸し暑い夜間などにファンの機能のみを使用したいという場合、後者のタイプのほうが役立ちますので、その点も考慮した上で最適なシーリングファンを選んでみましょう。
さらにファンの回転速度を調整できるタイプや明るさを調整できる調光タイプのシーリングファンもあります。そのときどきの状況に合わせて最適化したい人にとっては、細かい調整ができるのはありがたいはずです。
また、冬と夏では風の送り方を変えてくれるシーリングファンもあります。夏は下に風を送り、冬は天井付近に集まってくる暖かい空気を下に下に送り出す役割を果たしてくれるファンもあります。それぞれの目的に応じて最適なシーリングファンを選んでみましょう。

③効果はある?おすすめの取り付け場所

見た目のオシャレさなどシーリングファンには独自の魅力がありますが、そもそも経済面や涼しさなどにどのような効果をもたらすのでしょうか。

3.1シーリングファンがもたらす効果とは

シーリングファンは風を室内に送り、空気を循環させる役目があります。たとえば夏の暑い日にはエアコンが欠かせませんが、暑いからといってエアコンのお世話になりっぱなしの場合、電気代が頭痛の種になる場合もあります。そのため、扇風機との併用が室内を効率よく涼しくする方法と言われています。
そして、扇風機以上に室内の空気を循環させることに長けていると言われるのがシーリングファンです。天井から空気をかき回すため、室内にある空気をほぼ全て循環させ、エアコンから出た冷風を効率よく室内全体に行き渡らせることが可能と言われています。
さらに天井に備わっていることから室内のスペースを狭くしないという特徴もあります。部屋の広さにもよりますが、扇風機を置くことで部屋が狭く感じる方もいらっしゃるはずです。しかし、その機能を果たす機器が天井にあれば場所を取りませんので、この点からも注目したいアイテムと言えます。

3.2より効果を得られる設置場所とは

取り付けをおこなう場所によっては効果が得にくいケースもあると言われるのがシーリングファンです。無論、どのような部屋で使用するのかによりますが、室内全体を涼しくしたい、もしくは暖かくしたいという思いがあるならば、全体を見回してちょうど中央あたりにシーリングファンが配置される状態が望ましいと言われています。
人によってはエアコンの冷風を効率的に流そうとエアコンのすぐそばにあるシーリングに設置する人もいます。この場合、たしかにエアコン付近のスペースは涼しくなるでしょうが、そこから離れた場所は少々暑くなるなど、部屋の中の温度に差が生じることもあります。
やや離れた位置にシーリングファンを配置して、エアコンからの風をさらに奥へと押し広げる役割をシーリングファンに果たしてもらったほうが、より効率よく室内の環境を良くしていけると言われています。そのため、部屋の状況をよく考えた上で空気の流れを想定し、シーリングファンを設置する場所を検討しましょう。

④メリット・デメリット

様々なメリットのあるシーリングファンですが、当然ながら一方ではデメリットと呼ばれるポイントも存在します。
ここでは隠すことなくメリットとデメリットをご紹介します。

4.1メリット

シーリングファンの導入によって得られるメリットのひとつに経済的な効果があります。暑い日には冷房機器を使い、寒い日には暖房機器を使用するのはどこの家庭でも同様ですが、気になるのは電気代やガス代です。
その点、シーリングファンをここに組み入れることで、低コストで部屋を涼しくしたり、暖めることも可能と言われています。たとえばエアコンのみで部屋全体を涼しくしようとするよりも、シーリングファンによって空気を循環させたほうがより効率よく涼しくすることができます。これまでよりもエアコンの設定温度を高くしても十分に涼しさを感じられると言われるため、エアコンの電気代が安くなるケースが多いのです。
シーリングファンの電気代は商品にもよりますが、おおよそ1時間の稼働で1円程度とされています。つまり、10時間動かしても10円前後ですから、エアコンをフル稼働させるよりも経済的なのです。
さらに、ストーブなどを用いて部屋を暖める場合にも、天井付近に集まってしまう暖かな空気を下に押し下げることができるため、同様に部屋の中を効率よく暖めることができると言われています。その結果、エアコンやストーブを使用するのは最小限度にとどめることができるので、お財布に優しいアイテムになると言われています。

4.2デメリット

シーリングファンのデメリットとして挙げられるのは天井にかかる負荷があります。照明器具にプラスしてファンとしての機能が備わっている機器の場合、それだけ重量もあります。そのため、照明器具だけを吊り下げるケースに比較して天井にはそれなりの負荷がかかります。部屋の天井がどのような状態になっているかによりますが、場合によっては補強などが必要になる場合もあります。
ただし、シーリングファンは人気が高まると同時に軽量化も進められており、場合によっては照明器具よりも軽いシーリングファンもあります。そのため、比較的築年数が浅い家であれば必要以上に心配することでもありません。
また、もうひとつのデメリットとしては、掃除の手間があります。天井部分に存在するため、掃除をおこなう際には脚立を用意するなどの手間が必要です。しかし、ファンを日常的に回している場合には羽にホコリが溜まることは稀です。照明器具と同様に時おり掃除をしてあげれば汚れなどが気になることもないので、この点もそこまで悲観的に見る必要はないはずです。

⑤取り付け方法

とても便利なシーリングファンですが、その取り付け方が気になる方も多いはずです。でも、かなり簡単なので安心です。

5.1シーリングを使用しての取り付け

シーリングファンの取り付け方は基本的に至ってシンプルです。部屋の天井にすでに備え付けられているシーリングにファン側の爪部分を入れ、少しだけ回転させれば固定されます。つまり、一般的な照明器具の設置とまったく同様なのです。
これだけの作業で設置が完了し、尚且つシーリングを通して電力も供給されますので、電気の配線なども不要です。すぐに使用を開始することができます。
また、そのシーリングに対する電源スイッチが部屋の壁などにあると思いますが、このスイッチの使用によってオンオフを切り替えることができます。
さらに、シーリングライトそのものにリモコンなどが備わっていて、こちらで操作することも可能です。いずれにしても特に難しい取り付け作業は不要なので、家にシーリングが備わっているならばすぐに使用できることを覚えておきましょう。

5.2直接方式での取り付け

シーリングファンを導入したいものの、自宅の天井にシーリングがない場合の対処法については電気屋さんに相談しましょう。電線のみが天井から少し出ていて、そこにシーリングを装着することでシーリングファンも取り付けることが可能ですが、この工事はいくら手先が器用であっても素人がおこなっていい行為ではありません。電気工事士の有資格者のみが可能な作業なので、電気屋さんに相談しましょう。
ただし、多くの場合、一戸建てであっても集合住宅であっても今の時代はシーリングがすでに天井に備わっています。そのため、このような工事をおこなう手間は心配しなくても良いケースが圧倒的です。
注文住宅などマイホームを新たに建設する際、部屋にシーリングファンを導入したいと思っているのであれば、業者に任せきりにするのではなく、どの位置にシーリングファンを取り付けるのが最善なのかを自分でも考えましょう。その上でシーリングをどの位置に設けてもらうのかを業者に相談しましょう。
いずれにしても自分でできると思って手を出してはいけない行為ですし、自分で付けて万が一にも照明の落下などが起きては一大事ですから、専門家に協力を得てください。

まとめ

室内の空気を循環させることでエアコンの効き目をよくしたり、場合によってはエアコンなしでも涼しさや温かさを手に入れることができると言われるのがシーリングファンです。
インテリアとしてもとてもオシャレなアイテムとなっていますので、ぜひ天井でシーリングファンを回してみてください。

  • シーリングファン
  • 照明