【もっと早く見れば・・・】PC(パソコン)のHDDが故障した時の対策法

パソコンやテレビなど、様々な機器に於いてデータを保存しておくために使用されるハードウェアであるのがHDDです。このHDDは比較的安価に多くの容量のデータを保存しておくことができる関係から、SSDが登場した現在においても非常に重要な記録媒体として使用されています。そんなHDDですが、弱点となっている点もあります。それは、他の機材と違って物理可動部分が存在しているということです。このような性質を持っていることから、他のものに比べると故障が起こりやすいという性質があり、壊れる場合に真っ先に壊れる事が多い、ということができるでしょう。ただ、HDDの状態を正しく判断しなければ、それが故障であるかどうかを判断することができません。
そんなHDDの状態が悪化しているという場合、その兆候として現れる事が多いのが、変な音がするというものです。それはちょっとした異音であることもあれば、うるさいと感じる程の音量になっていることもあるため、それぞれの事例に沿ってどのような問題が発生しているのかを判断する必要があるでしょう。
そこでここから先では、HDDが故障しているのではないか?と思ったときのための情報をいくつかの項目から紹介します。最初に紹介するのは「HDDから聴こえる音で故障かどうかを判断する」ということについてです。故障しているのであれば故障しているなりに対応を行う必要があるため、まずはこの部分をはっきりとさせておく必要があるでしょう。
次に紹介するのは「HDDが異音がするときの対処法」についてです。異音がしている、故障している可能性が高いと、感じる場合の対処をどのように行うのかを紹介します。
そして最後に「HDDの復旧」に関してです。もしHDDが故障してしまっている場合、中にはいっているデータの中でも重要なものだけでも、なんとか避難させたいと考えることでしょう。ここではそんなデータ避難に関する情報を紹介します。

①HDDから聞こえる音で故障かそうでないかを調べよう

それではまずはじめに、HDDから聴こえる音がどのようなものであるのかによって、それが故障によるものなのか、そうでないものなのかを判断することについて紹介します。HDDというのは物理可動部分があるハードウェアであるというのは先に説明したとおりで、これはすなわち通常駆動であっても駆動音は聞こえる仕組みをしているということです。問題はそれが正常な音であるのか、あるいは異音と言えるものなのかを判断すること、となるでしょう。
この先では「経年劣化に伴う異音」「突然聞いたことがない音がする」「なぜHDDから異音がするのか」という3つのポイントをピックアップし、HDDと異音に関する様々な情報を紹介します。

1.1HDDの駆動音は経年劣化に伴って大きくなる傾向がある

それではまず、HDDから聴こえる音の一つとして、駆動音について紹介します。この駆動音というのは通常から聞こえているものではありますが、普段はそれほど大きな音がするわけではありません。特に容量の大きなデータの書き込み、読み込みなどを行う場合については駆動音が大きくなる傾向があります。一方でSSDに関しては物理駆動のないディスクであるため、このような駆動音が聴こえることはありません。
基本的にこのようにHDDから聞こえている音については、モーターの回転音となります。このモーターによる回転音については通常から聞こえているものではありますが、長く使用していると経年劣化によってより大きな音となって聴こえる傾向があります。これがあまりに大きな音になってきている場合については、その段階では故障と言うことは出来ないものの、今後遠からずして故障可能性があると考えてデータの移行作業などを行い始めたほうが良いでしょう。駆動音が少しずつ大きくなってきているような状態は、ハードディスクが破損に近づいている状態と考えるべきです。これは内蔵のものであっても外付のものであっても同様であるため、いずれの場合でもしっかり対応が取れるように注意をしておくようにしましょう。

1.2突然今まで聞いたことのない音がしたら故障の疑い強し

次に紹介するのは、HDDから普段の駆動音とは違う異音が聞こえているという場合についてです。このような異音については、大きく2つの種類に分ける事ができ、それによって意味に違いがあります。まず最初の異音として紹介するのは、ピーというような音や、プーというような電子音の類です。駆動音とは明確に違っている音であるため、もしこのような音がしたならすぐに気が付くことができるでしょう。
次にもう一つは、カリカリというような機械音がする場合です。電子音がしている場合については、これは警告のためのビープ音である可能性が高く、基盤の損傷などが発生している可能性が考えられます。対して機械音の場合については駆動部分に対する故障が発生している可能性が考えられるでしょう。このような状態になってしまっているHDDについては、無理に稼働状態を継続させるとその分だけ故障状態が悪化してしまい、データの普及を行う事ができない可能性が高くなってしまいます。そのため、そのまま無理矢理使用を続けようとするのではなく、一時的に通電を行わせないようにして、別の復旧手段を取る事ができるように準備を整えておくのが良いでしょう。

1.3なぜHDDから異音がするのか。2つの原因

それでは、HDDから異音がしてしまう原因となるのはどのようなことなのでしょうか。異音がする場合の原因を大別すると、まず8割以上が「物理的損傷」であることが分かっています。最初に紹介したとおりHDDというのは物理可動しているハードウェアであるため、他のものに比べて物理損傷が発生しやすいという性質を持っています。これに対して論理故障と呼ばれるデータ上の問題が発生している場合は10%足らずで、その他についてはこの両方が発生しているか、原因がわからないか、というようなことが考えられます。
より具体的にどのような部分に問題が発生しているのかということを追求した場合には、ヘッドパーツが故障している可能性がまず高く、不良セクタの問題、モーターの破損というように続きます。そのため、機械音による異音が聞こえたという場合には、まずはヘッドパーツの物理損傷を疑うのが高確率となるでしょう。

②HDDから異音がする際の対処法

では、上記の様な異音がHDDから聴こえるという場合については、どのような対処を取るべきなのでしょうか。HDDの中には大事なデータが入っているという場合もあり、できることなら無事にそのデータを取り出したいと考える場合が多いでしょう。どうすることでそれを可能とすることができるのでしょうか。ここから先では、実際に異音が発生してしまった場合の対処法について、いくつかのプロセスから紹介します。これらの対策をできるだけ迅速に行うようにすることによって、より安全にこのHDDのデータを確保できる可能性が高くなります。
最初に紹介するのは「HDD故障の疑いの際にしてはいけないこと」、次に紹介するのは「電源が切れるものはすぐに切ること」、3つ目は「データ消失が起こる前にするべきこと」、そして最後は「HDD診断ソフトで状態を確認すること」の4つです。これらについて抑えておくことで、いざHDDが故障した場合にも、より適切な対応を取ることができるようになるでしょう。

2.1HDD故障の疑いがある時にやってはいけないことは?

まずはじめに、HDDから異音がして、故障の疑いがあるという場合に、してはいけないことについて紹介します。これらのことをすると症状を重篤化させてしまう可能性が高いため、避けるようにしましょう。
まずしてはいけないのが、電源を付けたり消したりすることです。使えない状態になると再起動をする、ということが多いかと思いますが、こと故障しているハードディスクに関してはこれが効果的とは言えません。むしろオンオフを繰り返すことは負担をかけることになり、より酷い故障状態になってしまう可能性が考えられます。
次に紹介するのは、外付HDD別のパソコンにつないで見る、ということです。データの読み取りなどに問題が発生している場合、HDDではなくパソコン側の問題であると考えてこのようなことをしてしまう場合があるのですが、これもやはりかかる負担が高い行為であるため、HDD側の問題が大きくなってしまう可能性があります。
さらに、叩くような衝撃を与えることもよくありません。ブラウン管テレビのような感覚で叩いたとしても、HDDのような精密機器が治るということはまずもってありませんので、絶対に強い衝撃を与えないようにしましょう。物理的損傷が問題となっている可能性が高い以上、このようなことをするとよりひどい状態になってしまう可能性が高いためです。
さらに、分解をするのも避けるべきことの1つです。構造を熟知しているのでもなければ、状態を悪化させることに繋がるためです。

2.2電源が切れるものは速やかに切り、ネットワークから切り離そう

このような場合にすぐにやるべきことの1つとして、電源が切れる物がある場合にすぐに切り、他の機器と接続させないようにする、ということを上げることができます。前述の通りHDDが故障している場合その原因となっていることが多いのは物理的損傷ではありますが、中にはコンピュータウィルスによる影響によって故障してしまっている可能性もあります。このようなものであった場合、別の機材に接続させるようなことをすると、それだけで問題が拡大することになってしまいます。故障してしまっていると考えられる機器を別のものに接続させるようにするのは辞めて、できるだけネットワーク上のものの電源を切るようにしましょう。

2.3データ消失の危機。すぐにバックアップを取ろう

そして、何より重要なのはHDDの中にある重要なデータだけでもバックアップを取るようにするということです。HDDが故障してしまっている状態になっている場合については、このバックアップを取る作業が通常の手順通りでは行えない状態になってしまっている可能性もあります。このような場合については、直接他のHDDにたいして移し替えるような形でのバックアップとなるでしょう。比較的手間がかかることではあるため注意する必要がありますが、どうしても必要なデータだけでも避難させようとすることが重要です。

2.4HDD診断ソフトでHDD診断の状態を調べよう。過信は禁物

また、実際に発生している故障がどの程度のものであるのかを知るために、HDD診断ソフトのようなものを使用するというのも1つの方法となります。このようなものを使用することによって分かるのはあくまでも故障が重度であるのか軽度であるのか、という程度のことではありますが、もちろんこれがわからないのに比べればその後の対処についても考えやすくなるでしょう。
何か異常が発生してしまっている、ということがこの診断ソフトによって明確になる場合もあるため、作業を円滑に進めるためにも考えておいて良い方法の一つです。

③HDD復旧、業者に依頼する?自分で直す?

それでは、もし実際にHDDに問題が発生してしまっており、データの復旧についても行うことが難しい状態となってしまっている場合についてはどうするべきなのでしょうか。これについてはいくつかの方法がありますが「自力修理」「業者への以来」「できるだけ早い対策」という3つのポイントについて紹介します。

3.1用具、技術ともに揃わないと難しい?自力修復

まずは、故障してしまったHDDを自分で修復する方法についてです。これについては、不可能というわけではありませんが、かなり難しいものであるということは認識しておくべきでしょう。まずHDDがどのような構造をしているものであるのかを正確に理解している必要があるため、技術と知識が必要となります。
その上で、HDDの修理のためには特別な用具なども必要となるため、これらを揃える必要もあるでしょう。かえって状態を悪くしてしまう可能性も十分にあるため、よほど高い機械工学系の知識を持っているのでなければ、自分での修理を試みるのはハードルが高いと言えます。

3.2業者依頼はかなりお高くなる……とはいえ一度は見積もりを

それでは、業者に依頼をする場合についてはどうでしょうか。このような場合には2つポイントとなることがあります。まずは、業者であっても修理することができないような故障状態になってしまっている可能性が十分あるということです。そしてもう1つは、業者依頼を行う場合についてはどうしても高額になってしまうということです。この2つについて考えた上で、実際に依頼を行うかどうかを決めるようにするのが良いでしょう。
上記の様な問題があるとはいえ、とりあえず一度は見積もりを行ってもらうのが良いでしょう。その結果に応じて、依頼するべきかどうかを判断するのでも遅くはありません。

3.3データの破損を避けるためにも、故障の前兆に気づいたらすぐにデータ移行を

それで業者でも復旧出来ない可能性があるということを考えると、重要なのはデータ破損のような兆候が見られた場合には、できるだけ早めに対処をするようにすることです。故障の前兆が見られたという場合については、重要なデータだけでも早めにバックアップを取り、避難させておくようにしましょう。そうするだけでも、問題を比較的小さく抑えることができるようになります。

まとめ

それでは最後に、HDDから異音がするという場合のまとめについても紹介します。まず重要なのは、それが一般的な駆動音であるのか、あるいは異音と呼ばれるものであるのかを判断することです。電子音や機械音のような類の音が聴こえるという場合については、故障の可能性も高いため十分注意をするようにしましょう。
さらに、故障が発生しているという場合についてどのようにしてデータの移行や復旧を行うべきか、ということについても考えておくのが良いでしょう。バックアップを取る事ができるならば早めに取るようにしておくことが重要です。

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