【5分でわかる】Windows(ウインドウズ)を楽にアップグレード
Windowsの最新バージョンであるWindows10には、Windows7やWindows8.1などには無かった色々な便利な機能が搭載されています。
昨年行われた無料アップデート期間中には、多くの人が自分のパソコンをWindows10へとアップデートしました。 アップグレードデータの無料提供期間は2017年度末で終わってしまいましたが、現在でもアップデート用のOSを購入すれば簡単にアップグレードを行うことができます。
ここでは、Windowsのバージョンを最新のWindows10にアップグレードするときの方法や注意点を解説していきます。
①Windowsのバージョンとは
よくWindowsのパソコン、という呼び方をしていますが、正確にはWindowsとはマイクロソフト社が提供している基幹ソフトの名前であってパソコンの名前ではありません。
一見同じように見えてしまいますが、この基幹ソフトにも様々な種類やバージョンがあり、日々新製品の開発やアップデートが繰り返されています。 そして、Windowsのバージョンをアップグレードする際には、今パソコンにインストールされているバージョンを正しく把握しておくことが大切です。
まずは基幹ソフトについての簡単な説明と、バージョンの確認方法を紹介します。
1.1「OS」について
「OS」とは、OperatingSystemという単語の略称です。
その名前の通り、パソコンのシステムを動かすための基本となる動きを管理している役目を持っています。
OSにも様々な種類があるのですが、マイクロソフト社が提供するWindowsと、apple社が提供しているMacintosh、そしてオープンソースで無償提供されているLinuxという3つのOSが特に有名です。 今回はWindowsの記事なのでWindowsのことを解説していきますが、WindowsのOSにも様々なバージョンがあります。
WindowsXP、WindowsVistaといった名前を聞いたことがないでしょうか。
このWindows○○という名前が、WindowsのOSの名前となっています。 そしてこのOSには、同じバージョンでも2タイプのものがあります。
家庭用の「Home」というタイプと、ビジネス用の「Pro」というタイプです。
OSが入っていないパソコンにOSを一からインストールする場合は何を使っても大丈夫ですが、アップデートを行う場合は「Home」どうし、「Pro」どうしでしか行うことが出来ませんので気を付けましょう。
1.2現在のバージョンを確認するには
今使用しているパソコンのOSのバージョンが分からない場合は、パソコンのコントロールパネルから「システムとセキュリティ」→「システム」という項目をチェックすることで確認できます。
この項目ではWindowsのバージョンの他に、OSの処理能力を表す「ビット数」についても確認することができます。 ビット数とは、パソコンが扱うことのできる最小データを数値化した基準です。
32bit版と64bit版の二種類があり、こちらも同じbit数のものでないとアップグレードができません。
現行のほとんどのパソコンは処理能力の高い64bit版を搭載していますが、念のため作業前に確認しておきましょう。
1.3Windows10は何ができる?
Windows10には、大きな3つの特徴があります。
タッチ操作による入力に対応していること、スタートボタンの復活、ナビゲーターのCortanaの実装です。 タッチ入力による操作に対応したことで、タブレット端末への入力がよりスムーズになりました。
手書きの文字での入力や、画像への直接的な書き込みなど、直感的な操作がよりスムーズに行えるようになっています。 また、Windows8で廃止されたスタートボタンが復活し、Windows7以前のOSの使い心地に近くなりました。
Windows8で採用されたタイル式の画面はそのままですが、電源や設定などの基本メニューへのアクセス性が向上しています。 そして、Windows10から音声アシスタントのCortana(コルタナ)が実装されました。
音声による操作や調べものができる他、簡単な雑談にも応じてくれます。
カレンダーとの連動もできるので、スケジュール管理にも役立てることができます。
1.4アップグレードで引き継がれるデータは?
アップグレードを行っても、パソコン内の音楽や写真などのデータはそのまま引き継がれます。
ただし、インターネットのお気に入りやcookieなどの情報や、メールソフトの設定などは引き継がれないものがあります。 また、自動入力で記憶させていたパスワードなどの設定もリセットされてしまいます。
引き継がれるデータは多いですが、アップグレードに失敗して消えてしまう可能性もあります。
アップグレード後に消えてしまっては困るデータは、あらかじめバックアップを取っておきましょう。
②Windowsをアップグレードする前に
Windowsをアップグレードする前に、OSが10になってもパソコンが今のまま使用できるかを確認しておく必要があります。
不測の事態を防ぐためにも、まず以下の項目を確認し、パソコンが今まで通り使用できるかを確認してからアップグレードするのがおすすめです。
2.1パソコンのスペックを確認
パソコンには処理能力を示すいくつかの基準があり、その基準がソフトの推奨環境と合っていればソフトが快適に動作してくれます。
Windows10の推奨環境はマイクロソフトの公式サイトに書いてありますので、アップグレードしたいパソコンのパソコンと合っているかをまず確認しましょう。 ハードディスクの空き容量が少ない場合はデータを移動したり不要なデータを削除することで空きを作ることができますが、プロセッサの要件やビデオカードなどの要件が満たせないとアップグレードは厳しいです。
2.2ハードディスクの空き容量の確認
マイクロソフトの公式サイトには最高20GBのハードディスク容量が必要と表記されていますが、20GBギリギリでアップグレードを実行してしまうとアップグレード後のパソコンにデータが入らなくなってしまいます。
ハードディスクの空き容量はなるべく大きく確保しておくと安心です。 空き容量がぎりぎりの場合は、不要なデータを整理したり、ディスクのクリーンアップという機能で一時ファイルを削除したりして容量を確保しましょう。
外付けハードディスクなどの記録媒体を活用してデータを移行するのもおすすめです。
2.3メモリが不足していないか確認
Windows10には様々な便利な機能が搭載されていますが、Cortanaなどの常駐ソフトも増えるのでその分メモリを圧迫しやすいです。
今使っているパソコンでメモリが不足していないか確認し、メモリがいっぱいの場合は増設しておきましょう。 メモリの増設は特別な道具を使わないので、メモリとドライバー、そして説明書を用意すれば簡単に増設することができます。
最近パソコンの処理速度や動作が遅くなって困っているというときにも有効です。
2.4周辺機器が対応しているか確認
周辺機器や、機器をパソコン上で動かすのに必要なドライバソフトがWindows10に対応していない場合、今まで使っていた周辺機器がアップグレード後に使えなくなってしまいます。 特に、プリンターなどの長く使用している周辺機器のドライバはあまり古い機種だと対応外になってしまう場合があります。
アップグレード前に、公式サイトからWindows10対応のドライバが出ているかを確認しておきましょう。
③アップグレードの手順
パソコンにWindows10を導入できることを確認したら、いよいよアップグレードの具体的な手順に入ります。
アップグレードによるトラブルも報告されていますので、いざというときに大切なデータとパソコンを守るためにも、準備を万全にしてから作業を行うのがおすすめです。
3.1システムバックアップを作成しよう
システムバックアップとは、パソコンの今の状態を丸ごと保存したリカバリー用のデータのことです。
もしパソコンの調子が悪くなってしまっても、このリカバリーデータを使用すると、システムバックアップを作成した状態のパソコンに戻すことができます。 アップグレード中やアップグレード後にトラブルが起きてしまうと、大切なデータが消失してしまうこともあります。
アップグレードが無事に終わった後もトラブルに遭遇したときの最終手段として使えますので、DVDディスクやUSBなどに作成して保管しておきましょう。
3.2ブラウザのお気に入りデータや必要なデータのバックアップを取ろう
不慮の事態でデータが消えてしまう危険があるので、消えると困るデータは念のためコピーを取って保管しておきましょう。
自動保存されているパスワードもリセットされてしまうものがあるので、メールソフトなどのパスワードが思い出せない場合はアップグレード前に分かりやすい言葉に変更しておくことをおすすめします。 また、Windows10では標準のブラウザがインターネットエクスプローラーからMicrosoftEdgeというソフトに変更されます。
標準ブラウザにインターネットエクスプローラーを使っている場合、お気に入りなどの情報が引き継がれません。
その場合、お気に入りなどの情報をあらかじめコピーしておいて、アップグレード後にMicrosoftEdgeへお気に入りをインポートするという作業が必要です。
3.3周辺機器を全て取り外そう
パソコンに繋がれているプリンタやマウスなどの周辺機器は、接続したままアップグレードを行ってしまうと失敗の原因になることがあります。
失敗を防ぐためにも、全て取り外してからアップグレードを行うようにしましょう。
ただし、インターネットは切らないでそのままにしておいてください。
3.4アップグレードを実行しよう
確認とデータのバックアップが完了したら、いよいよアップグレードを実行します。
Windows10の有償アップグレード版にはダウンロード版とパッケージ版がありますが、USBでデータが手元に残せるパッケージ版がおすすめです。 USBメモリやダウンロードしたデータを実行すると、アップグレードの案内のダイアログが出てきます。
あとはセットアップ画面に従って、ライセンスへの同意やアップグレードを行うと自動的にインストールが始まりますので、パソコンを触らないでしばらく待ちましょう。 作業の途中で、プロダクトキーの入力を求められます。
過去に一度アップグレードしたことがある場合は入力の必要はありませんが、初回のアップグレードの時は製品についてくるプロダクトキーを入力し、認証を行ってください。
また、製品版のWindows10には32bit版と64bit版の両方が入っています。
自分が今まで使っていたOSと違うものをダウンロードしてしまうと使えなくなってしまうので、必ず同じものを選ぶようにしてください。
3.5パソコンの状態を確認しよう
アップグレードが終わったら、パソコンが再起動してWindows10の初回設定画面に切り替わります。
いろいろな設定を聞かれますが、細かいことが分からなければひとまずは既定の状態で大丈夫です。
全て終わったらユーザーアカウントのログイン画面に移行するので、パスワードを入力してログインしてください。 パソコンが正常に起動したことを確認したら、次はOSのバージョンと認証を確認しましょう。
画面左下のスタートボタンから「設定」へアクセスし、「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」をクリックします。
ダウンロードしたバージョンと、認証済というメッセージが正しく表示されていればアップグレードは完了です。 アップグレードが完了したら、デバイスを接続し、元通り使えるようにそれぞれのドライバをダウンロードしておきましょう。
お気に入りのデータのインポートやメールソフトの再設定も行えば、今までのパソコンと同じように使えるようになります。
まとめ
上の記事で説明した通り、Windows10へのアップグレードという作業自体はそれほど難しい作業ではありません。
製品版のWindows10さえ手に入れれば、あとはインストーラーに従うだけでアップグレードしてくれます。
しかし、パソコンの基幹部分を動かしているOSというソフトのアップグレードという作業は不測の事態が起きるとデータが失われることも多く、細心の注意と入念な準備が必要です。 データの破壊や消失は、一度消えてしまったものを元通りに戻すのは難しい場合が多いです。
アップグレードを行う場合は、データのバックアップやパスワードの控えなど、事前にきちんと準備を行った上で実行するようにしましょう。