PC(パソコン)・スマホのモニターがドット抜けした時の【基本】対策方法

液晶に違和感…
スマホやPCスクリーンをよく見ると、黒や赤い点が目に入り、気になって作業に集中できない。
皆さんはこんな経験ありませんか?
この液晶に黒や赤などの点が出てくるのは、ドット欠け(抜け・落ち)と言われる現象で、液晶の不具合によって起こります。 ではなぜこのような現象が起こるのでしょうか?
ここではドット欠けが出る理由や、簡単にできる修理方法などを紹介していきます。

①ドット欠けが発生する理由

ドット欠けはなぜ起こるのでしょうか?
現在の液晶はドットと言われる画素によって構成されています。
ドットは本体の映像信号を受けることで、映像信号で指定された色に点灯し、この指定された色を合わせることで、液晶に認識できる映像として表示されます。
そしてこの映像信号を受けても、ごく一部のドットが故障によって映像信号を受け付けなくなった時に、故障したドットは画面上に黒(黒点)や明るい(輝点)点のみを発します。
その黒点や輝点が映像信号と異なる異物として液晶上に表示される、これがドット欠けが発生する理由です。
つまりドット欠け=ドットの故障ということになります。 このドット欠けの発生原因はいくつかあり
・購入時点(初期不良)で発生している
・経年劣化によるドットの故障で発生
・落とすなど液晶に強い衝撃を与える事で発生
このような原因が一般的です。

1-1初期不良のドット欠け

ドット欠けで最も多いのが購入時点で、最初から液晶にドット欠けがある状態です。
現在の液晶は非常に性能が高い反面、製造コストを抑えるために、極小程度のドット欠けは、実はメーカーは承知の上で製品として出荷を行っています。
これに対するメーカーの見解としては、全くドット欠けの無い完璧な液晶を製造レベルで求めると、非常に高コストとなってしまい、市場が求めるニーズでもある、リーズナブルな値段で提供することができなくなる。
このようにメーカー側は主張しています。
購入したばかりでドット欠けを発見した場合、この主張を受けたメーカーとしての対応は、一定基準を上回るドット欠けがあった場合、返品交換は可能ですが、これに満たない場合は原則として返品交換は不可能となってきます。 ここでメーカーが主張するドット欠けの事実を容認してしまえば、消費者としては納得のいかない製品を購入した、後味の悪さだけが残ったままそこで終了です。
上記はあくまでもメーカー側の主張であり、細かい説明も無く書面に小さく記載してあるだけなので、一般消費者はその事実は知らない場合が殆どです。
しかしまだ消費者としては交渉の余地は十分に残っています。
ドット欠けを見つけたからといって、感情的にならず時間に余裕を持って紳士的に交渉に臨みましょう。 ここでメーカーに直接問い合わせても、一定基準を上回らなければ返答は同じです。
交渉の余地は原則ありません。
ですから初期不良の場合まずは購入した販売店に問い合わせましょう。
製品には初期不良期間というのがあり、1週間~1月程度の期間内であれば、販売店側がメーカーに初期不良として処理してくれるケースもあるからです。
このように初期にドット欠けが確認できた場合は、必ず一度販売店に相談してみましょう。 近年ドット欠けクレームの増加により、販売店によっては柔軟に対応するケースも増えてきています。
例えば購入時にドット欠けに関する規定を、別途設けている販売店などがそれにあたります。
新規に購入する前にドット欠けの対応に関する規定を、事前に確認把握しておくと後の対応もスムーズです。

1-2液晶の簡単な仕組み

ドットが指定された色を発し、その色の複合体が映像として人に認識される。
これが液晶の簡単な仕組みです。
もう少し具体的に説明すると、
液晶のドットは赤・緑・青の3色からなる副画素(サブピクセル)の輝度をコントロールすることで、様々な色のコントロールを行っています。 ドットの数は現在の一般的な解像度である1920×1080を例に挙げると
1920×1080=2073600
およそ2百万近い数のドットが3色をコントロールし、液晶上で色の複合体を形成しています。
ドットの数がいかに膨大かは理解いただけましたでしょうか?
この数を踏まえてメーカーの主張をもう少し噛み砕いてみましょう。 初期不良によるドット欠けの原因は、製造工程において塵や異物が混入するためです。
液晶は精密機器です。
ごく微量の塵や異物が混入するだけで、ドット欠けが起こる可能性があり、実際に国内最高水準のクリーンルームで製造を行っても、大量生産のためドット欠けを完全に防ぐことは無理とも言われています。
これを防ぐためにメーカーが行える努力としては、事前に完成品をチェックしドット欠け製品は排除する質の高い検品作業。
もしくは1つのドット欠けでも初期不良として、返品交換に対応するサービスが必要になってきます。
しかし現状全ての液晶でこのような対応を行っていては、コストが掛かりすぎてしまいます。
各メーカー共に製品の値段相応に、一定基準のドット欠けは容認し、工場内チェックでも発見される2~3個程度のドット欠けは、良品として出荷されているのです。 膨大なドットの数や適正価格を求める市場のニーズを考えると、メーカーの主張は確かに理解できなくもありません。
そしてドット欠けを不良品と認識するかどうかには個人差があります。
そもそもドット欠けによって、機器の性能が著しく低下するといった事はありません。
それでもどうしてもドット欠けに妥協したくないという人は、事前にドット欠け製品は出荷しないことが記載されていたり、無償交換サービスを義務付けているより高額な液晶を購入してみるのも一つの方法です。

 

②初期不良以外のドット欠け

ドット欠けの大部分は製造段階における初期不良によるものです。
しかし長期間液晶を使用することで、外部から少しずつ圧力がかかりドット欠けが発生する場合もあります。

2-1経年劣化によるドット欠け

ドット欠けは時間の経過による劣化でも発生します。
例えば室内の液晶などは、エアコンの風や水分などに晒されているため、液晶には外気による圧力が少なからず掛かっています。
この僅かの圧力が慢性的に掛かり続けることで、経年劣化によるドット欠けは発生します。 経年劣化によるドット欠けも、保証期間であれば対応してくれるケースもありますが、原則ドット欠けはメーカーはサポート対象外です。
ですので経年劣化によるドット欠けが発生したら、販売店に相談してみましょう。
ただし通常保証期間と違い別途液晶ディスプレイには、保証期間が短く設定されているケースが多いため注意が必要です。
ちなみに高額品の液晶になると、3~5年以上のドット欠け長期保証を行っている液晶もあります。
いずれにしろ保証期間内であれば、販売店に相談することで交換してくれる可能性もあるため、一度保証期間を確認した上で、販売店に相談してみましょう。

2-2物理的な圧力によるドット欠け

液晶に大きな力が加わると、ドットの故障に繋がります。
例えばスマホを床に落とした衝撃で、液晶にドット欠けが発生するといったケースがこれに当たります。
PCの液晶に物をぶつけてしまい、ドット欠けが発生するのも同様です。
もう少し掘り下げると、指で液晶を押すことの多いスマホは、PCなどの液晶と異なり圧力が強く掛かっています。
ですからスマホを日常的に使っていて、液晶にドット欠けが発生した場合、経年劣化よりも物理的な圧力によってドット欠けが発生した可能性が高いです。 スマホやIPHONEなどの携帯機器の液晶は、指で画面を押すことが多いため、非常に壊れやすく繊細です。
保護フィルムなどで液晶をカバーしてあげるだけでなく、携帯機器はポケットに入れることも多いので、持ち運びの際は専用のケースに入れて、液晶に掛かる圧力を少しでも減らす工夫をしましょう。

③ドット欠けの修復方法

ドット欠けを放置しておくとどうなるのでしょうか?
実は液晶そのものが壊れてしまうといった、液晶の故障に繋がるというわけではありません。
ドット欠けはあくまでも個人差であって、気にならない人は気にならないものです。
ですが例えば日常的に文字入力やデータ入力を仕事にしている人は、ドット欠けを気づいて放置することで、ちょっとのドット欠けが常に目に入ってしまい、集中力の低下に繋がってしまう事もあるでしょう。
また動画を閲覧するときも、より綺麗に閲覧しようと思っている人ほど、ドット欠けは目立ってしまい、折角の綺麗な動画がドット欠けで台無しになってしまいます。
このようにならないためにもドット欠けを発見した場合、可能な限り修復を施してみましょう。
ここでは簡単な修復方法を紹介していきます。

3-1まずは販売店・代理店に相談してみよう

ドット欠けを発見した場合、修復方法を試す前に、まずは購入した販売店に相談してみましょう。
家電品にはメーカー保証というのが付いています。
原則ドット欠けは返品対象外ですが、ひょっとしたらメーカー保証で返品交換可能になる可能性も無いとは言えないからです。 スマホやIPHONEなどの携帯機器も、同様に初期不良で交換可能なケースもあるため、こちらも代理店に相談してみましょう。
携帯機器は申し込み時に安心パックなどに加入している場合、無料交換を受け付けてくれる場合もあるので、可能であれば申し込み時に安心パック等のサービスに加入しておくと万が一の時に安心です。

3-2ネット上のツールを使用してみよう

販売店や代理店に相談しても、返品交換不可能だった場合、自分で修復を試みましょう。
自分でできる修復方法の中でも最も低リスクなのが、ネット上のツールを活用し修復作業を行う方法です。
これらツールはいずれも、液晶スクリーンに色をランダムで表示させることで、液晶に刺激を与えて修復を行う事を目的としています。
具体的にはスクリーンにランダムで色を活発に表示させることで、接続不良を起こしたドットに刺激を与え、接続不良を解消させる方法となります。
ネット上でツールは簡単に検索し入手できるので、手軽にできて非常にオススメの方法です。
自分で修復を試みる場合はまずこういったツールを試してみましょう。 またネット上には、ドット欠けが発生しているかチェック可能なツールもあります。
ドット欠けは人によっては、気づきにくい事も多いですが、ひょっとしたら気づかない範囲で、自身の集中力の低下に繋がっているかもしれません。
液晶になんとなく違和感を覚えたら…
一度ドット欠けチェックツールを使用し、自分の液晶にドット欠けが発生していないかチェックしてみてはいかがでしょうか。
ちなみにこれらネット上のツールはPC液晶・携帯機器共通で使うことが可能です。

3-3ドットに物理的な力を加えてみよう

ここからは一番原始的な修復方法となってきます。
ドット欠けの原因が接触不良であった場合は、以下の原始的な方法で直る可能性もあるため、ネット上のツールを使用しても修復されない場合一度試してみましょう。
やり方は簡単です。
ドット欠けの部分を指で軽く押してみましょう。
この時あまり強く押しすぎると、機器そのものに圧力がかかり、故障の原因ともなるので、ドット欠けの部分をなるべくピンポイントで、複数回押してあげましょう。
指で押しにくい場合、爪楊枝などの道具を使ってピンポイントに押してみるのもオススメの方法です。 こちらも原始的な方法の一つです。
ドット部分にドライヤーなどで熱を加えて上げることで、同様にドット欠けが直ることもあります。
家庭用のヘアードライヤーをコンセントに差し込み、一定時間熱風をドット欠け部分に当てて下さい。 これらの修復方法は原始的なやり方になるため、過度な力の入れすぎや熱の加え過ぎは、機器の故障の原因ともなります。
やりすぎに注意しましょう。

まとめ

「色々試したけどドット欠けは直らない…」
この場合どうしてもドット欠けが気になる方は、メーカーによる修理も視野に検討しましょう。
自分でドット欠けの修復を行う場合、基本的にはドットの接触不良を解消し修復を行うことになります。
ですから液晶パネルが断線していた場合は、自分で修復を行うことは原則不可能です。
ですが接触不良であっても、色々な方法を試しても簡単に直らない場合もあり、時間の経過とともにいつの間にかドット欠けが直っていることもあります。 複数回一定期間修復方法を試してみても、ドット欠けが直らない場合、液晶パネル内部の断線により、ドット欠けが発生している可能性が高いといえます。
このような場合メーカーによる修理も検討してみましょう。
メーカー修理というのは、非常に時間がかかるだけでなく、値段も相応にかかってくるため、最悪の場合新品を購入したほうがお得というケースも少なくはありません。
また修理の場合、代替え品となる液晶は原則無いため、修理期間中はPCや携帯機器が利用できず、日常生活にも大きく影響が生じる可能性も少なくありません。
修理を検討する際は、代替え品の調達や見積もり金額と相談し、修理を行うか判断しましょう。

  • 液晶割れ
  • ドット欠け(抜け・落ち
  • 修理方法