修理で直る?マザーボードの不具合解決方法

パソコンのパーツの中で、マザーボードという名前を聞いたことがあるでしょうか?
マザーボードはパソコンの基礎となる板状のパーツで、パソコンを自作するときも1番始めに選ぶものです。
このマザーボードが不具合を起こし、故障を疑うときにはどのように解決すれば良いのか、具体的な症状とマザーボードの不具合を確認する方法を紹介します。

はじめに

マザーボードには、パソコンを動かすためのパーツのほとんどを設置します。
もしも不具合が生じた場合は、パソコンが使えない状態になるか、正常に動作しなくなってしまいます。
パソコンの基礎となるパーツだけに、故障した場合はパソコン全体に影響がでてしまうのです。
故障時によくある症状を確認し、自分で故障個所を見極める方法と解決方法を紹介します。

1.マザーボードの不具合を疑う症状

パソコパソコンの基礎的なパーツであるマザーボードが故障した場合、どのような症状がでるのでしょうか。
マザーボードは見た目にも複雑そうな構造をしており、故障していたとしてもパッと見ただけではわからないものです。
マザーボードの不具合が生じたときに良く見られる症状をチェックしてみましょう。

1-1パソコンの電源が入らない

マザーボードの故障を疑うときに最も多い症状として、電源が入らないことが挙げられます。
電源が入らないといってもいくつかのパターンがあり、各症状に合致する場合はマザーボードが故障している可能性が濃厚となります。
完全一致しなくても、近い症状があるなら故障していると考えて良いでしょう。 1.電源ボタンを押してもランプが点灯しないで、電源も入らない状態。
2.電源ボタンを押すとランプが点灯するものの、電源が入らない状態。
3.電源ボタンを押すとランプが一瞬点灯し、すぐに消えて電源が入らない状態。
このような症状があるときは、マザーボードの故障の可能性が高いです。

1-2突然フリーズ&電源ダウン

パソコンを普段と変わらずに使っているときに突然フリーズする、いきなり電源が落ちてしまう場合はマザーボードの不具合や故障が考えられます。
フリーズすることは故障の前兆として見られる症状で、パソコンにメモリが十分搭載されていても頻繁にフリーズするなら、マザーボードを疑うことが多いです。
いきなりパソコンの電源が落ちることは精神的にもショックも大きいことです。
そのまま二度と電源が入らないとなればなおさらでしょう。
これらの症状に加え、おかしいなと感じたときは、すぐバックアップを取るようにしましょう。

1-3ビープ音が繰り返し鳴る

電源を入れるとすぐにピーピーまたはピッピッというビープ音が鳴る場合、マザーボードの故障が疑われます。
ビープ音は鳴る音の長さや回数でメッセージを発しているため、初めてビープ音が鳴ったときはびっくりするかもしれませんが、落ち着いて聞き取るようにしてください。
どんな音が何回鳴ったのかにより、パソコンのエラーや異常を把握することができます。

・ビープ音て何?BIOSが発する警告音

ビープ音は、主に電子機器がユーザーに何らかの情報を知らせるための音で、パソコン以外の電子機器でも用いられています。
パソコンの場合は、BIOS(バイオス)というマザーボード上のROMに搭載されているプログラムが警告音を発しています。
「ピッ」という短い音と、「ピー」という長めの音を使って異常を伝えてくれるものです。 ビープ音をある程度理解しておくと、異常が起きている箇所を大まかに特定することができます。
メーカー製パソコンの場合は、メーカーが独自のビープ音を設定していることもあるので、取説などで確認すると良いでしょう。

・ビープ音でどんな不具合か特定できる

「ピッ」という短い音が5~7回鳴る場合、マザーボード・CPU・メモリなどに不具合やエラーがあることを警告しています。
各パーツに接触不良があるか、ほこりが貯まって干渉しているときにも鳴ります。
場合によってはパーツがショートしていることもあるので、必ず確認するようにしてください。 ビープ音はこのほかにも、短い音なら1~10回まで警告メッセージがあり、長音にもメッセージがあります。
もしもビープ音が鳴ったら、パソコン内部のパーツのどこかに異常が発生していると考えて良く、ビープ音のメッセージに従って適切な対応をしてください。

1-4BIOSが起動しない

通常はパソコンの電源を入れるとBIOS画面が表示され、WindowsなどのOSが起動します。
このBIOS画面が表示され無いときは、マザーボードの不具合か異常が発生しているかもしれません。
このときOSを立ち上げたいがために、パソコンを強制終了させるようなことは控えてください。
OSが立ち上がるまで数分待つなど、冷静に症状の観察と把握しをしましょう。

1-5パソコンが起動する音はするが画面が乱れる

パソコンは起動しようと動いていて、Windowsの起動する音が聞こえるのに画面が砂嵐状態のときは、やはりマザーボードに原因があることが多いです。
画面が砂嵐状態になるのは、ビデオカードの故障のときにも出る症状ですが、対象のパソコンにビデオカードが搭載されていないなら、ほぼ確実にマザーボードの故障が怪しいということになります。
ビデオカードの有無がわからないときは、メーカーや型番で対象のパソコンを調べるとわかります。

2.自分でマザーボードの故障を確認するには?

パソコンの調子が悪くなったとき、パソコンの基本となるマザーボードの故障を疑うことは少なくありません。
数あるパーツの中でも大きな部品であり、見た目通りに複雑なパーツでもあるため、自分で取り外して交換をするとなれば専門知識が必要になります。
そのため故障個所の特定や見極めが重要なポイントになります。

2-1電源ユニットの異常がないか確認する

マザーボードの不具合が考えられる症状として、代表的なのが電源が入らない症状です。
しかし電源が入らない症状は、電源ユニットに異常がある場合でも生じるものなので確認しなければなりません。
電源ユニットを確認するには、ケーブルやスイッチなどの基本的な確認から始めます。 ケーブル類の差し込みが甘いときや、外れているところがあればそれが原因となります。
ほかでは電源ユニットの冷却ファンが動いているか、目視で確認してみましょう。
冷却ファンが動いていないようなら電源に原因があるかもしれません。
パソコン内部の温度が熱くなりすぎていないか、電源のワット数は足りているかもチェックしてください。
このような項目をチェックしてみても異常が無く、電源が入らないときはマザーボードの故障が濃厚になってきます。

2-2パソコンのふたを開けてチェックしてみよう

パソコンのふたを開けたことがありますか?
実はデスクトップのタワーのふたは、ネジ2~3つほどで止められていることが多く簡単に開けられるものです。
開けるときはタワーに接続されているすべてのケーブル類を外し、タワー単体の状態にしてからネジをドライバーを使って外します。
初めてふたを開ける方は緊張するかもしれませんが、今後マザーボードの確認のほかにメモリの増設などでも開けることがあるので、落ち着いてチャレンジしてみてください。

・マザーボードのコンデンサに異常があれば故障高確率

パソコンのふたを開けたら、板状の複雑そうなパーツを探してみましょう。
通常はふたを開けた状態で一番奥に配置されており、CPUやメモリなどが設置されています。
このマザーボードにはコンデンサと呼ばれる小さな電池のようなものがいくつも付いています。
このコンデンサに膨張している様子や、さび付いて変色している様子があれば、マザーボードの故障だといえます。
コンデンサの異常がはっきりとわからない場合でも、すべてのコンデンサをチェックして比較してみましょう。 ・パソコンケース内部をそうじしてみる パソコンのふたを開けたことが無い場合、タワー内には想像以上のほこりが貯まっていることがあります。
各冷却ファンにはびっしりとほこりがこびりついて、ひどいときにはファンは回っているもののほこりで覆われた状態になっている、そんな状態になることもあります。
もしもタワーの中がほこりだらけだったときは、空気を出すエアダスターなどを使ってきれいに掃除してください。 掃除中はできる限りマザーボードに触れないように注意して、他のパーツにも必要以上に触らないようにしてください。
きれいに掃除ができたら、ふたをしてネジも締めて各ケーブルを繋ぎ電源を入れてみましょう。
電源が入るようならほこりが原因であり、電源が入らない場合はマザーボードの故障が有力になります。

・メモリを差しなおして症状が改善するかチェックしよう

電源が入らなくなる症状は、メモリに問題があるときにも生じます。
メモリはパソコン本体内部に設置されているので、まずはタワーからすべてのケーブル類を外した状態でふたを開けることから始まります。
メモリはマザーボードに立つように差してあり、15~20センチ程度の定規のような形のためすぐにわかります。
メモリの両脇は通常ロックして固定してあるので、そのロックをカチンと指で外しましょう。 メモリがマザーボードから浮き上がった状態になるので、メモリの両脇を持って一度外します。
ほこりなどが付着している場合は、さっとエアダスターなどで取り除いてください。
その後、同じ場所にメモリの向きを確認しながら差し込みます。
差し込むときは両手で行い、ザクっと奥まで差し込みます。
少し力が必要になるので、初めての方はこんなに差して大丈夫かと思うかもしれませんが、自信を持って奥まで差し込んでください。 メモリを差し込んだらタワーのふたを閉めて、ケーブル類を元に戻してから電源を入れてみましょう。
電源が入ればメモリの不具合が原因であり、電源が入らなければマザーボードが原因でしょう。

3.マザーボードを修理交換する方法

マザーボードは通常ならHDDのように簡単には壊れず、どちらかというと長年の稼働や老朽化、ほこりや水分の侵入で障害が起こるなど方が多いパーツです。
不具合や故障が起こるとパソコン全体に不具合が出ますが、パーツの全てが壊れたわけではないので、マザーボードの交換による修復が可能です。
マザーボードの修理・交換方法を紹介します。

3-1自作パソコンなら自分で修理交換できる

対象のパソコンが自分で組み立てた自作パソコンなら、自分ですべての部品を外して同等のマザーボードに交換することで解決します。
マザーボードを交換できるだけの知識や経験がある方が行うため、自分のタイミングで交換できることがメリットでしょう。
しかし近年ではBTOパソコンのように半自作パソコンのようなものもあります。
マザーボードの交換の知識があるとしても、自作ではないならできるだけ購入したメーカーに交換を依頼してください。
保証期間内なら無料で修理できるかもしれません。

3-2メーカー製なら修理交換を申込もう

メーカー製のパソコンの場合は、メーカーで交換・修理ができます。
購入してからどれくらいの年月が経過しているかにもよりますが、一度メーカーに問い合わせてみると良いでしょう。
保証条件をクリアできれば無料で修理・交換となるケースもあります。

・保証期間内か確認しよう


期間や条件をクリアしていれば、無償で交換してもらえます。
残念ながら保証期間が過ぎてしまい、修理・交換ができるとしても有償の場合でも諦めることはありません。 修理費用の上限を決めて、その範囲内で修理・交換をお願いする方法もあるからです。
またマザーボードの交換費用の見積もりを聞いて、納得できる金額なら依頼することもできます。いずれの場合でもマザーボードの交換が必要だと、判断するならメーカーに問い合わせましょう。

・修理後すぐに使えるように準備しておこう

マザーボードの修理・交換をすると、メーカーに出した場合はリカバリー(初期化)された状態に戻されてしまうことが多いです。
特にデータとは関係ない修理でもリカバリーを求められることが多いのです。
そのため、自分のパソコンのデータを守るためにも必ずバックアップを取るようにしてください。 普段からバックアップを取るようにしていればベストですが、不具合を感じ始めたときにすぐにバックアップを取っておくだけでもだいぶ違うでしょう。
バックアップを取っておけば、マザーボードの交換が終わったパソコンを使うときにも、すぐに使えるようにセットアップできて便利です。

4.マザーボードの寿命を延ばすために

マザーボードはHDDのように簡単に壊れるものではありませんが、いずれは寿命を迎えるパーツです。
寿命はパソコンの使用状況により大きく異なり、長い場合は数年以上と言われています。
パソコンを使う時間が長い方や負荷をかけることが多い場合は、寿命は短くなる傾向です。
使用頻度を変えることは難しくても、マザーボードの寿命を延ばすには、こまめなそうじが力を発揮します。 定期的にパソコン内部のほこりを取るだけでも、パソコン内部への干渉を軽減させるので、マザーボードの寿命を延ばすことにつながります。
パソコンのふたを開けることに抵抗があったり、不安があることも多いですがふたを開けるだけなら故障はしません。
むしろほこりを取ることでパソコンそのものの寿命も延ばせるでしょう。

まとめ

マザーボードの不具合や故障は、パソコン初心者にはわかりにくく、特定しにくいことです。
しかしマザーボードがパソコンの基本的なパーツである以上、不具合を感じたときには適切な対応をしなければなりません。
パソコンの調子がおかしいなと感じたときは、どんな風におかしいのか症状などを把握しておいてください。
マザーボードの交換が必要なときは、自作パソコンでない限りメーカーに修理依頼することが基本となります。

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