【5分でわかる】Windows10を無償アップグレード不具合解決します
マイクロソフトの最新オペレーティングシステムである「Windows10」は、無償アップグレード機能を搭載したことで一躍話題となりました。Windows7のサポート期限が2020年に迫っているなか、買い替えを検討している方もいるかもしれません。 しかし、リリースからすでに3年が経過したにも関わらず、未だに不具合がたえないことが問題となっています。最新版とはいえ、あまりにも多くの不具合が寄せられていると、アップデートを気軽に行っていいものか不安になってしまいますよね。 すでにアップデートを終えており、何も不具合が出ていなければ引き続き使用を続けることができますが、Windows10はアップデートの直後に不具合が生じるケースが多くみられるため、次回のアップデートの際に何らかの不具合が出ないとも限りません。 そこで今回は、Windows10にみられる代表的な不具合と、その解決方法について紹介します。
1、起動してからの動作が遅い
Windows10において非常に多くみられる不具合の一つが、起動後の動作の問題です。普段通りに起動できれば、ハードディスクは正常に動作していますので、後述するリカバリやリフレッシュの必要はありません。動作の遅滞に関するトラブルシューティングについては、以下の方法を実行してみてください。
自動メンテナンスを変更する
Windows10では、システムの自動メンテナンス機能が搭載されています。ソフトウェアの更新やセキュリティスキャン、システム診断など、パソコンの動作を維持するためのさまざまなメンテナンス機能が一定時間ごとに働きます。この自動メンテナンスを頻繁に実行していると動作が重くなってしまうので、不具合と誤解されることがあります。 マウスの動作が急激に遅くなるなど、一見不具合に見える挙動も発生しますが、これは自動メンテナンスによるCPUへの負荷が考えられます。Windows10にアップグレードを行った後は、特に挙動が遅くなるといわれています。 自動メンテナンスの変更は、「設定」から行います。Windows10の標準仕様から完全に無効化する方法はレジストリ編集以外にありませんが、開始する時間を変更するだけでも普段の動作が軽くなります。 「スタート」のアプリの一覧から「Windowsシステムツール」をクリックし「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」から「セキュリティとメンテナンス」に進みます。「メンテナンス」をクリックし、「自動メンテナンス」の「メンテナンス設定の変更」を開いて、「メンテナンス設定の変更」を表示します。 ここで「メンテナンスタスクの実行時刻」をクリックすると時間を設定できます。「メンテナンスの停止」に変更すると、自動メンテナンスが停止されます。「OK」を押すと、設定の通りにシステムが変更されます。 ブルースクリーンなどのエラーが出る場合は自動メンテナンスを無効にすることをおすすめします。(再起動&システムアップデートは最大7日間延ばすことができますが、動作が重過ぎる場合は更新を済ませてしまったほうが挙動が速くなる可能性もあります)
更新プログラムを最新にする
「Windows Updateの更新プログラム」を確認し、最新にすることで挙動をスムーズにすることもできます。Windowsを常に最新の状態に更新することで重さを解消します。 「スタートメニュー」をクリック、「設定」から「更新とセキュリティ」に入り、「更新プログラムのチェック」を選ぶと「更新プログラムを確認しています…」と表示されます。「最新の状態です」と表示された場合は特に問題はありません。 「利用可能な更新プログラム」があれば、ダウンロードすることでインストールが実行され、インストール完了後に「今すぐ再起動する」を選びます。再起動を行い、Windows10が重い状態が解消されたかチェックしてみてください。
クリーンアップを行う
デスクトップからエクスプローラーを起動し、左側のナビゲーションから「PC」をクリック、Windows(C:)のドライブを選び、画面上部の「管理」を押して「クリーンアップ」を表示させ、クリックします。画面の下部にある「システムファイルのクリーンアップ」をクリックすると自動的に空き領域が計算されるので、削除したい項目を選んでOKを押します。
この時、インターネット一時ファイルやエラー報告などは削除しても問題ありませんが、それ以外の項目については任意となります。
不要なソフトウェアを削除する
Windowsでは、OSの種類に関わらず起動の際にデバイスなどをチェックし、順に読み込みながら起動していきます。もしもその中に問題があると、チェックに余計な時間がかかるため、読み込みが遅くなってしまいます。そのため、不要なソフトやツールなどは定期的に見直し、必要に応じてアンインストールを行いましょう。 特にパソコンを購入したばかりの頃は、不要なソフトウェアが多数インストールされています。それらのプログラムがバックグラウンドで動いていると動作が遅くなり、リソースを余分に占めてしまいますので、プログラムのアンインストールもしくは停止を行うようにします。
デフラグを行う
コンピュータに備わっているハードディスクは、データが分割されて保存される(断片化)ことで動作が遅くなりやすく、挙動も不安定になります。これらのデータを可能なかぎりひとまとめにしてくれるものが、デフラグと呼ばれる方法になります。 「スタート」をクリックし、アプリの一覧から「Windowsシステムツール」を選んで「コントロールパネル」をクリックします。「システムとセキュリティ」をクリックして、「管理ツール」から「ドライブのデフラグと最適化」に進みます。 「ドライブの最適化」項目の中で、「状態」の中のドライブを探し、Windows(C:)をクリックして青色表示に変え、画面下にある「最適化」を押しましょう。「実行中…」と表示されれば、デフラグがスタートしている状態です。デフラグが終わると、「最後の実行」の欄に日時が表示されます。「現在の状態」の欄に「OK」と表示されたら「閉じる」を押して終了します。
ウイルスやマルウェアを削除する
デフラグやクリーンアップ、不要なソフトウェアのアンインストールなどを一通り試した後もコンピューターの処理が遅いときは、ウイルスやマルウェアに感染している可能性を疑ってみてください。 ウイルスといえば、ポップアップが画面上に突然表示されるなどの振る舞いが広く知られていますが、最近のものはバックグラウンドで動く特徴があり、コンピュータそのものに変化がみられない場合も。そのため、ウイルスやマルウェア用の対策ソフトを使い、定期的に不要なウイルスを削除するようにしましょう。
2、Google Chromeが遅い/重い
軽いブラウザとして人気のGoogle Chromeも、場合によっては動作が重い原因になることがあります。Chromeブラウザを使っている方で、開いたときと閉じたときの挙動に差が出ており、ブラウザを開くたびに重いと感じたら、以下の手順を試してみてください。
OSを確認する
まずOSが64bit版かどうか確認します。64bit版であれば、Google Chromeも64bitのものに替えましょう。
履歴やキャッシュを削除する
Chromeを使って検索をすると、履歴がコンピュータ上に残り、そのまま蓄積されていきます。ブラウザの動作が軽いぶん、多くのページを閲覧することができますが、そのぶんの履歴が蓄積されてしまうため、定期的に削除をかけるようにしましょう。 また、キャッシュなどのデータも同時に蓄積するため、ブラウザ右上にあるマークを押し、「履歴」から削除するようにしましょう。(フォームへの入力情報など、記憶しておきたい情報はチェックを外してから削除を実行します)
不要な拡張機能を削除する
Chromeはアプリや機能拡張が豊富ですが、この拡張機能を入れて実行したままでいると、ブラウザの挙動が重くなってしまいます。Chromeは、空きメモリーを浪費するという特徴があるため、拡張機能が入るほどメモリーを圧迫します。拡張機能が多くなればなるほどメモリーを消費してしまうので、必要のない機能は削除するか、拡張機能のページでオフ(無効)にしましょう。
3、起動できない
コンピュータの不具合の中でももっとも深刻とされる不具合が、起動に関するトラブルです。再起動を繰り返しているうちに起動ができなくなるパターンもあれば、突然画面が動かなくなり、再起動をかけたところ起動がうまくいかなくなるケースもあります。 Windows10ではアップデート時に再起動をうながすのですが、ここで起動ができなくなる場合「高速スタートアップ」が関わっている可能性があります。高速スタートアップはWindows8から引き継がれて搭載されている機能で、これを無効化することによって起動がスムーズになります。 無効化の手順としては「スタートメニュー」から「設定」に入り、さらに「システム」から「電源とスリープ」へ。「関連設定」の「電源の追加設定」をクリックし、「スリープ解除時のパスワード保護」の中の「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外して「変更」にして完了です。
それでも起動ができない場合は、以下の手順を試します。
システムの初期化
再起動をしても起動できない場合は、システムを初期の状態に戻す方法があります。「リカバリ」はコンピュータを出荷時の状態に戻すことを指し、ドライバ・OSの状態・ソフトウェア・ファイルなどがすべて消去されてしまうので、事前にバックアップを取るなどしてデータを保存しておきましょう。 リカバリに対して「リフレッシュ」と呼ばれる方法もあります。こちらは個人のファイルを残したまま、OSのみを再インストールする方法です。アプリなどは削除されますが、ファイルは残すことができます。 システムの初期化については、電源しか入らない(それ以上先へ進めない)場合は一度電源を切ってからもう一度電源をONにし、AltキーとF10キーを同時に押します。ここで「オプションの選択」が表示されたら「トラブルシューティング」を選び、2つのオプションのどちらかに決定します。「リフレッシュ」を選択したいときは「個人用ファイルを保持する」に進み、「リカバリ」をするには「すべて削除する」を選びます。
ディスクの空き容量を増やす
ディスクの使用量はWindows10の挙動に関わる要因の一つ。特に、空き容量が少ないと動作が重くなってしまいますので、以下の手順で容量を増やします。 「スタートメニュー」から「設定」に入り、「システム」の「ストレージ」を選んで、ディスクの合計の容量と使用済み容量、空き容量を確認します。空き容量が足りていなければ「PC(C:)」をクリックしてから「一時ファイル」をクリックします。「一時ファイル」と「ゴミ箱」のみにチェックを入れ、それ以外にチェックが入っていないことを確認してから「ファイルの削除」を実行します。
4、トラブルに備えるためのポイント
Windows10では上記以外にもさまざまな不具合が報告されていますが、問題解決のために大切なことは、トラブルの原因を正しく見極めることです。ハードディスクが熱によって破損しているなど、物理的な要因が関わっていればすぐに修理・交換が必要になりますが、アップデートによる不具合や容量の問題などは、深刻なトラブルが出る前にユーザー自身で対処することができます。
バックアップを作成する
Windows10ではさまざまな不具合が確認されているため、必要なファイルはCドライブではなく外付けのUSBなどに保存しておくようにしましょう。データは一ヶ所ではなく二ヶ所、二重にバックアップを取ることをおすすめします。 Windows10では「インストールメディア」「復元ポイント」「回復ドライブ」「システム修復ディスク」「システムイメージ」のそれぞれでバックアップを取ることができます。いずれの方法もトラブルが起きる前の段階を保存しておく方法なので、起動に不安がある場合は試しておくと良いかもしれません。 システムイメージについては「コントロールパネル」から外付けのハードディスクやブルーレイディスクなどにバックアップを取るものなので、十分に空きのあるディスクを用意しておきましょう。
不要なファイルはこまめに削除する
パソコンのトラブルの原因として多いものが、システム内の不要な廃棄物です。データファイルやキャッシュなどは溜めておく必要はないため、不要なものはそのつど削除するようにしましょう。
まとめ
Windows10ではマウスのフリーズや画面の表示などのトラブルも多く報告されています。特に画面の表示についてはブルースクリーンが起きる、あるいは画面が真っ黒にブラックアウトするなど、グラフィックボードに関するトラブルがみられます。コンピュータがWindows10に対応していなければ不具合が起きやすくなりますので、必ずWindowa10に対応したパソコンを購入するようにしましょう。 トラブルが起きたらまずは数分ほど待機して、何か変化がないか確認します。リセットボタンで強制的に再起動をかけることもできますが、無理に再起動をかけるとさらに処理が遅くなる可能性があります。 マウスを動かしたり、キーボードを押すといった動作を止め、数分程度何もせずに様子を見てみましょう。待っていても何の変化も起きなければ、電源をオフにして再起動をかけ、その後起動ができるかチェックをしてください。 古いOSを使い慣れている人にとっては、高性能のOSになるほどシステムが複雑になり、不具合の対応もしにくくなりますが、不要なデータやソフトの削除など、パソコン内部の手入れはどのOSであってもこまめに行いたいところです。 システムに不具合が生じてからでは遅い場合もありますので、常にパソコンの中身はきれいに掃除し、必要なファイルはバックアップを。さらに万が一に備えてサブのパソコンを用意したり、外付けのハードディスクを使うなど、用意を万全にしておくと安心です。