【360度変化】PC(パソコン)のサーバー障害のトラブルを防ぐ方法
今となっては、プライベートにおいてもビジネスにおいても、パソコンを使用して作業を行うのが当たり前となっています。こうなった時、データのやり取りのためには自社のパソコンだけではなく、サーバーパソコンを使用することによって行われるという場合も多くなるでしょう。場合によっては自社サーバーを持つことによって、より円滑に作業を行う方が良いのではないか、というように考えている方も多いのではないかと思います。
このような体制になっていることが多い中で、一つ大きな問題となりうるのがサーバーで発生するトラブルです。サーバーで何かしらのトラブルが発生してしまった場合、その問題は全体に対して拡散することになってしまい、より大きなトラブルに繋がることになります。ここからは、そんなパソコンに発生するサーバートラブルとしてどのようなものがあるのかについて紹介し、合わせてその原因がなんであるのか、さらに対処法としてどのようなものが考えられるのかについて紹介します。より大きな問題になる前に、知っておきたいポイントを抑えておきましょう。
①サーバートラブルの主な内容と原因について
一口にサーバーで発生するトラブルと言っても、その内容には様々なものがあります。原因も多くのものがあり、それに合わせて適切な対処法というのも違ってくることとなります。サーバーに発生するトラブルは、大きく2つの種類に分けることができます。一つは外部的な原因で発生するトラブルで、もう一つは内部的な原因で発生するトラブルです。この2つは全く違っているものとして捉える必要があるでしょう。此処から先では、外部からの攻撃によるトラブルと、サイバー攻撃にはどのような種類があるのかということ、さらにはシステムの不具合が原因で発生するトラブルと機器の不調が原因で発生するトラブルに付いてそれぞれどのようなものがあるのかについて紹介します。
外部からの攻撃が原因で起こるトラブル
最初に紹介するのは、外部からの攻撃によって発生するトラブルについてです。これは一般的にサイバー攻撃と呼ばれるもので、悪意あるものによってサーバーに対して不調を引き起こすような行動が行われ、それが原因となって発生することになります。これにも様々な種類がありそれによって違いがありますが、詳しい違いについては次の項目において紹介します。
それでは、このような問題が発生した場合、どのようなトラブルが引き起こされることになるのでしょうか。まず考えられるのが、販売機会の損失です。自社のパソコン・サーバーをECサイトのようのサーバーとして使用していた場合、攻撃によってダウンするとその時間の間は使用ができない状態になってしまいます。こうなるとユーザーは買い物を行いたくても行うことができないという状態になり、同業他社のサイトのほうに流れていくことになるでしょう。完全にダウンをしている場合でなくとも、接続が遅いような状態になってしまっているだけでもストレスを感じたユーザーが離れていってしまう可能性があるため、こちらについても十分注意をして対応する必要があります。
さらに、ブランドイメージに対する影響も発生することになります。ウェブサイトというのはその会社にとっての顔とも言える存在であり、この部分が正しくアクセス出来ないような状態になっている、ということは、セキュリティ上の問題がある会社である、というように対外的に喧伝するのと同じような効果を発揮してしまうことになります。
さらに、対外的なシステムとして使用している場合でなく、社内システムとしてサーバを利用している場合であっても、これは作業効率を大きく低下させるという問題が発生することになります。このように、外部的な攻撃によるものであるとしても、その対価はサーバーの持ち主、利用側が支払うことになってしまう点には注意する必要があるでしょう。
主なサイバー攻撃の種類
それでは、実際にサーバーに対して行われる可能性があるサイバー攻撃としては、どのような種類のものがあるのでしょうか。前述の通りその種類は多岐に渡るようになっており、どの問題であるのかを特定することがその後の対処法に繋がることになります。
まず考えられるのが、標的型攻撃とよばれるものです。これは特定のサーバーやユーザーに対して狙いを定めて行う攻撃の方法で、例えばURLリンクの送付などによってウィルス感染を狙うなどの手法で行われることになります。
次に、ランサムウェアと呼ばれる手法があります。これはあまりサーバーに対して発生することが多いものではありませんが、データを人質に取ることによってデータ回復のための料金を詐取するという手法となります。ランサムというのは人質という意味で、トロイの木馬と呼ばれるような形でファイルの暗号化やパスワードの設定をする形でアクセスできなくしてしまう、という手法も取られています。
もう一つ、サーバーパソコンに対して行われる事を考えると被害が大きいタイプの攻撃であるのが、水飲み場型攻撃と呼ばれるものです。名前からわかりにくいかもしれませんが、これはサーバー上にあるサイト部分の改ざんを行うことによって、そこにアクセスした人に対して攻撃を行うように仕込むという方式となります。多くの人が集まる場所に攻撃を仕掛けることによって攻撃を連鎖させるという手法であるため、特にサイト公開のために使用しているサーバーに対してこれが行われると被害の拡大具合が大きくなってしまうのが問題点です。
機器の不調が原因で起こるトラブル
サーバーに発生するトラブルは、その全てが攻撃によって発生するものではありません。単純に内部的なトラブルによって問題が発生するということも多くあり、此れもチェックをしておくべきポイントの一つとなります。例えば問題が発生しうる場所しとては、ハードディスクや電源ユニット、マザーボードのようなデバイスを挙げる事ができます。
基本的にサーバーマシンというのは長時間稼働するものであるため、これらに対しても負荷がかかりやすく、通常のパソコンに比べて摩耗が早いものであること注意しておかなければなりません。また、停電や地震などが発生することによって物理的な損傷が発生することによって問題が引き起こされる可能性もあるため、この点についても合わせて注意が必要なポイントとなります。
システムの不具合が原因で起こるトラブル
また、サーバーパソコンに対して発生するトラブルとしてこの他にも、システムに対する不具合が発生している可能性があります。例えば多く見られる物として、OSが立ち上がらない、というようなものがあります。このような問題も突き詰めるとハードディスクの故障のような物理的損傷から起こっている可能性も低くありません。
ただし、内部的な問題だけで発生しているケースというのもあります。ハードディスクの問題が発生しているかどうかをしっかりとチェックし、実際の原因がどの部分にあるのか、ということを突き止める事が重要なポイントとなります。
②サーバートラブルが起こってしまった時の対処法
それでは、上記の様な原因によって実際にサーバートラブルが発生してしまっている場合、どのように対処を行う必要があるのでしょうか。サーバートラブルが発生している状態を長引かせることは大きな問題で、取り返しが付かないような問題を引き起こす可能性もあります。
特にこのためにも重要なポイントとなるのが、いかにしてトラブルが発生しているのかを検知するのか、という点です。最近の問題というのは潜伏するものも多く、一見して問題が発生していることがわからないような状態になってしまっていることも多くあるため、この点をしっかり見極めて早い段階で対処を行うようにすることが求められます。
次に、その障害の内容に合わせて、復旧を行う作業が必要です。障害を受ける前の元の状態に戻すことを指しています。最後に、これらを元にして同じ障害が起こることがないように調査を行い、再発防止を行う、というのがやはり重要です。この先ではこれらのポイントについての対処法について、より具体的な方法で紹介します。
障害時用サーバーへの切り替え
サーバーにトラブルが発生し、ウェブサイトへのアクセスなどが寸断、あるいは遅延するような状態になってしまっている場合、まず行うべきなのが状態を復元するまでの間に対応ができるようにするための対応です。こういった場合事前に準備をしておいた障害時のためのサーバーに一時的にその機能を移行し、その間にサーバートラブルが発生しているパソコンのほうを修復するという作業を行うことにしましょう。
この障害時のためのパソコンを事前に用意していない場合には取ることができない方法であるため、重要なサーバー運用を行う場合については複数のパソコンで行うようにすることが重要です。また、この障害時のサーバー対応については「ホットスタンバイ」と「コールドスタンバイ」という2つの方法があります。この先ではこの2つについてどのような違いがあるのかについて紹介します。
コストは高いが即時対応、ホットスタンバイ
障害用のサーバー対応の方法として、最初にホットスタンバイと呼ばれるものについて紹介します。このホットスタンバイというのは、即時対応を行うことができる冗長化手段の一つです。簡単に言うと実際に運用を行っているサーバーマシンと、全く同じ構造のサーバーを一台用意しておき、これを常に起動しているような状態として準備しておくという手法となります。その方法からして常に稼働している必要があるためにコストがかかってしまうというデメリットはありますが、その分問題が発生した場合にシームレスにこちらに対して運用を移行することができるため、ダウンを行っている時間をできるだけ少なく抑えることができるというメリットがあります。
低コストだが対応に時間がかかるコールドスタンバイ
これに対して、もう一つの障害用サーバーの準備方法として、コールドスタンバイというものがあります。このコールドスタンバイもホットスタンバイと同様に同じ構成にしたサーバーマシンを用意しておく方法ではあるのですが、ホットスタンバイと違い、普段から稼働させておくわけではありません。問題が発生した場合に起動を行い、それから移行を行う形を取ることになるため、問題の復旧までにある程度のダウンタイムが発生することになります。また、障害発生時にメイン機に於いて作業処理中だったデータについては引き継ぎを行うことができないというデメリットも存在しています。
その分、常時稼働ではないことによってコストを抑えることができるのがメリットです。また、この両者の中間的な存在としてウォームスタンバイと呼ばれるものもあります。
外部からの攻撃への対応
それでは、サイバー攻撃がサーバーダウンの原因である場合に付いては、どのような対応方法を取ることができるのでしょうか。まず、ウィルス対策を行うように、個別のデバイスを防御することが重要なポイントとなります。また、重要な施設のように、サーバーに問題が発生することがあまりにも重大な問題を引き起こすような場合には、その環境をスタンドアローンにするという手法もあります。これはインターネットから切断されている状態で運用する、ということを意味しています。医療関係やインフラ関係など、重大な問題を引き起こす可能性が考えられる環境ではよく使用されます。
機器不調に陥る前にやっておくべきこと
実際に機器が問題を発生した時に、それに合わせるように対症療法を行うのはもちろん重要な対処法の一つです。ただし、なにか問題が起こってから対応を行うのでは十分ではないのもサーバートラブルに関する確かなポイントの一つでもあります。重要なのは、機器が問題を発生させる前に、その前段階で止めることにあります。
そのためにも重要であるのが、監視を行うことです。サーバーに対して監視プログラムを実行し、問題が発生しているポイントはないか、これらか問題が発生する可能性があるポイントがないか、できるだけ逐一状態を確認することが重要になります。例えばCPUやメモリ使用率などを監視しましょう。運用状態が変わっていないにも関わらずここに大きな違いが生じているのであれば、内部的な問題が発生してる可能性があります。ただし、どこから障害が発生していると考えるのか、という部分も重要です。どの程度までを問題と考えて対処するのか、という部分についても事前からマニュアルを作成し、その場その場の場当たり的な対応にしないようにすることも重要となります。
サーバーリプレースに適切な時期とは
サーバートラブルに関することとして、最後に紹介するのはサーバーリプレースについてです。これはサーバーの交換を行うことで、新しいマシンにサーバー機能を移行することを意味しています。それでは、このサーバーリプレースを行うのに適しているのはどのような時期なのでしょうか。
これについて、一概に正しい時間があるわけではありません。運用状態によっても適切な時期の違いがあるためです。ただ、一般的には5年程度が交換を行うのに良い時期とされており、長くとも7年目には交換を行っているケースが多いようです。
まとめ
それでは最後に、これまでのまとめを紹介して記事の結びとさせていただきます。まず重要なのは、サーバーに発生しているトラブルの原因が外にあるものなのか、内にあるものなのかをはっきりと確認することです。そして、その原因に合わせて適切な対処法を行うことによって、早目にその問題を解決し対処することにあります。
もう一つ重要なのは、このようなトラブルが発生する可能性を考え、事前にそのための備えをしておくことです。サブマシンを用意しておき、代替運用できるようにしておく、というのはサーバーの冗長化作業としては特に重要な要素です。また、しっかりと状態の監視を行い、時期に合わせてサーバーリプレースを行うことも重要です。予算を渋って時期を遅らせている間に大規模なトラブルが発生しデータが損失したとあれば、サーバーマシン購入よりもはるかに高いコストを支払うことになるでしょう。