【故障?】PC(パソコン)電源・バッテリー等のトラブル対処方法について
1はじめに
仕事や学校から帰って、さぁ、メールをチェックしよう、とパソコンの電源を入れたらつかない、なんていう経験はありませんか。
壊れるようなことはしていないし、昨日まで問題なく使えていたのに、故障の原因が思い当たらないのに、突然、電源が入らなくなったらあせりますよね。
実は、パソコンの電源が入らないというのは、故障原因の上位に入ることなのですが、本当にパソコンが壊れているのか、まず、ご自分でチェックしてみてください。
2電源が入らない原因
パソコンの電源が入らない理由はいくつかあります。デスクトップパソコンとノートパソコンに共通しているものもありますし、バッテリ―の劣化というような主にノートパソコンだけにみられる原因もあります。バッテリーは消耗品ですので、使用頻度にもよりますが、数年単位で買い換えることをお薦めします。
ここではデスクトップパソコン、ノートパソコンに共通する原因をご紹介していきましょう。電源が入らないという突発事故に遭遇したら、ぜひ、チャックしてみてください。
2-1 配線の問題
第1に考えられるのが、配線です。デスクトップパソコンは、パソコン本体とコンセントやモニターと複数のケーブルでつながっていますし、ノートパソコンもACアダプターを使うことはありますよね。
電源ケーブルやACアダプターがコンセントから抜けていませんか。実際、掃除をしたさいに抜けてしまったことに気づかない、ということはよくあります。キチンと電源がつながっているか確認してください。
延長コードやテープルタップ、いわゆるタコ足配線もパソコンの操作を不安定にする原因になります。考えられる原因は、ワット数が足りていない可能性があります。
デスクトップパソコンの場合は、単純な配線ミスということも考えられます。デスクトップパソコンでは、一般的に電源ユニットの背面に主電源のスイッチがあります。設置当初にONにしているので、手動で切り替えない限りOFFになることはないのですが、移動させたり掃除をしたさいなど、何らかの原因でOFFになってしまい、そのまま、ということがあります。
2-2 帯電
帯電もパソコンに電源が入らなくなる原因の1つです。
帯電とは、パソコンの内部に不要な電気が内部に溜まる現象をいいます。長時間にわたり使用しているときに起こることが多く、正常に起動しなくなります。
2-3 埃
精密機械であるパソコンにとって埃は大敵。モニターやマウス、キーボードなど目に就きやすい部分はマメに掃除をしている方も多いと思いますが、問題は、パソコン本体の内部の埃です。隠れている部分なので普段は目に付きにくいですが、パソコン本体の内部に埃が溜まると、それが原因で本体の温度が上がり、結果として電源が入らなくなることがあります。
埃だけではありません、近年は禁煙が進みオフィスや会社で仕事机に回りでタバコを吸えないところが増えていますが、タバコのヤニも埃同様、パソコンの故障の原因になるのです。
あるヘビースモーカーの方が、パソコン本体の横に灰皿を置き喫煙しながら仕事を続けていたら、ある日、突然、電源が入らなくなり、修理に出したら本体内部にヤニが溜まっていて修理不可能だったということがあったそうです。
埃にしろヤニにしろ放っておくと熱の暴走や火災の原因になることがありますので、焦げ臭い臭いがする、調子が悪いと感じたら要注意です。
2-4 内部部品の故障
これまでご紹介してきたパソコンに電源が入らない原因は、実は、家庭でも処理できるものです。が、原因がそこでない場合、パソコン本体の内部部品のパーツの故障が考えられます。
デスクトップパソコンとノートパソコンに共通している故障原因とノートパソコンのみの原因がありますので、ご紹介します。
デスクトップパソコンとノートパソコンに共通している原因は、電源ボタン、電源ユニット、マザーボード、ハードディスク(HDD)、ファン、メモリ、CMOS電池や内臓電池などです。
また、ノートパソコンだけにみられる故障原因は、バッテリー、ACアダプター、DCジャックなどです。DCジャックは、マザーボートを一体になっているため、故障した場合、マザーボートごと修理や交換をする可能性があります。
内部部品の故障した場合、交換などの処理が必要になります。専門的な知識も必要なため、パソコンに精通している方なら内部部品の交換も可能ですが、そうでない方は、メーカーや販売店、パソコン専門の修理業者に依頼することをお薦めします。
2-5 ウイルス
ウイルスの感染もパソコンに電源が入らなくなる原因の1つです。この場合、パソコンをリカバリし、購入時の状態に戻す以外にパソコンを回復させることは不可能です。
リカバリするさいに注意したいのが、パソコンに保存していたデータです。仕事上のデータや個人用に保存していたものなど、可能な限りバックアップしてから、リカバリをしないと大変なことになります。
手順としては、ウイルスはインターネット経由で侵入してくることが多いので、まず、インターネットの接続を解除したあとでデータのバックアップを取り、リカバリをかけます。その後、セキュリティ対策ソフトをインストールしますが、このとき、最新版に更新することも忘れないでください。
あと、バックアップデータを移すときは、データ自体がウイルスに感染していないかチェックすることも大切です。せっかくリカバリしたのにデータがウイルスに感染していては元の木阿弥です。
3簡単!自分でできる対処法
パソコンは精密機械です。素人が修理するのは無理と思い込んでいませんか。もちろん精密機械ですので、専門的な知識のない素人には対処が不可能な場合もありますが、自宅でも簡単にトラブルを解決できる方法をご紹介します。
3-1 配線の確認
配線関連のトラブルで以外に多いのが、電源ケーブルがコンセントから外れていたり、緩んでいることです。これは電源ケーブルをしっかりコンセントに挿し込めば問題は解決します。
延長コードを使っている場合は、タコ足配線だったり、複数の挿しこみ口にある延長コードで何本ものコンセントを挿していたり、また、使用できる電気容量の少ない100円ショップで購入したものを使っていたりする場合は、容量オーバーになっていることも少なくありません。
必要なワット数を満たしているかどうか、確認する必要があるのですが、延長コードを使わず壁のコンセントに直接、電源ケーブルを挿してみてください。これで電源が入るようなら延長コードが原因ということになります。
トラブル回避のためには、壁のコンセントから、直接、電源を確保することが望ましいのですが、どうしても延長コードを使用しなければならないときは、パソコン本体の電源ケーブルのみ挿すようにすると、電源問題を解決することができます。
3-2 放電する
パソコン内部に電気が溜まった状態、帯電で電源が入らない場合は、電気を逃がす、放電することでトラブルが回避できます。
放電の方法は、まず、機動中のアプリケーションなどのソフトを全て終了します。DVDドライブにCDディスクが入っている場合は取りだしてください。さらに、パソコンに接続している外付けのHDDやプリンターなどの周辺機器やケーブル、SDカードを外します。また、ノートパソコンの場合は、バッテーリを外しておきます。
パソコン本体に何も接続されていない状態で、パソコンをシャットダウン、電源を切ります。そのまま状態で1~2分ほど放置、放電を行います。
放電が完了したら、パソコンの起動と操作に必要な電源ケーブルとマウス、キーボードだけを接続し、パソコンの電源を入れ、起動すればOKです。
ノートパソコンの場合、この段階でバッテリーのみ取り付け、起動させます。
ご紹介したのは一般的な放電方法です。パソコンのタイプやメーカーによって異なることがありますので、説明書などで確認してから行ってください。
3-3 埃を取り除く
意外と埃が溜まりやすいのがパソコン本体の内部。定期的に掃除をすることで電源が入らないというトラブルも回避できますし、パソコン自体も長持ちさせることができます。
まず掃除に必要な道具ですが、掃除機、エアーダスター、エアーブラシ、OAクリーナー、ドライバー、綿棒、割りばし、静電気対策用の手袋などです。
掃除をする前に、電源を落とし、電源ケーブルやUSBなど配線と周辺機器を全てはずしてから10分ほどおきます。
作業を始める前に、自身の体内に溜まっている静電気を逃がしておきます。これは専用の手袋をはめ、ステンレス製のドアノブなどに触れると、体内から静電気を逃がすことができます。静電気を留めたまま作業をすると、静電気によってパソコンの部品などが使えなくなる可能性があるので、必ず、行ってください。
では、掃除を始めましょう。本体の裏側のネジをドライバーで外し、裏面の板を外します。これで内部を確認することができます。埃が溜まりやすい部分は、ファン、PCファンなどですが、ファンは割りばしを使って固定させておくと掃除がしやすくなります。
基盤や配線を傷つけないように細心の注意を払いながら、エアーダスターを使って埃を取り除いていきます。エアーダスターを使うさいは、換気に注意してください。また、エアーダスターが終わったら、少し時間をおくことも必要です。
最後に仕上げの掃除機をかけ、裏面のカバーを取り付け、配線をつなぎ直せば終了です。パソコンが正常に起動することが確認できれば完了です。
簡単そうですが、パソコン初心者や不慣れな方がパソコン内部の掃除をすると起動しなくなるおそれがありますので、注意して行ってください。
4それでも直らない場合
何度もいいますが、パソコンは精密機械です。電源が入らないというトラブル回避のために、もちろん、自宅でできることはありますが、プロの手を借りなければならない場合もあります。
4-1 修理業者に依頼
パソコンメーカー、販売店、パソコンショップ、修理専門の業者など、どこに依頼したらよいのか悩みますよね。
保証期間内であれば、メーカーや購入した販売店やパソコンショップで無償で修理してくれますが、一般的に保証期間は1~2年。この間に修理が必要なほど壊れることは多くはありません。メーカーの場合、保証期間外であっても有償での修理を受け付けてくれますが、修理費用が高かったり、修理時間も2週間前後とかかったりしますし、内部部品の保存期間が3年ほどといわれているため、年数の経ったパソコンの修理は受け付けてくれない可能性もあります。
メーカー同様、専門的知識を持った方が多くいるのが、修理専門の業者です。メーカに比べ修理費用も安く、修理時間も短いのが特徴です。また、パソコンが壊れたときの状態を極力維持しながら修理をしてくれるので、データーが消されずに済んだということもあります。ただ、キチンと仕事をしてくれる業者さんが多いなか、悪徳、といわれる業者も存在しますので注意が必要です。どこが壊れているのか、修理箇所をハッキリ教えてくれ、それに伴う修理費用と時間を明確に教えてくれる、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
4-2 買い替える
使用状況にもよりますが、デスクトップパソコンでもノートパソコンでも、一般的にハードディスクや光学ドライブ、電源ユニットなど修理が必要になる部品の寿命は3~5年といわれています。
使用年数が3年以上経過し、修理費が5万円以上かかる場合は、買いかえることを検討するのも1つの方法です。
古いパソコンを処分するさい気を付けたいのが、個人情報に関するものです。ブラウザなどに登録しているログインIDやパスワードなどを削除。万が一にも悪用されないよう細心の注意を払ってください。
5まとめ
電源が入らないなど、パソコンの起動時に関するトラブルは故障原因の上位にランキングされる事がらなのですが、実は、原因の特定が難しいともいわれています。電源ケーブルを確認する以外の方法は、初心者にはちょっとハードルが高いと思われるかもしれませんが、慣れればハードルは低くなりますし、どの部分を気を付ければよいかが判断できるようになると思います。それよりも大切なのは毎日の使い方です。
スマートフォンなどパソコンの代用品としても使える機器も増えていますが、パソコンでないと不便ということもたくさんあります。修理に出すにしても買い換えるにしても、そのパソコンを何日間も使えないということになりますので、普段からパソコンの変化を敏感に感じ取り、メンテナンスをかかさないようにすることが大切です。突然、電源が入らくなると思われがちですが、実は、その前から電源が入りにくくなるなどのSOSをパソコンは出しているのです。ちょっとした変化なのですが、予兆ともいえる変化を見逃さず、その段階で対処をすれば被害は最小限ですむ可能性があります。パソコンのトラブルを回避する使い方を心掛けてください。