【悩み解消】削除したPC(パソコン)のファイルデータをすぐに復元しよう

パソコンの操作に慣れていても、誤ってデータを削除してしまうことや、何らかのシステムエラーで削除されてしまうことがあります。
うっかり削除してしまうときほど、重要度が高く大切なデータなことも多いです。
何とかしてデータ復旧させたい思いに駆られ、時間を戻したい気持ちにもなりますが、個人でデータの復旧ができる場合と、専門業者が必要になる場合を含めて、パソコン内のデータの復旧方法をご紹介します。

1はじめに

間違えてパソコン内のデータを削除したとき、大きなショックを受けると同時に、焦る気持ちが先行してパニック状態になることがあります。
せっかく作ったデータを、また最初から作り直すとなれば、相当な時間を費やすことにもなるでしょう。
パソコン内のデータはバックアップを取っておけば、簡単に復旧できますが、バックアップしていないときでも、状態によっては復旧できるケースがあります。

まずは焦る気持ちを落ち着くために深呼吸をしてください。
冷静になり、パソコンともう一度向き合い、データの復旧の可能性を探っていきましょう。

2復旧できる場合、できない場合

パソコン内のデータは、大きくわけて個人で復旧できるケースと、個人ではなかなか難しく、データ復旧の専門業者に依頼する必要があるケースに分かれます。
パソコン初心者の方や操作に自信がない方にも、データの復旧ができるか、難しいかを見極められるよう解説します。

2-1個人で復旧できる場合

個人でデータ復旧できる場合には、データの削除方法やパソコンが通常通り動いているかどうかが関係しています。
パソコンが通常通り起動する状態で、データを誤って削除した場合は、比較的復旧できる可能性が高くなります。

ファイルを右クリックして削除したケース

ファイル名の見間違いや手違いによって、ファイルを右クリックして削除した場合は、自分でこのデータを復旧できる可能性が高いです。
右クリックから削除をした場合、ほとんどのデータは完全に削除されずに一旦ゴミ箱に移動されるからです。
画面上のゴミ箱のアイコンは、ゴミが入った状態に変り、ゴミ箱を開いてみると先ほど削除したはずのファイルがしっかり移動されているのが確認できます。

ゴミ箱に入っているファイルを復旧するには、該当するファイルを右クリックして「元に戻す」を選択するか、ゴミ箱フォルダの管理タブから、「すべての項目を元に戻す」または「選択した項目を元に戻す」のどちらかを選択することで元の状態に復旧することができます。

またゴミ箱フォルダのデータは、デスクトップ画面などの任意の場所に、ファイルをドラッグすることでも復旧できるほか、右クリック後にEキーを押すことでも元の場所に戻すことができます。
手動で削除してしたったデータは、操作に自信がない方も簡単に復旧することができるのです。

以前のバージョンの復元を使って復旧するケース

削除してしまったデータを復旧するには、「以前のバージョンの復元」機能を使って復旧させることができます。
以前のバージョンの復元は、削除したデータそのものは復旧できないことが多いですが、作成していた復元ポイントの中のデータとして復旧できる方法です。
多少前のデータということになりますが、定期的に復元ポイントを作成しておけば、比較的新しいデータの復元が期待できます。

Windows10で復元ポイントを作る場合、スタートボタンを右クリックして「システム」を選択し、バージョン情報を表示させます。
バージョン情報右側に、関連設定として「システム情報」があるのでクリックします。
すると、コンピューターの基本的な情報が表示され、今度は左側のメニューに「システムの保護」があるので選択してください。

小さなウインドウでシステムのプロパティが表示されるので、保護設定の中にあるシステムの保護が有効になっているドライブを選択して、復元ポイントを作成します。
大抵の場合はCドライブが有効になっており、プロパティ内の作成ボタンをクリックするだけで復元ポイントの作成が始まります。
数秒から数分程度で復元ポイントが作成が完了し、万が一のときはこのデータを元に大切なデータを復元することができるようになります。

以前のバージョンの復元機能を使ってデータの復旧をするには、「システムのプロパティ」を表示して、「システムの復元」を選択します。
システムの復元ウインドウが開いたら、「次へ」をクリックすると、保存していたシステムの復元ポイントが表示されます。
復旧したいデータが入っている復元ポイントを選択して、「次へ」をクリックしてください。
復元ポイントの内容に問題がないことを確認し、「完了」をクリックすると、パソコンが再起動して復元が完了します。
データを保存していたフォルダや保存場所を開けば、大切なデータを復旧させることができます。

ファイル履歴を有効にして復旧するケース

Windows10には、ファイルを自動でバックアップしてくれる「ファイル履歴」という機能が用意されています。
バックアップされるデータは、ドキュメントなどを含むライブラリ・デスクトップ・アドレス帳・お気に入り・OneDriveなど、フォルダに保存されるデータが対象です。

このファイル履歴を使用してデータを復旧するには、事前にファイル履歴を有効に設定しておかなければなりません。
スタートボタンから設定を選択し、「更新とセキュリティ」を表示させてください。

左側に表示されるバックアップを選択して、「ドライブの追加」をクリックします。
ドライブを選んでくださいというメッセージが表示されるので、バックアップの保存先を選択します。

保存先は、外付けのハードディスクや、フラッシュメモリなどがおすすめで、任意の場所を指定したら更新とセキュリティーの画面に戻ります。
「その他のオプション」を選択して、バックアップオプションを表示させてください。
バックアップオプションでは、バックアップ対象のフォルダ、除外するフォルダが指定できます。
それぞれ対象のフォルダを指定しておくことで、必要なデータだけを自動でバックアップしてもらえます。

同じ画面の「今すぐバックアップ」を選択すると、すぐにバックアップが始まります。
バックアップするデータの量によっては、バックアップにかかる時間は変動します。
また、バックアップの頻度も指定できるので、毎日取りたい場合など必要に応じて設定しておきましょう。

データを復元するときは、「バックアップオプション」を開き、下の方にある「現在のバックアップからファイルを復元」を選択して、バックアップしていたデータを復旧させます。

2-2専門業者が必要な場合

パソコンの電源が入らない状態や、ハードディスクのエラーメッセージが表示される、パソコンの破損など、普段と違う症状があるときは、データの復旧は専門業者に依頼する方が良いでしょう。
パソコンを落とす、何か物をぶつけてしまった、その他水没状態にしてしまったり、強い衝撃を与えたときは、精密機械であるパソコンは動かなくなることが多いです。
ハードディスクのエラーメッセージの内容は鵜呑みにしないで、メモをとってパソコンをそれ以上使わないようにしてください。
エラーメッセージに従って操作することは、場合によってはデータを完全に失う可能性があり、安全に中のデータを取り出すには専門業者の助けが必要です。

パソコンの電源が入らない・OSが起動しない

パソコンは急に電源が入らなくなったり、電源は入ってもなかなかOSが立ち上がらなくて、黒い画面のままになることがあります。
パソコンも機械なので急に壊れることや、または何らかのエラーが発生して、通常起動しなくなることがあります。
これらの症状のときは、パソコンの強制終了やリカバリーなど、何かできそうなことを探したくなりますが、まずは落ち着いて状況を詳しく把握することが大切です。

パソコンが通常起動しない原因は、大きく分けて2種類あります。
ハードディスクそのもの故障(物理障害)と、内部データに何等かの異常が発生している状態(論理障害)です。

物理障害が疑われるときの症状と対処法

物理障害のときによくある症状として、異音や焦げ臭いなどの異臭の発生が挙げられます。
これらの症状への対応は、本体の分解作業や部品の交換作業が必要で、よほどパソコンに詳しくなければ、自分ですべての作業を行うことは難しいでしょう。
自信がない方は、データ復旧の専門業者に依頼する方が良く、データ復旧率も高めることにつながります。

論理障害が疑われるときの症状と対処法

ハードディスクに何らかの異常が生じる論理障害が疑われるときは、ファイルが自動更新されたり、勝手に初期化される、保存したファイルが開かなくなるなどの症状があります。
自分が何もしていないのに、勝手にパソコンが動いているようにも感じられる症状です。
ネット上ではよく、データの復旧ソフトを導入してデータの復旧をしようとしますが、ソフトによりデータ復元の精度には差があり、ソフトの利用で状況が悪化するケースもあります。
データ復旧ソフトが悪いという意味ではなく、利用するなら正しい使い方の習得や、どれほどのリスクがあるのかを知り、適切な使用が望ましいです。

パソコンが正常起動しないときは、まずはどのような症状があるのかを調べることが第一です。
データを安全に復旧するには、調べた症状とおかしくなった時の状況をメモして、データ復旧専門業者に伝えることが何よりも大切です。

3最初に確認すべきポイント

パソコン内のデータを誤って削除してしまったときは、ショックと焦りからパソコンを隅々までチェックしたり、強制終了や再起動など、繰り返し試したくなります。
しかしパソコンを今後も操作するなら、誤操作に対して自己流の対処をしたり、毎回ショックを受けてばかりはいられません。
焦る気持ちを整えて冷静になり、いくつかの項目をチェックしてみましょう。

3-1ゴミ箱

パソコン内のデータを誤って削除したとき、1番始めに確認したいのがゴミ箱です。
通常、ファイルなどを右クリックし、削除を選択した場合は、ゴミ箱にファイルが移動されるからです。
パソコンの性質上、誤操作によるデータの削除は良くあることで、WindowsにもMacにも完全削除を避けるためにゴミ箱が設置されています。

Windows10では、一時ゴミ箱アイコンが消えるという症状が出て話題になりましたが、デスクトップアイコンの設定から表示させることができ、Windows10だからといって異常があるわけではありません。

ゴミ箱は見た目にもわかりやすく、何も入っていないときは空のゴミ箱アイコンが表示され、何かを削除したときにはゴミがたくさん入っているアイコンが表示されます。
大切なデータを誤って削除したときは、まず落ち着いてデスクトップのゴミ箱アイコンを確認してください。
ゴミが入っているアイコンが表示されているなら、削除したデータが移動されているかもしれません。

3-2以前のバージョンから復元

定期的に復元ポイントを作成しているなら、以前のバージョンの復元を実行してみましょう。
削除したデータを最新の状態での復旧はできませんが、復元ポイントを作成したときの状態で復旧させることができます。
週に1回、復元ポイントを作成している方なら1週間前、毎日作成している方なら、昨日の状態で復旧でき、高確率で削除したデータを復旧できます。

もしも復元ポイントを作成していない場合は、これを機に毎日の復元ポイント作成を週間にすると良いですね。
誤ってデータを削除したときに、慌てずに対処できるようになるはずです。

3-3ファイルの履歴

Windows10の場合、ファイル履歴を使用してバックアップすることができるため、ファイル履歴の設定をオンにしているなら、データを復旧することができます。
スタートボタンから設定を開き、更新とセキュリティを選択します。
左側のメニューからバックアップを選択して、その他のオプションをクリックしてください。

表示されたバックアップオプションの最下部にある関連設定の「現在のバックアップからファイルを復元」というメニューを選択すると、ファイル履歴が表示されます。
何度もバックアップを取っているなら、復旧したい日時のバックアップ一覧を表示させて、該当のデータを選択し、「復元」ボタンをクリックすると復元できます。

4それでも復旧できない場合

削除したデータを復旧するために、できる限りの手を尽くしても復旧できないときは、個人では限界の域にあるといえます。
削除したことが明確で、自力ではパソコンから復旧できない場合は、次の手を打たなければなりません。

4-1データ復元ソフトの使用

データ復元ソフトは、無料で使えるフリーソフトから、有料版のものまであり、復元率もさまざまな範囲に対応しています。
近年では有料版のソフトでも無料試用版が用意されているものや、わかりやすい操作性のものが増えており、初めてでも安心して利用できます。

まずはデータ復元ソフトをインストールします。
ソフトを起動させて復旧したいデータの種類(写真・メール・ファイルタイプなど)を選択します。
削除したデータがあった場所、またはコンピュータ全体からスキャンを開始すると、削除されたデータが表示される流れが一般的です。
その後は一覧から復旧したいデータを選択し、各ソフトの指示に従い復旧します。

データ復元ソフトは、パソコンの状態によっては状況を悪化させることがあるので、インストールする前にパソコンの状態を確認してから使ってください。
正しく使用することで、誤操作でのデータ削除はもちろん、データがある記憶媒体をフォーマットしてしまったときにも有効活用できます。

4-2専門業者に問い合わせ

パソコン内のデータを削除してしまい、できる限りのことを尽くしてもデータの復旧ができないときは、データ復旧専門業者に問い合わせることも良い方法です。
数ある専門業者の中でも、口コミや評判の良い業者を複数社選んで、症状の説明と料金の見積もり、復旧の可能性などを聞いてみてください。

初期診断や復旧可能なデータリスト提示があり、自社内で一貫作業をしている業者なら、セキュリティの面でも安心できます。
復旧可能な状態のときは、具体的な作業日数や料金、キャンセルした場合のキャンセル料金についても確認しておきましょう。

5データが消えてしまわないように

パソコン内の大切なデータは、自分の誤操作で削除してしまう以外にも、パソコンの故障で失う可能性が大きいものです。
データが消えてしまわないように、日ごろからさまざまな対策をしておくことが大切です。

外付けハードなどの外部記憶媒体を始め、Windows10のファイル履歴などを利用したバックアップは、定期的に取る方が良いでしょう。
個人のパソコンならサブマシンを用意しておき、データを共有することもできます。

大切なデータを扱うときは少し手間だと感じても、万が一に備えた対策を取るようにしてください。

6まとめ

パソコン内のデータは、予想もしないタイミングで削除してしまうことがほとんどです。
消えたときには焦りとショックで、パニックになりやすいですが、そんなときのためにも外部の記憶媒体にバックアップを取っておきましょう。
削除してしまったデータは、ある程度まで自分で復旧することができるので、状況に合わせて試してみてください。
場合によってはデータ復元ソフトの使用や、専門業者によるデータ復旧方法も活用し、大切なデータを取り戻しましょう。

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