【なるほど】停電からPC(パソコン)を守る方法わかりやすく解説/UPS

地震や落雷、その他の災害によって大きな被害が出る事が多い日本で、特に家庭において影響が発生することが多い障害であるのが、停電です。私達の生活は強く電気に依存するようになっており、電気が使用できなくなるというだけでかなり便利な生活から遠ざかってしまうことになるのは皆さんも実感できることなのではないでしょうか。
そんな停電による障害が発生した時、特に問題が発生することになるものの一つがパソコンです。パソコンは数多くのデータを管理保存しているツールであり、突然の停電に遭うと処理中にいきなりシャットダウンされてしまい、処理が問題を起こしてパソコン全体に影響を及ぼす可能性があります。データの保存などもされないことが多く、ビジネスのために使用している場合でも、あるいはプライベートのために利用している場合でも、影響が大きいと言えるでしょう。そこでここでは、そんな停電が発生した時になんとかパソコンを守る事ができないのか、ということについて紹介します。「突然の停電でパソコンが受ける影響は?」「停電のためにできる対策」「高価でも効果抜群な対策方法の導入」という3つのポイントからパソコンと停電の関係についてご紹介します。

突然の停電時にパソコンが受ける影響は?

それでは、実際に停電が発生した場合、パソコンに対して発生することが想定される影響としてはどのようなものがあるのでしょうか。これについては、デスクトップパソコンであるのか、あるいはノートパソコンであるのかによっても違いがあります。また、どのような作業をしている間に停電が発生したのかによっても違いがあるため、その点についても比較しながら考える必要があるでしょう。停電で発生しうる影響については様々なものを考えることができますが、ここから先では特に発生率が高い影響として「作業中データの消失」「ハードディスクドライブへの損傷」「OSの破損による起動不能」という3つの要素について紹介します。これらに加えて、ノートパソコンの場合、という部分についても紹介し、両者の比較をしていくため、どちらのパソコンを使用している方でも参考としていただければ幸いです。

ノートパソコンは問題なし

最初に紹介するのは、使用しているパソコンがノートパソコンである場合です。ノートパソコンの場合、使用の方法によっても違いがありますが、充電式である内蔵バッテリーによって駆動しています。そのため、もし突然の停電があったとしても、パソコンに対して提供されている電気が突然すべてカットされることはないため、バッテリーが切れるまでの時間で対策を取ることができます。もちろんこの間に対策を取らなければ停電が発生したのと同じような影響が発生することになりますが、しっかり対策を取っているのであればノートパソコンの場合にはこれと言って悪い影響が発生することはありません。
ただし、使用しているノートパソコンが古いものであったり、内蔵バッテリーの状態が悪化しているような場合、直接給電で使用している場合もあるでしょう。このような場合についてはデスクトップパソコンと同じく給電による電気に駆動を依存しているため、停電によって給電が停止すると同時に動かなくなってしまいます。この場合には発生するデメリットはデスクトップパソコンの場合と同様になるため、バッテリーについてはある程度以上の状態を保っているものを利用することがノートパソコンを停電から守るための重要な方法となります。

作業中のデータが消える

それでは、給電をコンセントに頼っているノートパソコン、及び一般的なデスクトップパソコンである場合、停電によってどのような影響が発生することが考えられるのでしょうか。まず最初にその影響として考えられるのが、作業中データの消失です。この作業中というのには様々な内容が含まれており、例えば文書ファイルの作成を行っている場合にはその内容ということになりますし、データ出力を行っているのであればそのデータも対象となります。インターネット上からファイルのダウンロードを行っているような場合でもこれは途中で停止してしまうことになるでしょう。昨今のウェブブラウザではダウンロードにレジューム機能が搭載されていることが多いですが、電源が落ちてしまった場合には進行状況が保持されない可能性も十分にあります。
特に作業中データが失われてしまうのは、パソコン上のデータというのがRAMとROMという2つの種類のデータで管理されていることに起因しています。動かしている途中のファイルというのはRAMという一時メモリ上で処理されるようになっており、保存をしてそのデータを確定しない限りハードメモリであるROMの方に保存がされないようになっているためです。RAM上のデータは長く保持されるようになっていないため、停電によって処理中にそれが終了してしまうと、消失してしまうということになります。

HDDへの損傷

停電によってパソコンに対して発生する可能性が高い影響として、次に紹介するのはハードディスクドライブの破損についてです。これは特にハードディスクドライブの稼働中に停電が発生し、異常終了した場合に考えられることとなります。データを書き込んでいる間や、あるいはデフラグ作業を行っている間などに停電が発生してしまった場合、ハードディスク内の破損が発生して消失を起こしてしまったり、状況が悪い場合にはハードディスクドライブ自体がクラッシュしてしまうことによって、使えなくなってしまったりすることがあります。
これはハードディスクに対する書き込みが物理的な駆動によって行われているのが理由です。物理的駆動の途中に異常終了することによって、物理的損傷としてそれが発生してしまうことになり、再生不能な状態に陥ってしまう可能性があるのです。

OSが破損し、起動できなくなる

ハードディスクドライブに対する影響が停電による物理的な障害であるなら、もう一つ停電によって発生する可能性があるOSへのダメージはプログラム上の問題であると言えます。OSというのはパソコンが本来であれば機械にだけわかる言葉で駆動しているのを、人間にわかるように翻訳をするという役割を持っているソフトウェアで、ほとんどすべてのパソコンにインストールされています。いわゆるWindowsやMacOSと呼ばれるようなソフトウェアがこれにあたります。
このOSというのも一般的なプログラムと同様に、ハードディスク上のプログラムファイルから動いています。そのため、停電によって急に停止してしまい、このプログラムファイル部分に悪影響が発生してしまった場合、プログラム自体に異常が発生してしまって再起動できなくなってしまう可能性もあります。結果的にパソコンが使用できなくなってしまうという点においてはハードディスクの損傷と同じような規模の問題を引き起こすことになるでしょう。

停電のためにできる対策

ここまで、停電によって発生する可能性がある様々な悪影響としてどのようなものがあるのかを紹介してきました。それでは、こういった問題に対して対策する方法はないのでしょうか。停電の発生する状況によって、使用できるかどうかには違いがありますが、ある程度の対策は考えることができます。
ここから先では、停電に対する対策方法として「停電時間がわかっている場合」「電源ケーブルも外す」「定期的なバックアップ」「復旧時の被害確認」という4つのポイントから、停電とパソコンへの被害の関係と対策についてを紹介していきます。影響を皆無にすることは難しいですが、できるだけその被害を抑えるようにすることは可能です。

停電時間がわかっているときにはそれより前に電源を切ろう

それでは最初に、停電が起こる時間が事前にわかっている場合の対策についてです。災害によって急に発生する停電についてはこのような時間はわからないために対策を取ることは難しいですが、地震ではなく台風のような災害の場合、ある程度危険性があることは事前に察知することができるでしょう。また、2011年の大震災以降では行われていませんが、電気量の不足による輪番停電などが行われる場合についても、事前にどの時間帯に停電が発生するのかは通知されています。
このような電気が止まる時間がわかっている場合については取る事ができる対策が数多く存在しており、パソコンに対して発生する被害を大幅に軽減、あるいは完全に対策を行う事ができます。ここでまずポイントとなるのは、停電が発生する時間帯には電源を切っておくようにすることです。上記のような停電によって発生する影響というのは、停電発生時にパソコンが可動していることによって発生するものであり、そうでないのであれば影響が発生しないものであるためです。この時注意したいのは、パソコンをしっかりとシャットダウンすることです。終了オプションの内容設定によっては初期がスリープになってしまっており、シャットダウンしたつもりがスリープ状態になっていた、ということもあるため、必ず完全にシャットダウンを行ってしまうようにしましょう。電力供給がされていない状態にしておくことが重要です。

電源ケーブルもすべて外してしまおう

もう1つ、停電の時間がわかっている、あるいは災害による影響が予見できる場合に取っておきたい対策の一つであるのが、ケーブルを抜くということです。コンセント側につながっているケーブルを、パソコン本体のものだけでなく、それぞれの周辺機器の分も含めて引き抜いてしまいましょう。個別電源スイッチなどがついているコンセントハブを使用している場合には、こちらのスイッチを切ることによって同じような効果を発揮することができます。
このようにコンセントを抜いておく事による意味は、停電が解消されて状態が復旧する時のための対策です。実は停電が発生して電気が復旧する時には、過大な電圧や電流がかかってしまう可能性があり、それによってパソコンや周辺機器が故障してしまうという可能性があります。上記のパソコンのシャットダウンにあわせて、こちらも対策をとっておくことで二次的な被害を抑えることができるでしょう。

定期的にバックアップとデータ保存を

次に停電対策として紹介するのは、停電の時間がわかっていない場合でも、普段から行っておくことによって取る事ができる対策です。まず重要になるのは、データのバックアップをできるだけ普段から取っておくようにするということです。ハードディスク上にだけ保存されているデータが有る場合、停電によるハードディスクの損傷が発生するとこれを読み取ることができなくなってしまい、データが消失してしまう可能性があります。しかし、普段から別のディスクへの保存や、クラウド上への保存を行っているのであれば、ハードディスクがだめになったとしてもこちらにデータだけは残されることになります。定期的に自動的なバックアップを取るようにするなどすることで被害を軽減することができるでしょう。
また、入力中のデータなどが損失してしまうことに対する対策としては、様々なデータをこまめに保存するようにするということです。昨今では定期間隔で自動保存を行ってくれるソフトウェアも多くなっており、こういった物を使用することによっても被害を抑えることができるでしょう。Windowsの場合コントロールキーとSキーを同時に入力することで、多くのソフトウェアは上書き保存を行うことができます。一区切りついたらこのショートカットキーを使って細やかに保存をするようにしておくと、心配が減るでしょう。

停電復旧時には被害確認を

停電から復旧したら、今度はパソコンにどのような問題が発生しているかをチェックするようにしましょう。この時にはパソコン上で行えるチェック方法として、エラーチェックというものがあります。ドライブが表示されているアイコン上で右クリックをして、プロパティからツールタブを開き、チェックするというボタンをクリックすることによって、ハードディスクの状態を確認することができます。もし不審な動作が発生している場合には、シャットダウンをして損傷を防げる状態とした上で、正常な機器に内容データの移行を行う準備をするのが良いでしょう。

高価でも効果抜群、無停電電源装置(UPS)の導入

ここまで紹介してきた停電への対策というのは、あくまでもソフトウェア上の対策であったり、細かい対策であったりという、停電に対する根本的な対策ではありません。実は急に発生する停電に対しても、ある程度準備時間を作るための道具というものがあります。それが、UPSと呼ばれる装置です。UPSというのは、UninterruptiblePowerSupplyの略称であり、無停電電源装置と訳されます。これは簡単に言うと大型の外部バッテリーで、停電が発生した場合にパソコンの電源が突然落ちないようにするためのもので、シャットダウンなどを行うための時間をかせぐ事ができるという装置となります。
このUPS自体がかなり高価なものであるため、家庭のパソコンに停電対策として使用するのには少々難しい部分もあるでしょう。ただし、これを導入していれば停電によるパソコンへの損傷を大幅に抑える事ができるのも事実です。そしてこのUPSのもう1つの重要なポイントであるのが、落雷によって発生する可能性がある過電流の対策としても効果を発揮することです。パソコン本体の保全のためにも導入を検討して見る価値があるでしょう。

まとめ

それでは最後に、停電からパソコンを守るための方法についてのまとめを紹介します。まず重要なのは、停電が発生することが分かっている、あるいはその可能性が高いと考えられる場合には、事前に対策をとっておく事ができるということです。電源が突然落ちる事によって影響が発生することになるため、その時間には電源をつけておかないようにすることで、多くの被害が抑えられます。
また、突然発生するような場合でも対応する方法としては、UPSという装置を導入する方法もあります。こちらは高額な装置であるために一般家庭において導入するのには難しさもありますが、上手く使用することができれば突然の停電に対してさえ、その被害を大幅に軽減できるようになります。

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