【初心者必読】PC(パソコン)を買い換えた時に手軽にデータ移行する方法
新しいパソコンを購入したら、すぐにでも新しいパソコンに環境を移したい、と考える方も多いのではないでしょうか。仕事で使用しているパソコンだけでなくプライベートで使用しているパソコンであっても、やはり新しいパソコンの方が優れている部分というのは多いものです。ただ、新しいパソコンをまっさらな状態から使用するのであればまだしも、そうでないのであればまずは古いパソコンから新しいパソコンに対してデータを移行するという作業を行わなければなりません。
このデータ移行という作業、一見すると単純な作業に見えるのですが、実はやらなければならないこと、考えなければならことがある程度多く存在しています。ここでは、そんなパソコン買い替え時のデータ移行の方法としてどのようなものがあるのか、できるだけ簡単な方法から紹介します。
古いパソコンが使用できない状態の場合
パソコンの買い換えの理由として、そこそこ多く見られるのはやはり古いパソコンが壊れてしまった、ということではないでしょうか。この場合、まずは壊れてしまっているパソコンからデータを取り出し、移行できる状態にしなければなりません。パソコンがどのように壊れてしまっているのかによって移行できる状態に戻すことができるかどうかが左右されます。
データ自体が無事な状態なのであれば、データを保存しているディスクを新しいパソコンに移設することによって基本的には復旧を行うことができます。ただし、ディスクの規格の違いなどによってはそのままでは使用できない可能性があるため、まずは古い方のパソコンをデータを引き出すことができる状態にまで復元する必要があるでしょう。物理的な損害の場合には復元が難しいためデータ移行はできない可能性が高くなりますが、その他の場合にはセーフモードで起動するなどしてバックアップ用のディスクに必要となるデータを移しておくことで、移行を行うことができる可能性があります。
古いパソコンが使用できる場合のデータ整理
古いパソコンが使用できる状態である場合、まずは移行作業を行う前に古いパソコンの内部データを整理していくことが重要になります。この作業を先に行っておくかどうかで、実際に移行作業を行う場合に掛かる時間や効率に違いが生じるためです。
一見すると時間の掛かる作業のようですが、急いで新しいパソコンの環境に移動したいという場合には、まずこちらから行っていくのが良いでしょう。ここでは「古いデータ整理のポイント」「データ整理に使用できる方法」「データのバックアップ」「やっておきたいその他の準備」という4つのポイントに分けてこれを紹介します。
古いデータ整理のポイントは?
それではまず、古いパソコンのデータを整理するにあたって、どのようなポイントに気をつけながら行っていくべきなのかについて紹介します。まず重要なのは、できるだけデータをスリムアップしていくことです。データ移行を行うにあたって、移動させなければならないデータ量は少ないに越したことはありません。そのため、パソコンを新しいものにする際に、必要ではないものを取り除いてくようにしましょう。
まず、インストール済みのプログラムの中から、新パソコンに移動した時に、再ダウンロードや再インストールが可能なものとそうでないものを分けるようにします。再ダウンロードや再インストールができるものに関しては、新しいパソコンから必要になった時に入れ直したほうがスムーズに移行できる場合が多いためです。それができないものに関しては残しておき、そうでないものは一度アンインストールをしておくのもよいでしょう。ただ、使用時に設定があるようなものについては、事前に設定のエクスポートを行うなどして、引き継ぎ環境で使用できる条件を整えておく事が重要です。
もう1つ、データ整理の際に重要なポイントとなるのは、容量を確認することです。大きな容量のデータのものほど移行に掛かる時間を長くする原因となりますが、データ削除に付いてはそれほど時間が掛かるものではありません。必要なものと不必要なものをしっかりと見極めて、特にデータ容量が多いものに関しては必要なものだけを残すようにすることが重要です。
データ整理に使用できる方法
それでは、データ整理を行うにあたって、より効率的に行う方法はないのでしょうか。元々使用していたパソコンにどの程度のデータが残っているのかにもよりますが、データ量が膨大になっている場合には移行するべきデータの選別を行うだけでもどうしても時間が掛かってしまいます。
まず、データ整理を効率的に行うにあたって効果的なのが、フォルダの容量を表示できるようにするためのソフトウェアです。Windowsは標準の状態ではファイルの容量は表示できますが、フォルダの容量は一覧表示されず、容量別ソートを行った場合でもフォルダ容量は別換算にされてしまうため、どのフォルダの容量が多く、少ないものなのかを判断することが難しくなっています。そのままではフォルダのプロパティから判断を行う必要があるため、これを一覧で表示されるような状態にしておくことでその後の作業を効率良く行える状態にすることができます。
また、ファイルクリーナー機能を持っているソフトウェアを使用するのも良いでしょう。使用履歴や更新状況などから使用されていないファイルを判断し、削除を行うことができるようなソフトウェアもあるため、こういったものを適切に使用してスリムアップを行うようにしましょう。
データのバックアップ
古いデータの移行を行う場合、移行時のトラブルなどによってファイルの損傷や損失が発生してしまう可能性があります。そのため、事前にある程度重要なファイルに付いては特別にバックアップを行っておき、後々問題が発生してしまった場合にも対策ができるようにしておくのが良いでしょう。
バックアップを行う場合には、まずバックアップ用のディスクを用意しておく必要があります。この場合に使用できるディスクにはいくつかの種類があり、それによってメリットやデメリットには違いがあります。まず、利用がしやすいディスクとしては外付けのハードディスクやSSDを挙げることができます。これらのディスクのメリットは接続を簡単に行うことができ、データを移動するのも簡単であるという点です。内蔵型のハードディスクに比べると容量に対して高価ではあるものの、昨今ではハードディスク全体の価格が下がっていることもあり、それほど大きなデメリットともならなくなっています。
また、最近のUSBメモリーも容量が大きくなっているため、必要となるファイルがそれほど容量のあるものでないのであればこちらに移動させるのも良いでしょう。この他にもDVDやブルーレイディスク等に移行する方法などもあります。リムーバブルディスクを使用する場合に比べて手間はかかりますがスペースを取らずに保管を行っておくことができるのがメリットとなります。
やっておきたいその他の準備
事前に古いパソコンの方で行っておくべきこととして、最後に紹介するのは各種ソフトウェアの設定の抽出や記録と、パスワード等の記録です。データを移すことができる場合でも、これらの設定ファイルなどは別の場所に保管されている場合も多く、そのまま移すと設定が初期化されてしまっている可能性があります。
ソフトウェアによって設定の保存場所には違いがあり、同一のディレクトリに保存されている場合にはそのまま移行することで設定を維持できる場合が多いですが、ドキュメントなどの別ディレクトリに保存されている場合、その場所を発見して移行させるか、設定のエクスポート等を使用して別途保管を行っておく必要があります。
また、ウェブサービスなどで使用しているパスワードがある場合、これを記録しておくことも重要です。
準備が終わったら、どう移行を行う?
前述したような古いパソコンの方の設定が終わったら、実際にデータの移行作業に移ることになります。この時、データ移行を半自動で行うか、手動で行うのかをえまず選ぶ必要があります。場合によってはこの両方を使用して、適宜移行作業を行わなければなりません。それでは、どのような方法で移行を行うことができるのか、半自動の場合と手動の場合とでそれぞれ紹介します。
半自動でデータ移行を行う場合
データ移行を行う方法として、まず半自動で行う方法があります。これにはWindowsに元から入っているものを使う方法と、外部のソフトウェアを使用する方法とがあります。
まずWindowsに元から搭載されているソフトを使用する場合は、特別なセットアップなどを行う必要なく利用できるのがメリットとなります。ただし、移行することができるデータの種類は限られており、ファイルの移行は行うことができますがインストールされているソフトウェアの移行などを直接行う事はできないようになっています。事前に行った古いパソコンの整理でインストール済みのソフトなどの移行が不要な状態になっているのであれば、Windowsの移行ツールを使用することでおおよそ次のパソコンに環境を移行することができますが、そうでない場合については移行できない部分を別の方法で移行することを考える必要があります。
次に、外部のツールを使用して移行を行う方法についてです。インターネット上でフリーウェアとして配布されているものもあれば、シェアウェアとして販売されているものもあり、その機能はソフトによって大きく違っているため、個別にどのようなことができるものであるのかを把握して使用する必要があります。別途準備を行う必要があるものの、Windows標準のものに比べて機能が多いことが多く、自在に移行作業を行うことができるのがメリットとなります。
手動でデータ移行を行う場合
データ移行を行う方法として、もう1つ手動で行う方法があります。手動でデータ移行を行う場合、バックアップと同じようにディスクに移行し、それを新しいパソコンに接続することで移行させるという手法を取る方法があります。また、パソコン2台を同時に使用することができるのであれば、LANケーブルを使用することによって直接移行を行うことも可能です。
手動で移行を行う場合、どのようなものを移行するのか個別に判断をしながら作業を行う必要があります。一つ一つのファイルを適宜移動させる必要があるため、どうしても作業時間を長く必要とするのがデメリットとなります。また、ディスクの書き込み速度によっては処理時間が長く掛かってしまい、作業の進みが悪くなってしまうこともあります。基本的に違うディスクに対する書き込みを行う場合にはコピーで行うことになるため、コピー速度を向上させるようなツールを使用することによって作業効率を向上させる事を考えられます。
データ移行の際に注意したいこと
それでは、データ移行作業を行う場合、注意しなければならないことはあるのでしょうか?まず注意するべきなのが、データ整理を行っている時に必要なものを間違って削除してしまうことがないようにすることです。削除して良いものかどうか分からないものについては削除せず、残しておいた方が良いでしょう。
また、データ移行の際にファイル欠損などが発生してしまって移動先で上手く使用できなくなってしまう可能性もあります。そのため、実際の移行作業を行う前には前述のようにできるだけバックアップを取るようにしましょう。移行前と移行後でWindowsの種類が違っている場合、ソフトウェアによっては互換性が失われている可能性などもあります。重要なソフトウェアなどについては、互換性を確認しておくようにしましょう。
まとめ
最後に、パソコンを買い替えた時のデータ移行の方法についてまとめてこの記事の結びとします。まず、データ移行を行う場合、その前にデータの整理や、準備を行っておく事が重要になります。この整理や準備次第によってその後の作業に掛かる時間が変わってきます。特に重要なのは移行作業を行う前にバックアップを取っておくことで、何かアクシデントが発生した時に備えることができます。
また、移行作業自体については、半自動で行う方法と手動で行う方法があるため、どちらを使用するのか、あるいは一部を半自動で行い、残りを手動で行うのか、などについて考える必要があります。Windows標準の移行機能もありますが、移行できる内容には制限がある点には注意が必要です。
どのようなディスクを使用して移動を行うのかについても、古いパソコンと新しいパソコンとの間の相性などもあるため、それぞれについて考えつつ判断を行うのが良いでしょう。