【専門家おすすめ】PC(パソコン)用ディスプレイを購入する時のポイント

パソコンを購入するときに、一緒に購入することになるのがディスプレイ(モニター)です。最近では液晶タイプのものが主流となっており、液晶モニターだけでもその種類は多岐に渡っているため、どのようなものを選択するのが良いのかなかなか判断できないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな方に向けてパソコン向けのディスプレイを選ぶためのポイントを紹介します。

①まず重要なのはサイズ?ディスプレイにはどんなサイズがあるの?

ディスプレイの購入を考える時、まず重要なポイントとなるのはらディスプレイのサイズです。ディスプレイのサイズによって様々なメリット・デメリットが存在しているため、自分が使用したいと思っている目的に合わせて、適切なサイズのものを選択することが重要になります。それでは、どのようなサイズがあるのかについて紹介し、それぞれのサイズごとにどのような目的のために適したディスプレイであるのかについても紹介します。

19インチより小さいもの

ディスプレイのサイズとして、最初に紹介するのは19インチ以下のものについてです。このサイズはディスプレイとしては小さいサイズのもので、一般的にデスクトップ向けのディスプレイとして使用されるサイズではありません。ノートパソコンのような一体型のディスプレイとして使用されている場合がほとんどで、独立したディスプレイとして使用されることは少ないでしょう。
省スペースであることがメリットではありますが、画面が小さいために精微な作業をするのには向いていません。特に動画や映画などを見る為に使用するのには適していないサイズであるといえます。ノートパソコンの場合にはわざわざディスプレイを別付けセずに使用することが多いため、これはそういった場合のためのディスプレイであると考えると良いでしょう。

20から26インチのもの

次に、20から26インチ程までのディスプレイについてです。こちらのディスプレイは独立したものとして使用されることも多いもので、各メーカーがラインナップしていることが多い、主流のディスプレイとも言えるサイズとなります。大きさのバランスが良いことがメリットであり、比較的近い場所からでも見やすいという性質を持っているため、パソコン用のディスプレイとしては使いやすいものとなります。
サイズもそこまで大きい分けではないためある程度の省スペースを行いながら設置ができるというのもメリットの1つとなります。

27インチより大きいもの

最後に、27インチよりも大きなディスプレイについてです。このカテゴリーのディスプレイについては大画面として扱われる事が多くなります。ディスプレイ自体が大きいため、距離によっては全体を見ることができません。そのため、ディスプレイとの距離には注意をする必要があり、あまりに近いとかえって見えづらいということになります。
そのかわり、ある程度離れてから見る場合については見ることができる画面サイズが単純に大きいものであるために影響を受けにくいためです。特に動画や映画の鑑賞を行う場合や、クオリティの高いグラフィックのゲームを楽しむ場合などに適したディスプレイと言えるでしょう。

②サイズ比率にも気を付けて

また、ディスプレイを選択する場合には大きさだけではなく、サイズ比率についてもも見ておきたいポイントとなります。サイズ比率というのは、画面の縦横比の事を指しています。これには大きく2つの種類があり、スクエアとワイドと呼ばれます。スクエア解像度については横4対縦3の比率であるのに対して、ワイドは横16対縦9となります。(中には縦10のものもあります)。
基本的にスクエアサイズは省スペースのものとなるため、部屋のパソコンの場所をできるだけ取りたくない場合や、オフィスを効率的に使いたいというビジネスシーンに於いて採用されます。昨今では多くの映像作品やゲームなどがワイド画面に対応するようになっているため、こちらの方が対応している可能性は高くなっています。

③大きさとサイズ比率以外でもディスプレイの違いはいろいろある

ここまで、ディスプレイについて主に大きさとサイズ比率からどのようなものがあるのかを紹介してきました。ただ、これら以外にもディスプレイの性能を分けている点は多く存在しているため、それらにいても合わせて比較検討をしたほうが良いでしょう。ここから先は、ディスプレイについて「視野角」「解像度」「グレア処理」「リフレッシュレート」という4つのポイントからそれぞれの違いを紹介します。

視野角による違い

ディスプレイの性能の違いについて、最初に紹介するのは視野角についてです。実際に液晶画面を使用したことがある方なら分かるかと思いますが、液晶画面というのは、どの角度から見るのかによってその描画が大幅に変わるという性質を持っています。基本的には正面から見ている限りではそれほど違いがわからないことが多いですが、上や下から覗き込んだり、左右から角度をつけて見ようとした場合、発色が全然違うものになってしまいます。
これについてはそれぞれのディスプレイがそのディスプレイの視野角という形で表示しているのですが、この表記の仕方のルールを知らないとわかりにくいため、その点について紹介します。
まず、視野角の表示は「この角度までなら適正に見ることができる」というテストの元に行われています。表示については左右140度、というような表記のされ方をすることになります。この場合、左に70度、右に70度の合計140度が視野角となっている、という意味となります。これが広く設定されているものほど、ディスプレイを動かすことなく正しい発色で見ることができるようになります。

ディスプレイの解像度による違い

ディスプレイの違いについて、次に紹介するのは解像度についてです。解像度というのは、そのディスプレイにどれだけ多くの色の粒子を表示させることができるか、ということを示しており、高いものであればあるほど高い画質に耐えうるディスプレイということになります。
一般的なディスプレイサイズとしては、フルHDと呼ばれる1920×1080サイズがあります。ゲームなどをする場合でもこのサイズが一般的になっているため、特別な理由がないのであればこのサイズのディスプレイを選んでおくと様々な目的のために使用することができるため無難です。
これより1段階解像度が低いモニターとなると、1600×900となります。これも一昔前に比べれば十分高い性能のディスプレイでりますが、昨今では低めになってしまっています。また、一般的なディスプレイよりも高い解像度を持っているものとして、4Kと呼ばれるディスプレイがあります。このタイプのディスプレイは解像度が3840×2160程となります。このディプレイは非常に高解像度ではありますが、ソフトウェアの側でまだこれに対応しているものが少ないことに加えて、価格も一般的なものに比べて非常に高いものになってしまう点には注意が必要です。

グレア処理による違い

ディスプレイの性能面の違いとして、次に紹介するのはグレア処理についてです。グレアというのは光沢を意味している言葉で、これは要するに液晶の表面に対して光沢処理であるグレア処理を行っているかどうか、という違いとなります。
グレア処理を行っているディスプレイである場合、それぞれの色の発色がより鮮明なものとなります。そのため、鮮やかな写真や映像を楽しみたいと思っているのであれば、このディスプレイのメリットがあります。そのかわり、表面に傷がついてしまっている場合などには誇示されて見やすくなってしまうという点には注意が必要です。また、画面表面が鏡面状になるため、画面が暗転した際に自分の顔が映り込むことになります。
これに対して、グレア処理が行われていないディスプレイのことをノングレアのディスプレイと呼びます。こちらのメリットは映り込みが少ないことによって目に対してあまりダメージを与えません。発色が穏やかなものとなるため目にも優しく、長時間パソコンを使用する人にとって優しいディスプレイと言えます。その分、発色が弱いことで物足りなさなどを感じる事はあるかも知れません。

リフレッシュレートによる違い

ディスプレイにおける重要事項の1つとして、リフレッシュレートというものがあります。このリフレッシュレートというのは、ゲームや動画のように動きが激しいものを見たりプレイしたいという場合に重要視されます。そうでない場合に付いてはそこまで重要な要素というわけではありません。
まずリフレッシュレートは、1秒間に何回画面が書き換えられるのか、ということを指している数字です。リフレッシュレートは通常、見ていて分かるような違いを生じさせるものではありませんが、動きの激しいものを見ている場合にはコマ落ちのようにちらつきが見えることがあります。
このちらつきが気になるという場合には、より高いリフレッシュレートを持っているディスプレイを選択することが選択肢に入るでしょう。昨今のディスプレイとしては144Hz帯の者が高いものとなります。ゲーム側で120FPSの描画を行う場合などには、この帯域のディスプレイを選んでおくことで、できるだけコマ落ちのおこらない形で画面を表示させることが可能になります。

ブルーライトの影響

ディスプレイによる違いとして最後に紹介するのは、ブルーライトについてです。ブルーライトは名前の通り青い光の成分の事を指しており、これが目の疲労につながっていると言われています。そのため、ディスプレイの中にはこのブルーライトをカットするための機能が搭載されていることがあります。これについてはモニター側でカットすることができなくとも、ブルーライトカット眼鏡等を使用することによってカットをすることもできるため、そこまで優先して考えるべき項目というわけではありません。それでも、眼精疲労などについて気になるという方は、この部分についても注意して考えてみると良いでしょう。

④ディスプレイは1枚でいい?マルチディスプレイでより快適になる?

基本的にパソコンで使用するディスプレイの枚数は、1枚あれば十分です。ただ、実は複数枚のディスプレイを1枚のディスプレイであるかのように設定することができるため、複数枚のディスプレイを用意することによって擬似的に非常に大きなディスプレイとして使用することも可能となります。実際に大きなディスプレイを購入して使用する場合に比べて、これにはいくつかの違いがあります。
まず、2枚のディスプレイであるため、それぞれの角度を調節することが可能です。大きなディスプレイの弱点は使用者の視野の関係から、その全体を把握しにくいという点にありますが、角度を調節することによって両方のディスプレイができるだけ視野に収まるように設置することも可能となります。こうすることで、広いディスプレイでありながら、視野によるデメリットを緩和することができます。
さらに、例えば25インチのディスプレイを2台横並びに設置した場合、実質50インチのディスプレイということになりますが、前者が1台3万円しない程度であるのに対して、後者が7万円から8万円という相場となっているため、価格面でも優位性があります。

複数のディスプレイを設置する場合のポイント

それでは、複数のディスプレイを設置する場合のポイントについて紹介します。まず重要なのは、左右のディスプレイの底面か上面のどちらかの高さをあわせるということです。同じサイズのディスプレイであればほぼつなぎ目なく同じ場所にあわせることができるため、より自然に1枚のディスプレイであるかのように使用することができます。
また、ディスプレイを持ち上げるためのディスプレイアームがあると、より簡単に高さを合わせた設置ができるようになります。

ディスプレイ選びのポイントのまとめ

それでは最後に、パソコン用のディスプレイを選ぶ際のポイントについてまとめて紹介します。まず気を付けたいのは大きさで、自分の使用目的に合わせて適切な大きさのものを選択するのが良いでしょう。大きいものほどよいというものでもなく、大きくなるほど視野に対して広いものになるため、全体を把握しにくくなります。
また、大きさだけではなくディスプレイごとに違っている性能についても注目するようにしましょう。例えば解像度やリフレッシュレート、グレア処理などは使用時の感覚にも違いを生じさせます。
最後に、1枚だけのディスプレイではなく、複数枚のディスプレイを使用するのも1つの方法です。フレキシブルに対応できるのが強みですが、その分スペースは取ってしまう点には注意が必要です。

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