【驚くほどインターネットが快適に?】ルーターを設置して無線LANを利用
パソコンをインターネットに接続するためには、LANを使用して回線への接続を行う必要があります。この回線への接続には大きく2つの種類があり、1つは有線LANによる接続、もう1つは無線LANによる接続となります。それでは、この2つにはどのような違いがあり、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
まず有線LANと無線LANの基本的な違いですが、これは名前からも分かる通り、ケーブルを使用して接続を行っているかどうか、という違いです。有線LANについてはLANケーブルを使用して直接回線への接続を行わせることになりますが、無線LANについてはこのLANケーブルの役割をルーターと受信端子の組み合わせによって無線化しています。
こういった性質の違いにより、それぞれにははっきりとしたメリットとデメリットの違いが存在しています。まず有線LANのメリットとなるのは、ケーブルによって直接接続を行っていることによって高い安定性を持っており、外部から傍受される危険性がないという点にあります。対してデメリットはケーブルが届く範囲でしかパソコンをインターネットに接続できない点で、デスクトップパソコンで使用する場合ならともかく、ノートパコソンで使用する場合やタブレット・スマートフォンで使用する場合考えるとその自由度を落とすことに繋がります。
対して無線LANのメリットはルーターの電波の範囲内であればどこからでもインターネット接続を行うことができる点にあります。加えて、同時に複数の端末から接続を行うことができるというのも大きなメリットの1つと言えるでしょう。
①無線LANでインターネット接続をするためには何が必要?
それでは、実際にパソコンを無線LANでインターネット接続させるためにはどのようなものが必要となるのでしょうか。まず準備しなければならないのが、無線LANの無線を飛ばすための機材である、ルーターです。これに加えて、その無線を受信することができる無線端子がパソコン側に必要となります。ノートパソコンの場合、USBを使用するものもあれば、カード式のものもあります。昨今ではUSBタイプのものが主流となっており、そのサイズも小型化しているため、あまり場所をとることはありません。
インターネットの契約によっては、プロバイダー側から終端器がレンタルされているかと思いますが、その終端器がルーターと一体型となっており、これに無線機能がついているケースもあります。中には無線機能は有料で、別途料金を支払わなければ使用できない場合もあるため、その場合にはその料金を支払って無線対応にするか、あるいは別の無線に対応しているルーターを経由して接続させるかを考えることになります。
②使用する無線LANルーターの選び方、初心者編
無線LANを使用してインターネット接続を行う場合、重要なポイントとなるのはどのようなルーターを使用して無線を飛ばすのか、ということです。これによって無線の強度や電波の届く範囲などに違いがあり、安定性にも違いが生じることになります。
ここでは、無線LANやパソコン自体に対してあまり詳しくないと言う人に向けて、どのような無線LANルーターを選択するのが良いのかについて紹介します。
メーカーページから対応する間取りを確認しよう
無線LANルーターを販売しているメーカーは数多くありますが、これらのサイトを閲覧し商品情報を見れば、大抵の場合でその無線LANルーターがどの程度の間取りの広さに対応しているものであるのかが記載されています。例えば3LDK向けのものや4LDK向けのものなどがあり、これは要するにどの程度強い電波を発する事ができるものなのかを示しているものと考えて良いものです。
基本的これは大は小を兼ねるものであるため、部屋の広さなどに合わせてより広いものを選択しておくのが良いでしょう。価格面等において違いはありますが、使用できなくなることを考えるのであれば、1つぐらい大きめの間取り向けのルーターを購入しておくことで安定した使用環境となる可能性も高くなります。
もちろん性能が高いものになるほど高額になっていくため、あまりにもそぐわない大きさのものを購入するのは広い場合でも狭い場合でもオススメはできません。
③無線規格を確認してルーターを選ぶ場合
ある程度のパソコンの知識を持っているか、失敗したくないという方は、無線LANルーターを選ぶ際にまた別の場所を確認するのが良いでしょう。例えばこの時重要なポイントとなるのが、対応しているLANの規格です。無線LANには大きく分けて6つの種類があり、それに応じて周波数帯の違いがあります。ここでは、それらの違いについて簡単に紹介します。
IEEE802.11ad規格
無線LANの規格として、最初に紹介するのはIEEE802.11adという規格についてです。この規格は無線LANの規格としては2018年現在で最新のもので、何より特徴的なのが通信速度の速さとなります。通信速度は最大で6.7Gbpsという速度となっており、高速なデータ通信を可能としています。かつては無線LANの通信速度上限がインターネット速度上限より低い関係からボトルネックとなることが多くありましたが、この速度であればインターネット速度の足かせとなるようなことはほぼありません。
周波数帯としては60Ghzとなっています。
IEEE802.11ac規格
無線LANの規格として、次に紹介するのはIEEE802.11ac規格についてです。こちらの規格は最新規格である11ad以上に高速な通信を可能としており、最大速度で6.9Gbpsでの通信が可能です。11adとの大きな違いは周波数帯で、こちらは5Ghz帯となっています。
IEEE802.11n規格
無線LANの規格として次に紹介するのは、IEEE802.11n規格についてです。こちらの規格は速度面では上記2つに比べると遅く300Mbps程となっていますが、インターネットサーフィンなどを目的として使用するのであればそれほど問題がある通信速度上限というわけではありません。大きな特徴は周波数帯が2つ存在しており、切り替えて使用できるという点です。2.4Ghz帯と、5Ghz帯として使用することができます。
IEEE802.11a規格、g規格、b規格
最後に紹介するのは、比較的古いタイプの規格であるIEEE802.11a,g,bの3つの企画についてです。前者2つは最大通信速度が54Mbps程となっていますが、b規格については11Mbpsと、昨今の光通信が中心となっているインターネット環境からするとかなり制限がかかる速度となっています。
周波数帯はa規格が5Ghzで、その他2つが2.4Ghzです。
④周波数帯による違いは何?
上記でルーターの無線規格についてざっと紹介しましたが、その中で登場した周波数というのがどのような意味を持っているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。周波数帯の基本として、数字が高いものになるほど直進性が高いため、障害物に弱い性質を持つことになります。例えば60Ghzはほぼ直進するような性質を持っているため、狭い範囲で通信を行うのであれば効果的ですが、遠くに飛ばしたいということになると適していないことになります。そういう点では、2.4Ghz帯のものが、最も遠くまで飛ばすことができるということになります。
しかし、2.4Ghz帯の無線規格にもデメリットがあります。まず通信速度が高い周波数帯のものに比べるどうしても劣ってしまう点です。さらに、電子レンジやその他の無線電子機器などで使用されている周波数と競合してしまう関係上、干渉を起こしやすいというデメリットもあります。
対して5Ghz帯はその中間的な役割を持っています。障害物には弱いものの、同電波帯の電子機器などが存在していない関係上、電波干渉を受けることはありません。
昨今のルーターは切り替え可能なものがほとんど
ここまで、周波数帯や通信速度から無線規格を紹介してきましたが、この中から一つを選んでこれが使用されている無線ルーターを選ぶ!というようなことは、実はそこまで気にする必要がありません。というのも、昨今の無線ルーターというのはそのほとんどが切り替え可能となっているためです。つまり、複数の無線規格に対応しているため、使用環境に合わせて規格を変更することができるということです。
それでは無線を選ぶ場合にはどんなポイントがあるのか、という点ですが、とりあえず11acに対応しているタイプのものを選択しておくのが良いでしょう。このタイプのものは11acとnとaの5Ghz帯と、11nとgとbの2.4Ghz帯との両方に対応しているため、幅広い対応を可能とします。
⑤ビームフォーミング機能付きのものが効果的
もう一つ、無線LANルーターを選ぶ場合に見ておきたいポイントであるのが、そのルーターにビームフォーミングという機能が搭載されているかどうかです。ビームフォーミング機能というのは、親機の電波範囲内で子機が使用されている時、親機側がそれを感知して、その場所に対して効果的に接続が行えるように電波形状を変化させるというシステムです。遠くで使用されているのか、近くで使用されているのかを感知し、そこに集中的に電波を飛ばすことができるようになるということです。
主にスマートフォンに対する機能として使用できるものですが、今後は対応しているものがさらに多くなっていくことでしょう。スマートフォン側でこの機能が使用できるものを使用しているなら、無線LANもこれに対応しているものを利用すると、さらに快適な使用を可能とすることになります。
⑥ルーターのアンテナの数も重要なポイント
1つのルーターに対して、複数の子機が電波受信を行う可能性がある場合であれば、もう一つ気を付けておきたいポイントがあります。それが、アンテナがいくつついているルーターなのか、ということです。基本的に電波はルーターのアンテナ1つにつき1つずつの子機に対応して発されるようになっているため、アンテナ数が少ないものに対して複数の子機から電波の使用を行う場合、通信を行っている1つの機器以外については順番待ちのような状態になってしまうことになります。
アンテナが複数あるタイプの無線LANルーターであればこれを並列して行うことができるようになるため、無駄なく通信を行うことができる、ということです。
⑦ルーターの置き場所も重要なポイント
ルーターを購入したら、設定を行うためにもまずルーターを設置する必要があります。このルーターの設置場所も通信速度や安定性のために非常に重要なポイントとなります。それでは、ルーターの置き場所としてはどのような場所が良いのでしょうか?
できるだけ家の中心に設置する
まず、ルーターの置き場所として大きなポイントとなるのは、できるだけ家の中心近くに設置するということです。これはもちろん家全体で無線接続を行いたい場合で、そうでない場合は使用する範囲の中心近くを設置点として考えると良いでしょう。無線の安定性は遠くなればなるほど低くなってしまうため、全域をできるだけ近い範囲内に収めることが目的です。
障害物の影響を受けにくいように設置する
次に、障害物の影響を受けることが少ないような設置場所を考えるようにしましょう。2.4Ghz帯の無線規格を使用しているのであれば障害物に対しては強くなっているため、一階と二階というように使用エリアが分かれる場合でも対応することが可能です。その分別の電子機器による影響を受けやすくなるため、電子レンジの近くや、電子レンジを経由しなければならないポイントなどは避けるようにするのが良いでしょう。基本的にごちゃごちゃとしている場所は避けるようにし、ルーター付近はオープンなスペースになっていることが望ましいです。
こんな場所は避ける
また、ルーター設置に適していない場所というのもあります。まず水回りは避けるようにしましょう。これは無線電波が水を通りにくい性質をもっているため、通信を阻害されてしまう可能性が高くなるためです。お風呂場やシンクの近くは避けるようにしましょう。
次に、情報分電盤の中も避けるようにしましょう。配線こそ行いやすいものの、エリアとしては端になってしまうことが多く、カバーがある関係から通信が阻害されやすくなります。最後に、地べたに直接設置するのもやめるようにしましょう。床に反射することによって電波の通りが悪くなってしまいます。同様に天井や壁面などからも、多少離れた場所設置されているのが望ましいと言えます。
⑧設置ができたら設定を行おう
無線LANルーターの設置が終わったら、あとはパソコンやスマートフォン側から設定を行っていく必要があります。パソコンから行う場合、タスクバー上にある無線接続のアイコンをクリックし、そこからWi-Fi接続を有効にすると、受信している無線LANネットワークの一覧が表示されます。その中から、使用しているものを選択し、SSIDを選択して接続を行いましょう。
この時、ルーターの親機に記載されているセキュリティーコードを入力する必要があるため、メモをとっておくようにします。あとはそこから接続を行い、問題なく回線がつながっていることを確認すれば接続は完了となります。
無線LANの設置と設定に関するまとめ
それでは最後に、無線LANの設置と設定に関するまとめを紹介します。まず、ルーター親機の性能が重要なポイントとなるのため、使用されている無線規格やビームフォーミング機能の有無、アンテナの数などから使用する親機を選択しましょう。その上で、適切な範囲内に対して電波を飛ばすことができる場所に設置を行います。
受信設定は昨今では行いやすいシステムとなっているため、親機に記載されているSSIDとセキュリティーコードをしっかり記録しておけば、指示に従って入力するだけで基本的には接続を行うことができます。