【諦めるのは早い】USB、microSDカードのデータ復元方法を解説

①USBメモリやSDカードのデータが消えてしまった?

持ち運びをすることができるディスクとして、USBメモリやSDカードなどを使用されているという方は多いのではないでしょうか。昨今ではこのような小型メディアの容量もかなり大きくなっているということもあり、昔よりもかなり利用しやすいものとなりました。大容量になっている関係から、重要なファイルなどについてもこういったメディアに保存するようになっている、という方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんこれらのディスクは性能自体も向上しているため、そういった用途で使用することは問題がありません。ただ、データの保全に関しては固定型のディスクよりも気を付けなければならない部分も多くあります。ここでは、こういった小型の持ち運びメディアのデータが消えてしまったり、上手く読み取れなくなってしまったりした時に、そのデータの復元を行うことができるのか?ということについて紹介します。

②データ削除や読み取り不能の原因

それではまず、データが削除されてしまったり、読み取りができなくなってしまったりするという場合、その原因としてどのようなものがあるのかについて紹介します。データが使用できない状態がどのようなものであるのかによって、適切な対処法にも違いがあるため、これらについて把握した上で対処法について考える必要があります。

誤って削除してしまった場合

データを復元したいと思う理由として、まず多く見られるのが、誤って必要なファイルを削除してしまった、というケースです。このような場合、完全に削除をしてしまっているのか、あるいはゴミ箱に捨てているだけなのかによって対処に違いがあります。ゴミ箱に捨ててしまっているだけでまだゴミ箱を空にしていないのであれば、ごみばごから問題なく復元を行うことができます。しかし、完全に削除をしてしまっている場合、あるいはゴミ箱を空にしてしまっている場合については、データはこの場所に残っていないことになります。
一見するとこうなるともう復元ができないように見えますが、実はこのような状態になっていたとしても復元できる可能性はあります。

ディスクを読み取れなくなってしまった場合

もう1つよく発生するトラブルとして、ディスクが読み取れなくなってしまうというものがあります。パソコンに接続をした時に、「ディスクはフォーマットされていません」というエラーメッセージが表示され、内部データを読み取ることができない状態になっているのがそれです。
俗にフォーマットエラーと呼ばれる症状ですが、これはどのような理由で発生するのでしょうか。このエラーが発生する理由として、パソコン側からそのメモリのファイルシステムを認識できなくなってしまっている、ということをあげることができます。場合によってはディスク内部のパーティション情報が破損してしまっており、正しく読み取れない状態になっている事も考えられます。
このような状態になってしまっている場合、パソコン側はこのUSBメモリやSDカードを、メディアドライブであることは認識できています。しかし、その内部について作業を可能にするためのファイルシステムであることが認識できなくなってしまっているということです。これらの設定は、設定ファイルとして存在しているわけではなく、セクターの内部に記録されています。特にこのセクターの中でも、パーティションブートレコードと呼ばれるエリアにエラーが発生してしまっていると、全体の読み取りができなくなるという症状が発生します。
このような場合、注意しなければならないのは、言われるままにディスクフォーマットを行ってはいけないということです。ディスクフォーマットというのは、要するにそのディスクを初期化することを意味しています。内部にあるデータも消失してしまい、復元不可能な状態になってしまうため、復元をしたいデータが内部にある場合にはフォーマットを行わないようにしましょう。また、読み取れないと思って何度も抜き差ししてに新規をさせ直す、というのも良い方法ではありません。このような方法を取ると次第に症状が悪化していってしまう可能性もあります。

③フォーマットエラーが発生するのはどのような理由?

それでは、フォーマットエラーはどのような原因によって発生してしまうものなのでしょうか。これについては様々な原因を考えることができますが、経年劣化によるもの、使用方法によるもの、初期不良によるものなどがあり、その原因を特定することは難しいと言えます。
また、特に持ち運び可能なディスクである場合、物理的衝撃によってエラーが発生してしまっている可能性もあります。落としてしまったり、ぶつけてしまったりと、強い衝撃を与えてしまったことによって内部に問題が発生してしまい、壊れてしまう可能性があります。
ただし、このような症状は一度挿しなおしたりすることで回復する場合があります。こうなると完全に治ったと思ってそのまま使用を続けてしまうことが多いのですが、これはあまり良い方法とは言えません。挿し直しなどによる回復は一時的なものであり、損傷が回復しているわけではないためです。そのため、今後強い負荷がかかった時などにそれがトリガーとなって故障してしまい、読み取りできない状態になってしまう可能性もあるため、早い段階で必要なファイルをバックアップするなどの対処を取る事が重要になります。

④データ復元の方法は?

誤って削除をしてしまっている場合にせよ、データが読み取れない状態になっている場合にせよ、なんとかしてデータを復元できないものか、と考えることがあるでしょう。症状によって対策には違いがあり、必ずしも対策ができるとは限りませんが、場合によってはファイルを復元できる可能性はあります。ここでは、そんなデータ復元のための方法について紹介します。

削除してしまったファイルの復元方法

最初に紹介するのは、誤ってファイルを削除してしまった場合のデータの復元方法についてです。完全削除を行ってしまった場合でも、そのデータの履歴が存在しており、これを読み取ることによって復元を試みることができるソフトが存在しています。フリーソフトでもこういったソフトが存在しているため、このようなものを使用して復元を試みてみるのが良いでしょう。
例えばその1つとして、「USBメモリ復旧」というソフトウェアがあります。こちらはフリーで公開されているソフトウェアであるため、無料でダウンロードして使用することができます。誤ってフォーマットや削除をしてしまった場合や、エラーによって読み取りができなくなってしまったデータの復元を行うためのソフトで、パソコンについてそれほど詳しくない初心者の方でも使用が簡単になるようなウィザードで操作を行うことができます。
まず使用するためには、復元を行いたいメモリを接続し、その上でこのソフトウェアを起動します。すると、画面上に復元対象とすることができるメモリの一覧が表示されるため、その中から復元を行いたい物を選んで、データスキャンを開始しましょう。データスキャンが完了すると、復元対象とすることができるようなファイルが一覧で表示されるため、その中から復元したいものにチェックを入れ、選択した項目を保存する、というボタンをクリックすることによってファイルの復元と保存が行われます。
ただし、このソフトウェアを使用しても、完全に復元ができるとは限りません。場合によっては復元したファイルが使用できないものになってしまっていたり、文字化けを起こしてしまっているような場合があります。このようなケースの時はメモリ自体に物理的な損傷が発生してしまっていることが原因であると考えられるため、この方法で復元をすることはできません。

業者に復元を依頼する方法

復元用のソフトを使用して復元を試みても、データを復元できなかったという場合、復元したいデータがそれほど重要なものではないのであれば、諦めるというのも1つの方法です。ただ、どうしても復元を行いたい重要なデータであるという場合については、有料ではありますがデータ復旧を行っている業者に依頼するという方法もあります。
インターネット上だけでもデータ復旧作業を行っている業者の情報は多く存在しているため、こういったものを使用することで復元ができないかどうか打診してみるのも良いでしょう。料金などについては業者によって違いがあるため、相見積もりをしながら考えることが重要になります。
ハードディスクなどについては対応しているもののUSBメモリやSDカードについては対応していないという場合もあるため、対応できるメディアの種類についても事前に確認を行ってから相談を行う必要があります。ただ、記載されていないだけで対応できるというケースもあるため、一度連絡をしてみることは無駄にはならないでしょう。
ただ、このように業者を利用するという場合であっても、100%復元を行うことができるかというとそうではありません。物理的損傷などによってデータが破損してしまっている場合については、これはもうどうしても復元できない状態になってしまっている可能性もあるためです。そのため、復元ができなかった場合の作業費用がどのように設定されているのか、というのも業者を選ぶ際には注意をして見ておきたいポイントの1つとなるでしょう。

⑤データ紛失や損傷を防ぐためのテクニック

復元ができる可能性があるとは言え、できることならこのようなトラブルがそもそも発生しないようにしたいものです。ここでは最後に、このようなデータに関するトラブルが発生しないようにするために取ることができる未然の対策としてどのようなものがあるのかについても合わせて紹介します。

いきなり削除をしないようにする

データ削除を防ぐための方法として、最初に紹介するのは「いきなりデータを削除」してしまわないようにする、ということです。ある程度パソコンに慣れている人である場合、データを削除する時にshift+deleteで削除を行い、ゴミ箱を経由せずに完全削除を行うという方も多いのではないでしょうか。このように完全に削除をしてしまった場合、そうでない場合に比べて復元作業が難しくなります。
そのため、データ削除を行う場合、まずは一度通常通り削除を行うようにしましょう。ゴミ箱を経由して削除を行うのであれば、もし誤って削除をしてしまった場合でもゴミ箱の中にデータが残っているため復元を行うことができるようになります。

抜き差し時に安全な取り外しを行う

もう1つ、データの損傷を防ぐための方法として、USBメモリやSDカードをパソコンから引き抜く際に、「安全な取り外し」を行うということを紹介します。基本的にはそのまま抜き差しをしても問題なく使用することができてしまいますが、場合によってはデータ通信中に引き抜いてしまうことになり、それが損傷の原因となる可能性があります。
そのため、ディスクを取り外す際には、タスクバーから接続中のリムーバブルディスクを表示し、安全な取り外しを選択して取り外しを行うようにしましょう。こうすることによって通信が行われていない状態であるかどうかを確認してから取り外し作業を行えるようになり、損傷が発生する可能性を低くすることができます。

データ復元に関するまとめ

それでは最後に、データの復元に関してまとめを行います。まず重要なのは、そもそもどのような理由でデータを復元したいのか、ということを判断することです。誤ってデータを削除してしまった、というのであればその原因は明確ですが、例えばエラーが発生したり、データを読み取れなかったりと言うような症状が発生している場合に付いては、それがなぜ発生しているのか、というのが一目でわかるわけではありません。できるだけその原因を特定し、それに合わせた対処法を考えることが重要になります。
その上で、まずは自分で復旧作業を行うことができないかを試してみるのが良いでしょう。この時注意しなければならないのは、フォーマットエラーが表示されていてもフォーマットを行ってはいけないということです。フォーマットを行ってしまうと内部が初期化されてしまい、復元のためのデータ履歴も削除されてしまうことになるため、復元ができる可能性が大幅に減少してしまうことになります。
自力復旧ができなかった場合、今度は有料でも復元したいようなデータであるかどうかを判断します。それがすぐにでも復元したい、料金を払ってでも復元したいものであるのであれば、復元を行っている業者に依頼するのが良いでしょう。ただし、こちらについても必ずしも復元が行えるわけではなく、物理的損傷などの場合にはできない可能性があります。

  • パソコン
  • 周辺機器
  • 記録媒体
  • SDカード
  • USBメモリ