スーツケースの鍵が開かない!解決方法は?

はじめに

自宅や空港、さらには旅行先のホテルなどでスーツケースの鍵が開かなくなったとき、多くの人はパニックに陥るものです。
スーツケースの鍵が開かない状況には幾つかのタイプがありますが、ひとつは鍵を紛失した場合です。また、鍵を持っているものの鍵穴に差し込んでも開錠できないケースです。そのほか、暗証番号式のシリンダーもありますが、このケースでは番号を忘れてしまった場合に開けられなくなります。
どのケースであっても、スーツケースの鍵が開かなければ使用不可となります。自宅ならばスーツケースが開かないならば荷物が詰められませんし、旅先ならば荷物が取り出せませんので機能を果たしません。
そのため、慌てるのも当然といえますが、スーツケースの鍵が開かなくなったときの対処方法はありますので、まずは落ち着いて対応してください。

①出先の場合

出先である屋外や現地のホテルなどでスーツケースの鍵が開かない事態に気付いた場合の対処方法をお届けします。落ち着いてそれぞれの方法を試してみてください。

・自分で開ける

旅行先や出張先などで荷物を出そうと思ったときにスーツケースの鍵が開かない場合の対処方法のひとつは自分自身で開けるという方法です。自分自身で開けるということは鍵を破壊、もしくはスーツケースを破壊することと思うかもしれませんが、それはあくまでも最終手段です。自宅ならまだしも出先で壊してしまえば帰りには新しいスーツケースが必要になりますので、まずは鍵をきちんと開けることを考えましょう。
この際、どのようなロックがかかっているかによって方法が変わりますが、まずジッパー式のスーツケースでジッパーのつまみ部分に南京錠などをかけてロックしている場合はジッパーに注目しましょう。鍵にばかり目が向きがちですが、じつを言えばジッパーそのものを押し開ける方法があります。ジッパーは左右の突起が噛み合っているだけのシンプルな構造であり、ホンの少しでも噛み合わせが取れれば、そのほかの部分も自然に噛み合わせが取れていきます。
具体的な手法としては、ボールペンなどの先端が尖ったものを使用してジッパーの一部に押し当て、その噛み合わせを外すように仕向けましょう。そして、うまく噛み合わせが外れてくれたら、ボールペンをそのまま左右に押していき、開いていくのです。ジッパーは一度外れれば、連続して外れてくれますので、最初さえうまくいけばその後はスムーズです。
開いたあとに再び閉じたい場合、ジッパーのつまみ部分を再び移動させればもとに戻ってくれます。つまり、帰りも困らない状態で開けることが可能です。

また、ジッパー形式ではない鍵穴そのものが本体に付属されたシリンダー式のスーツケースの場合やジッパーを押し開けずに南京錠そのものを開けたい場合には、いわゆるピッキング的な方法で鍵を開ける方法があります。ピッキングと聞くと悪いことを想像するでしょうが、あくまでもそこは自分の持ち物ですし、緊急事態であることからこれをおこなってみましょう。
出先での作業のため、専用の工具などは手元にないはずですが、ヘアピンや安全ピンなどは探せばどこかにあるはずです。鍵を開ける際にはこれらのアイテムを使用します。
自分が持っていない場合、お店などで安く購入できるものを探すか、同行者がいれば同行者に聞いてみましょう。特に女性ならばヘアピンを持っていることは多いです。このヘアピンや安全ピンは合計2つ用意し、そのうちのひとつでシリンダーの回転を妨げている部分を押して、もう1本でシリンダーを回転させてロックを解除するのです。
少々コツが必要ですが、基本的に多くの鍵は内部にピンが複数あり、このピンが鍵の挿入によって押し上げられます。そして、鍵穴自体を回転させれば鍵が開くという仕組みになっています。つまり、1本で鍵を押し上げながら、鍵が回るかどうかを確かめ、それを何度も繰り返しているうちに開くということになります。
無論、鍵には様々な構造のものがあり、自宅のドアなどに使用されるものはさらに複雑化されていますが、スーツケースの場合にはシンプルな構造のものが多いため、ヘアピンなどを用いて試してみましょう。くれぐれも自分のスーツケースを開ける場合にのみ作業し、悪用は絶対にやめましょう。

・専門業者に依頼する

出先のホテルや外出先などでスーツケースの鍵が開かない事態に見舞われたとき、自力ではどうしても開けられないとなれば、やはり専門業者を呼ぶしかありません。ホテルの場合にはホテルのスタッフにその事実を伝えることで業者を手配してくれる場合があります。稀にホテルのスタッフにこうしたワザを習得している人がいて、無料もしくはチップ程度で対応してくれることもありますので、いずれにしても1度ホテルに聞いてみましょう。
専門業者の場合、鍵を壊すのではなくあくまでもまずは開錠することにこだわって作業をしてくれる場合がほとんどです。無論、いくらプロとはいってもどうしようもないケースもあるため、最終手段としては鍵を破壊することになりますが、そこに行きつくまでに最善の努力をおこなってくれます。
出先でスーツケースを壊したり、鍵を破壊されれば、その後の旅程や帰路において困ることになるのは自分自身です。そのため、壊すのはあくまでも最終手段として、鍵穴を特殊工具で操作することによって開錠してくれるプロの存在は出先ではとてもありがたいものです。
国内であっても海外であってもこうした作業を担ってくれる鍵屋さんや便利屋さん、ロードサービス業者などが存在していますので、それぞれの地域で対応してくれる業者を探し出しましょう。
費用に関しては作業内容やタイミング、相手業者の設定する金額などによって異なりますが、日本円で1万円前後がひとつの相場と言われています。たしかにコストはかかりますが、その後の工程を無難に済ませられることを考えれば安いものです。さらに新しいスーツケースを買うよりはリーズナブルですし、スーツケースの中に重要な品が入っているのであればその価値には代えられません。
そのため、こうした費用は仕方がないと受け止めましょう。ただし、相手業者によっては相場よりも大幅に高額な費用を請求してくるケースもあります。無論、夜間や早朝、休日などの対応となれば特別料金になることもありますが、これらの要素に当てはまらない場合でも高額な金額を請求してくる業者もいます。作業終了後に金額を確認するとトラブルの元になりますので、作業前に見積もりをもらって金額に納得した上で作業に入ってもらうか、業者を呼ぶ時点で金額の確認をしておきましょう。

②空港にいる場合

スーツケースが開かないことに気付くシーンとしては空港も挙げられます。中にパスポートを入れていたなどという場合に開ける必要があるからです。
このような場合に開かないと大パニックに陥りそうなものですが、ここでも落ち着いて対処すれば道は拓けます。

・リペアショップを利用する

空港には多くの利用者がスーツケースを持って訪れます。つまり、スーツケースにおける各種トラブルへの対応は日常茶飯事のような場所なのです。そのため、多くの空港にはリペアショップが存在します。たとえば日本国内で言えば海外への玄関口として知られる成田国際空港には、それぞれのターミナルビルにリペアショップが存在します。
スーツケース専門ではありませんが、カバン類の修理やクリーニング、靴磨きなどの各種サービスの中にスーツケースの開錠が設けられています。スーツケース内にどうしても空港で取り出したい荷物がある場合などにはこのような店舗へ持ち込み、プロの手によって鍵を開けてもらいましょう。
また、鍵交換にも対応してくれますので、鍵を紛失してしまった場合にはその場で交換してもらえることもあります。さらに合鍵の作成サービスなどもありますので、自分の状況に合わせて最適なサービスを受けましょう。
いずれにしても空港にはこのようなプロの存在がありますので、たとえば空港に向かう道中で鍵が開かないことに気付いたような場合、その場で無暗に時間を使うよりも急いで空港に向かってしまったほうが無難かもしれません。
下手に自分で頑張って時間を使ってしまえば、飛行機の出発に間に合わなくなるリスクがあります。空港には空港ならではのサービスが充実していることを忘れないようにしましょう。
また、鍵のトラブルだけではなく、リペアショップではスーツケースの他のトラブルにも対応してくれる場合があります。たとえばキャスターがうまく回らなくなった場合には油を差すことによって通常のように回ることもあります。このような油差しのメニューを用意してくれているリペアショップもありますので、鍵以外の面で悩んだ際にも有効活用したい店舗です。
ただし、リペアショップの営業時間はそれぞれ異なります。早朝や夜間に営業している店舗もありますが、日中のみの営業をおこなうお店もありますので、事前に調べておくことをオススメします。
仮に営業時間外の場合には近隣にある鍵のサービス業者の活用も含めて検討しましょう。それぞれの空港近隣でスーツケーストラブルに迅速に駆けつけてくれる業者は多数あり、空港の場合には出張料金などもかからないケースもあります。そのため、状況に応じてベストな業者にスーツケースの鍵を開けてもらいましょう。

③時間がある場合

スーツケースの鍵が開かないという事態を迎えても、まだ時間に余裕がある方もいらっしゃるはずです。
たとえば、来週や再来週に旅行の出発を控えており、これから荷物のパッキングをしようとしている人やスーツケースを久々に取り出したばかりの人です。このような場合は緊急性が低いため、空港や現地で開かない場合とは異なる対処方法も考えられます。

・メーカーに問い合わせ

自分の所有するスーツケースですから、購入時には保証書や説明書などが付属されているはずです。無論、それぞれの商品ごとに何か付属されているのかは異なりますが、スーツケース本体を見れば製造メーカーくらいは判明するはずです。そのため、こうした情報からスーツケースメーカーへの問い合わせも試してみましょう。
鍵が開かないといっても同じタイプのスーツケースの場合、同様のタイプの鍵が使用されていますので、メーカー側もこのようなトラブルに対処できるだけの体制を整えている場合が多いのです。マスターキーのようなものを用意しているケースや特殊な開錠方法を用意しているケースなどもあります。
さらに、持ち主には開錠方法を伝えられないものの、メーカー側の担当者が開錠してくれる場合もあります。このケースではメーカー側へのケースの持ち込みなどが必要になりますが、時間があるならば持ち込むのもひとつの手です。
また、鍵の紛失だけであればシリンダー交換や代わりの鍵の手配で対応してもらえることもあります。交換してもらえるならばスーツケースを新しく購入するより安価で済むケースが多いですし、それ以後はまた通常通りに使用することができるので、すぐさま旅行に出かけなければならないなど時間に余裕がない人以外はメーカーへの問い合わせをまずは検討しておきたいものです。

・買い替える

まだ時間に余裕がある中でスーツケースの鍵がどうしても開かない場合、ひとつの対処方法として買い替えというパターンもあります。つまり、そのスーツケースの鍵を開けることを諦めてしまうのです。当該スーツケースの中に必要不可欠なものが何も入っていない場合に限られますが、そのスーツケースを使用することを諦め、別のものを新調することを考えてみてください。
当然ながら余分な出費となりますが、何年も使用していたスーツケースならば、案外買い替え時だったということもあるはずです。そもそもスーツケースは余程のことがない限りは買い換えない物なので、これをいい機会だと考えてしまうのもひとつの手ではないでしょうか。
長く使用していれば大小様々な傷があるはずでし、キャスターなどがガタついている場合もあります。さらに、何年も前に購入したのであれば、最新のスーツケースを目にする機会も少ないはずです。スーツケースは日々進化を遂げており、たとえばキャスターを転がしてもほぼ無音のタイプのスーツケースや軽量化がさらに進んでいるスーツケースなどが生まれています。
このようなアイテムを目にすれば、今まで使用していたスーツケース以上の利便性があると感じ、前向きに購入できる可能性もあります。そのため、鍵を無理に開けるのではなく、新たなスーツケースの購入に踏み切ることも検討してみましょう。

④どうしても開かないときは鍵を壊す

スーツケースの鍵が開かず、中に大切なものなどが入っており、買い替えるにしても鍵を開けたいという場合、最終手段ではありますが、鍵を壊してしまう方法があります。自力で鍵を取り出す、もしくはジッパー方式であればジッパーの噛み合わせを外したり、ジッパーのサイドにある布の部分をカッターなどで切って開ける方法などがあります。
もちろん、ここまでの行為に出れば引き続きスーツケースとして使用していくことは不可能なレベルです。そのため、今後の使用は諦め、必要に応じて新しいスーツケースの購入をおこなうことにはなりますが、スーツケースは開きますし、中に入っていた大切な何かも取り出すことができます。
あくまでも最終手段とはなりますが、そのほかの方法でどうにもならないと判明した際にはこのような対処に踏み切る覚悟も必要です。

まとめ

普段は何の問題もなく開閉し、利便性の高い道具として活用していたスーツケースであっても、ある日突然、鍵が開かない事態に陥る可能性はあります。今日までは他人事であっても明日はわかりません。
そのため、すでに鍵が開かなくて困っている人はもちろん、今後に備える意味でもスーツケースの開け方は誰もが覚えておくべきテクと言えます。

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