ガラスのひび割れを修理する方法

どのご家庭でもガラスにおけるトラブルは経験するものです。
特にもっとも多く報告されているトラブルは”ひび割れ”を起こしてしまい、その後の対応に困ってしまうケースですね。 そもそもガラスは割れやすいというデメリットを持っているため、ひび割れが入った場合は交換するか修理して利用する他ありません。とはいえ、いざ応急処置と言われても何をしたらいいのかわからないですよね。 また、ガラスのひび割れだけならまだしも、窓サッシの修理も必要になるケースもあることから予想以上に修理費用などがかかってしまうこともあります。 そこで考えなければならないのは、現状のひび割れたガラスを交換して真新しいものにするのか、ひび割れた箇所を何とか修理してそのまま利用するかの2択になると思います。なかにはひび割れているだけでこれ以上悪化しないだろうと思い込み、そのまま放置すると方もいますが、それはもっともやってはいけないことです。 ガラスのひび割れは今でこそ現状を保っていますが、放置していると徐々に劣化していくため、最終的に割れてしまいます。これによって怪我を負ってしまう可能性が高くなるので、できるだけ早急に修理および交換することをおすすめします。 ということで本記事では、ひび割れたガラスの修理もしくは交換の方法について具体的に解説していきたいと思います。

 

1.ガラスのひび割れを放置すると危険な理由

多くの方は住宅を保護する目的で「火災保険」に加入していることと思います。実はこの火災保険によってガラスのひび割れを無償で修理できる可能性があります。 もちろん故意でひび割れを起こした場合は厳しいですが、不測の事態でガラスにひびが入った場合などは火災保険が適用されるケースが多いのです。これについては後述しますが、まずはガラスのひび割れを放置することの危険性から解説していきたいと思います。 皆さんはガラスに対してどんなイメージをお持ちでしょう?
その透明さから純度が非常に高く、不純物など含まれていないと思われるかもしれません。 ところが、どれだけ有名なガラスメーカーが製造した製品であっても、希に不純物が含まれていることがあります。もちろんメーカーとしては納品時に不純物がないかチェックして販売に至るわけですが、それでも希に不純物が混入していることもあるのです。 実はこの不純物こそがガラスのひび割れを招く原因といっても過言ではありません。 不純物が混入しているだけでガラス自体の強度が落ちてしまうこともあり、少しでもひび割れが起こると連鎖してことごとく割れてしまうことがあります。 どれだけ一定の耐風圧性能をもったガラスだとしても、不純物が含まれていてはその性能を存分に発揮することはできませんし、強風などによってかんたんに割れてしまうこともあるのです。 また、ガラスにおける強度が落ちる原因は不純物だけなく、ガラスに少しでもひび割れなどが入っていると非常に割れやすくなります。ひび割れを甘く見ている方は珍しくなく、放置する方はきわめて多いのですが、ひび割れた状態のガラスは強風や地震などでかんたんに割れてしまいます。 よってひび割れたガラスを放置すると非常に危険なのです。一刻も早く修理をするか新しいものに交換することをおすすめします。

 

2.修理するまでの応急処置

現在利用しているガラスにひび割れが入って困っている方は少なくないと思います。現にこの記事を読まれている方の多くは、きっとご利用中のガラスにひび割れが起こっており、それをどうしようか困っていることと思います。 もっともオススメしたい方法としてはガラス業者に問合せをして対応してもらうことなのですが、時期や時間帯によって予約がいっぱいで当日に対応してくれないこともしばしば。ましてやお住まいのエリアで有名な業者さんになると引っ張りだこになるので完全予約制になることもあります。 当日に対応してもらえるならまだしも、翌日以降の対応ともなるといつガラスのひび割れが悪化して割れるかわかりません。だからこそ業者の対応が翌日以降になる場合は、一時的にできる修理(応急処置)をして少しでも安全対策を図りましょう。 応急処置として定番なのはひび割れた箇所を「テープと接着剤で修理する方法」ですね。
ガラスがひび割れた場合、いかにしてそのひび割れを最小限に防ぎ、これ以上悪化させないように対策するかが重要になります。 そこで役立つのがどのご家庭にもあるであろう「ガムテープ」「ビニールテープ」です。これらひび割れた箇所になぞって貼り付けていけば、一時的な修理にはなります。可能であれば、ホームセンターなどで購入できる「ガラス補修用テープ」を貼るのがベストですが、ガムテームなどでも一時的に補修をすることは可能。また、ガラスのひび割れ箇所がきわめて小さいのであれば、瞬間接着剤などで応急処置することも有効です。 ただし、ガラスのひび割れ規模があまりにも大きく、今にも割れそうな場合や、既に割れてしまっている場合はこれらの応急処置はほぼ意味をなしません。むしろ、無理に応急処置をしようと試みても怪我をする危険があるので、せめても屋内にガラスが飛散しないよう工夫しながら専門業者の対応を待ったほうがいいと思います。 自分で交換・修理ができる方であれば自力でやるのもいいですが、知識と技術がないかぎりはやめておいたほうが無難です。

 

3.交換せずに修理する方法

この項目ではあえてひび割れたガラスを新品に交換せず、修理して使い続けるための方法をいくつか紹介していきます。 最初に断っておきますが、以下に紹介する方法を実践したからといって完全に修理出来ると限りませんし、強風などによって完全に割れてしまう可能性もあります。よって、すべて自己責任の範囲で行っていただくようお願いいたします。 1:「接着剤でひび割れをくっつける」
これは前述していますが、ごく小さなひび割れであれば、ガラス用接着剤で十分に対応することができます。コンビニなどでも売られている瞬間接着剤でも効果はありますが、より安全性を高める意味でもホームセンターなどで購入できるガラス用の接着剤を入手してください。 使い方は非常にかんたんで専用の接着剤をひび割れた箇所に塗布するだけ。失敗しないためにも、接着剤は乾くと透明になるものを選ぶように心がけてください。 また、グルーガンでも応用することができますが、ガラス専用の接着剤と比較すると耐久性が乏しいのであくまでも応急処置として利用するのがベターだと思います。 2:「テープで補修を行う」
これも前述していますが、テープで補修することも交換を選ばずに修理をする方法のひとつですね。テープでひび割れを補修する場合が、できるだけ水に強い布製を選ぶようにしてください。 水に弱いものだと雨風でかんたんに剥げてしまいますし、補修の役割を果たせません。また、直射日光が当たることも考えて熱に強いものを選ぶ必要があります。この場合、ごく一般的に利用されるガムテープは、接着部分が溶けて剥がれにくくなるため不向き。よって、ガラスのひび割れに最適なのは防水性と粘着力を兼ね備えている「アルミテープ」がおすすめです。 テープでガラスのひび割れを補修する場合は、ひび割れた箇所に沿ってテープを貼っていくだけでOK。ただし、テープでの補修はあくまで応急処置として考えたほうが無難です。どれだけ強固なテープで補修したとしても、完全な修理が完了したとは言えません。 3:「ガラス補修用パテを使う」
小規模なひび割れならガラス補修用パテを使うのも手ですね。商業施設などのちょっとしたガラスのひび割れにはよく用いられる補修用パテですが、私たち一般人にはなかなか入手できないというデメリットがあります。そこでおすすめしたいのが車のフロントガラスに使用する補修材で代用することですね。 使い方は非常にかんたんで補修材をひび割れた箇所に塗布して乾燥するのを待つだけ。結果としてガラスの補修はできるものの、車のフロントガラスと家庭用の窓ガラスはそもそもとして規格が異なるため、こちらも応急処置的な考えで使用することをおすすめします。 4:「ガラスフィルムを貼る」
ガラスにそのまま貼れる専用フィルムを用いれば、かんたんに窓ガラスのひび割れを修理することができます。特にあらかじめ模様が入っているものを選べば、ひび割れを目立たなくすることもできるのでおすすめ。 また、ガラスフィルムを使用することでひび割れた箇所はもちろんのこと、ガラス全体をカバーできるので、これ以上のひび割れを防ぐことができます。よって、予防という意味でもガラスフィルムの貼り付けはおすすめと言えますね。

 

4.交換するなら防火ガラスがおすすめ

どれだけ修理したとしても強風などによってガラス全体が割れてしまうこともあります。その場合、もう自己修理することは不可能なので諦めて新しいガラスを購入しましょう。 では、交換するのであればどのようなガラスが最適なのか? おすすめなのは透明な「防火ガラス」ですね。 割れにくいガラスの定番といえば「網入りガラス」があまりにも有名でしたが、熱割れを起こすリスクに加え、ガラスにワイヤーが入っているため見た目が悪いというデメリットがありました。しかし、それらのデメリットを克服した「透明な防火ガラス」が登場し、現在交換するご家庭が急増しています。 透明な防火ガラスはワイヤーレスなので見た目がいいのはもちろんのこと、熱割れや錆び割れのリスクがありません。そのため、強いガラスへ交換を希望する方にとっては最善のガラスと言っていいでしょう。 とはいえ、網入りガラスもデメリットばかりではありません。網入りガラス最大のメリットは地震や火災などでひび割れが起こったとしても、ガラスの破片が脱落しにくい特徴をもっているため、人体への危険を考えるのであれば優秀なガラスと言えます。 しかしながら、熱割れという最大の弱点をもっていることが本来の防火設備としての機能を果たさないという矛盾が生まれてしまうのです。 よって交換するなら防火ガラスを選ぶことをおすすめしますね。

 

5.保険適用によって無料で交換・修理できることも

意外にもガラスのひび割れは、あなたが加入しているいずれかの保険によっては保険申請できたりします。その代表的な例が『火災保険』なのですが、普段から利用されることの多い『クレジットカード』の付帯・特約保険などでもひび割れ修理や交換が適用されるケースもあります。 では、ガラスのひび割れ交換もしくは修理で使える保険の種類を以下に紹介していきます。 ・「盗難・空巣被害が原因のガラスのひび割れ」
盗難もしくは空巣被害に遭い、それが原因でガラスがひび割れた・割られた場合は、そのガラスをはじめ、盗まれた家財の被害額の一部を保険適用することができます。火災保険にはこのような補償が自動的に付加されているケースがほとんどなので、まずは加入されている保険内容をチェックしてみましょう。 ・「自然災害が原因のガラスのひび割れ」
いわゆる地震や台風などの自然災害におけるガラスのひび割れも火災保険が適用できる場合があります。 ・「お子さんが何らかの施設のガラスにひび割れなどを起こした場合」
子供が学校などでガラスを割ってしまった場合、『賠償責任保険』によってカバーすることができます。ただし、あくまで賠償責任保険での適用であり、火災保険では補うことは不可能です。 ・「旅行先でガラスにひび割れを起こしてしまった場合」
旅行先の施設などのガラスを割ってしまった場合は、クレジットカードの特約・自動保険をはじめ、海外旅行保険などの旅行保険によってカバーできることがあります。 ・「ガラスの熱割れもしくは錆び割れ」
ガラスの熱割れもしくは錆び割れが原因の場合、火災保険でカバーできます。しかし、保険会社によっては熱割れにおける解釈がまったく異なるので、必ずしも適用できるとは限りません。ポイントとなるのは「不測の事故であるかどうか」なのです。

 

まとめ

利用しているガラスがひび割れてしまった場合、まずは応急処置をして少しでも安全確保することが重要になります。 誰でもかんたんにできる応急処置は以下のとおり。 1)テープでひび割れた箇所を補修する
2)接着剤でひび割れた箇所を補修する 基本的にこの2点で応急処置を行った上で、ガラスの状態を見て自己修理をします。 しばらくガラスとして機能しそうであればそのまま使い続けても構いませんが、強風などによって割れてしまう可能性もあるので、できることなら新しいものに交換することをおすすめします。 交換する際におすすめしたいのは「防火ガラス」。網入りガラスと比較するとメリットづくしなので強いガラスを導入したいのであれば最適です。 また、ひび割れたガラスの修理および交換は、あなたが加入している保険で補償されることもあります。よって、現在加入されている保険内容をよくチェックし、修理費や交換費がおりるか確かめてみることをおすすめします。

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