LOWE複層ガラスの特徴と交換するメリット・デメリット

秋を迎えると徐々に寒さがやってきますが、11月にもなると寒さがより厳しくなってきます。 そこでほとんどのご家庭が屋内の温度を快適に保つために暖房を使用することだと思います。特に冬ともなれば、エアコンにおける暖房やストーブなどを使用する機会が多いと思いますが、それらはあくまで部屋の温度を上昇させるだけで根本的な断熱性能をあげるわけではないことをご存じでしょうか? 部屋の断熱性能をアップさせて厳しい寒さを乗り越えるために最適なのは、「窓」の性能をアップさせることがもっとも重要なのです。 最近、「複層ガラス」だとか「lowe複層ガラス」という窓を聞いたことはありませんか? これらの窓に付け替えることで窓の断熱性能をアップさせることはもちろんのこと、冬は暖かく夏は涼しい断熱構造を実現することが可能になります。 これらの窓は主に比較的新しい売り出し物件をアピールするための材料に用いられることが多く、複層ガラスやlowe複層ガラスなどの表記は至るところで見かけるようになりました。 そこで本記事ではlowe複層ガラスの特徴やメリット・デメリット、そして交換のやり方について詳しく解説していきます。 お部屋の断熱性能をアップさせて快適な空間を手に入れたい方はもちろんのこと、そろそろ窓の張替えなどリフォームを考えているという方はぜひともチェックしてみてください。

 

1.LOWE複層ガラスの特徴

最近よく耳にするようになった「LOWE複層ガラス(ただしくはLOW-E複層ガラス)」ですが、その特徴を正しく理解している方はまだまだ少ないと思います。 では、LOWE複層ガラスはどういった特徴を持っているのでしょうか? まず、「LowE(ロー・イー)」の意味ですが、「Low Emissivity(ロー・エミシビティー)」を略したもので、早い話が『低放射』を表しています。つまり、「LowE複層ガラス」とは低放射を実現させるために特殊金属膜をコーティングした複層ガラスのことをいいます。LowE複層ガラスと聞くとどこか難しく考えてしまうかもしれませんが、特殊加工がされているということと、低放射性が加わった特徴的な複層ガラスということになります。 ここで気になるのはLowEに用いられる金属膜には果たしてどういったものが使われているのかという問題ですよね。主に使用されている金属膜は、低放射性能に優れた金属とそれをプロテクトするための酸化金属を重ねた多層膜から構成されています。 すでにご存じかもしれませんが、熱は「放射」「対流」「伝導」の3つの形態で移動する特徴を持っています。複層ガラスにおける熱移動もまたこれら3形態が複合して起こっているわけですが、LowEにおける金属膜は特に「放射」による伝熱を抑制する性質があるのです。 「そもそも放射ってあんまりイメージできないんだけど?」と、放射に対する把握が曖昧な方は少ないなち思います。放射をかんたんに説明すると、エアコンの暖房やストーブなどに手をかざすと暖かく感じる状態のことをいいます。もっと具体的に言うならこの状態は『放射伝熱』と呼ばれ、私たちの目では確認できないものの、熱線の放射が手に伝わってきているのです。

 

2.複層ガラスとの違い

さて、続いてはLOWE複層ガラスと一般的な複層ガラスの違いについて解説していきたいと思います。 世の中に普及しているごく一般的な複層ガラスは、ガラスとガラスの間に空気層を設けていることが最大の特徴で、外の熱がそのまま部屋のなかに侵入(伝達)しないような構造になっています。
ちなみに空気層の厚みはメーカーの製品によって異なりますが、基本的なラインナップとして挙げられるのは「6mm」と「12mm」といっても過言ではありません。 それ以上の厚さにすればさらに断熱効果がアップするのでは?と思ってしまいますが、基本的に12mm以上の厚さにしても断熱効果は12mmの複層ガラスと同様なのです。 なお、複層ガラスとは別に空気層の厚みが6mm以上ある製品は「ペアガラス」と呼ばれます。つまり、複層ガラスとは別の製品になるので注意が必要です。 また、ペアガラスだけでなく複層ガラスと似たようなガラスはまだ存在します。その代表的なものが「合わせガラス」ですね。合わせガラスは複層ガラスとはまったく異なるタイプの製品であり、両者の決定的な違いは「空気層の有無」。複層ガラスはガラス同士の間に空気層を設けているのに対し、合わせガラスはガラス同士の間にフィルムを挟み込んでいるタイプになります。よって、合わせガラスには空気層が存在しないというわけです。 そして、LOWE複層ガラスなのですが、これはかんたんに言うと「複層ガラスの派生製品」ということになります。 lowe複層ガラスは内側のいずれかのガラス面が金属でコーティングされた製品であり、一般的な複層ガラスに比べて断熱性、遮熱性それぞれを向上させた構造になっています。先述していますが、「lowe(ロー・イー)」とは低放射を意味しており、主に金属がコーティングされている側面が室内側とされているタイプは「遮熱」を、逆に室外側とされている場合は「断熱」タイプとして売られています。 気になる価格は1㎡あたりでおよそ20000円〜50000円となっており、断熱性は複層ガラスよりも高いため、部屋の断熱効果を上昇させたいのであればおすすめの製品なのです。

 

3.LOWE複層ガラスのメリット・デメリット

続いてはLOWE複層ガラスのメリット・デメリットを解説していきます。
一見するとメリットづくしのLOWE複層ガラスですが、残念ながらデメリットも存在します。納得のいくリフォームや窓の交換を行いたいのであれば、ぜひともLOWE複層ガラスのメリット・デメリットをそれぞれ把握し、満足のいく結果を手にしていただきたく思いますね。 それではLOWE複層ガラスのメリットから解説していきます。 lowe複層ガラスのメリットは何といっても複層ガラスが持っているメリットはそのままに、複層ガラス以上に断熱性能がある点でしょう。 断熱性能をあらわす指標としては「熱貫流率」が挙げられますが、LOWE複層ガラスはこの熱貫流率に優れています。また、特殊金属をコーティングしていることもあって「熱線(赤外線)」も透過しないという特徴を持っています。 そもそも熱線を透過させないどころか、反射させてしまうほどの遮熱性の高さを誇るので、夏場だと西向きの窓がある家で驚くべき効果を発揮すると言っても過言ではないと思います。 さらにLOWE複層ガラスは紫外線も反射するメリットを持っているため、畳がある和室の窓に導入することによってそれぞれの劣化を防ぐことが可能になります。 また、LOEW複層ガラスは熱自体の伝わり方が遅いという性質を持っているため、熱だけに限った事ではなく寒さにも同様の効果を発揮します。要するにごく一般的な単層ガラスと比較した場合、結露が始まる気温がきわめて低いということになります。 続いてLowE複層ガラスのデメリットについて解説します。 LOWE複層ガラス最大のデメリットはごく一般的なペアガラスと比較した場合、窓ガラスの色が異なるということです。ここで言う”色が異なる”というのは”完全な透明ではない”ということを意味しています。そのため、ごく一般的な透明なガラスを導入したいと思ってこのLOWE複層ガラスを選択してしまうとそのギャップに戸惑うことになるでしょう。 なぜLowE複層ガラスに色が加わってしまうのかというと、特殊金属をペアガラスの片面にコーティングすることによって、どうしてもその面には特有の色がついてしまうためです。
なお、色はメーカーによって異なりますが、断熱タイプや遮熱タイプであってもややグリーンがかった形になります。 その色は非常に特徴的ということもあって、屋外から窓を見るとLowE複層ガラスだと用意に判断されてしまうこともデメリットのひとつに数えていいかもしれません。また、ガラスに色が加わるということは外の景色が鮮明に見えないことを意味するので、景色を楽しみにしている方にとっては大きなデメリットになると言っていいでしょう。 たとえば、常に青空だったり木々の緑を感じたいご家庭の場合、LowE複層ガラスは適していないと断言できます。また、LowE複層ガラスの色が家の外観をはじめ、スタイルにフィットしないというケースもあるので、デザインという部分でもデメリットに感じてしまう部分が増えるかもしれません。 ごく一般的なガラスは透明なのでいかなるデザインにも自然にハマるのですが、LOWE複製ガラスはそういうわけにはいかないので注意が必要です。

 

4.交換のやり方

iそれではLOWE複層ガラスを既存のガラスと交換する方法を解説していきます。 主な交換方法は以下の4点です。 ①サッシと共にまるごと交換する方法
②既存の窓ガラスに対してloweガラスを貼り付ける方法
③ガラス1枚分がはまるスペースにlowe複層ガラスをはめ込む方法
④窓枠にアタッチメントをつけてLOWE複層ガラスを導入する方法 ①は非常にかんたんな交換方法といっても過言ではありません。②は既存のガラスを無駄にせず、そこにlow-eガラスを貼る方法なので主に開かないタイプの窓を改修するときに有効と言っていいでしょう。 ごく一般的な家庭では、①、③、④の方法を実施するのが現実的で比較的かんたんに交換を終えることができます。気になる交換にかかる費用ですが、サッシごと交換するとおよそ100万円以上、ガラスを入れ替える場合だとおよそ30000円、既存のガラスの内側に複層ガラスを貼る場合だとおよそ13000円が相場となっています。 ただし、これはあくまで相場なので自力でやる場合は極力費用を抑えることができますし、依頼するリフォーム会社やメーカーによって変わってくるので注意してください。 普段からDIYなどをしたり、大工仕事などが得意という方であれば自力でやったほうが安上がりになりますし、何より達成感と満足感を同時に味わうことができるのでベストだと思います。 もっとも注意すべきはサッシごと交換する方法を選んでしまい、高額な費用を這わずにはいられない状態になってしまったときですね。なぜサッシごと交換する方法が高額になるのかというと、壁も取り替える必要性が生じてくるためなのです。 基本的に断熱性能を単純にアップさせたいというのであれば、サッシにも注目する必要があります。たとえばアルミ製の場合、熱伝導率は高い性質をもっているため、結果として結露が起きやすくなります。最近は熱伝導率が低いだけでなく断熱性の高い「樹脂製のサッシ」が登場しているので、LOWE複層ガラスとの相性はいいと言えるでしょう。

 

5.基本的に交換は専門業者に依頼

自力で交換できるのであればそれに越したことはありません。しかし、技術と知識がないことには不可能なので、素人が交換することはきわめて難しいと言っていいでしょう。 よって基本的にLOWE複層ガラスを交換する場合は、専門業者に依頼するのがベストだと思います。 専門業者に依頼する際に注意したいのが「見積り」。特に見積もりのなかでこだわらなければならないのは「出張料・見積り料」の有無です。なかには見積りだけで料金が発生することはもちろん、出張料が常に発生するところもあるので注意が必要です。 また、ガラスの交換作業は単純に材料費と作業費だけではありません。ガラスを処分するための費用も発生するので、見積り時によく専門業者と話し合い、実際に支払う金額を明確にすることをおすすめします。 なお、Lowe複層ガラスは「断熱リフォーム支援事業」「高断熱窓導入促進事業」による補助の対象になることもあるので補助金がでる可能性があります。よって、あなたがお住まいのエリアで住んでいる地域が補助金を利用できるのかチェックしてみましょう。ちなみに補助金の額や適用条件はエリアによって異なるので、まずはお住まいのエリアの条件を把握することが大切になります。 補助金が出るともなれば、LOWE複層ガラスの導入を検討する方が増えると思います。しかし、補助金には予算があることを忘れてはなりません。基本的に補助金制度を利用できる人は公募によって決定される仕組みなので、すでに定員に満たしている場合、予算をオーバーしている場合は適用されない可能性が高いのでこの点も注意しましょう。 もっとも注意すべきは補助金制度が適用できるかわからない不透明な状態で、交換工事に着工してしまった場合ですね。基本的に制度が適用されてからでないと補助金はおりませんので、物事の順序を把握しながら検討してくださいね。

 

まとめ

LOWE複層ガラス最大のメリットは断熱性の高さにあります。 特に寒さが厳しい地域にお住まいの方は導入する価値があるので検討してみましょう。 ただし、交換費用が高額になるケースや、一般的なガラスに比べて色がついていることもあって使い勝手が悪いというデメリットもあるので、導入を検討する場合は具体的にシュミレーションすることが大切になると思います。

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