子供が学校のガラスを割ってしまった!保障は効くの?

子供というのは、時に思わぬことをするもので、親にも予想がつかないと言うことは多くあるのではないでしょうか。そういった場合でも、基本的に子供のしたことの責任というのは親が取らなければならないものです。ここでは、そんな子供が起こす事があるトラブルの一つとして、ガラスに関するものをピックアップします。
ガラスというのは、透明で比較的安価な建材ということもあり、様々な場所で使用されています。当然住宅における窓などにも使用されていますが、例えば学校のような場所であっても使用されています。学校は特にその建物の大きさから使用されている場所も多く、かつ予算を抑える目的からそれ程強いガラスを使用していないということが多いでしょう。一般的なフロートガラスが使用されているという箇所も多く、これは簡単に割れてしまうものでもあります。
それでは、もし子供が学校でガラスを割ってしまったと言うようなことがあった場合、どのように対処をすることになるのでしょうか。ここでは、ガラスを割ってしまった場合の「保険」に関することを中心にして紹介をしていきます。
最初に紹介するのは「保険が適用される場合とそうでない場合」についてです。ガラスを割ってしまったという場合でも使用することができる保険というのは存在していますが、使用している保険の内容によって当然それが保障対象であるかどうかには違いがあります。また、割ったという場合でもその事情や背景には色々なものがあり、それによっても変わることがあります。
次に紹介するのは「自宅以外のガラス割れに効果がある保険」についてです。自宅のガラスを割ってしまったという場合と、例えば学校のような自宅以外のガラスを割ってしまったという場合とでは、保険の管轄に違いがあります。ここでは、そういった部分についてを紹介します。
3つ目に紹介するのは、「ガラスを割ってしまった時以外にも使える保険」についてです。最初に述べたとおり、子供が起こすことというのはなかなか想像ができるものではありません。ガラスを割ってしまったというトラブル以外にも多くのトラブルを起こすことは当然有りえることです。そういった時にも効果がある保険についてを紹介します。

 

①保険が適用される場合とそうでない場合の違い

それではまず、学校のガラスを割ってしまったという場合について、それが保険の対象となるのかどうか、ということについてです。これについては、使用している保険の種類と、割ってしまった時の状況、理由などによって保障の有無が左右されることになります。これを大きく左右することになるポイントであるのが「故意」があったかどうかということです。故意にガラスを割ったという場合と、事故でガラスを割ってしまったという場合とでは、その意味に違いがあります。古い歌ではありますが、もちろん学校中のガラスを割って回った、というようなことをしている場合にまで保障してくれる保険というのは存在しません。
ここから先では「故意ではない場合」と「故意でなくとも、過失が重い場合」という2つをピックアップし、保険が効果を発揮できるのかどうかを紹介します。

1.1故意でなく、偶然起きた出来事の場合保険が適用される

まずは、ガラスを割ってしまったのが故意であるのか、故意でないのか、ということについてです。ガラスを故意で割った、という場合については、これは残念ながら保険によって対応できるものではありません。例えば喧嘩をしていて、その流れでガラスを割ってしまったという場合などはこれにあたり、故意であるために保険の対象外ということになります。これについては、親として子供の責任を代わりに支払うことが義務と言えるでしょう。その背景の情報などについては、それ程重要ではありません。
対して、わざとガラスを割ったわけではなく、過失や事故でガラスを割ってしまった、という場合については保険の対象となるケースも多くあります。状況を確認する必要があるために保険が降りるまでには少々時間はかかることになりますが、まずは保険会社に相談をしてみるのが良いでしょう。

1.2故意でない場合も重過失に当てはまる場合は適用されない可能性も

ただ、故意でないのであればどのような場合でも保障がされるのか、というとそういうわけではありません。もう1つ、保険の免責事項となるかどうかを分けるポイントとして、重過失という考え方があります。重過失というのは、誰でも結果が予測できるような過失があった場合のことを言います。例えば、校庭で石を投げた所、それがガラスにあたって割れた、というような場合がこの重過失にあたります。狙って投げているわけではないので故意ではありませんが、石を投げればガラスに当たり、割れてしまう可能性がある、ということは誰でも結果を予測できることであり、これは重過失という扱いとなります。
このような重過失があった場合についても、保険は対象外となる可能性があるため、注意が必要です。

 

②自宅以外のガラス割れは賠償責任保険の範疇

ガラスを割ってしまったという場合の保険に関しては、自宅のガラスであるのか、あるいはそうではないガラスであるのかによって対応しているものに違いがあります。自宅のガラスを割ってしまったという場合については、住宅保険や火災保険が基本的に対応している保険ということになりますが、自宅以外である場合にはこれらの保険の範疇ではありません。こういった場合に適応されることになる保険の種類としては、賠償責任保険というものがあります。ここから先では、この賠償責任保険というのがどのようなものであるのかについて紹介します。
最初に紹介するのは「賠償責任保険とは」ということについてです。そもそもこの保険がどのような意味のある保険であるのかを紹介し、その上で細かい点についても触れていくこととします。
次に紹介するのは「賠償責任保険は特約でつける事が多い」ということについてです。他の保険のように単独の保険として契約を行うのではなく、他の保険に付属させるような形で適用されることが多い、ということについてを紹介しています。
さらに「賠償責任保険の適用範囲」についても紹介します。どこまでが適用される範囲であるのかがわからなければ、賠償責任保険が効果を発揮するかどうかも判断することが難しいでしょう。
そして最後に、「自宅のガラスを割った場合の保険」についても紹介します。前述の通りこの場合については賠償責任保険ではなく火災保険の範疇であるため、ここではその点についてをより詳しく紹介しています。

2.1賠償責任保険とは

それでは始めに、そもそも賠償責任保険というのがどのようなものであるのかについて紹介します。賠償責任保険は、別名では日常生活賠償責任保険と呼ばれることもあります。自動車保険や生命保険、火災保険などが有名な保険であるのに対して、こちらの保険についてはあまり具体的な情報を知らないという方も多いのではないでしょうか。この保険は、名前の通り日常生活に於いて発生しうる様々な賠償責任に対して保険を行うことができるというものです。
例えばこの保険が効果を発揮する例としては、以下の様なものを上げることができます。「ペットが誰かに怪我をさせてしまった」「商品を落として壊してしまった」「庭木が倒れて誰かに怪我をさせてしまった」「子供がガラスを割ってしまった」などです。これらはいずれも日常生活で起こり得ることであり、そして賠償責任が生じることでもあります。こういった事態が起こった時に保証をしてくれるのが賠償責任保険の大きなポイントです。

2.2賠償責任保険は様々な保険商品に特約でつけることが一般的

さて、そんな賠償責任保険ですが、なぜこのように効果的な保険でありながらそれほど広く知られていないのでしょうか。その大きな理由となっているのは、賠償責任保険が単独の保険として使用されていることはあまり多くなく、たいていの場合で他の保険の特約として使用されているものであるためです。それでは、実際に賠償責任保険をつけることができる保険の種類としてはどのようなものがあるのでしょうか。
まず、自動車保険はその代表的な1つとなります。物損事故の際にも効果を発揮できるようになるという意味があり、特約として使用されていることが多くあります。また、火災保険や傷害保険というのも、この特約を持っている事が多い保険の一つです。一般的に使用されている保険であってもこの賠償責任保険を特約として使用できる場合が多く、こういった形で特約をつける事が多いでしょう。ただ、注意しておきたいのは特約による保険料の加算分については、たいていの場合で掛け捨てになるということがあげられます。返戻の中には含まれていない場合が多いため、その点は事前に確認をとっておく必要があるでしょう。

2.3賠償責任保険の適用範囲は個人?それとも家族?

それでは、賠償責任保険の適用範囲というのはどの程度のものなのでしょうか。個人賠償責任保険というような名称で呼ばれることも多いのですが、この保険については当人のみを対象としているのではなく、家族も対象となっていることが多いです。ただし、これは契約内容や使用している保険の種類によっても違っているものであるため、個別の確認が必要となることでもあります。必ず個別に確認を行い、自分の個人賠償責任保険がどこまで適用できるものなのかを把握しておくようにしましょう。

2.4子供が自宅のガラスを割った場合は火災保険の範疇なので注意

ただ、上記のような個人賠償責任保険というのは、万能の保険というわけではありません。この保険が効果を発揮するのは、その名前の通り「賠償」が必要となった場合であって、賠償対象がいない場合については保険の効果を発揮しないことになります。
その代表的な例であるのが、被害を受けたのが他者ではなく自分や家族である場合です。このような場合については賠償責任というのが生じるわけではありません。そのため、例えば子供がガラスを割ったという場合、自宅以外であれば賠償責任が生じるため賠償責任保険の対象となりますが、自宅である場合については賠償責任が生じないために賠償責任保険ではなく、火災保険の対象となることになります。

 

③ガラスを割ってしまった場合以外にも賠償保険は当然使える

さて、それでは賠償責任保険についての情報をさらに詳しく紹介していきます。先にも少々触れましたが、賠償責任保険というのはガラスを割ってしまった時にだけ効果を発揮するものというわけではなく、実際にはより広い効果を発揮させることができるものです。ここから先ではそんな賠償責任保険を使用するメリットについて、より具体的に紹介していきます。

3.1賠償責任保険が適用される具体的なシーン

最初に紹介するのは、賠償責任保険が適用できることがある日常的なケースについてです。これは先にも少々紹介していますが、そこで紹介したもの以外にも様々なものがあります。
例えば、自転車による事故を起こしてしまったという場合についてです。自転車向けの専用保険というのも昨今では登場するようになっていますが、まだ加入をしていないという人も多いのではないでしょうか。怪我をさせてしまったという場合でも、賠償責任保険で保障の対象とすることができます。
また、例えば宿泊先のホテルで水を出しっぱなしにして、浸水被害を出してしまった、というような場合でもこの賠償責任保険が効果を発揮することがあります。子供がしたことだけではなく、当然ではありますが自分がした過失による賠償責任に対しても効果を発揮させることができるのが特徴です。

3.2賠償責任保険のメリットは日常で起きうる多くのリスクを回避できること

賠償責任保険に加入していることによるメリットは数多くありますが、中でも大きなポイントとなるのはリスクを回避することができるという点です。賠償をしなければならないような状態になった時、それができるだけの経済力がなかったらどうなるでしょうか。このような場合、賠償を受ける相手は泣き寝入りするしかなくなってしまいます。そのような状態にさせてしまうことが、いかに心理的に大きなダメージとなるのかについては、別途考えておかなければならないポイントと言えるでしょう。案外、ダメージを負わせた方というのも、ダメージを負うもので、それを緩和するための賠償をスムーズに行えるようにするための保険は重要な役割があります。

まとめ

それでは最後に、子供がガラスを割ってしまった、というような事態のまとめについて紹介します。このような場合、保障を得ることができる保険としては賠償責任保険というものがあります。多くの賠償が発生しうる事態に対して効果を発揮することができる保険ではありますが、あまり認知されておらず、加入をしていないという人も多いことでしょう。
子供が起こす事だけでなく、自分が起こしてしまうかも知れないことについても多くの保証を行うことができるものであるため、自分のため、そして未来の被害者のためにも、賠償責任保険への加入は考えてみると良いでしょう。

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