樹脂サッシが割れてしまった。まるごと交換すべき?リフォームあれこれ

窓のガラスを支えるために必要となるものであるのが、サッシです。窓に問題が発生するという時にはガラス自体に発生することももちろんありますが、このようにサッシの方に問題が発生する場合もあり、その時にはどのような対応を取るべきであるのか、ガラスの場合とはやはり違いがあります。
このように多くの窓に使用されているサッシですが、このサッシにもいくつかの種類があり、その種類によって性質の違いがあります。ここではそんなサッシの種類の一つとして、樹脂サッシというものについて紹介します。樹脂サッシというのはその名前の通り素材として樹脂が使用されているのが特徴のものですが、これはどのようなものなのでしょうか。この先の記事ではまず、「樹脂サッシがどのようなものか」ということを具体的に紹介していきます。そのメリットとなるのがどのような点なのかについても抑えておくことによって、更に効果的な使用方法を取ることができるでしょう。
次に紹介するのは、樹脂サッシが割れてしまった場合の対応方法についてです。サッシに発生する問題は、窓ガラスに発生する問題と同じように放置することができないもので、しっかりと対応をしておかなければガラス自体にも悪影響を与えることになってしまいます。また、気密性や防音性、あるいは防犯性に対する悪影響なども生じさせることになるため、どのような対応を取るべきなのか、事前にある程度の知識を持っておくことは無駄になりません。それでは、樹脂サッシとその周辺に関する情報についてご紹介します。

そもそも樹脂サッシってどんなもの?メリットは?

最初に紹介するのは、そもそも樹脂サッシというのがどのようなものなのか、ということです。この樹脂サッシというのは名前の通り樹脂が使用されているものを指していますが、これは具体的には塩化ビニール樹脂が使用されているもののことを言います。この塩化ビニール樹脂というのは、フライパンの取ってなどとして使用されることも多いもので、これがフレーム部分に使用されているのが樹脂サッシ窓となります。
それでは、このような樹脂サッシ窓を使用することによるメリットはどのような部分にあるのでしょう。この先では様々な部分にメリットを与えることになる樹脂サッシの情報について紹介します。細書に紹介するのは「断熱性や気密性が高い」ということについてです。その他の種類のサッシに比べてこのような性質が強いのはどのような理由があるのでしょうか。
次に紹介するのは、結露防止に有効であるという点についてです。窓を取り巻く問題の中で、特に冬場に気にせざるを得ないのがこの結露であり、しっかりと対応できるようになっているかどうかは生活上の快適性にも直接的に影響することになります。
3つ目に紹介するのは「デザイン性で有利」であるという点についてです。樹脂サッシの大きなメリットとなるのはその成形のし安さで、着色もしやすいと言う性質を持っているため、デザイン面でのメリットも少なくありません。
さらに「気密性の高さによる防音性能」「他のサッシと比較した時の違い」という2つのポイントについても紹介し、樹脂サッシについての理解を深めていきます。

断熱・気密性が高い樹脂サッシは寒冷地によく普及している

それではまず樹脂サッシの持つメリットについて、断熱性が高いという部分について紹介します。樹脂サッシが断熱性が高い性質を持っているのは、この塩化ビニール樹脂というのが、その他のサッシに使用されることが多い金属などに比べると熱を伝えにくい性質を持っている事が重要なポイントです。このため、外気温による影響を受けにくく、サッシの内側に熱が伝わらない様になっているのが特徴ということになります。具体的には、アルミ製サッシを使用する場合に比べて、夏場には室内温度が2度程低く、冬場には4度程高くなるという結果が出ています。
このような状態になることよるメリットは、冷暖房の効率を向上させることができるという点にあります。冷暖房効率が上がることによってエコにも効果を発揮することができるため、電気代や灯油代の節約にもなります。

結露防止にも有効。ひいてはカビ・ダニ対策にも

樹脂サッシの持つメリットとして、2つ目に紹介するのは結露が生じにくい性質を持っているという点についてです。これは上記の断熱性が高いということにも関係していることですが、そもそもからして結露が生じてしまうのは、温度差があることが原因です。冷たいガラスに温かい空気が触れることによって液状化が発生して結露となるため、冬場の冷たい空気を受けて内側のガラスが冷えにくくなっている状態であることは、結露を起こしにくくするために効果を発揮することになります。
このような結露を防止することができるのは、掃除の頻度を下げることができるという意味で意味があります。また、こういった湿度が高い場所というのはカビが発生しやすい他、害虫であるダニの発生にも影響を与えることになるため、これらの予防になるという意味でもメリットがあります。次に紹介するのは、樹脂サッシがデザイン性に優れているというメリットについてです。金属などに比べて成形を行いやすい性質を持っているために、様々な形やデザインを持っているサッシを作ることができます。さらに、着色に関してもかなりフレキシブルに行うことができるため、窓まわりのデザイン全体を考えて使用するサッシの色などを変更することができるという魅力があります。
特にデザイナーズ住宅などの場合には効果的な要素で、住宅全体を考えたデザイン性を邪魔しない様になる、というのが大きなメリットと言えるでしょう。

成形・着色のしやすい樹脂サッシはデザイン性にも優れている

次に紹介するのは、樹脂サッシがデザイン性に優れているというメリットについてです。金属などに比べて成形を行いやすい性質を持っているために、様々な形やデザインを持っているサッシを作ることができます。さらに、着色に関してもかなりフレキシブルに行うことができるため、窓まわりのデザイン全体を考えて使用するサッシの色などを変更することができるという魅力があります。
特にデザイナーズ住宅などの場合には効果的な要素で、住宅全体を考えたデザイン性を邪魔しない様になる、というのが大きなメリットと言えるでしょう。

気密性が高いため防音性能も高い!

さらにもう1つ大きなポイントであるのが、気密性に優れているということです。気密性が低いサッシが使用されている場合、どうしても音がその場所から漏れることとなり、外部の音が住宅内に入ってきやすくなります。これは生活上のデメリットとなることで、騒音を防ぐことができるという大きなメリットとなります。そしてもう1つ、自宅側の音が外に漏れにくくなるというのもメリットの1つです。特に住宅街等の場合、騒音は近所でのトラブルにつながりやすいものであるため、できるだけしっかりと考えるのが良いでしょう。実際に過去にピアノの音が原因で殺人事件にまで至った事例もありました。

他のサッシと比較してメリット・デメリットを把握しよう

それでは最後に、他の種類のサッシのメリット・デメリットと比較しつつ、樹脂サッシが持つメリット・デメリットについても紹介します。まず樹脂サッシが持っているメリットについては、すでにお伝えしたとおり、気温の影響を受けにくい断熱性、結露を起こしにくい防露性、色やデザインが豊富でデザイン性に優れていること、そして気密性の高さから遮音性が高いという部分です。対して、この樹脂サッシの持つデメリットとなるのは、全体的に価格が高く、アルミサッシに比べるとどうしても高額になってしまう点が挙げられます。また、経年劣化による影響を受けやすいのもポイントの一つで、特に紫外線による影響が発生しやすい傾向があります。そして最後に、アルミサッシに比べると重量があるというのもデメリットの一つとなるでしょう。

樹脂サッシは劣化しやすい?割れてしまったときの対策も考えよう

窓のサッシという長期間に渡って使用するものであることを考えると、どの程度の耐久性を持っているのか、というのは重要な要素の一つとなるでしょう。そして、もしサッシ部分に問題が発生してしまった場合、それをどのようにして解決するべきなのか、ということも考えなければならない要素の一つとなります。ここから先ではそんな樹脂サッシに発生しうる問題と、その問題への対策についての情報を紹介します。
細書に紹介するのは「樹脂の耐久性」についてです。一般的に言われる所の紫外線による劣化というのが本当に発生するのかについてを中心として紹介します。次に紹介するのは「樹脂サッシ窓の故障の原因」についてです。実際に樹脂サッシ窓が問題を起こすとすると、それはどこが原因となって発生するものなのでしょうか。
さらに「サッシのメンテナンスの方法」「樹脂サッシの塗装は自分でできる?」「小さな割れに対する対応」「サッシリフォームの注意点」というような点について紹介し、総合的なサッシの問題への対応について紹介します。

高耐久の樹脂。紫外線による劣化は起こる?

それではまず、樹脂サッシに使用されている塩化ビニール樹脂の性質に関する問題を紹介します。この塩化ビニール樹脂には紫外線を受けて黄変を起こしてしまうという性質があります。しかし、これについては窓のサッシとして使用される場合には劣化を防ぐための安定剤などが使用されており、紫外線による影響というのはそこまで甚大であるわけではありません。ただ、アルミサッシなどに比べると紫外線による影響を受けるものである、ということは事実です。
現状、この樹脂サッシの紫外線影響については、まだ研究の実績が十分ではありません。というのも、この樹脂サッシが発明されたのは1960年のことであり、まだ60年程度の使用実績しかないためです。日本国内に関して言えば使用されるようになったのは1975年であるため、尚更です。少なくともその期間内に言えることは、それ程大きな紫外線による影響が発生していることはない、ということに尽きます。

樹脂サッシ窓の故障は樹脂の劣化よりも他の部材によって決まる

それでは次に、樹脂サッシ窓が故障してしまうという場合、どのような原因が考えられるのかということについてです。前述のように樹脂サッシ窓の故障の直接の原因が紫外線であることはあまり多くはありません。というのも、樹脂サッシ自体が紫外線によって破損するより先に、その他の部分が破損することによって修理が必要となることが圧倒的に多いためです。特にこのような故障が発生しやすいのは、可動部や密閉部に当たる部分で、これはつまり樹脂サッシ部分ではありません。樹脂サッシ窓を長期間に渡って使用したいと考えるのであれば、注意するべきなのは紫外線ではなく、これらの部分のメンテナンスということになります。

サッシのメンテナンスは「塗装」「交換」の二通りある

それでは、より長くサッシを使用するためには、どのようなメンテナンスを行っていく必要があるのでしょうか。サッシのメンテナンスの方法については、大きく分けて2つのものがあります。1つは塗装という方法で、もう1つは交換という方法です。それぞれがどのようなものであるのかについて、簡単に紹介します。
まず塗装についてですが、これは防御性を持っている特別な塗料を使用することによって行われるものとなります。樹脂サッシに対して使用される塗料は金属サッシに使用されるものに比べて寿命が短いというデメリットがあるため、約5年から10年程度のスパンで塗装を行う事を考えるのが良いでしょう。
もう1つ、より状態が悪化しているという場合については塗装での対応を考えるのではなく、サッシ全体の交換による対応を検討するのが良いでしょう。これは単純に長く使用するためのポイントというだけではなく、これを機会にしてデザイン性の変更などを行うことができるということを考えれば、メリットとなる部分もあります。

樹脂サッシの塗装も可能だが、難しい。行う場合は信頼できる業者に依頼しよう

それでは、樹脂サッシに対する塗装というのは自分で行うことができるものなのでしょうか。これについて、できるかできないか、というと、それはできるということができます。樹脂サッシに対する塗料というのも販売されているためにこれを使用することで塗装を行うことができますが、専用のものではない塗料を使用するべきではありません。素材の劣化を招くことになるため、こういった物を使用しないようにすることが重要なポイントとなります。
また、この塗装というのは技術的に難しいものでもあるため、慣れていない人が自分で行おうとすると失敗してしまう可能性が十分にあります。そのため、もし塗装を行うというのであれば、自分で行おうとするのではなく、信頼することができるような業者に依頼をしたほうが結果として良い結末となることが多いでしょう。

小さな割れであれば補修も可能

では、サッシに対して割れなどが発生してしまっているという場合には、サッシ全体の交換以外での対応方法はないのでしょうか。これについては、欠けがどの程度の規模であるのかによって違いがあります。欠けている範囲、、小さいという場合であれば、その箇所だけの補修による対応が十分可能となります。しかし、これが大きいものになっている場合、補修を行った時には気密性の低下などを引き起こしてしまう可能性があるため、補修ではなく交換で考えたほうが良いでしょう。

サッシリフォームにおいて注意すべき点

最後に、サッシをリフォームするという場合に注意しておきたいポイントに付いて紹介します。まず重要なポイントとなるのが、交換の費用についてです。業者に依頼する場合、全体費用だけを見て判断するのではなく、その内訳についても確認を行い、それに合わせた対応を行っていく事が重要になるでしょう。価格だけを見て決めてしまったという場合、それが原因となって失敗することが多くあります。
また、交換に際して出窓に変更するなどの場合についても注意が必要です。出窓にするということは、その分だけ外気と触れる範囲を増やすということでもあり、結露などの発生がしやすくなります。また、窓の位置が遠くなることによって、開閉がしにくくなってしまうというようなデメリットもあります。それらの点についても織り込んで考えつつ、使用を検討するべきでしょう。

まとめ

それでは最後に、樹脂サッシに関するまとめを紹介します。樹脂サッシはアルミサッシに比べて多くのメリットを持っているものではありますが、デメリットとなる部分もあります。両方のメリット・デメリットを比較して、どちらの方が適しているのかを考える事が重要になるでしょう。
また、サッシについては塗装によるメンテナンスと交換による対応とを考えることができますが、交換を行う場合についてはどのようなものに交換するのかもよく考える必要があります。費用だけではなく、交換先となる窓の種類などについても考えつつ、総合的な判断をする必要があるでしょう。

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