ガラスが自然に割れる?熱割れの存在と強化ガラスへの交換修理を検討したい

家庭において使用される窓用ガラスと言えば、一般的なものとしては1枚ガラスと呼ばれるものがあります。そのほかに耐火ガラスとも呼ばれるガラス内に網の入ったガラスなどがあります。これらのガラスは物を当ててしまったり、強く引っ張ってしまった際などにヒビが入ってしまうことがあります。つまり、不注意から割れてしまうことがあるのです。
また、窃盗を目的とした人間が侵入を試みようとすれば割られてしまうこともあります。しかしながら、こうした人為的な理由以外でもガラスが割れてしまうことがあるという事実をご存知でしょうか。自然割れなどとも呼ばれますし、熱割れとも呼ばれています。
この現象を知らないままにガラスを使用しているといつの間にかガラスが割れている事態に直面して驚くこととなるでしょう。中には近所の人に嫌がらせを受けたのではないか、イタズラされたのではないかなどと考えてしまう人もいるはずです。
しかし、この自然割れや熱割れは人為的なものではなく自然現象が巻き起こす物事なのです。そのため、ガラスを使用していく以上は自然割れや熱割れの事実を知り、その上で防御策を固めたり、ガラスを修理交換して新しいものに変えることも検討していきましょう。ここでは、自然割れや熱割れがなぜ起こるのかを詳細にご説明し、こうした事態に強いガラスに関してもご紹介していきます。

①ガラスは無敵ではなかった?

ガラスは叩いたり物がぶつかったりしなければ割れないというイメージがあるものです。
しかし、自然界に存在する力によって自然と割れてしまうことがあるのです。これを知らないでいると驚くばかりですから、まずはその事実を知り、原因なども把握しておきましょう。

1.1ガラスは熱によって膨張する存在

窓ガラスは家にとって外光を取り入れる役目を持っています。もちろん、空気の入れ替えなども担っていますが、やはり光を取り入れるためです。そのため、ガラス面には日中、太陽光が当たります。直射日光を浴びることも当たり前にあります。そして、ガラスは熱によって膨張する性質を持っています。
この膨張がガラス全体に同じレベルで起こる場合には問題ないのですが、一部だけが膨張してほかの箇所は膨張しない、もしくは一部だけ膨張しない箇所があるというような場合には、ガラスに無理な力が生じて割れてしまうことがあります。このような太陽熱による膨張を原因としたガラス割れが熱割れと呼ばれています。
無論、頻繁に起こるものではありませんが、何の原因があるわけでもないのに唐突に割れてしまうことがあるのです。日当たりや季節などによっても変わりますが、特に冬場の朝型に割れてしまうことがあります。これは温度差による急激な膨張が原因と言われています。また、午前中は日陰で午後になると一気に直射日光が当たるというような場合も温度差によって割れてしまうことがあると言われています。
急激な膨張ほどやはり無理な力が生じることになりますので割れやすい環境となってしまうのです。運よく割れないことも多いですが、人によっては何度も経験するケースもあります。
割れると言ってもいわゆるヒビが生じるレベルで収まることが多いのですが、これによって衝撃に弱いガラスとなってしまいます。ヒビ割れなどがないガラスの場合には衝撃があってもそれをある程度は吸収できるわけですが、ヒビ割れがあると既に1度衝撃を受けてしまったのと同じような状況ですから、次に何かしらの衝撃を受けると割れ落ちてしまう可能性が高いのです。また、防犯面からもデメリットしかないため、こうした場合には修理が必要になってしまうのです。
さらに言えば当初入ったヒビ割れは小さなものであっても、やがてそれが大きく広がっていくこともよくあるケースです。そのため、熱割れという現象が自宅の窓ガラスに発生する可能性があることを覚えておきましょう。

1.2フィルムなどを張ると余計に割れやすい

熱割れを引き起こす場合、たとえばガラスの隅だけがサッシの内側に収まっている場合、その部分の温度と露出している部分のガラスの温度が異なります。そうなると太陽光が当たったときの膨張レベルも異なるため、無理な力が生じて割れてしまうわけです。そのため、ガラスを熱割れさせないためにはその1枚のガラスのすべてに温度差が生じないようにしておきたいものです。
ガラス製のコップも熱湯を入れると割れてしまうわけですが、これが熱に耐えられずに割れたというよりも、冷えている箇所との差が大きくなるために、それぞれの箇所のガラスが引っ張り合ってしまって結果として割れるわけです。つまり、すべてが均一に膨張すれば割れることはないため、この構造を理解しておくことはとても重要です。
そして、サッシなどのパーツも影響しますが、もうひとつ覚えておきたいのが各種フィルムやシールなどの存在です。窓の一部に何かのシールなどを張ったとします。するとこのシールの影響により、全体に太陽光が当たったとしても膨張が均一にならないこともあります。あくまでもシールは例であって、そのほかの何かを張っていると影響を受けてしまうこともあり、場合によっては割れやすくなることがあるのです。
自動車の窓には各種フィルムを張ってプライバシー性を高めている方などもいますが、これも業者にきちんと施工してもらっていればまだしも、自分で張ったような場合には微妙に隅のほうだけ貼っていない箇所が出てきてしまうなどして、結果としてガラスに温度差が生じてしまうことがあります。
このようなケースでは窓ガラスにヒビ割れが入ってもおかしくはありません。さらに自宅の窓ガラスでも、庭やバルコニーなどに何かを置いているような場合には、その影響を受けて割れやすくなる可能性もあります。たとえば水を入れたペットボトルが置いてあり、その中を通った光がガラスの一部に当たっている場合、このペットボトルは虫メガネと同じような役目を果たしてしまうことがあります。
子供のころに黒い紙に虫眼鏡を通した光を当てて紙を燃やす実験をしたことがある人も多いはずですが、虫眼鏡を通した光はとてもパワーが強いため、その光が当たった場所は熱が特に高くなる可能性があります。
つまり、ガラスの一部分だけに強い太陽光が当たり、そのほかの場所には程々の太陽光が当たることになり、結果として温度差が生じてしまってガラスが熱割れを起こすことがあるのです。光が差し込む場所に水の入ったペットボトルを置く行為は火災を防ぐ意味でも避けるべきと言われていますが、ペットボトル以外であっても同じ結果を生み出すものがあれば火災のリスクがあります。
また、火災に比べれば軽微と言えますがガラスが熱割れを起こして無駄な修理代が発生する可能性もありますので、このようなものが置いていないかどうかも確認しましょう。

②ガラスが熱割れした際の行動とは

熱割れが発生してしまうことは意外と多くの家庭であります。窓ガラスは日光を取り入れるために存在するので太陽の当たらない場所に設置するわけにもいきませんし、この点は仕方がありません。
しかし、いざ熱割れが発生してしまったときには放置するのではなく、自分が次なる行動に出ないといけません。そのため、熱割れが発生してしまった際に自分が何をするべきなのかをあらかじめ覚えておきましょう。

2.1防犯性が低くなるためにガラス修理交換がベスト

自宅の窓ガラスに熱割れが発生した場合、そのヒビ割れが本当に些細な場合もあります。このような場合、見栄えが悪くなるために嫌悪感を抱くものの、原因が太陽だとわかると仕方がないと受け止めて、そのまま放置してしまう人もいます。しかし、これは危ないのでやめましょう。さらにデメリットしか存在しない行為とも言えますので、熱割れが生じたガラスをそのまま放置するのはやめておいてください。
なぜなら、熱割れを引き起こしたガラスはそのヒビがさらに広がっていくことが多いからです。その日はたとえ数センチであったとしても、翌日は10センチを超えているということもあります。このようなレベルでヒビがどんどん大きくなっていき、やがて危険なレベルに達します。
1枚ガラスなどの場合には耐久性が弱くなり、通常使用しているだけでも割れ落ちてしまってケガをする可能性さえあります。そのため、ヒビが小さいからと言って安心しないで、ヒビが小さいうちに交換修理をおこなうようにしましょう。
また、仮にヒビ割れが広がらないとしてもガラスとしての耐久性が弱まっていることは確かです。そのため、防犯能力なども低くなり、ガラスが割れるという物事以外にも様々なデメリットが生じてきてしまいますので、いずれにしても熱割れしたガラスは早期に交換するようにしましょう。

2.2新しいタイプのガラスに興味を持ちたい

熱割れが起こったガラスを修理する際、ガラスを丸ごと交換することになりますが、その際に今までと同じガラスに交換するだけで終わらせるのではなく、新しいタイプのガラスへの交換を検討しておきましょう。特にこれまでが1枚ガラスなどの場合には、厚みを変えるだけでも熱割れリスク低減へと繋がります。
通常のガラスは薄いものより厚みのあるもののほうがガラスに温度差ができやすくなるため、熱割れ防止の観点から言えば薄いもののほうがメリットがあります。さらにワイヤーが入ったガラスもワイヤー自体が錆びてしまい、それが原因で温度差を生じてしまい、割れてしまうことがあるのです。
そのため、これらのガラスを使用しており、熱割れを起こしてしまったということであれば、今後はまったく別のタイプのガラスに交換することも検討しておきましょう。

2.3強化ガラスをセレクトしたいる

熱割れを起こしてしまったガラスを修理交換する際、強化ガラスと呼ばれるものを選びましょう。特に耐熱強化ガラスと呼ばれる網の入っていない強化ガラスは熱割れに強いと言われています。無論、絶対無敵とも言えませんが、一般的なガラスに比べれば熱割れのリスクは相当低くなります。
多くのガラス屋さんで今や強化ガラスは当たり前に扱われている商品となっていますし、その値段もリーズナブルなものになっています。一般的なフロートガラスと値段差がない強化ガラスもありますので活用したいものです。
また、強化ガラスに変えることで熱割れを防ぐ可能性が高まるだけではなく、防犯性が高まるなどそのほかの面でのメリットもありますので、修理が必要になった今を良い機会として捉え、より良いガラスへの修理を考えておきましょう。

③ガラスを熱で割らないための防止措置

窓ガラスに熱割れを発生させるのは太陽です。そのため、原因を取り除くことは難しいものがあります。しかしながら、できるだけこのリスクを避けるために自分ができる行為はいくつかあります。
だからこそガラスの修理代が発生しないように可能な範囲で熱割れを避ける行動をとりましょう。

3,1自分でできる熱割れ防止措置とは

熱割れはガラスに温度差が生じることで発生してしまうことが多いわけですが、庭やバルコニーに光を強くさせるものを置いたり、逆に影を作ってしまうものを置いてしまうと、ガラスに温度差が生じます。また、カーテンやブラインドなどの影響も受けると言われています。ガラスの内側にあるカーテンやブラインドですが、これらが窓ガラスにすでに触れている場合、触れている箇所と触れていない箇所で温度差が生じることもあるのです。
そうなると結果的に熱割れを起こす可能性を高めるため、こうした点にも配慮しましょう。さらにエアコンや暖房器具も影響を与える可能性があります。エアコンの冷風がガラスに直接あたる場合、たとえ真夏でもガラス面に冷たい場所ができます。
そうなると暑い部分と冷えた部分の圧倒的な温度差ができてしまい、熱割れを起こしやすい環境を作り出してしまうのです。これと同様にストーブや暖房であっても同様です。そのため、冷暖房器具を使用する際にはその向きにも気を使ってガラスを守ってください。
些細な物事ばかりですが、こうした行動によってガラスの無駄な修理費用を発生させなくて済みますので覚えておきましょう。

3.2窓ガラスに何かを張って温度差を生み出さない

様々なことに気を使ってガラスを長年に渡って守っている方もいれば、ほとんど何も考えずに窓ガラスを危険な状態に晒している人もいます。また、無意識のうちに熱割れしやすい環境を悪意なく作り出してしまっているケースもあります。そのひとつがお子さんなどがガラスにシールを張ってしまう行為です。
大人の場合、事情がなければシールなど貼りませんが、子供はシールというものが大好きです。そのため、これを無造作に貼ってしまうことがあります。親御さんがそれを放置していると熱割れにつながるリスクが生じるわけです。さらに、シールはそもそもガラス製品に付いている場合もあります。そのガラスのメーカー名を示すシールなどです。
製造元によってどのような状況なのかは異なりますが、多くのメーカーが製造するガラスに何かしらのシールが貼ってあることは多いです。メーカーによっては使用時にはそのシールを剥がすように注意喚起してくれる場合もありますが、この注意を見逃して張ったまま使用される家庭も多いものです。
そして、その結果はお子さんがシールを張った場合と同様ですから、こうした製品に備わっているシールにも気を付けましょう。

3.3シンプルなのは強化ガラスに変えてしまうこと

様々な対策を打つことによって熱割れを予防することはできます。しかし、常にガラスのことだけを考えて生活しているわけでもないため、気を付けたいという気持ちはあっても常にそこにだけ意識を向け続けることは不可能です。カーテンがつかないように気を付けたいとしても、日常の中でこれを実現するためにはかなりの時間と手間を割く場合もあります。
さらに庭やバルコニーに置くものも自由にしたいと考える方が多いです。そのため、最もシンプルな予防策としては、やはり強化ガラスに変えてしまうことがベストです。強化ガラスにも様々な種類があり、複層ガラスなどのタイプも存在します。
このようなガラスの場合、断熱性を高める働きも有していますので、夏場でも部屋を涼しく、冬場でも部屋を暖かく保ってくれることが多く、省エネにもつながることがあると言われています。そのため、面倒な気遣いだらけで生活するのが嫌であれば、割れる前に強化ガラスへの交換修理を検討してみましょう。

④強化ガラスには熱割れ以外のメリットも存在は

強化ガラスは無敵とまでは言えないまでも一般的なガラスと比較すれば耐久性が高く、メリットの多いガラスと言われています。
そのため、今後ガラスの交換を検討しているのであれば、コストパフォーマンスの面や防犯性などの面から、ぜひ強化ガラスへと交換することを考えていきましょう。

4.1防犯性の高さがある強化ガラス

強化ガラスは耐久性が強いために防犯面においてメリットがあるガラスと言われています。空き巣などの被害に遭う家庭ではガラスの一部を割られて侵入を許すケースが多いです。しかし、強化ガラスの場合には強い力でガラスを叩いたとしてもなかなか割れません。さらに仮に割れたとしてもヒビ割れだけで終わるようなケースが多く、1枚ガラスのように派手に割れ落ちるようなことが少ないと言われているのです。
叩いても割れないとなれば泥棒などもその家への侵入を諦めるようになります。また、強化ガラスには強化ガラスである事実をシールなどで貼り付けてあるため、そもそもこれを見た時点で撤退する犯罪者も多いと言われています。
つまり、強化ガラスを備えていることが空き巣などの被害を回避する防犯になるため、今後のガラス交換時にはぜひ検討したいガラスと言えます。

4.2遮音性が高い強化ガラス

強化ガラスには遮音性が高いものも存在します。外部からの音が聞こえにくくなる一方、室内の音が外に漏れないために、近所迷惑を考えなければならないようなシーンが減るのです。たとえばお子さんがいて室内で騒げばその音が外に漏れてしまいます。
また、友人がたくさんきて遊んでいるような場合も同様ですし、音楽を室内で愉しみたい方、映画を楽しみたい方などにとっても見逃せないガラスとなっています。もちろん、外側からの音も入ってきにくいガラスとなっていますので、すぐそばに鉄道路線や幹線道路などがあっても室内は静かに保たれると言われています。
今まで使用していたガラスにおいて何かしらの不満があったのであれば、今後はやはり強化ガラスに変えて遮音性のある室内環境を確保したいものです。

4.3ガラス交換の際に検討したい強化ガラスの存在

今現在使用している各種ガラスに何かしらの不満があったり、自分の不注意から割ってしまって交換を急いでいる方などは、今まで通りのガラスに交換するだけではなく、新しいタイプのガラスに興味を持ってみましょう。
また、その際には強化ガラスという存在に目を向けておきましょう。ありとあらゆる魅力や利点が存在し、従来1枚ガラスを使用してきた方などの場合には、室内空間を大きく変えてくれる可能性を秘めたガラスということに気付くはずです。値段面も以前は大きな差がありましたが今は大差なくなっています。
ガラスを不注意で割ってしまうことも少なくなるため、コストパフォーマンスとしても最適なガラスになると言われています。そのため、ぜひまずは検討をはじめてみましょう。

まとめ

ガラスは太陽光を浴びる中で膨張を繰り返し、その膨張が全体ではなく一部のみに発生するとヒビ割れが入ります。これを熱割れや自然割れと呼んでいますが、だからこそ熱割れを防ぐための措置を施しておきたいものです。
また、すでに熱割れの被害にあってしまっているのであれば同じガラスへの修理交換ではなく、あらゆるメリットがあると言われる耐熱性強化ガラスへの交換を検討しておきましょう。熱割れに強い以外にも様々な魅力があるため、交換しておく価値は高いはずです。

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