ルーバー窓の種類と特徴、ガラス窓からリフォームするメリット
窓の種類の一つにルーバー窓と呼ばれる物があります。
外観からみると、家の横側や裏側にあたる部分につけられている場合が多いでしょう。決して窓の主力ではなく、二番手、三番手の位置にあるルーバー窓がどんな特徴を持ち、またリフォームするとしたらそのメリットは何なのかについてお話していきましょう。
いろいろな窓の種類
はじめに、窓そのものの種類についてお話します。
現在、建物を建築する場合に、好みに合わせていろいろなタイプの窓を使用します。設置する場所や用途、使いやすさなど考慮し、その場所に合った窓を選んでいきます。
家を新築する場合などには、どんな窓にしようか選ぶのも楽しいのではないでしょうか。それでは窓の種類について述べていきましょう。
引き違い窓
2枚のガラス戸を左右に引いて開けるタイプの窓。もっとも多く用いられている窓ガラスです。
すべり出し窓
縦か横の窓枠を軸とし、窓をスライドして開けるタイプの窓。最大90度開きます。
内倒し窓
ガラス戸の下枠を軸とし、上部が内側に倒れるように開く窓。部屋の上部から換気できて、冷たい空気が直接部屋に入り込みません。
上げ下げ窓
文字通り、ガラスを上げ下げして開ける窓。見た目にアンティークな雰囲気があり人気の窓です。
はめごろし窓
フィックス窓とも呼ばれ、採光のためだけにつけられ、取り外しのできない窓です。部屋の中に明かりを取り込みます。 ルーバー窓の他に、以上のような種類の窓があります。
それでは次に、ルーバー窓についてお話しましょう。
ルーバー窓とは
ルーバー窓とはジャロジー窓とも呼ばれ、横長のガラスを何枚も並べた窓です。ハンドルを回すことで、ガラスの角度が自由に動き開閉します。その操作は難しくなく、誰でも簡単にできます。
窓自体は縦長の場合が多く、外観としては面格子などと組み合わせて防犯対策されているのがよく見受けられます。 オーニング窓との違い ルーバー窓とオーニング窓は、似ているようですが、少し違います。
オーニング窓は、ガラス一枚一枚に枠がついているのです。開け閉めする場合に、ハンドルを回すというのは同じです。
ルーバー窓のメリット
ルーバー窓のメリットは、採光が集められることでしょう。そのために設置されることが多いようです。狭い場所でも設置できるため、台所や風呂場、玄関などのちょっとしたスペースにも取り付けられます。 また、ハンドルを回すことで窓を開閉させ、気軽に換気もできます。雨の日でも、部屋の空気を少し入れ替えたいというときに、雨が窓から入ってくることなく、部屋の空気を新鮮にすることができるでしょう。 それから、曇りガラスを使ったり、ガラスの角度を操作したりすることで、外から部屋の中を見えにくくすることができます。換気しながらも、外からの視線を気にする必要がありません。逆に外で大きな音などがして確認したいというときにも、少しだけ開けて外の様子をうかがうことができるでしょう。 もし割れてしまっても、割れた部分の窓を交換するだけで済むというメリットもあります。もちろん全部を取り換えるより、費用が安く済みます。 以上のようにルーバー窓にはたくさんのメリットがあります。外観的にもおしゃれなルーバー窓は、家全体のアクセントにもなるでしょう。
ルーバー窓の設置例
1 お風呂場
ガラスの角度を自分で調節して外からの視線をカットしつつ、浴室の通気性を保ちます。ルーバー窓から人が入ってくることはできないので、防犯性も高いです。
2 リビング
隣家と近いところに窓がある場合、目隠しできるルーバー窓が便利です。ガラスの角度が自由になりますから、隣を意識しながら窓を開いて換気が可能です。しかも、採光もしっかりと取れるのはルーバー窓が最適でしょう。
3 台所
狭い場所をしっかりと明るくしたい場合、採光の取れるルーバー窓がいいでしょう。ハンドルを回して換気もできますから、台所の換気扇と合わせてうまく空気を回すことができるでしょう。
4 踊り場
暗くなってしまいがちな階段。踊り場にルーバー窓を設置することで採光がとれ、明るい場所になります。
5トイレ
プライベートな空間を保ちながら、しっかりと換気させるにはルーバー窓がいいでしょう。簡単に開け閉めもできます。 以上のような設置例はあくまで一例です。ルーバー窓の、採光、換気、目隠しのためなどの利便性を考えると、他にも設置できる場所があるでしょう。家のどんな場所でも設置でき、またその部屋の雰囲気を壊すこともありません。しっくりとなじみ、とても便利な窓として活躍するに違いありません。
ルーバー窓の安全性
ここでルーバー窓の安全性について考えてみましょう。
ルーバー窓自体から人が入るのは不可能なので、防犯性は高いと言えます。
ただ、ルーバー窓のガラス一枚一枚は外側からとても外しやすい物です。ですから、時間をかけて外せばそこから侵入することは可能でしょう。しかし、実際はガラスを外して人が入るほどの大きさを開けようとすると、それなりの時間がかかります。窓から侵入しようと考える人物は、何よりも侵入経路を確保するのに時間をかけるのを嫌いますから、一般的に言われているほどルーバー窓の危険性は高いとは言えないでしょう。
また最近は、面格子などと組み合わせて設置することが増えており、より安全性を高めています。
ルーバー窓の掃除の仕方
ルーバー窓にリフォームを考えていても、少し掃除が面倒……と思うことはないでしょうか。たしかにガラス一枚の戸よりも、なんとなく大変そうな気がするかもしれません。
しかし、ルーバー窓も決して掃除が大変なことはありません。通気性があって便利な窓ですから、以下の掃除のコツをつかんで、ぜひルーバー窓にリフォームしてみてください。
網戸をはずす
最初に、部屋側の網戸をはずします。メーカーによって、はずしかたはいくつかの様式があるようです。説明書や、メーカーのサイトなどを確認しましょう。
ほこりを取る
次に、ブラシでほこりを取ります。細かいところは歯ブラシなどでこすると良いでしょう。ぬらしてしまうとほこりが取りにくくなりますので、はじめは乾いた状態でブラシでこするほうがいいです。
クリーナーで洗う
ほこりを取り終わってから、市販のガラスクリーナーなどでガラスを磨きましょう。
乾かす
窓をぴったりと重ねず、少し角度をつけてガラスが完全に乾くまでそのまま置いておきましょう。 慣れるとルーバー窓の掃除は簡単です。つい面倒になって後回しにしがちですが、いつもきれいに掃除しておきましょう。
ルーバー窓のガラス交換
ルーバー窓は横長の数枚のガラスから成り立つ窓ですから、割れた場合には割れた部分のガラスを交換すれば良いわけです。その点では非常に効率の良い窓だと言えるでしょう。
では自分で交換する場合について説明いたしましょう。
網戸をはずす
まず手前についている網戸をはずします。
金具をはずす
次にガラスをはずしやすい位置までハンドルを回し、角度を変える。ガラスを固定している金具を、ドライバーなどではずす。
ガラスを交換する
手前にガラスを引き抜いてはずし、新しいガラスを差し込みます。
金具を取り付ける
先ほどはずした金具に、ガラスを固定します。
網戸をつける
最後に、最初にはずした網戸をはめ込みます。 これでルーバー窓のガラス交換は完了です。
業者に頼むのもいいですが、ガラス店や通販などでガラスを購入し、自分でも比較的簡単に交換できます。
ちなみに業者に頼む場合は、交換するガラスの枚数や種類にもよりますが、1枚5000円以上はするでしょう。
ルーバー窓のハンドル交換
ルーバー窓のハンドルが回らなくなったり、ガラスの角度があまり開かなくなったりしたら、ハンドルの交換が必要になってくるでしょう。
その場合には業者に頼んだり、自分で交換する必要があります。 ハンドルの交換はそれほど難しくありません。 まず、そのハンドルがどのメーカーの物なのか調べましょう。大抵の場合、ハンドルそのものに番号が書かれているはずです。
わからない場合はハンドルを取り外したり画像を取ったりして、ショールームや工務店などに聞いてみましょう。 あまりに古いものはもう販売されていない可能性があります。その場合には代替えとなる物があるのか確認しましょう。 型番がわかったらショールームで直接購入するか、ホームセンター、通信販売などでも購入できるでしょう。 取り付けるときには、まず網戸をはずしハンドルを留めてあるビズを数カ所はずします。
次に新しいハンドルの位置を確認し、ビズを留めて固定させれば完成です。ハンドルを動かして、きちんと回るかどうか確認しましょう。
ルーバー窓にリフォームするには
ここまで述べてきたように、いろいろと便利なルーバー窓ですが、リフォームするにはどうしたらいいのでしょうか。
それは自分の希望を具体的にして、信頼できる業者さんに依頼することが大切です。限られたスペースなどの都合でルーバー窓がいい場合には、はっきりとルーバー窓にしたい旨を告げましょう。
そうすれば、ガラスのタイプや防犯のための面格子など、いろいろと説明してくれるはずです。
窓を設置したいところに、本当に窓をつけることができるかも確認しましょう。
すでに設置してあるルーバー窓を、新しいものに交換することも可能です。
ルーバー窓にリフォームする費用
ルーバー窓にリフォームする場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
既存の窓を新しくするか、窓のないところに新しく窓を設置するかなど、さまざまな条件で変わってきます。 一般的に窓をリフォームするには、窓そのもののサッシ代、ガラス代、取り付け費、材料処分費、人件費などから成り立ちます。 ルーバー窓の場合、サッシ代は15000円くらいからあるので、すべての費用込みで10万円くらいで可能でしょう。何もない壁に新たにルーバー窓を設置する場合には、追加料金が発生するでしょう。
ガラス窓からルーバー窓にリフォームするメリット
これまで述べてきた通り、ルーバー窓にするメリットはたくさんあります。主なものを述べていきましょう。
1狭い場所でも採光が取れる
トイレや脱衣所など、引き違い窓を設置する広さがない場所でも、ルーバー窓なら設置することができます。暗くなってしまいがちなところに、明かりを取り込むことができるのです。
2雨でも開けられる
ルーバー窓は、ハンドルを回し数枚のガラスの角度を変えることで開閉します。下から上向きにガラスは開き、最大で90度になります。雨の場合でも、雨が室内に入るのを気にせずに窓を開けることができます。
3ガラス交換が簡単
ルーバー窓は、十数枚の横長のガラスでできています。割れた場合には、割れた部分のみ交換すれば済みます。他のガラスと違って、一サッシ分すべてを変える必要はありません。
4ガラスや部品が手に入りやすい
ガラスやハンドルなど通信販売で手に入り、値段もそれほど高くありません。もしガラスが割れたりハンドルが壊れたりした場合に、他の窓と違って、比較的自分で交換がしやすい窓です
5プライベートを確保できる
窓はハンドルを回すことで開閉します。歩道や隣の家と近い場合には、少しだけハンドルを回すことで、窓の開き具合を調節できます。人の目が気になるなら、あまり窓を開けることなしっかり空気を入れ替えることができるのです。
6ガラス外面の掃除が簡単
ハンドルを回すとガラスが回転するので、部屋にいながらガラスの外側の面もしっかりと掃除することができます。外側は雨風で汚れやすいので、簡単に掃除ができるのはメリットの一つでしょう。
7外観がおしゃれ
採光のためだけならはめごろし窓でも十分ですが、ルーバー窓にすることで見た目にもおしゃれさがあります。素敵な外観に、通りすがりの人の目を惹きつけるかもしれません。
まとめ
以上のように、ルーバー窓にはさまざまなメリットがあります。ガラス窓からリフォームした場合に、その良さをさらに身近に実感できるはずです。
特徴的なのは、ハンドルでくるくると回して窓を開閉する点ですが、これは採光や換気、目隠しなどの面において、自分の好みに合わせて調節できます。回すだけですべてのことを自由に変えることができるのは、ルーバー窓しかないと言っても言い過ぎではありません。
雨のときに開けても雨が吹き込むことはありませんし、開けたからといって外から部屋の中が丸見えになってしまうこともないのです。
すべてのことを一度に可能にしてしまうルーバー窓は、とても理想的な窓と言えるでしょう。
また、万が一割れてしまった場合にも、割れた部分だけを取り換えればいいのでとても経済的です。しかも、自分で交換しやすい窓なので、業者に連絡する手間が省けたり、費用を少なく抑えたりすることができるのです。
トイレや脱衣室など、少し手狭なスペースには、今ある窓からルーバー窓へのリフォームを考えてみるのもいいでしょう。もちろん、すでにあるルーバー窓を新調し、部屋の印象を変えてみるのも素敵です。