防音ガラスに交換したいって思ったら・・・

生活音は本人としてはあまり気が付かないものですが、相手方にとってはとても大きく聞こえるものです。
意図していなくても発生してしまうものですし、どうしようも無いという場合だってありますよね。子供が夜泣きをしたとか、自宅で楽器などの練習をしているときなどはどんなに気を使っても防音しきれないものです。反対に外部からの音が気になってしまうことだってありますよね。道路工事の音とか、幹線道路に近かったら通勤時間帯などは騒音に悩まされるでしょう。
音が伝わってくるのは、空気中の振動が伝わってくることですので遠くなれば当然小さくなります。同じようにこの振動を伝えないようにすることで音を感じなくすることが出来るのです。家庭の音が外へと漏れる場合、そして外の音が家の中へと入ってくるときにもっとも大きく関わっているのはどこだと思われるでしょうか、実は窓なんです。窓はガラス一枚で家の中と外を繋いでいます。ですから、この窓の防音対策でかなり変わってくるのです。
この防音にはガラスの質が大切になってきます。防音に特化した防音ガラスを使えばこれまでの音の悩みが嘘のように消えていくでしょう。でも、防音ガラスが果たしてどのようなのなのか? 交換するとしてもいったいいくらかかるのか? 知らないことが沢山ありますよね。それを少しずつ御説明していくことと致しましよう。

防音ガラスの正体とは

お風呂のドアにはガラスが使われている部分がとても多いということは既にお話したことですが、実はガラスな見えていてガラスでは無い場合もあります。ガラスに見えていてガラスで無い場合には樹脂製の板が使われていることが多いのです。なぜ、このような違いが出てくるのかというと、ドアはなんでも同じという訳ではないからです。形や見た目だけでなく、安全性や耐久性といった面からもその使い方ももっとも相応しいものが選ばれていくのです。それでは、お風呂の扉としてどのようなものが使われているのかということも少し見ていくことに致しましょう。

① 防音合わせガラス

最もポピュラーなものが、防音合わせガラスです。合わせガラスの二枚のガラス板の間に防音性のある膜を貼ることで高い防音性を誇ります。一般的に言う場合の防音ガラスと言えばこれを指していることが大半です。

②ペアガラス

ペアガラスは複層ガラスとも呼ばれています。ガラスが音を伝えているときに、コインシデンスと呼ばれる現象がおきます。これはある一定の周波数をガラスは通してしまうことで、静音性が低くなってしまうものです。つまり、一枚だけのガラスであれば、そのガラスが通してしまう周波数の音は消せないということになります。しかし、ペアガラスは異なった性質を持つ二つのガラスを合わせていますので互いかガラスが苦手とする周波数をカバーし合って静音性を限りなく高めているのです。
これだけを見ると、圧倒的にペアガラスの方が優れていると思われる方も多いことでしょう。しかし、ペアガラスには低音域共鳴通過と呼ばれる現象が起きやすいという欠点もあります。特に低音域の音源で悩まれている場合には要注意と言えるでしょう。

防音ガラスは、厚みとサッシでも効果が変わってくる

防音ガラスの持っている性能を活かすことが出来なければ、宝の持ち腐れということになってしまいます。防音ガラスの性能を引き出して最高の状態で使うためには、厚みとサッシという二つの大きな関係を見逃すことは出来ません。
それでは、今度は厚みとサッシについて考えてみましょう。

① 防音ガラスの厚み

防音ガラスを選ぶときに、どれだけ静かに出来るのかを考えて、ついつい厚みだけを重要視してしまうのではないでしょうか。確かに厚みが増すほど、音を通さないように感じるでしょう。余談ですが、水族館などの大水槽のガラスは、ガラスではありません。厚さ50センチ以上にもなる硬化プラスチックなどが使われています。防音ガラスと同じように考えるものではありません。
厚みがあるだけでは意味が無いといったのは、先ほどのお話したコインシデンスという現象も関わってきます。どんなに分厚いガラスであっても苦手とする周波数の音は通ってしまうのです。
使う場所と防ぎたい音の種類で考えていくことが必要になるのです。

②サッシとの関係

防音ガラスの性能は、ガラスのみに依存しているものではありません。窓のサッシに大きく関わってきます。
音が伝わるのは空気の振動によるものだとお話したことを覚えておられるでしょうか。つまり、窓全体で防音というものを考えなければならないのです。どんなにしっかりとした防音ガラスを使ったとしても、サッシに隙間があったりすれば全く意味は有りませんよね。サッシそのものに防音効果を付加しているものと組み合わせることで防音効果は確実に高くなる場合もあることを知っておいて頂きたいのです。

防音ガラスの不明点について

防音ガラスにしようと思って、色々と考えてみたけどわからないことがたくさんあってどうしたらよいのかが分からないという意見がたくさんあるようです。先ずこういった最初の疑問点を解決しておかないと前には進めません。
具体的にどのようなことが分からなくて困っている方が多いのかをここでお話して見ましょう。少しでも解決につながってくれるとありがたいですね。

・防音シートやフィルムとの違い

ホームセンターなどで、防音性をうたっているシートやフィルムが売られているのをみたことは有るでしょうか。これらのものは、今のガラスに貼りつけることで防音できるようになると説明されています。確かに高価はあると言えるでしょう。しかし、ガラスの製造工程のときからのものではないのですから防音性が低くなることは否めないでしょう。まったく効果がないというものではないのですが、その能力の差は感じられます。
また、こういった商品にもランクがあり高性能ものほど高価になっていきます。信じられないかも知れませんが、防音ガラスに交換した場合と料金の差が殆んど無いという場合もあるのです。自分でやれると思って買ってみたものの、うまく出来ずに無駄な出費に終わってしまったということの無いようにして頂きたいと思います。

・防火区画でも大丈夫なのか

自宅のある場所が防火区画に入っているときは注意が必要です。防火区画というものは、火災が発生した場合にその被害を最小限に抑えるために法律で決められているものです。ですから、自分がこうしたいすらといって勝手に変更できないところがあります。
窓ガラスの場合には、耐火基準というものが決められているのでこれに沿ったものであれば取付は可能でです。
防火区画にも準防火区画などの細かい設定がなされていますので、市役所などに問い合わせてからどんな防音ガラスを選ぶのか決めていくとゆいでしょう。こういった場合、地元での営業が長い業者さんであればちゃんとそういったことも分かっているので相談してみるのも良いでしょう。

・引き戸への取付

ガラスを取り付けるということだけで考えれば、何も問題なく取付できます。しかし、引き戸の場合はもともと密閉性が低く、隙間が多い構造となっています。その為、わざわざ防音ガラスに変えたとしても思ったほどの効果は感じられないでしょう。どうしてもという場合、扉そのものの交換を考えることになるでしょう。

防音ガラスにするときに考えておくこと

防音ガラスという名前だけを見て、これさえつけておけば大丈夫だと勘違いしてしまう方も実はとても多いのです。防音ガラスに変えるということで一気に騒音問題が解決するような気持ちになってしまうことも有るでしょう。また、防音関係の工事そのものが高価格であることから少しでも安くしたいと考える方も多いのです。リーズナブルな費用で最高の効果を求めるにも限界は有るのですか、組み合わせによってそこに近づけることは可能です。その為にはどのようなものがどのような効果をもたらすのか。それを知っておくことも大切と言えるでしょう。

・防音タイプの窓サッシ

上の段落でも御説明をさせて頂いたのですかせ、窓サッシにも防音性能を持たせているものもあります。防音ガラスに交換したとしても、サッシがこれまでのものと同じであった場合には十分な防音性能が発揮できないこともあり得ます。多くの場合では、車の走行音やピアノなどの楽器の音を防ぐためにはサッシまで見直しが必要となります。
特にアルミではなく、樹脂で作られたサッシは防音性も高いと評判になっているようです。せっかくの工事ですからそういったところまでこだわってみるのも良いのではないでしょうか。

・内窓(2重サッシ)

防音と重ねて保温という面からも、2重窓にする方も多いようです。内窓をつけることで、冬場の結露を防ぐということもあります。防音とまではいかなくても、遮音という効果は十分でしょう。内窓の2重サッシは建材メーカーなどから数多くの種類が販売されていますので代理店などから施工見積をとってみると大凡の金額が分かってくるでしょう。
もともとが一体型になっているので、個別に交換するよりも工期も短く、価格的にも抑えられると最近人気が高まっています。

防音の目安

防音するかしないか、その問題の解決は人によって違うでしょう。一般的に人が不快であると感じる音の大きさは、50dbを超えるあたりから感じると言われています。
日常生活で人が感じる音の大きさを並べて比較してみましょう。
~40db 深夜の住宅地
41~50db 図書館の中や人の少ない事務所
51~70db 車の橋っている音・洗濯機や掃除機を使っている部屋
71~80db 大型の交差点・犬が威嚇して吠えているとき
81db~ 車のクラクション・満員電車の車両・工事現場
通常のガラスでは、マイナス20dbが最高値なのですが、防音ガラス使用すると、マイナス35dbが可能になります。かなりうるさい80dbの騒音があつたとして、一般のガラスでは60dbまでしか下がりませんが防音ガラスであれば、45dbまで下がることになります。
自分が感じている音がどのくらいなのか、そしてそれがどのくらいまで低くなるのか。それをイメージしてみるとわかり易く実感できると思います。その感覚でガラス交換をするかしないか考えても良いでしょう。

費用の目安

いざとなってくると、静かな生活は手に入れたいもののお金の問題も関わってきます。では、具体的にどれくらいの価格帯であるのかをお話しましょう。平均的な場合としてお考えください。
防音ガラスの料金
30センチ×40センチ 17,000円程度
60センチ×90ランチ 40,000円程度
90センチ×90センチ 55,000円程度
180センチ×180センチ80,000円程度
かなり高額だとお感じになったでしょうか。さて、何度か話題にも出た来た内窓と防音ガラスを組み合わせた場合で比較して見ます。これは、どの程度の防音が可能かも合わせて表示してみましょう。
90センチ×150センチの窓として算出しています。
防音ガラス(6mm)に交換・約50,000円 30db軽減
防音ガラス(10mm)に交換・約80,000円 35db軽減
内窓に交換・約75,000円 40db軽減
このように単体でも効果はあるのですが、更にこれを組み合わせることで効果が高まることも御理解頂けたのではないでしょうか。価格帯も事前に見積もりをしたり、複数の窓を同時に取り換えるなどによって全体的にコストを下げてリーズナブルな金額になることもありえます。

まとめ

防音したいと感じたということは、それなりに今の騒音に不快感を感じているというとこでしょう。確かに静かな生活環境というものは、精神的に落ち着き、ひいては健康にも大きく関わってくるものです。
防音ガラスと一言で言っても種類があって特徴があること。ガラスだけで本来の効果を得られるとは限らず、サッシとの連携も考えること。窓そのものの在り方から、内窓を設置するという選択肢もあること等がもうお分かり頂けたことと思います。
普段生活している中で、ふとしたことで騒音が気になることは多々あります。それが突発的に起こったものなのか、だんだんと増えてきているものなのか、また、なぜそれが気になっているのか、そういった周囲の状況を判断してもっとも適切な防音対策を取って頂くときに役立てて頂けると幸いです。

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