二次災害を防止しよう!ガラスの割れ対策のススメ

家庭内やオフィス内など、様々な建物において使用されているのがガラスです。通常は窓ガラスとして使用されていることが多いですが、例えばガラスケースのような家具として使用されていたり、ドアにガラスが使用されているような場合もあります。ガラスは透明度が高く、他にはないような効果をもたらしてくれる建材として使用されることが多いのですが、同時に注意しなければならない点がある建材でもあります。

ガラスが使用されている場合、特に注意しなければならないのが、ガラスが割れるものであるということです。単純に割れて壊れてしまうだけであればまだしも、鋭利な破片となってしまうことによって、二次的被害を引き起こす可能性が高いというのがガラスにおける特別注意しなければならない点です。
それでは、そんなガラスが引き起こす二次被害を防止するためには、どのようなことが重要になるのでしょうか。ガラスが割れること自体は、その性質からして完全に防止することはできません。しかし、割れにくくすることや、いざ割れた時に二次被害をもたらすことがないように、飛び散ることを防止するような方法というのは存在しています。

ここから先では、ガラスに対して発生することがある問題と、それによって引き起こされる可能性がある二次災害への対策方法について紹介します。
最初に紹介するのは、「ガラスが割れるのはどういうとき?」という内容についてです。どのようなタイミングでガラスが割れるのかについて把握しておくことによって、そのような事態になりそうな時に予め準備を行うことができるようになります。

次に紹介するのは「割れても大丈夫な防災ガラス」についてです。前述の通り、絶対に割れないガラスというのは存在しません。そのため、割れても大丈夫なガラス、という方向から考える事が重要になります。

そして最後に紹介するのは「手軽な対策方法」についてです。窓ガラスに対して何かしらの対策を施したいと思っているものの、交換などになるとどうしても高額になってしまうために二の足を踏んでしまうという方も多いことでしょう。ここでは、比較的安価に行うことができるガラス割れ対策について紹介しています。上記の様なことについて知っておくと、いざ問題が発生した時にどのように対処するべきなのかを判断することができ、問題を大きくせずに解決できる可能性が高くなります。

①ガラスが割れるのはどういうとき?

ガラスの割れから来る二次被害を防止するために、最初に紹介するのは、そもそもどのようなタイミングでガラスの割れが発生してしまうのか、ということについてです。このガラスの割れについては、日本が様々な種類の災害に見舞われやすい地域であることが影響を与えています。日常的なことでガラスが割れてしまうことももちろんありますが、やはり大規模に破壊される可能性が高いのは災害の際であるためです。

まず前提として、ガラスには割れやすくなってしまう条件というのがあります。それが、ガラスに小さくとも損傷がある場合です。ガラスというのは、全体が完全な状態であることによって均一な圧力を発生させており、この圧力によって状態を維持しているという性質があります。そのため、一部でも、小さくても損傷がある状態になっていると圧力バランスが崩れてしまい、ガラス全体の耐久度が低下してしまうことになります。特に網入りガラスのような種類のガラスについては、熱割れが発生しやすいことによってこのような症状を引き起こしやすい傾向があります。網入りガラスは防災用に効果を発揮するものではありますが、普段の使い方については注意をしておく必要があるでしょう。

この先では、そういった損傷したガラスのみならず、完全な状態なガラスにさえ大きな存在を与える可能性がある様々な原因として「強風」「地震」の2つを紹介します。そして最後に「日常生活のトラブル」による損傷についても紹介しています。それぞれを把握しておくことによって、トラブルへの対処を行いやすくなるでしょう。

1.1台風などの強風での飛来物に注意!

ガラスを割ってしまう可能性が高い原因として、最初に紹介するのは台風や竜巻のような、強風について紹介します。風自体の力によってガラスが割れてしまうということはほとんどありませんが、風によって様々なものが運ばれてきて、それが勢いをつけてガラスに衝突したという場合については話が別です。飛来物はガラスを割る大きな原因となるものの1つで、実際に台風の際にガラスに屋根材が飛来したことによって割れ、生活していた方が亡くなるような事故が発生していることもあります。また、このようにしてガラスが割れた場合、ガラスによって被害が発生してしまう可能性も十分あります。

普段からの対策をしておくことも重要ですが、実際にこのような飛来物が考えられる強風が吹いている際は、できるだけ窓際に近寄ることなく、窓から遠い場所で生活するようにすることが安全を確保するためには重要になります。

1.2地震被害の一割が窓ガラスによる二次災害なことも

ガラスを割ってしまう可能性がある災害として、次に紹介するのは地震についてです。日本は環太平洋造山帯の直上に位置しているという地理的な環境からして、他の地域に比べて非常に地震が多い国として知られています。特に規模が大きい地震についても度々発生しており、日本国内に於いてこの場所なら地震がない、というように安心することができるような場所はほとんど存在していません。長く大きな地震が来ると言われている東海地方はもちろん警戒が必要ですが、その間に東日本大震災や中越地震、熊本地震、北海道胆振地震等が発生していることからも分かるように、地震はどこで発生してもおかしくない災害です。

ただ、日本の住宅は地震に適応するように強化されてきており、阪神・淡路大震災以降の住宅は特に、地震自体によって直接全壊してしまうというケースは大幅に少なくなりました。津波や土砂災害のように、地震に伴う災害によって破壊されているものがほとんどです。しかし、地震自体によっても破損の可能性が高いのが、耐久性が外壁に比べるとどうしても低くなってしまうガラスです。

実際、地震による被害の内、1割程度はガラスが割れてしまったことによって怪我をするというものであると言われており、二次災害による問題が顕著なものでもあります。地震対策の一環として、ガラスへの対策も行っておく事が重要になるでしょう。

1.3日常生活のトラブル、犯罪行為の抑止にもつながるガラス割れ対策

ガラスを割ってしまう可能性があるのは、台風や竜巻、地震のような災害ばかりではありません。日常生活においても、ガラスが割れてしまうようなトラブルが発生することは十分にありえます。誤って衝突してしまう、というだけでも、フロートガラスのような耐久性のものであればわれてしまう可能性は十分にあります。

このように、簡単に日常生活で割れてしまうようなガラスというのは、防犯性にも問題があります。侵入犯の約6割程度は窓を経路として侵入すると言われており、窓に対する十分な対策がなされていない場合、侵入犯罪に遭ってしまう可能性が高くなります。ガラスが割れにくくするような対策を行っておくことは、危険を回避することができるだけではなく、同時にこのような防犯にも効果を期待することができます。

②割れないガラスはない!割れても大丈夫な防災ガラスについて知ろう

ガラスというのは、その性質上絶対に破れないものを作ることができるわけではありません。特に大災害のようなものになると、完全に割れることを防止することは難しく、重要なのはもしわれてしまったとしても、二次災害を引き起こすことがないようなものにすることです。ガラスが二次災害を引き起こしてしまうのは、破片が割れた時に破片として体を傷つけてしまうことが原因です。防犯ガラスの中にはこのような破片の発生に対策しているものも多くあり、このようなものを使用することによって対策ができる部分も多くあります。

この先では「ガラスの飛散率」「破片の小ささと軽さ」「耐衝撃性」という3つのポイントについて紹介し、防災ガラスがどのような点に於いて優れているのかについて紹介します。

2.1割れた時に破片が飛散しない!ガラス飛散率を見よう

防災ガラスに於いて重要なポイントの一つとなっているのが、飛散率です。飛散率というのは、ガラスを強制的に破壊した時、脱落することになる破片の総重量が、ガラス全体の重量に対してどの程度の割合であるのかを示すものとなります。これが大きな数字であればあるほど大きな破片としてこぼれ落ちることとなり、二次災害を引き起こしやすいガラスということになります。小さいものであれば細かい破片であるため、大きな存在を引き起こしにくく、飛び散りにくくなります。
一般的なフロートガラスの飛散率というのはだいたい50から60%となっています。つまり、半分かそれ以上の重量のガラスが飛び散ってしまうことになるわけです。対して防災ガラスについては、飛散率は2%前後とかなり少なく抑えることができます。

2.2割れた時の破片が小さく、軽いのもポイント

防災を考えるのであれば、もう1つ重要な要素となるのが、飛び散ることになる破片の大きさと重さです。これが大きなものであればあるほど問題が大きくなりやすく、二次災害にも繋がります。

一般的なフロートガラスにおける破片は最大で1800g程と、非常に大きな破片としてわれてしまうという結果が出ています。これに対して、防災ガラスにおいては1つの破片が25g以下に収まるという結果となっており、いかに小さな破片に分かれて細かく割れる様になっているのかがわかります。小さな破片であれば、もし踏んでしまったとしても動脈まで傷つける可能性が低く、二次災害による致命傷を防ぐことに大きな効果を発揮します。

2.3耐衝撃性が高く、衝撃による破損が少ない

防災ガラスにおける重要な要素の一つとして、耐衝撃性というものがあります。その名前の示している通り、どの程度の衝撃に耐える事ができるのか、ということを示しているものです。フロートガラスなどは耐衝撃性が低く、強い衝撃を受けると鋭利な破片として飛散してしまうことになり、二次災害を引き起こしやすい性質があります。 対して、防災ガラスについては細かい破片として割れる上に、衝撃によって割れにくい性質を持っているために、問題を起こしにくいようになっています。

③安く手軽に対策する方法!

ここまで、ガラスが割れるのを防止するための方法として、いざという時のために効果を発揮する防災ガラスの性能についてを中心に紹介してきました。しかし、ガラスの交換ということになるとどうしても費用は高額になってしまい、すぐには行えないという方も多いことでしょう。

ここから先では、ガラスの交換に比べると安価に行うことができ、一定以上の効果を期待することができるガラス割れの対策について紹介します。これらについて行っているかどうかだけでも、ガラスに発生する損害というのは大きく変化します。

3.1まずは窓周辺の安全を確保しよう

安く、かつ手軽に行うことができるガラス割れへの対策の方法として、最初に紹介するのは窓周辺の安全を確保することです。窓のすぐ外がベランダのようになっているような場所では、ベランダの方に植木鉢や洗濯物干し竿などが置かれたままになっている事が多いのではないでしょうか。

地震についてはいつ発生するかわからないために完全に対処することはできませんが、台風のように事前に来る事がわかっている場合については、これらについては室内に入れておくようにします。
飛来物によるガラスの被害が深刻であるため、直ぐ側で飛来するものを減らすことが二次災害を防止することに効果を発揮します。

3.2窓ガラス飛散防止フィルムの効果について

窓ガラスの飛散を防止するための道具として、ホームセンターなどで販売されているものに、ガラス飛散防止フィルムというものがあります。市販品である上に貼り付けについてもそれほど難しいものではないため、一般的な家庭においてもかなり使用しやすい対策方法の一つとなります。

それでは、実際にこのガラス飛散防止フィルムというのは、どのような効果を発揮してくれるものなのでしょうか。防災ガラスのように完全な効果を期待することができるものではありませんが、少なくとも何も対策をしていないようなフロートガラスに比べると耐衝撃性を高めることができ、もしわれてしまった場合でもガラスが内側に向かって飛散することがないように対策を取ることができるようになります。

また、ガラス飛散防止フィルムにはその他にも効果があり、種類によってはデザイン性を変更するようなものがあるため、デザインを目的として使用することも考えられます。また、紫外線カットを行うような性能があるものなども登場しており、ガラス飛散を防ぐためだけではない効果を期待することができるようになっています。

3.3通常のガラスに塗布するだけ!ガラス飛散防止塗料

また、昨今ではガラスに対して塗布するだけで効果を発揮するという、ガラス飛散防止塗料というものも登場するようになっています。まだまだ一般的に普及しているものではありませんが、コーティングがされている部分については飛散防止膜が発生するようになっており、割れを防ぐことができるようになっています。希薄な膜を貼ることによって効果を発揮するものであるため、見た目に影響を与えにくいのがメリットとなっています。

まとめ

それでは最後に、ガラスの割れと、それに伴う二次災害を防止するための方法についてのまとめを紹介します。ガラスが割れてしまうのには様々な原因があり、特に災害においては大規模な割れを引き起こす可能性が高いです。このような状態になってしまうことを防ぐためには、飛散率が低く、耐衝撃性の高い防災ガラスに交換をする方法が効果的です。また、比較的安価に使用できる方法としてはガラス飛散防止フィルムを使用する方法などもあり、色々なものを使用することで安全を確保することができます。

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