断熱性最強?ykkのトリプルガラス樹脂サッシ窓あれこれ

熱が出入りするための勝手口になってしまっているという点です。これは望まざる効果の一つでもありますが、どうしても外壁に比べると断熱性は低く、住宅内の温度がこの部分から逃げてしまう、あるいは外気が入ってきてしまう、というような症状を引き起こすことになります。
また、防犯においても窓ガラスは重要な役割を持っています。侵入を試みるような犯人のその6割近くが、窓を侵入経路としているためです。窓の防犯性が低いということは、そのまま住宅の安全性が低いということに直結してしまうことになるのです。

それでは、この先ではそんな窓ガラスとして、効果的なガラスと言われる「トリプルガラス」というものについて紹介します。このトリプルガラスというのはykkによって販売されているガラスの種類の一つで、トリプルガラス樹脂サッシ窓と呼ばれることもあります。この先は、まずそもそもこのトリプルガラスというのがどのようなものであるのか、という点について紹介します。そしてそれに続き、他の窓ガラスと比較した時にどのような違いがあるのかについても紹介します。そして最後に、ガラスだけではない、サッシによる窓の違いについても紹介していきます。
このようなポイントに付いて抑えておく事によって、新しい窓としてトリプルガラスを使用するのかどうか、判断するための情報となるでしょう。

①トリプルガラスってなに?

それではまず最初に、トリプルガラスというのがどのようなガラスであるのかについて紹介します。トリプルガラス樹脂サッシは、その名前の通り3つの要素によって構成されています。最初の要素となるのが、Low-eガラスと呼ばれるガラスの種類です。このガラスは、銀のような特殊金属膜をコーティングとして使用することによって、遠赤外線の反射効率を高めているのがポイントとなります。簡単に言うと遮熱型の窓ガラスとしての効果を高める事ができているということになります。

次に、樹脂サッシによる効果についてです。ここでいう樹脂というのは塩化ビニール樹脂のことで、プラスチックのような性質を持っている物質です。この物質には熱を伝えにくいという効果を持っており、一般的なものとしてはフライパンなどの取っ手として使用されることがあります。

そして最後にトリプルサッシについてです。これはそのまま三枚のガラスを使用することによって遮熱を行うという形式を取っているものです。ガラス層についてはアルゴンガスやクリプトンガスなどを封入することによって、さらに効果を高めることに成功しています。
こういった性質を持っているトリプルガラスについて、この先では「ペアガラスと比較した時のメリット」「デメリットとなるのは?」「大きさと重さ」についてそれぞれ紹介します。

1.1ペアガラスと比較したトリプルガラスのメリット

トリプルガラスについて、最初に紹介していくのは、一般的に使用されているペアガラスと比べてどのような違いがあるのか、という点についてです。ペアガラスが2枚の複層ガラスであるのに対して、トリプルガラスはさらに1枚多い3枚による構成が行われているためその点によるメリットが存在しています。
まず、断熱性がペアガラスに対して非常に高いものとなっています。一年中ほとんど外気温による影響を受けないようになっているため、夏場については涼しく、そして冬場については暖かく、快適な室温での生活を行うことができるようになっています。外気が氷点下に近いような場合でも、暖房をつけていなくても室内は15度程度を維持することができるようになっているなど、高い効果を発揮することができます。これに空調をあわせる事によってより快適な温度を保つことができるようになります。

また、結露対策としての効果も発揮することができるというメリットがあります。窓ガラスにおける結露というのは冬場の悩み事の一つとなるものですが、これはガラス自体の熱貫流率によって左右される傾向があります。ガラス自体が外気の影響によって冷えてしまうことよって発生するものであるためです。トリプルガラスの場合にはこれが非常に高くなっているため、結露がほとんど発生しないような対策となっています。

また、防音性についても高い水準のものであるのがメリットの一つとなっています。音がもれない様になっていて、かつ入らない様になっているというのは、近所とのトラブルを回避するために非常に重要なポイントです。

1.2トリプルガラス最大のデメリットは高価なこと

それでは、トリプルガラスにデメリットとなるようなポイントはないのでしょうか。これについては残念ながら存在しています。何より大きなデメリットとなっているのは、その価格がどうしても高くなってしまうという点です。トリプルガラスは従来のペアガラスに比べて多くの点に於いてコストが高い物を使用しているため、総合的なコストがどうしても全体として高額になってしまう傾向があります。ykk以外にも複数の会社によるトリプルガラスが販売されていますが、これらについては軒並み高くなってしまっており、注意しなければならない点の一つです。
ただ、この費用についてはあくまでも導入にかかる費用の高さです。前述のようにトリプルガラスは非常に高い断熱性を有していることから、日々の冷暖房の効率を大幅に向上させることができるというメリットがあります。このことから、ランニングコストという面においてはむしろプラスに働くようになっており、長年使用していくことによってペイすることができる部分でもあります。

1.3大きく、重たいトリプルガラス

また、もう1つトリプルガラスにおけるデメリットとなっている点であるのが、全体として大きく、分厚く、そして重いものになっているということです。これは従来のものに比べて性質の違いがあるため、どうしてもある程度避けることができない点となります。
ただ、各メーカーはこの重量の問題についても把握しており、構造上の限界があるもののできるだけ軽量化することができるように取り組みを行うようにしています。また、完成品として現場に届けるような配慮を行うことによって、現地における設置をより簡単に行う事ができるようにされているのもポイントの一つです。

②他社製品との比較をしてみよう

ここまで、トリプルガラスについてykkによるものを中心として紹介を行ってきました。ただ、昨今ではこのトリプルガラスというのは多くの窓ガラスを扱っている会社が取り扱うようになっているもので、しのぎを削っている状態にあります。そのため、1つの会社についてのみ注目するのではなく、その他の会社と比較を行った時、どのような違いがあるのか、という点についても知っておく必要があるでしょう。
この先ではこれらの会社ごとによる違いについて「熱貫流率」「断熱性能による違い」「性能をはっきり確認すること」「他社の製品のポイント」「今後の見通し」というようなポイントから、このトリプルガラスについて紐解きます。

2.1熱貫流率によって断熱性能は変わる。熱貫流率を知ろう。

まず最初に紹介するのは、熱貫流率についてです。そもそもこの熱貫流率というのがどのようなものであるのかというと、室内と室外の温度差が1度ある場合について、窓ガラス1平方メートルに対して1時間の間にどれだけの熱が通過するのか、ということを示しているものです。この理屈についてはわかりにくいものであるためしっかり把握している必要はありませんが、簡単に言うとこの数字が低い程断熱性が高いもの、というように考えておくと良いでしょう。

2.2断熱性能(熱貫流率)はどれほど違うの?

それでは、実際に熱貫流率というのは窓の種類、メーカーなどによって土の程度のちがいがあるものなのでしょうか。ここでは代表してykkの窓について、その種類によってどの程度の違いがあるのかについて紹介します。
最初に紹介するのは、半樹脂サッシタイプの窓についてです。これはそれほど高い断熱性を持っているタイプのものではなく、ykkのエピソードという種類のもので、2.33というような数値となっています。これが、樹脂サッシであるAPW330という種類のものになると、最大で1.31にまで減少します。大幅に熱貫流率が低くなっていることが分かるでしょう。

さらにトリプルガラスになると、真空型のもので0.99となっており、さらにクリプトンガスを注入している仕様のものになると、0.78まで低下させることに成功しています。このように、窓の種類による熱貫流率の違いというのは、かなり大きく発生するものであることがわかります。

2.3もはや壁に等しいと豪語するLixilのレガリスのような特殊な製品も

次に紹介するのは、ykkとは別のメーカーである、LIXILによって販売されているトリプルガラスについてです。このLIXILから販売されているトリプルガラスとして、注目されるようになっているのが、レガリスと呼ばれる種類のものです。このレガリスというのは、壁にも等しいような断熱性能を持っていると豪語するほどのもので、非常に低い熱貫流率を持っていることが注目されています。
実際に他のメーカーのトリプルガラスの熱貫流率と比較をしてみると、レガリスのものはかなり低い数字となっていることがわかります。その熱貫流率は0.55と、現在のところでは他のメーカーに比べてかなり低い数字であることがわかります。

2.4トリプルガラスは今後標準化していくのか?

それでは、今後このトリプルガラスというのは、標準的なものとなっていくのでしょうか。これについては、業界各社においても見解が別れている部分ですが、全国的に見て標準仕様になるというほどの普及はしないのではないか、というのが見解として上がっています。
その理由となるのは、地域によって断熱性がどの程度必要であるのかには大きな違いがあり、それに合わせて普及していくことになるためです。夏に暑い、あるいは冬に寒い、いずれかの性質を持っている地域でなければ、トリプルガラス程の断熱性能を必要としていない場合も多く、その場合には価格が高くなってしまう分だけ導入コストが運用益を上回ってしまう可能性があるということです。ただ、これはあくまでも近くにおける考えで、今後さらにエコ化の流れが重要視されるようになってくればわかりません。

③ガラスだけじゃない!サッシによって断熱性能は大きく変わる

また、熱の伝導率を大きく左右しているのは、ガラスだけではありません。ガラスを設置するために必要となる、サッシ自体についても熱の伝導率を大きく左右する要素となっています。一般的に使用されることが多いサッシの材料としてはアルミニウム、塩化ビニル樹脂がありますが、この2つでどの程度の熱伝導率の違いがあるのでしょうか。

まずアルミニウムについては、金属としても高い熱伝導率を持っている物質であるため、どうしても高い数字となります。これが約200程度です。これに対して、塩化ビニール樹脂によるサッシの熱伝導率は0.17前後となっており、非常大きな違いがあることがわかります。そのため、窓にだけ気を使うのではなく、このサッシの部分についても重要なポイントとして考えるようにするのが良いでしょう。

3.1アルミサッシと樹脂サッシのいいとこ取り、アルミ樹脂複合サッシ

また、昨今ではこのようなアルミニウムによるメリットと、樹脂によるメリットの両方を取ることと目的として、この2つの中間的なサッシであるアルミ樹脂複合サッシというものが主流として仕様されるようになってきています。アルミニウムによる軽量さや安価さと、樹脂サッシによる断熱性、防音性を両方共活かすとこができるようになっているため、多くの環境に於いて効果を発揮することができるのがメリットです。

まとめ

それでは最後に、トリプルガラスについてのまとめを紹介します。トリプルガラスはその名前の通り三重になっていることによって、様々な性能を高めることに成功しているガラスのことを指しています。ykkの他、LIXIL等においても販売されるようになっており、寒冷地などを中心にしてその需要を拡大するようになっています。
トリプルガラスは高い性能ゆえにどうしても高額になってしまう、重量が重くなってしまうというデメリットがありますが、その分をカバーする事ができるようなメリットもあるため、今後も広がる事が考えられます。
ただし、ガラスだけではなく、サッシなどについても注意をして合わせて環境を整えていくことが、より効果的な方法としては重要です。

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