複層ガラス?二重サッシ?窓交換のススメ
住宅にとって、光を取り込むための入り口であり、同時に外を眺めるための出口でもあるのが窓です。この窓としてどのようなものが使用されているのかによって、住宅全体の印象は大きく変化することになります。
また、窓によって変化するのは住宅の印象だけではありません。日常生活における窓へのケアの方法や、防犯に対する効果、あるいは防寒性などによる快適な生活などにも影響を与えることになる重要な要素です。この窓に対してしっかりとしたケアを行っておくことによって、よりよい生活をおくることができるようになるでしょう。
そこでここでは、そんな窓ガラスに関する情報を色々な視点から紹介していきます。まず最初に紹介するのは、窓ガラスにはつきものであるサッシについてです。このサッシには二重になっているものとそうではないものがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在しています。まずはこの「二重サッシのメリット・デメリット』という点について紹介します。
次に紹介するのは、ガラスの種類の一つである複層ガラスというものについてです。一般的な単層ガラスとは違っている点も大きいため、この点を比較しながら検討する必要があるでしょう。ここでは、「複層ガラスのメリット・デメリット」として紹介します。
そして最後に紹介するのは、上記の情報を元にして「二重サッシと複層ガラス、どちらの方が良いのか、という情報について紹介します。これらについて把握しておくことによって、新しい窓に対して交換を行いたいという場合に、より良い判断をすることができるようになるでしょう。
①二重サッシのメリット・デメリット
それでは最初に紹介するのは、二重サッシのメリット・デメリットについてです。この二重サッシというのは、実は次の項目で紹介する複層ガラスと混同されることが多いのですが、厳密には違っているものです。それでは、二重サッシというのは具体的にどのようなもののことを指しているのでしょうか。
二重サッシというのは、簡単に言うとガラスを二列に配置しているもののことを指しています。複層ガラスについては1枚の窓を2枚のガラスで構成しているもののことを指しているため、厳密に言うとこの2つには違いがあるということです。
それでは、このように二重サッシを使用することによるメリット・デメリットとしてはどのようなものを考えることができるのでしょうか。この先の項目で紹介する内容について簡単に紹介します。最初に紹介するのは、特に冬場に重要なポイントとなる「結露」についてです。次に、近隣住宅とのトラブルを回避するためにも効果を発揮することになる「防音」についてです。そして、住宅全体の安全性を確保するためにも効果を発揮することになる「防犯」について、そして快適な生活のために必要となる「防熱」についても紹介します。
これに加えて、デメリットがどのようなものであるのかについても紹介しています
1.1結露防止にもってこい
二重サッシにすることによるメリットとして、最初に紹介するのは結露対策としての効果についてです。基本的に結露というのは、冬場などに外気温と室内気温の差が激しくなることによって発生する現象です。つまり、熱伝導率が高いガラスである場合、外側の寒い気温を受けてガラスが冷たくなり、それが内側の暖気にふれることによって結露が発生してしまうことになります。このような結露というのは、単純に湿っているというだけで済まされるものではありません。そのままにしておくことによってカビが生えてしまう原因となり、窓自体の寿命を縮めることにもなるというデメリットがあります。
この二重サッシは、その構造上のメリットからして熱伝導率が低いのが特徴となっています。こうすることによって結露が発生しにくくなるため、手入れの手間を大きく省く事ができるというのがメリットとなっています。
1.2防音効果が抜群!
二重サッシにすることによるメリットとして、次に紹介するのは防音性の高さについてです。音というのは基本的に、物を通すことによって伝わる音と、空気を通して伝わる音とがあります。空気を通して伝わる音については、一般的なガラスであってもそれを大きく遮断することができるのですが、物を通して響いてしまう音については、窓の種類によってかなりその響き方に違いが生じることになります。
特にこのような窓の振動による防音性が影響を与えることになるのが、話し声や楽器の音、あるいは道路を走っている車の音などです。これらの音というのはどうしても影響を受けやすく、自宅内で発生する音が外に出やすくなるだけでなく、外の音が中にはいりやすくなります。どちらについても防音をしっかりしておくことによって生活をより快適に送ることができるようになるでしょう。
ご近所トラブルというのは気をつけていても発生するものですから、このような方法でしっかり対策をとっておくことが予防策として効果的です。
1.3泥棒の侵入経路の六割は窓!防犯対策
二重サッシにすることによるメリットとして、3つ目に紹介するのは防犯性を向上させることができるという点についてです。まず前提として、空き巣のように住宅に侵入してくる犯罪者というのは、その多くが窓を侵入経路としています。統計としては約6割程の人がこの窓を侵入経路としていると言われているため、この部分に対してしっかりとした防犯を行っておくことによって、かなりの安全性を発揮させることが可能です。
その徹二重サッシにすることによって、ガラスを一枚ではなく二枚割ることが必要となります。空き巣などはこのような窓ガラスを割って内部に侵入するために、5分以上かかる場合には諦める可能性が高いと言われています。そのため、ある程度でもこの時間を稼ぐことができるというのは、大きなメリットとなります。合わせてクレセント錠のほかにも補助ロックなどを使用することによって、防犯性を高めることができるでしょう。
1.4暑さ寒さに強い!断熱効果あり
二重サッシを導入することによるメリットとして最後に紹介するのは、断熱性の高さについてです。前述の通り二重サッシというのは、2つのガラスを二列に配置するような形をとっています。これは要するに、窓と窓の間に空気の層ができるようになるということです。物体同士が直接つながっている場合に比べて、空気が挟まっている場合については断熱性が高くなる傾向があります。そのため、断熱性の高さがあることで、夏場にも冬場にも、暑さや寒さが住宅内に侵入することを防ぐことができるということです。
これはそのまま冷暖房費の節約にも繋がることで、エコロジーな生活をするためにも効果を期待することができるでしょう。
1.5デメリットは価格と手間
それでは逆に、二重サッシを導入することによって発生するデメリットとしてはどのようなものが考えられるのでしょうか。まず、基本的に窓を二列設置している関係から、単純に窓を開けようと思うと2つ分の窓を開ける必要があります。そのため、日常的な空気の入れ替えなどを行いたいという場合については、少々手間に感じることもあるでしょう。
また、窓が二枚使用されていることによって、それぞれを掃除しなければならないというのもデメリットの一つとなります。窓は日常的にしっかりとケアしておくことが重要なものであるため、この点を無視することはできないでしょう。外からの清掃も必要となるため、やはり手間はかかることになってしまいます。
そして最後に、価格が高くなってしまうデメリットがあります。1枚の窓に比べるとどうしても二枚ガラスを使用している関係上、その費用が高くなります。このように、デメリットとなる点というのもいくつか存在しています。これらメリットと比較して、どちらに天秤が傾くのかをチェックしておくのが良いでしょう。
②複層ガラスのメリット・デメリット
ここまで、二重サッシについてのメリット・デメリットについて様々な視点から紹介をしてきました。ここから先では、複層ガラスについてのメリット・デメリットについてを紹介します。複層ガラスというのは、ペアガラスともよばれるもので、2枚のガラスで中間層を挟み込むようにして、1枚のガラスかのようにしているものを指しています。複層ガラスであってもペアガラスであっても、基本的に指しているものは変わりません。
昨今では政府の方針により、省エネ基準法によって本格的に住宅の省エネ化というのが求められるようになってきました。このペアガラスはそのような観点から効果を発揮するものであるため、多くの住宅に導入されるようになってきています。
それでは、具体的に複層ガラスを導入することによって得られるメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。この先では「断熱性」「リフォームの容易さ」という2つのポイントについて紹介します。その上で、事前調査が必要であることと、タイプが複数あることについても紹介します。
2.1断熱効果が高い
複層ガラスの持つメリットとして、最初に紹介するのは断熱がどのような仕組みで行われているのかについてです。窓というのは開口部であるため、どうしても熱が逃げる、あるいは入りやすい場所であり、その点においては弱点となってしまっているものです。
その点において、この複層ガラスというのは、ガラスとガラスの間に中間層があり、この中間層によって熱交換が回避されるようになっています。特に中間層に対して高遮熱の素材が使用されている場合にはこの効果画像服されることになります。熱貫流率という形で表示されるもので、これが低いものであるほど断熱性が高いということになります。
2.2窓枠そのまま!簡単リフォームが可能
複層ガラスの持つメリットとして、次に紹介するのはリフォームを比較的行いやすい種類のガラスであるという点についてです。通常であればガラスのリフォームというのは大掛かりな工事を必要とする場合も多いのですが、その点に於いてこの複層ガラスというのは現在使用されている窓フレームを活かした形での交換を行うことができる場合が多く、比較的短時間で、かつ簡単な形でのリフォームを行う事ができるというメリットがあります。
ただし、このリフォーム上のメリットについては、全てのガラスに於いて同様に効果を発揮することができるわけではありません。やはり事前の調査が必要であり、それに応じてそのまま窓枠を流用することができるかどうかを判断する必要があります。ですが、二重サッシの場合には必ず増設工事が必要であることを考えると、効果的なポイントと言えるでしょう。
2.3断熱タイプと遮熱タイプ、どちらを選ぶ?
複層ガラスは全体として断熱性が高いという性質を持っているのですが、大きく分けて2つのタイプが存在しており、それによって効果に違いがあります。1つは断熱タイプと呼ばれるもので、もう1つは遮熱タイプと呼ばれるものです。これらは似ている性質ではありますが、地域や環境などによって適切なものに違いがあります。
まず断熱タイプというのは、内部構造として内側に金属膜を使用しているのが特徴です。そのため、室内の冷気や暖気を逃がしにくく、かつ日光についてはある程度取り入れることができるようになっています。日が当たりにくい場所や、寒冷地の窓として効果的です。
対して遮熱タイプというのは、日差しを反射するように外側に対して金属膜が使用されているのが特徴的です。夏の日差しなどが強い地域においては、こちらの方が年間を通した時の快適度を向上させることができるでしょう。
③二重サッシと複層ガラス、どっちがいいの?
それでは、ここまで紹介してきた情報を元にして、窓ガラスの交換を行うのと、二重サッシに増設を行うのとでは、どちらの方が優れた選択肢と言えるのでしょうか。これについては、状況によって違っているため、それぞれの環境や、現在気になっている点などに対する解決策をどちらの方が提示できるのか、というような点から判断をしていく必要があります。
基本的には上記の様な性能の違いがあるため、これらをもとにして判断するのが良いでしょう。
3.1費用面でも比較しよう
また、もう1つ重要な比較ポイントとなるのが、どれぐらいの費用を必要とするのか、という点についてです。断熱窓に交換を行う場合と、内窓を設置する場合とでは、費用面からすると内窓を取り付ける場合の方が安価であることが多い傾向があります。ただし、デメリットとなる部分については違いがあるため、単純に値段だけで比較することができるものではありません。
まとめ
それでは最後に、窓ガラスの交換について、複層ガラスを使用すると二重サッシを使用するのと、どちらの方が優れているのか、というまとめについて紹介します。
いずれを使用する場合であっても、基本的にガラスの性能はフロートガラスの単層のものに比べると向上することになります。防音性や防犯性、あるいは断熱性などについても軒並み向上するのは同様です。
そのため、これらの点について比較を行いつつ、費用などの面においても比較をして、自宅の環境に適している方を選択することが重要になります。