網入りガラスの特徴

網入りガラスというものを知っているでしょうか。街中で見たことがある方や建物に使われているのを見たことがあるという方もいるかもしれません。網入りガラスを見て「オシャレだなぁ」と思っている方もいるかもしれませんが、実はあれ、オシャレのために網を入れているわけではないのです。
近年はオシャレなガラスとしての採用も増えていますが、もっと違う意味合いで導入されています。

ガラスには色々な種類があり、それぞれ役割が違ってきます。例えば、代表的なのが強化ガラスなのではないでしょうか。強化ガラスは衝撃や圧迫では割れないような強度を持っているのが特徴です。
網入りガラスも、それらの特殊なガラスと同様の特徴を持っています。網入りガラスは強化ガラスにすることはできませんが、その分他の効果をしっかり発揮してくれます。

ここでは網入りガラスの特徴はもちろん、効果や交換するメリット・デメリット、交換する方法について解説します。これから網入りガラスにしようとしている方はもちろん、交換しようとしている方も参考にしていただけると幸いです。

はじめに

網入りガラスはオシャレで取り入れているところもありますが、実は建築基準法や消防法の規定によって取り入れるべきところが決まっています。おもに防火地域や準防火地域では、この網入りガラスを使わなければならないのです。
簡単に言うと、火を扱うところでは普通のガラスではなく網入りガラスが必要となるということになります。

基本的に網入りガラスは防火対策や安全対策として採用される面が大きいと覚えておくと良いかもしれません。強度的には普通のガラスと変わらないため、そこは特性を理解して取り入れるのが良いです。
これから網入りガラスに交換しようと思っている方は、効果はもちろん、メリット・デメリットも知っておくと良いかもしれませんね。

①網入りガラスとは

網入りガラスとは、文字通り1枚のガラスに網が入っているものを言います。建築基準法によって規定された場所で採用されるため、多くの場合はレストランや居酒屋などの飲食店、ガソリンなど火気厳禁のものを扱うスタンドなどで使われています。
防火対策や安全対策としての面は強いですが、防犯対策としては使えるものではないので、そこは勘違いしないことが重要です。あくまでも火災に対しての対策として用いられるガラスということを覚えておくと便利です。

1枚のガラスに網が入っている網入りガラスは、種類も多くないと思われています。ただ、これはメーカーによって違ってきますが、厚みはもちろん、サイズなども多種多様なものが開発されています。
また、網入りガラスに採用されている網に関しても、実は種類があるのです。これもメーカーによって違ってくるため、どのガラスを利用するかは業者ごとに選ぶことが必要です。それらの種類やサイズ、厚みなどから選び、建築基準法や消防法に合わせて取り入れれば、ガラスによる防火対策や安全対策は完璧と言えますね。

網入りガラスを取り入れたいと思っている方は、個人法人に関わらず、専門業者に依頼するのが良いです。ちなみに、メーカーごとに扱っている商品に関しては違ってくるので、どのガラス業者がどのような商品を提供しているのかも確認しておくと良いです。

②網入りガラスの効果

網入りガラスを使うことで得られる効果も多々あります。本来は火災が発生した時に、炎が外に出てしまったり、逆に中に入ってしまったりするのを防ぐ効果があります。ただ、実はその効果以外にも色々な効果が期待できるのです。
網入りガラスは採用される機会も増え、今後はさらに増えていくのではないでしょうか。

ここからは網入りガラスの効果について解説するので、取り入れようと思っている方は参考にしてみてください。なお、店舗や事務所で採用されることが多い網入りガラスですが、近年は個人の家庭で採用しているところも多々あります。
リフォームやリノベーションを機会に、通常のガラスではなく網入りガラスにするというのも良いです。そういう意味では、汎用性や利便性は高く、取り入れる価値は大いにあると言えるのではないでしょうか。

2.1防火への対策

網入りガラスは防火への対策に期待できます。もともと火災などによる被害拡大を防ぐために導入するよう義務付けられているものなので、建築基準法や消防法で防火への効果が認められています。そのため、火事が発生した際には、火が燃え移るのを防いでくれるのです。
火災の原因が自分たちにあった場合でも、逆に相手にあった場合でも、網入りガラスを採用しておけば燃え広がることが防げるため、後々のトラブルや問題への対策にも繋がります。

炎というのは燃え広がるスピードも早いです。それこそ、窓ガラスが割れてしまった場合は、そこから燃え移るということもあるです。耐久性を見ると網入りガラスも通常のガラスと同程度の耐久度です。しかし、ワイヤーが入っていることでガラスが飛び散らないため、炎が燃え広がることも防いでくれます。
ガラスが飛び散ってしまうとそこから一気に炎が出入りしてしまうため、より火災の危険性が高まります。それを防ぐためにも、網入りガラスを採用する価値は十分あるのではないでしょうか。もちろん、火気厳禁の場所では、問答無用で採用すべきです。

2.2安全への対策

網入りガラスは安全への対策にも効果的です。ワイヤーが入っているため、ガラスが割れても飛散することがありません。そのため、ガラスが飛び散って怪我をするということはありませんし、ガラス片を踏んで怪我をするということもないです。
実際のところ、網入りガラスは強化ガラスではないため、割れることは割れてしまいます。耐久性も通常のガラスと変わりません。しかし、網が入っているだけで安全への対策はレベルが格段に上がるのです。

ガラスは割れるとガラス片となり、鋭利な刃物と変わらないものとなることもあります。無闇に触れれば皮膚も切れてしまうでしょう。そんなものが割れて飛散されれば、それこそ悲惨な状況となるでしょう。「網が封入されているだけでそこまで変わるのか」と思うかもしれませんが、通常のガラスに比べてガラス片による二次被害も防ぐことは可能です。
もともと網入りガラスは火災の被害を最小限に抑えるためのものなのですが、実際には怪我なども防げます。もちろんガラスが粉砕されて飛び散ることもありますが、通常のガラスに比べてワイヤーが支えとなるため、危険性も低いです。

2.3損害賠償請求の対策

火災が発生した場合、自身が被害者になることもあれば、加害者になることもあります。どういうことなのかというと、火災はこちらから燃え移ることもあるし、他から燃え移ってくることもあるのです。そのため、場合によっては火災が原因で、他の店舗や事務所に燃え移ってしまうこともあるでしょう。
そうなると、当然ですが損害賠償請求をされる場合があります。軽度でも重度でも、原因がこちらにあった場合は、損害賠償請求に応じなくてはなりません。結果的に経済的な被害も出てくるわけです。

網入りガラスは火災の被害が拡大するのを防いでくれるため、損害賠償請求される経済的リスクも避けることができます。もちろん、確実に防げるかと言えば火災状況によっても変わってきます。地震や台風など他の災害の影響によっては、被害が拡大することも「ない」とは言えません。
ただ、網入りガラスにしておけば、防げるはずのリスクもよりカバーできるのです。そのため、近年は一般の家庭でも網入りガラスに交換するところは増えています。

③交換するメリット・デメリット

通常のガラスから網入りガラスに交換する時、メリットとデメリットがあります。それぞれ理解しておけば、より網入りガラスを有効に活用していくことができるでしょう。

ここからは網入りガラスに交換するメリットとデメリットを解説するので、リフォームやリノベーションで交換予定の方は参考にしてみてください。なお、店舗や事務所で新しいものに交換するという方に関しても、チェックしておくと便利です。

3.1網入りガラスに交換するメリット

網入りガラスに交換するメリットとしては、やはり防火対策や安全対策、損害賠償請求対策になるという点が大きいです。二次被害を防ぐことができ、なおかつ経済的なリスクにも対応できます。店舗や事務所だけに言えることではなく、これは一般の家庭にも言えることです。
特に都会などの建物が密集している地域に住んでいる方は、網入りガラスを取り入れることによって、被害の拡大を大きく減少させることができます。そういう意味でも採用する価値は十分にあると言えるでしょう。

災害というのはいつどこで発生するかわからず、災害などは特に人為的原因もあれば自然的原因もあります。そのため、万全を期しておくことは重要です。網入りガラスにするだけで、さまざまなリスクを避けることがでると考えれば、交換するメリットは十分に感じられるのではないでしょうか。

3.2網入りガラスに交換するデメリット

網入りガラスに交換するデメリットとしては、耐久性が通常のガラスとあまり変わらないという点にあります。多くの方が「ワイヤーが入っているなら丈夫だ」と勘違いしますが、ガラスの強度は普通のガラスと変わりません。そのため、熱に関しても比較的弱く、110℃以上の熱には耐えられないことが多いです。
網入りガラスは、あくまでもガラスが飛散して火災被害が拡大するのを防ぐものです。デメリットとまでは言えないかもしれませんが、その点は交換する前に確認しておいた方が良いかもしれません。

通常のガラスと同様の耐久性ということもあって、割られればそのまま剥がされてしまうこともあります。つまりそれはどういうリスクがあるのかというと、犯罪には弱いということを意味しています。通常のガラスよりは若干防犯対策としても期待できるかもしれませんが、犯人が剥がそうと思えばガラスは剥がせます。
そのため、防犯性はそこまで高くないのです。ワイヤーが入っているガラスということで防犯にも役立つと思っている方がいますが、そこはデメリットとして考えておくべきです。

④網入りガラスに交換するには

ガラスの交換に関しては自分で交換することも可能です。ただ、自分で交換する場合は失敗することもあるため、極力は専門の業者に依頼した方が良いかもしれません。特に網入りガラスの場合は、厚みやサイズもそれぞれ違っていて、自分で交換するというのは難易度が高いです。
それでも交換したいという場合は、ガラス交換に関する知識も身に付けておくと良いでしょう。

ここでは自分で交換する方法も紹介しますが、あえて自分で交換するということはおすすめしません。ガラスの枚数や位置、場所によっても変わってくるので、自分で交換するのは難しいからです。業者に依頼するかどうかは自由ですが、よく考えてから交換するようにしてくださいね。

4.1自分で交換する場合

自分で交換する場合は、まず網入りガラスを用意することが必要です。多くの場合はガラスメーカーに依頼して購入することになるのですが、その場合でもどのようなものにするかを選んでいくことが必要となります。ワイヤーに関しても色々な種類があり、斜め掛けのものからチェック掛けのものもあります。
ワイヤーの種類によっても違ってくるので、そこはメーカーと相談しながら、利用する状況に合わせて選んでいくようにしましょう。

網入りガラスが手に入ったら、古いガラスは処分する必要があります。取り外しが可能となっている場合は取り外し、網入りガラスに交換しましょう。ただ、可動式の窓やドアであれば良いですが、埋め込み式の窓やドアであれば交換も難しいです。やはり難易度を考えると業者に依頼した方が確実だと言えます。

4.2業者に交換してもらう場合

業者に依頼すれば、網入りガラスに交換するのも簡単です。サイズや種類によって料金も異なるので、まずは見積もりをしてもらうのが良いです。見積もりは交換の難易度によっても変わってきますが、基本的には網入りガラスの料金の他、作業料などもかかってきます。そちらも見積もりの時にははっきりと出してもらうと安心です。

者に任せれば、交換もすぐに終わります。枚数や位置、場所によって難易度も変わってくるのですが、早ければ1日で工事も終わるでしょう。なお、店舗や事務所の場合は良いですが、個人の家庭でリフォーム・リノベーションを行う際には、注意も必要となります。事前に要望がある場合は、工事をしてもらう前に伝えておくようにしましょう。

まとめ

網入りガラスは、レストランや居酒屋などの飲食店はもちろん、火気厳禁のガソリンスタンドなどで使われていることが多いです。ただ、近年は一般家庭にも普及しています。これからリフォームやリノベーションを考えている方は、この際に交換も視野に入れて見てはいかがでしょうか。

自分で交換することもできなくはないですが、やはりリスクを考慮する専門の業者に工事してもらった方が良いです。ぜひ、網入りガラスを取り入れて、防火対策・安全対策を進めましょう。

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