窓ガラスのお手入れ方法
家の中で、外気に触れている部分というのはそれほど多くはありません。外壁と窓ガラスがその代表的な部分で、特に透明であることが多い窓ガラスはどうしても汚れが目立ちやすく、しっかりと掃除をしてやらなければならない部分と言えるでしょう。加えて、窓ガラスは他の部分に比べて脆い場所でもあり、しっかりと手入れをしていないと防犯上の脆弱性となってしまう可能性もあります。
ここでは、そんな窓ガラスの手入れについて、どのような方法を取るのが良いのかについて、詳しく紹介します。まずは「窓ガラスの汚れの原因」について紹介し、その上で「普段からできるお手入れ」と、「お掃除の際に役立つグッズ」というように紹介します。そして最後に、忘れがちなお手入れのポイントについても紹介しますので、窓ガラスの汚れにお悩みの方はぜひお付き合いください。
①窓ガラスの汚れの原因とは?
それではまず、窓ガラスの汚れがどのようにして発生しているのかについて考えてみましょう。汚れの種類がわからなければ、適切な汚れ落とすための方法もわからないため、どうしても対応が難しくなってしまいます。窓ガラスの汚れの種類は、内側の汚れなのか外側の汚れなのかによって大きく違っているため、まずはこの2つについてチェックしてみるのが良いでしょう。
1.1内側の汚れは手垢やホコリ
まずはガラスの内側の汚れがどのようなものが原因となっているのかについて紹介します。窓ガラスの内側の汚れの原因としてまず多いのが、皮脂汚れです。意図せずガラスに触ってしまった場合などに付着するもので、これは脂汚れということになります。この皮脂自体が汚れとなっているものに加えて、皮脂は埃のような細かいゴミが付着しやすい性質を有しているため、その場所に埃が集まって更に汚れているように見えてしまいます。もちろん皮脂がついていない場所についても埃が汚れとして積もってしまう場合もあるため、これらが一般的な室内ガラスの汚れの原因です。
また、生活習慣やガラスの設置場所によっては違った汚れが発生している可能性もあります。例えば普段から喫煙をする場所のガラスに関しては、ヤニ汚れが残ってしまいやすくなります。また、例えば台所のガラスなどは油汚れが残りやすく、お風呂場のガラスについては水垢による汚れが発生しやすくなるなど、場所場所によって汚れの特徴が変わることになるため、個別に原因を特定してそれに合わせて対応方法を考えることが重要です。
1.2外側の汚れは空気中の砂やゴミ
それでは次に、住宅の外側のガラスの汚れがどのような原因によって発生するものであるのかについても紹介します。室内の場合と違い外気に晒されているという条件下にあるため、どうしても汚れの種類も多くなりますが、まずは空気中に存在している物質による汚れを考えることができるでしょう。道路沿いの住宅なのであれば排気ガス等による汚れがガラスに付着してしまっていることも考えられます。
また、砂や泥、花粉などの汚れも窓ガラスに付着しやすいもので、これは特に風向きや風当たりがどの様になっているのかによって変わるため、季節によって汚れやすい窓の方角が違ったりするとこがあります。加えて、雨による汚れというのも当然付着することになります。防水ガラスのようになっており、雨だれの汚れがあまり残らないような加工がされている場合もありますが、やはりそれだけで完全に予防することができるわけではなく、ある程度は残ってしまうことになる点は注意しなければなりません。
時期によってはこれらとは別に、黄砂による汚れなどが付着するケースもあります。この時期は花粉の時期とも重なるため、特に気をつけて窓ガラスの掃除を行うべきでしょう。こういった汚れは長く放置しておくとこびりついてしまい、いざ落とそうとした時に更に大変な作業になってしまう可能性が高いためです。
②普段からできるお手入れ
それでは、窓ガラスのお手入れをする場合には、どのような方法を取るのが良いのでしょうか。大掃除のような時に気合を入れて綺麗にするのももちろん重要ですが、それ以上に窓ガラスのお手入れに於いて何より重要なのは、日々しっかりとお手入れをして、日常的にきれいな状態を保たせるようにすることです。とはいえ、場所によっては掃除がしにくいような場所もあるため、普段から掃除をするべきガラスと、定期的に掃除をするのに留めるガラスとを決めるようにしておくのが良いでしょう。
基本的に二階のガラスや、はめ殺しとなっている、開かない窓の外側というのはどうしても掃除がしにくいものです。こういった場所の掃除を行う場合には、下階から伸ばして届かせることができる専用の道具を使用するなどしなければならないため、普段の掃除の対象としては少し引いて考えるのが良いでしょう。
それでは、この先では窓ガラスの日常的な掃除のために使えるテクニックについて、明日から始められる物を中心に紹介します。「ハタキ掛けによる掃除」「洗剤での拭き掃除」について、まずは見てみましょう。
2.1週に一度はハタキがけを
窓ガラスの掃除について、最初に紹介するのははたき掛けについてです。窓ガラスの掃除というと拭き掃除を想起される方が多いのではないかと思いますが、実はハタキ掃除というのもかなり重要な掃除の一つとなります。というのも、汚れの原因の記事の中でも紹介した通り、ガラスの汚れの大きな原因の一つとなっているのが埃であるため、これを取り除くためのはたき掛けは重要であるためです。
それでは、ハタキ掛けはどれぐらいの頻度で行うのが良いのでしょうか。これについては窓の場所等によっても違っているのですが、基本的には1週間に1回程度の頻度で行うのが良いでしょう。ハタキ掛けが難しいような場所に設置されている窓に関しては季節ごとや半年ごとというようなスパンで行うのでも構いませんが、手が届きやすいような場所にある窓であれば1週間程度で行うのが埃のたまり具合に対して適切な頻度となります。これを定期的に行うようにしているだけで、かなり窓ガラスの汚れを抑えることができるようになるでしょう。
2.2きつい汚れには洗剤ぶき
窓ガラスの汚れの多くは普段からのハタキ掛けを行っていくことによってある程度予防することができますが、中にはきつい汚れとなってしまっていて、それでは予防ができないような場合もあります。このような場合には拭き掃除を行うことになります。窓ガラスに付着する汚れはその多くが油汚れに類するものであるため、洗剤を使用して拭き掃除を行うのが良いでしょう。ガラス用の専用洗剤を使用するか、その場にないのであれば台所用洗剤を薄めて使用するのでも構いません。
これらを雑巾に付け、汚れている部分を重点的に拭き掃除します。一度洗剤で拭き掃除をしたら、今度は水拭きと乾拭きをしておきましょう。水が残ってしまうと今度はその水によって汚れが付着してしまうことに繋がるためです。ガラスの種類によっては凹凸があり、そのような場所に汚れが残ってしまう可能性があります。このような場所については雑巾拭きでは対応しきれない可能性があるため、ソフトタイプの歯ブラシを使うなどすると良いでしょう。また、洗剤を使うのではなく、ガラスやレンズ用のクロスを使用するのも一つの方法です。こちらの場合、水や洗剤なしでもある程度窓に付着している汚れを取り除くことができます。
③窓ガラス掃除にはこれ!お役立ちグッズ
それでは引き続き、窓ガラスの掃除の方法について紹介していきます。ここからは窓ガラスの掃除の際に使用することができるグッズに特に注目し、どのようなグッズを使用することによって適切な掃除ができるのか、という点について紹介します。
専用の掃除用具を使用する方法だけでなく、意外な身近なものが掃除に役立つという場合もあるため、それぞれのメリットについても合わせて紹介します。拭き掃除については、晴れている日よりも曇っている日の方が実は適しています。というのも、晴れている日だとすぐに水拭きしたあとが乾き、跡として残りやすいためです。曇っている日ならその猶予時間が長くなるため、水汚れを残しにくくなり、掃除がしやすいということです。
3.1手軽にやるには新聞紙
お掃除のお役立ちグッズとして最初に紹介するのは、新聞紙を使用するものです。日本では新聞を取っている家庭が多く、古新聞が残っている場合も多いのではないでしょうか。この新聞紙は拭き掃除をする時に汚れ落としやすい性質を持っているため、雑巾を使用するよりもかえって綺麗にすることができる可能性があります。
新聞紙を使用する拭き掃除の場合は、まずこの新聞紙を丸め、ぬるま湯で濡らします。そして、この新聞紙でもってガラスを拭いていきましょう。汚れがひどい場合にはもう一度新しい新聞紙を使用して汚れを拭き取ります。その後、今度は濡らしていない新聞紙を使用して、これを拭き取っていきましょう。この時、上の方から拭き取っていかないと垂れてきてしまうため、必ず上から拭き取っていくことに注意します。
3.2雑巾ぶきには半乾きがおすすめ
ガラスの掃除の方法として、次に紹介するのは雑巾を使用する方法です。これはごく一般的な掃除の方法ですが、ここでポイントとなるのは雑巾の濡らし方となります。雑巾をしっかりと濡らすのも、濡らさないのもガラスを拭くのには実は適していません。しっかり濡らすと水分が付きすぎて汚れを残しやすくなり、濡らさないと油分の分離が上手く行かずに取り除けない汚れがあるためです。ここでポイントとなるのは、雑巾を半乾きにしたような状態で掃除をすることとなります。
半乾きのようになっている雑巾を使う場合には、適切なタイミングで雑巾を裏返してきれいな面を使用することです。ここに気をつけて掃除をしていると汚れがあまり残らない状態で掃除を進める事ができ、綺麗な状態にすることができるでしょう。
3.3プロが選ぶスクイージー
窓を掃除するための専用の道具の一つとして、スクイージーというものがあります。霜取りのようなT字型をしている道具で、様々なメーカーから様々な種類の物が販売されています。ワイパーのようにして窓を綺麗にしていくことができるのですが、実際にスクイージーを使用する場合、どのようなポイントに気をつけて選ぶのが良いのでしょうか。ここではプロがスクイージーを選ぶ場合にポイントとしている部分を紹介します。
まず最初のポイントとして、素材にステンレスを使用している、ということを挙げることができます。ステンレスは錆に強い性質を持っているため、水拭きをすることになる窓掃除においては水に強い性質を持っていることは重要になります。次に、重さについてです。こういった用具になると軽い方がよいのか、と思われるかも知れませんが、実はある程度の重さがある方がその分だけガラスに対する密着を行いやすくなるため、綺麗に掃除ができるようになります。
更に長さについてですが、これは30センチ程のものを使用するのが家庭用のガラス掃除であることを考えると適切であると考えられていることが多いようです。二階の掃除を一階から行いたい時などについては、別途長いタイプのものを用意するのが良いでしょう。そして最後に、ゴムについては取替ができるようになっているもので、かつ密着性が高い物が使用されていることが望ましい、ということでした。このようなポイントを満たしているスクイージーであれば、プロが使用するように窓ガラスを綺麗にすることができるでしょう。
④窓ガラスお手入れのポイント
それでは最後に、窓ガラスの掃除を行う場合のポイントについて紹介します。ガラス掃除を行う場合に注意したいのは、雑巾を使用するにせよ新聞紙を使用するにせよ、その繊維が残ってしまう事が多く、それをしっかり取り除くようにしなければならないのが重要です。
また、洗剤を使用して拭き掃除を行う場合、乾いてしまう前に水拭きをすることが重要になります。そうしないと跡が残ってしまい、掃除の効果が大きく薄れてしまうことに繋がるためです。ムラが出ないように拭いていくことに気をつけて掃除を進めるのが良いでしょう。
まとめ
それでは、窓ガラスのお手入れについてどのようなポイントがあったのか、最後にまとめを紹介します。まず重要なのは、窓ガラスの内側と外側とで汚れの原因に違いがあることに注目することです。内側の汚れが皮脂汚れや埃の汚れが中心であるのに対して、外側の汚れは砂汚れなどが多く、酷い汚れになりやすい傾向があります。特に外の汚れについては特に時期によって汚れ方に違いがあるため、それに合わせて掃除の強度や頻度を変更するなどの対応をしていくことが重要になります。
次に、窓ガラスの掃除を行う場合にはいろいろな道具を使用することができます。新聞紙のように多くの家庭にあるものでも適切な掃除を行うことができる他、プロが使用するようなスクイージーと呼ばれる専用のガラス掃除の道具を使用することでより効果的な掃除ができることもあります。
また、何よりガラスの掃除に於いて重要なのは、できるだけ短いスパンで定期的に掃除を行うようにすることです。理想的なのは週一回程度は行うようにすることで、掃除がしにくいような場所にあるガラスについては季節ごとや半年に一回程度のペースを心がけて作業を行うようにすると、綺麗な状態を保ちやすくなるでしょう。