メリットがたくさん-窓ガラス交換のススメ
窓ガラスは住宅と外を隔てる重要なパーツの一つです。この窓ガラスとしてどのようなものが使用されているのかによって左右されるポイントというのは多く存在しています。そのため、現在使用しているガラスに不満点があったり、あるいは古くなっていたりと言うような問題が存在しているのであれば、窓ガラスの交換を行うというのも一つの方法として考えられるでしょう。それでは、実際に窓ガラスの交換を行うという場合、どのようなメリットが考えられるのでしょうか。ここでは窓ガラスの交換を行う場合に知っておきたいポイントとして「窓ガラスの種類」「窓ガラス交換による具体的なメリット」「ガラスの交換費用やその相場」というポイントに付いて、それぞれ細かく紹介していきます。
ガラス交換を考えているという方は、まずここで情報を入手してから、具体的に考えてみるのはいかがでしょうか?
①窓ガラスにはどんな種類があるの?
それではまず、窓ガラスに付いて、どのような種類の物があるのかについて紹介します。窓ガラスの種類というのは実はかなり多岐に渡っており、メーカーに寄って多くの製品が存在しています。それに加えて、それぞれの種類によってどのような窓に合致しているのか、どのような場面で使用されるのに適しているのか、という点にも違いがあるため、まずはガラスの種類について簡単に紹介します。
最初に紹介するのは、フロートガラスと呼ばれるものです。フロートガラスは家庭において最も一般的に使用されている窓ガラスで、透明なガラスのことを指しています。特に加工などがされているわけではなく、全体として安価であり、多くの業者が在庫を持っている為に交換作業を行いやすいというメリットもあります。また、一部の特殊なガラスに使用されていることもあります。
次に、目隠しガラスというものがあります。こちらのガラスは、例えば隣家までの距離が近い場合や、お店などの他の人からあまり見られたくないような場所のガラスとして使用されているものです。ロールアウト製法と呼ばれる方法で模様をつけることによって目隠しの役割をもたせるようにしています。この目隠しのための模様にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは霞模様と梨地模様の2つです。
次に、すりガラスがあります。目隠しガラスと同じく向こう側が見えなくなっているのが特徴で、同時に光の入り方を柔らかくするという特徴を持っています。その性質から和室などと相性がよく、昨今では障子代わりにすりガラスを使用している、というような場合もあります。
最後にフロストガラスいう種類のガラスについて紹介します。こちらのガラスもすりガラスに近い見た目をしていますが、すりガラスの表面をなめらかにするように加工が行われているのが特徴となります。汚れがついても掃除がしやすいというメリットが加わります。
この他にも多くのガラスの種類があり、機能性などにも違いがあります。この先では特に機能性を持っているガラスに付いて紹介します。
1.1割れても安全、強化ガラス
機能性を持っているガラスの種類として、最初に紹介するのは強化ガラスについてです。この強化ガラスは、名前の通り通常のガラスよりも強化されているのが特徴ですが、単純に「割れにくくなっている」という性質を持っているものとは少々違っています。通常のガラスというのは、割れ目やヒビなどが入ると、ガラス全体の強度が失われてしまう事によって全体が割れてしまうという症状を引き起こし事態をより大きなものに変化させてしまう性質があります。強化ガラスはこの問題を解決するために作られているもので「割れないガラス」ではなく「割れても散らないガラス」であることが設計思想です。
強化ガラスの特徴的な点は、ガラス加工の際に急速な冷却を行うことによって圧力を持った状態に加工されている点です。この圧力があることによって、小さな割れ目などから瓦解することを防ぎ、全体に対して影響が発生しないようにしています。また、割れてしまった場合についても通常のガラスのように鋭利な破片となるのではく、粒のように安全な形で割れるようになっています。
ただし、デメリットとなる点もあります。強化ガラスはガラス内に不純物があることが原因となって、自身の圧力によって自壊してしまう可能性があります。さらに、割れる事によって細かい粒子となってしまうことから、落下防止のためのガラスとして使用するとその役目を果たさなくなってしまう可能性がある点には注意が必要です。
1.2耐火力に優れる網入りガラス
機能性を持っているガラスとして次に紹介するのは、網入りガラスと呼ばれるものについてです。網入りガラスというのは、ガラスの内部にワイヤーが通されているというもので、別名では防火設備用ガラスと呼ばれています。その名前の通り延焼を防止する効果があり、耐火性の高さから使用されることが多いのが特徴となります。
このようにサッシ・ガラスを網入りタイプにすることによって、火災が発生した時に炎が出入りしにくいようにすることができます。また、基本的にガラスというのは熱に弱い性質を持っており、高熱になるとガラスが飛散してしまう可能性があるのですが、網入りであることによってこれを防ぐことができるようになっています。
基本的には失火責任法の関係から、自宅の火事が他の家に延焼した場合でもその法的責任を取らされることはないのですが、損害賠償請求をけ売る可能性はあり、このリスクを軽減することができるという意味でも意味があります。また、網入りガラスは他のガラスと組み合わせることによって複層ガラスとして使用することもできます。
対して、デメリットも存在しています。高熱が発生した時に飛散しにくいという特徴を持っているのですが、その分「割れ」自体は発生しやすくなっています。これは、ワイヤーとサッシ、そしてガラス中央の部分の加熱され方に違いが生じ、その圧力の違いが発生することによって割れるというものです。危険度が下がる分のデメリットとなる点は注意しておく必要があるでしょう。
1.3断熱性よし、ペアガラス
特殊な種類のガラスとして最後に紹介するのは、ペアガラスについてです。このペアガラスは、2枚のガラスを組み合わせ、さらにその中間層にも意味をもたせているのが特徴的です。別名では複層ガラスと呼ばれ、この2つは同じ意味として考えて構いません。ペアガラスの特徴は、断熱性の高さにあります。ガラスとガラスの間に中間層があり、この中間層によって熱の移動をできるだけ遮断することができるようになっているため、断熱性が高く特に寒冷地の住宅に於いて高い効果を発揮します。中間層に使用されるものにはいくつかの種類がありますが、空気、アルゴンガラス、真空の順番で高いグレードのものとなります。
このペアガラスを使用することによって得られるメリットは寒冷地に限ったものではありません。例えば寒冷地でなくとも、夏場の冷房効果を逃がしにくくなり、光熱費の節約に繋がります。さらに、住宅のリフォームを行う場合、エコ住宅であるという扱いとなるため、補助金が発生します。最後に、ペアガラスのリフォームはサッシごと交換を行うわけではないため、工賃が比較的安く済みます。
ただし、デメリットとなるような部分や、ネックとなる部分もあります。まず、ペアガラスは結露対策としての効果をそれほど高くもっているわけではありません。そのため、結露に対応するためにガラスの種類をペアガラスにするのはあまり良い方法であるとは言えないでしょう。また、厚みが通常のガラスの9ミリに対して12ミリ程と厚くなっているため、既存と同じサッシでそのまま使用するとどうしても窓全体の厚みが増すことにもなります。
②窓ガラス交換の具体的なメリット
それでは、ガラスを交換することには、どのような具体的なメリットがあるのでしょうか。重要なのは交換先となるガラスとして、様々な種類を考えることができるという点です。選んだガラスによってその性質には大きな違いがあるため、それに応じて違った効果を発揮できるようになる、ということになります。そのため、重要なのはむやみに交換を行うのではなく、適切な種類のガラスを選んで交換作業を行うということです。それによってより効果的なガラスの交換を進める事ができます。
ここから先では、目的に合わせて適したガラスの種類がどのようなものであるのかを紹介します。
2.1結露対策とおすすめガラス
まず最初に紹介するのは、ガラスの結露を防止するために交換を行うことについてです。結露というのは、室外と室内の温度の差によって発生し、空気中の水分が水蒸気化することによって窓ガラスを濡らしてしまう症状です。この結露の発生への対策を行うに当たって重要なのは、部屋の湿気をへらすことと、断熱をしっかり行うことです。前者についてはガラス交換によって対策ができる部分ではありませんが、後者についてはガラスの交換によって対応を行うことができます。
重要なのは「冷えにくい窓」に変更することです。そのため、交換先として適しているガラスとしては、プラスチック製の断熱窓と複層ガラスの組み合わせとなります。こうすることによって断熱性を大きく高めることができ、室内と室外の温度差がガラス上で発生しにくくなることによって、結露を防止することができます。
2.2断熱対策とおすすめガラス
窓の持つ重要な役割の一つとなっているのが、熱の出入りを防ぐということです。夏場には熱気が入ってくるのを、冬場には暖気が出ていくのを防ぐことができるかどうかによって、室内の快適さというのは大きく変化することになります。実は夏場の熱の流入の70パーセント前後が窓であるという調査があり、冬の暖気の流出の60パーセント前後がやはり窓であると言われています。そのため、この部分を変更することによって、大幅に快適な温度を保つための効果を発揮できます。
この時重要なのは、まずペアガラスを使用することによって、中間層による熱の遮断を行えるようにすることです。さらに、プラスチック素材を使用するなどしている断熱窓を使用することによって、さらに効果を発揮させることが可能になります。フロートガラス一枚ではどうしても断熱性が低くなってしまう点には注意が必要です。
2.3日射対策とおすすめガラス
窓を通して家の中に入り込んでくるのは、外気ばかりではありません。日光もまた窓から入り込み、部屋の内部の床や壁などに反射することによって反射熱や輻射熱を発生させます。こうすることによって、直接室内が暑くなってしまうという原因ともなります。そのため、窓に効果的に日光をさえぎることができるような機能があれば、より快適な住宅となるでしょう。
こういった場合に使用することができるのは、ブランド入りのガラスです。こうすることによって日光が直接入り込むことをできるだけ防ぐことかできるようになります。また、窓ガラス自体ではなく、窓に付属するものとしてシャッターや雨戸、ひさしやよしずなどを設置することも効果を発揮するでしょう。
2.4防音対策とおすすめガラス
窓が持っている重要な役割の一つとして、音を遮断する効果というものがあります。騒音というのは快適な日常生活を阻害する物の一つで、しっかりと音を遮断できるようなガラスを設置することには意味があります。
特に内窓を付けるなどして、防音性能の高い窓ガラスに変更することによって防音効果を期待することができるでしょう。また、騒音対策は外の音が入らないようにするための意味を持っているだけでなく、同時にこちらの音が外に響かないようにするためにも意味があります。外に対して音を響かせてしまうかもしれない、というように敏感になって生活することもやはりストレスとなるため、両方の意味のために設置を考えるのが良いでしょう。
2.5防犯対策とおすすめガラス
最後に、ガラスの交換の際に考えられるポイントとして紹介するのは、防犯対策についてです。ガラスが割れやすいものであると、空き巣はそこから簡単に侵入することができてしまいます。重要なのはこうした問題を排除するために、強いガラスや窓の構造に変更することにあります。統計によると空き巣が侵入を諦めるのには2分から5分あれば十分であると言われています。これだけの時間をかせぐことができるような強い窓にすることが重要です。
この時、割れにくいような強いペアガラスにするのも重要な方法ですが、その他にもクレセント錠の強化や、ルーバーの設置、格子の設置などについても合わせて考えてみるのが良いでしょう。複合して使用することによって効果を発揮することができます。
③ガラス交換費用と相場
それでは最後に、実際にガラスの交換作業を行う場合、どのような費用がかかるのかについて紹介します。ガラスの交換についてはいくつかの要素によって価格が変動することになりますが、大きく違ってくるのは窓ガラス自体の価格と、業者による工賃です。ガラスの価格というのは、種類とサイズ、そして厚みの3つによって左右されるものとなっており、これらが高いものであればあるほど高額になります。
対して工賃については業者によってまちまちです。さらに、作業を行う必要がある窓ガラスの設置状態によっても価格の変動が発生することになります。一般的にはガラスの交換に掛かる工賃だけでいえば2万円前後となることが多いですが、サイズが大きかったり、設置場所が特殊で作業が行いにくかったりする場合には特集工賃として別途料金が発生する可能性があります。この点も見比べながら、相見積もりで業者を決定するのが良いでしょう。
まとめ
では、ここまでのまとめを紹介して、今回の記事の結びとします。まずガラスを交換する場合、その種類によってメリットに違いがあるという点を抑えておくのが良いでしょう。なんとなくガラスを交換するのではなく、交換を行う目的についてしっかり考えておくことによって、より効果的な交換とすることができます。
また、実際にガラスを交換する場合には、交換業者によって費用に違いが発生することにも注意を払う必要があります。この点については、相見積もりなどを適切に使用するのが良いでしょう。