ガラスが割れたときの応急処置と対処法
住宅の中で案外多く使用されているのが、ガラスです。ガラスは光を通す性質を持っている上に様々な形にすることができるため多くの場所で使用されていますが、多くのガラスはそれほど耐久度が高くはなく、割れてしまうということも少なくありません。そして、割れてしまった場合には周囲に散らばってしまい、危険な存在でもあります。特に窓ガラスが割れてしまった場合については、ガラス片をなんとかしなければならないだけではなく、そのガラス自体をどのようにするのかも考えなければなりません。
そこでここでは、ガラスが割れてしまった場合の「割れたガラスの処理方法」「窓ガラスが割れてしまった時の処置方法」「自分でもできるガラス修理」という3つのポイントに分けて、様々な方法について紹介します。ガラスが割れてしまっても慌てることなく、落ち着いて対処をすることができるように知っておきましょう。
①割れたガラスの処理方法
ガラスが割れてしまった場合、まず重要なのは飛び散っているガラス片をなんとか処理することです。ガラス片はその種類にもよりますが刃物のように鋭利な状態になってしまっており、少し触れるだけでケガをしてしまう可能性があります。正しい対処方法を取らなければ二次被害を引き起こすことにも成るため、まずはしっかりと対処を行い、綺麗にしていくことを考えるのが良いでしょう。
そんなガラスの処理を行う場合いくつか注意をしておきたいポイントがあります。まず最初に重要なポイントとなるのは、素手で処理を行うことがないようにする、ということです。ガラス片は一見大きな者に見えるかもしれませんが、細かく散っている者も多くあり、不用意に直接手で触れるとそれだけでケガを負ってしまう可能性があります。そのため、まずは軍手を用意するようにしましょう。また、箒やちりとりなども作業を行う為に使用できるため、これらも用意しておくと更に安全に作業を行うことができます。状態によっては掃除機も使用することができるため、これらをまずは用意するようにしましょう。
また、割れているのが窓ガラスである場合、修理のための業者への連絡も早い段階で行っておいたほうがスムーズに作業を進めることができるようになります。
1.1ガラス片を片付ける前にすること
ガラス片の片付けを始める場合、作業前に用意をしておきたいことはまだ他にもあります。まず重要なのが、不用意に触ってしまいそうな人やペットを近づけないように、避難させるということです。大人であればともかく、子供やペットであれば気にせずガラス片に触ってしまう可能性は十分にあります。また、細かく散ったガラス片は肉眼では確認できない状態になっていことも多く、大人であっても知らないとそのまま踏み込んでしまって足にケガをしてしまうという可能性も十分あります。そのため、ガラスが割れていることを知らない人が決して近づくことがないように、周知することがまず重要です。
その上、処理を行う前には軍手だけではなく、スリッパやスニーカーなども用意するようにしましょう。隙間があると入り込んでしまってケガにつながるため、隙間がないタイプの靴を用意しておくことが重要です。スリッパに関しても隙間から入り込んでしまう可能性があるため、できればしっかりと覆われているタイプのスニーカーを使用したほうが安全でしょう。
基本的にガラスの破片は、大きい方から処理を行っていくことになります。この先ではさらに具体的にガラス片の処理の方法について紹介します。
1.2大きな破片は掴んで紙に
それでは具体的に割れたガラスの処理をする方法について紹介します。まずは最初に割れてしまったガラスの中でも、特に大きな破片を片付けるところから始めましょう。前述のようにしっかりと防御ができるようにスリッパや靴、そして軍手を用意してから作業を始めるようにします。もし軍手がない場合には、厚手の手袋などでも変わりになります。安全を期すなら二枚以上重ねて使用するのが良いでしょう。
軍手を使用して大きなガラスを取り除く場合、できるだけ中心ではなく、端の方を掴んで処理するようにしましょう。この時、取り除いたガラス片はそのままビニール袋に入れるのでは危険です。というのも、ビニール袋は鋭利なものには弱く、ちょっとした拍子で破れて中身が飛び出してしまう可能性が高いためです。そのため、まず大きなガラス編は新聞紙などの古紙にくるんでからビニール袋に入れるようにしましょう。できればこの新聞紙にくるんだあとに、ガムテープで止めるなどして中から飛び出してしまうことがないように対処をしておくのが適切です。
また、軍手ではなく、トング等があるならこういった物を使用して取り除くこともできます。これに関しては床がどのような材質であるのかによって傷をつけてしまう可能性などを考慮して使用するようにするのが良いでしょう。トングの種類によってはつかみにくく落としてしまうという可能性もあるため、落としてしまった時に足元で割れてケガをするということがないように、しっかりと長い丈のズボンを履いて作業をしたほうが安全です。
1.3小さめの破片は箒などで
次に、小さな破片の処理を行っていくことになります。大きな破片と違って直接掴むことができない上、無理につかもうとすると隙間から入り込んで手を傷つけてしまう可能性があるため、手ではなく道具を使用して片付けを行うようにしましょう。この時使用するのに適しているのは、まずは箒とちりとりです。箒は小型のものを使用したほうが取り逃しが少なく、安全に作業を行うことができるでしょう。箒で掃いてちりとりで集め、これらもまたビニール袋に入れるようにします。大きな破片と違って、このサイズの破片となるとあまりビニール袋を破ってしまう心配はありませんが、万全を期すために一応2枚重ねにしておくのが良いでしょう。
また、箒とちりとりではなく掃除機を使用するという方法もあります。ただ、掃除機の種類によってはそのまま吸い込ませると故障の可能性もある上、あまり吸い込まないということもありえます。掃除機を使用する場合には、ストッキングを吸い取り口に二重にしてかぶせるようにして、輪ゴムなどで止めるのが良いでしょう。こうした状態で吸い込ませると、ガラス片がストッキングの中にとどまる形となるため、あとはこのストッキングをそのまま捨てるだけで掃除ができます。
1.4さらに小さな破片は拭き掃除で
小さな破片を掃除しても、まだまだ肉眼では確認できないような小さな破片が残っている事が多くあります。こういったものについてはパッと見てもわからないものの、踏んづけてしまうとケガを招くことになるため、そうならないようにしっかりと取り除いておく必要があります。この時には、雑巾や布などを使用して拭き掃除を行うようにしましょう。この時、雑巾や布は軽く濡らして拭き掃除をするのがポイントです。
また、これらの拭き掃除を行う方法とは別に、ガムテープを使用して掃除を行う方法もあります。粘着力を使用して取り除くというもので、特にフローリングやタイルの隙間にガラスが入り込んでしまっているようなものを取り除くのに適しています。合わせて行う場合については、先にガムテープでの処理を行い、その上で拭き掃除を行う形にするのが良いでしょう。これで、おおよその掃除は完了することになります。
1.5後始末をする
こうしてガラスの破片を集めることができたら、今度はこれをそのまま捨てるというわけにはいきません。ゴミを処理することができるようになるまでは、これが割れガラスであることが分かるようにしっかりと管理しておく必要があります。ダンボールなどに詰めて、ガラスであることを明記しておくのが良いでしょう。不意に誰かが触るなどしてケガをしてしまう可能性を極力減らす事が重要なポイントとなります。ここまでやったら、あとはガラスが割れてしまった場所をどのように処置するのかについて考えることになるでしょう。
全体として、割れたガラスというのは思っている以上に危険なものであるという意識を持つことがガラス掃除をする上での重要なポイントとなります。
②窓ガラスが割れてしまった時の処置
それでは、ガラスの処理を行ったあと、今度は割れてしまった窓ガラスについてどのようにして考えるべきなのか、その処置についても考える必要があるでしょう。まず注意しなければならないのが、その場に散らばるのではなく、窓ガラス側についたままになっているガラスがあるということです。こちらの処理についても十分注意をして作業を行わなければなりません。このガラスについてはできるだけ上の方から、トングや軍手などを使用して取り外しておきます。
それからガラスの掃除を行うのに並列して、ガラスの交換を行うための業者に連絡を行うことにしましょう。業者が来るまでの間については、ダンボールなどをガラスがあった場所に貼り付けるなどして、一時的な風しのぎとするのも一つの方法です。何にせよガラスが交換されるまでの間、そのまま風通しが良い状態にしておくのはあまり良いとは言えません。
2.1基本は専門業者に依頼
ガラスの交換を行うのであれば、基本的には専門業者に依頼を行い、変わりに作業を行ってもらうこととなります。これが重要になるのは、ガラスというのは防犯上の重要なものでもあるため、自分で設置したことによって防犯性が低下してしまう可能性も考えられるためです。このような自体を引き起こすことがないように、しっかりと対処を行ってくれる業者を選んで作業を代行してもらうのが安全です。
2.2窓ガラスの修理料金と一般的な相場について
それでは、実際に業者にガラスの設置を依頼する場合、どのような費用が掛かることになるのでしょうか。ガラスの交換作業代については、いくつかの項目に分かれており、それぞれの価格の合計によって総額が計算されることになります。まず最初に必要となるのはガラス代です。これは交換先となるガラスの種類や大きさなどによって左右されることになり、基本的には交換業者による違いがある部分ではありません。
次に、工事費というものがあります。これは窓ガラスを取り除き交換を行うための作業費用となっており、破損した窓がそのまま取替作業を行うことができる場所にあるのであれば、この工事費だけで作業を行うことができるのが一般的です。
次に、特殊工事費というものがあります。これはガラスの交換箇所が高所であるような場合、足場を組まなければならない場合などに発生することになる費用です。一般家庭では掛かることはあまり多くはないため、それほど注意しなければならない費用というわけではありません。そして最後にこれらに加えて交通費が発生することになります。
これらを合計した時のガラスの交換費用の相場というのは、当然交換先となるガラスの費用によって左右されることになりますが、工事費だけであれば2万円弱程度に収まることが多いです。ただし、作業内容等によって左右される部分であることは注意しておく必要があるでしょう。
2.3窓ガラス修理業者の選び方
では、ガラス交換を業者に依頼する場合、良い業者であるかどうかはどのようにして判断するのが良いのでしょうか。昔は電話帳などから検索を行って調べたものですが、最近ではインターネットで情報を集めて依頼を行うことができるようになっているため、これは以前に比べるとずいぶん簡単に良い業者を見つけられるようになりました。
この時ポイントとなるのは、まずは交換費用がどのようになっているのか、ということです。上にも下にも大幅に相場から外れている業者については注意してみたほうが良いでしょう。さらに、保障についても重要なポイントとなります。設置の瑕疵などによって問題が発生した場合に、それをしっかりと保障してくれるような仕組みが用意されているかどうかも合わせてチェックを行っておくようにしましょう。また、インターネット上で口コミを確認しておくのも、一定の効果があります。
2.4自分でできる応急処置
また、ガラスの交換を自分で行う方法もないわけではありません。ただ、これは大幅にガラスが割れてしまったと言うような場合ではなく、5ミリ程度の穴が空いている、というような程度であれば、という前提での話です。これ以上割れが激しい場合、ガラス全体の強度が下がっている可能性が高くなるため、応急処置で済ませるべきではありません。
このようなガラスに関しては、専用のフロントガラス補修材等を使用することによってパテ埋めを行う形で修理を行うことができる可能性があります。ただし、このような処理を行った場合、その後業者に依頼する時には全体の交換で対応する形となるため、その点については十分注意をしておく必要があるでしょう。
③自分で修理できるガラスとは
それでは最後に、ガラスの修理を自分で行うことができるケースについても紹介します。自分でガラスを修理することができるかどうか、というのはそのガラスの種類によって違いがあります。ここで重要なのは、同じサイズのガラスを自分で購入して用意することができるかどうか、という点です。例えばお風呂場のドアガラスのようなものは規格がある程度定まっていることもあり、用意することができる可能性が高くなります。
ただし、これ以上のガラスになると少しでもサイズが違っていると合致せずに交換を行うことができないため、安全のためにも業者に依頼する方が良いでしょう。
3.1暑い日にガラス修理は危険
自分でガラス修理を行う場合、一つ注意をしておきたいポイントがあります。それは、暑い日に作業を行わないようにするということです。一見するとあまり温度とガラスに関係がないように思われるかもしれませんが、実はガラスというのはかなり熱に影響を受ける性質を持った素材です。そのため、歪んだ状態でガラスを取り付ける事になってしまい、あと担って問題が発生したり、あるいは割れを引き起こしてしまう可能性などもあります。熱には十分注意をして交換作業を行うようにするのが良いでしょう。
まとめ
それでは最後に、ガラスが割れてしまった場合の処理や処置についてのまとめを紹介して終わりとします。まずガラスの処理については、細心の注意を払ってケガをしないように作業をする、というのが何より重要です。軍手や箒などを用意し、直接絶対に触らないようにすることを心がけ、不用意に触ってしまうな人が近づくことがないようにしておくことが必要になります。
そしてその後のガラスの交換については、基本的には業者に依頼するのが一般的な方法となります。ただし、場合によっては自分で修理を行うことができる種類のものあるため、個別の例を確認して対応することが重要になるでしょう。