【5分で解決】重いPC(パソコン)をメモリ増設しよう/DIY/DDR

パソコンの立ち上がりが遅かったり、動作が遅くなってもっさりしてきたりするとイライラしますよね。
本当はパソコン自体を買い替えるのが一番良いのだけど、購入して数年経っているから仕方ない、と諦めていませんか? 実は、パソコンの中にあるメモリという部分を増やすだけで、立ち上がりの遅さや動作のもっさり感を解消できる可能性があります。
パソコンの起動が遅い、反応が悪いという症状に困っていたら、買い替える前に是非試してみてください。

①メモリって何?

普段ノートパソコンを日常的に使っていても、内部のパーツの名前まで詳しく知っているという人は少数派かもしれません。
パソコンのメモリを増設すると言われても、なんだかわからないけど難しそうで無理、と敬遠する人も多いのではないでしょうか。 まずは、ノートパソコンのメモリがどのようなもので、メモリが足りないとどのような症状が出てくるのか、という点から解説します。

1.1メモリとは

メモリとは、簡単に言うとパソコンの記憶を保管している場所です。
パソコンの中に入っているデータやプログラム、また行った作業の内容などを一時的に覚えておく、という役割を持っています。 そして、このメモリの容量が大きければ大きいほど、パソコン自体の作業効率が良くなるので、一度にいろいろな作業をスムーズに行えるようになります。
この記憶を担当しているメモリのことを、メインメモリと呼んでいます。 一口にメインメモリと言っても、通常パソコンは2種類のメモリを搭載しています。
パソコンのハードディスク上にある仮想メモリと、パソコンに実装されている物理メモリの2種類です。
今回増設するメモリは、パソコンの内部に実装されている物理メモリという部品を指しています。 ハードディスクは、パソコンの中にあるファイル、音声データ、文章データなどの各種データを保存してくれる長期記憶のためのパーツです。
メモリが一時的な短期記憶、ずっと取っておきたい長期記憶の担当はハードディスク、というように役割が分けられています。

1.2何故パソコンは段々動作が遅くなる?

パソコンの中には、CPUと呼ばれるパーツが入っていて、そのパーツがパソコンそのものを動かしています。
このCPUが色々な作業をしている間に、必要なデータを一時的に保管しておく場所がメモリです。 しかし、パソコンを長く使い続けていると、このメモリの部分に不要な一時ファイルや意味のないデータの残骸など、色々なデータがいつの間にか溜まってきてメモリを圧迫していきます。
長く作業を続けていくと、作業机がゴミや消しくずなどで徐々に散らかってくるのと同じです。 さらに、新しいソフトをパソコンに色々ダウンロードすると、元からあったソフトとの相性が悪く動作を遅くしてしまうということもあります。
このような色々な原因で、長い期間使用しているパソコンの動作は次第に遅くなってしまうのです。

1.3メモリが足りないとどうなる?

メモリが不足しているときに出現する症状の中で最も典型的なのが、起動や動作が遅くなるというものです。
メモリが不足していると、何故動作が遅くなるのでしょうか。 パソコン内の物理メモリの容量にデータが入りすぎて容量が足りなくなると、ハードディスクから足りない容量を借りてきて一時的にメモリとして使用しています。
これを仮想メモリというのですが、仮想メモリは本来のメモリではないので処理速度はどうしても落ちてしまいます。
そのため、処理の速さが作業に追いつかず、パソコンの動作が遅くなるのです。 物理メモリの容量が不足していて速度低下が起きている場合、物理メモリを増設して容量を大きくしてあげることで速度の低下を解決できます。
では、メモリ増設の前には何を確認すれば良いのでしょうか。
次の項で詳しく解説していきます。

②メモリ増設の前に確認すること

何でも使えるUSBメモリやポータブルハードディスクなどとは違い、メモリは何でも使えるという訳ではありません。
メモリにもそれぞれ種類があり、形状や規格によって使えるメモリと使えないメモリがあります。
これを間違えてしまうと、せっかくメモリを購入したのに使えなかった、という事態になりかねません。 メモリを増設する前に、これだけは確認しておきたいというポイントをリストにしました。
このリストに沿って、自分の使っているノートパソコンにはどんなメモリが最適化を考えながらメモリを選びましょう。

2.1メモリの規格

一見同じように見えるメモリですが、実はメモリにもいろいろな規格があります。
最新の規格のものは消費電力の分転送速度が速くなっていますが、最新だからいいものという訳ではありません。
使用しているノートパソコンのメモリースロットに合った規格のものを購入しなければ使うことができませんので、説明書を参考にしてパソコンに合ったものを購入しましょう。 メモリの規格は、それぞれDDR〇〇-○○という名前が付けられています。
DDR、DDR2、DDR3、DDR4までの4種類が販売されており、最新型の規格はDDR4です。 また、DDR4のメモリを使っていたからDDR4ならなんでも大丈夫という訳でもなく、同じ規格でも型番によっては使えないこともあります。
多くの場合、DDR4-○○(型番)という形で名前が付けられているので、自分のノートパソコンに合った型番のメモリを探しましょう。

2.2メモリの形状(インターフェイス)

デスクトップ用パソコンとノートパソコンでは、搭載されているメモリの形状が異なっています。
デスクトップ用のメモリには「DIMM」、ノートパソコン用のメモリには「S.O.DIMM」という名前が付けられているので、間違えないようにしましょう。 見た目での見分け方として、デスクトップ用のメモリには中心付近に切り欠きが入っています。
ノートパソコン用のメモリは切り欠きが中心よりもずれた位置にあることが多く、サイズもデスクトップ用のものより薄型で小さいものが多いです。 ちなみに、モニターとディスプレイが一緒になっている一体型パソコンの場合は、デスクトップ型・ノートパソコン型のどちらを採用しているかは製品によって異なります。
説明書や製品ホームページなどを参考にして、どちらを使用すれば良いのかを確認してください。

2.3メモリのスロットが空いているか

メモリを増設するには、スロットと呼ばれる部分が空いている必要があります。
このスロットという部分にメモリを差しこむことで、物理メモリが増設できるという仕組みになっているからです。
多くのノートパソコンの場合、メモリスロットはバッテリーを外したさらに奥の部分についています。 過去に一度も増設をしたことがない場合スロットの空きがあるかどうかという点は心配ないように思えますが、最近の薄型ノートパソコンの中には薄さの追求のために増設用のスロットを搭載していないという機種もあるので注意が必要です。
その場合はノートパソコンの説明書に増設が不可能である旨が記載されていますので、必ずチェックするようにしましょう。

2.4メモリ増設ができるノートパソコンか

ノートパソコンのモデルによっては、元からメモリを増設することができない仕様のモデルというものも存在します。
メモリ増設ができないモデルの場合、メモリが入っている部分を開けられなかったり、メモリスロットが付いていなかったりします。
必ず、自分のノートパソコンがメモリ増設に対応しているかどうかを説明書などで確認しましょう。 特にアップル社製のMacBookシリーズなどにメモリ増設をする場合、メモリ増設が元々できないものや、増設ができるものでも星型ドライバなどの特殊な道具が必要になる場合があります。
特に薄型の機種の場合は、メモリが増設できるモデルが限られてくることが多いので、説明書で確認するかサポートセンターや店頭で確認することをおすすめします。

2.5メモリの容量

メモリの容量の確認も大切です。
それぞれメモリによって容量も異なりますので、自分のノートパソコンの用途に応じてメモリを増設しましょう。 文章作成やネットサーフィンなどの処理が少ない作業がメインの場合は4GBなどの容量の少ないものでも問題ありませんが、動画編集などの大きなデータを扱う作業がメインの場合は16GBなどの容量が大きなメモリにするのがおすすめです。
ただし、メモリは容量が増えれば増えるほど価格も高くなりますので、予算と相談しながら適切な容量のものを探しましょう。

2.6メモリの使用率

最後に、今使っているノートパソコンに搭載されているメモリの使用率を確認しましょう。
メモリの使用率は主に使用するソフトによっても左右されます。
特に、アンチウイルスソフトや画像・動画編集ソフトなど、大きなデータを扱うソフトをよく使用していると高くなる傾向にあります。 メモリの使用率は、Windowsならスタートメニューの「Windowsシステムツール」→「タスクマネージャー」→「パフォーマンス」の順にクリックすると確認することができます。
「パフォーマンス」画面の左側にある「メモリ」をクリックすると、ノートパソコンのメモリの使用状況がグラフになって表示されます。 このメモリ使用量のグラフが100%に近づけば近づくほど、ノートパソコンのメモリが不足した状態になっているという意味です。
パソコンのメモリが不足すると、足りないメモリの容量をハードディスクの仮想メモリを動かすことで補いながらパソコンを動かすことになるので、動作や起動速度が遅くなる原因となります。 ただし、パソコンが遅くなる原因はメモリ不足だけとは限りません。
メモリの使用率をチェックしてみて異常がないのにパソコンの動作が遅い場合は、別の原因が考えられます。
メモリ使用率は十分に足りているのに動きが遅い場合は、ハードディスクやドライブなどの異常の可能性もあるのでリカバリーなど他の方法を試してみてください。

③メモリの取り付け方

使用できるメモリや規格などを確認し、ノートパソコンのメモリも不足していることを確認したら、いよいよメモリを取り付けて増設していきます。
といっても、難しいことはしないので初心者でも簡単に作業することができるでしょう。 メモリ増設に必要な道具や、作業の具体的な手順について解説していきます。

3.1必要な道具

メモリ増設に必要な道具は、ドライバー、ノートパソコンの説明書、物理メモリ、この3つです。
特別な道具などは必要ありませんが、パソコンのパーツを素手で触るのが心配な場合は綺麗な薄手の手袋などがあると便利です。 作業を始めるまえに、ノートパソコンの電源を切って、電源ケーブルを抜いておきましょう。
ノートパソコンの内部には高圧の電流が流れている場所もあり、万が一触ってしまうと非常に危険です。 また、メモリ増設のやり方については、ノートパソコンの取り扱い説明書に詳しく方法が書いてあることが多いです。
作業を始めるまえに熟読して、作業中もいつでも読めるように手元に用意しておくと安心して作業することができます。

3.2取り付けの準備

まず作業をする前に、体に溜まっている静電気を放電しておきましょう。
鍋やドアノブなど、身近にある金属製のものに数秒間両手で触れるだけで大丈夫です。
作業中にパソコンのパーツに静電気を放電してしまうと、パソコンの破損やデータ不良の原因になりますので、忘れずに行ってください。 放電が終わったら、パソコンの電源を落として、電源ケーブルも抜きます。
次にパソコンのバッテリーを外して、メモリスロットが入っているカバーのネジをドライバーで取り外します。 なお、メモリスロットの場所はパソコンによって異なります。
バッテリーの奥にあることが多いですが、キーボードの下に入っているケースなどの例外もありますので、迷わないように取り扱い説明書を見ながら作業するのがおすすめです。

3.3メモリの取り付け

メモリスロットのカバーを外すと、空いているメモリスロットが見えるようになります。
空いているスロットに用意したメモリを差しこんで、一番奥まできっちりと押し込みましょう。 規格が合っているメモリであれば、スムーズに奥まで入るはずです。
そのままメモリを下に押し下げると、金属の爪がはまってカチッという音がします。
スロットにメモリがきちんと嵌まり、歪んだりせず平行になっていれば大丈夫です。

3.4メモリの確認

メモリの増設が終わったら、メモリの容量がきちんと反映されているかを確認しましょう。
カバーとバッテリーを元通りの位置に戻し、パソコンの電源を入れたら、まず通常通り起動するかどうかを確認します。 パソコンが問題なく起動したら、コントロールパネルからプロパティという項目を開きましょう。
ここにメモリの現在の容量が表示されるので、増設した分が反映されているかどうかをチェックします。
もし反映されていなかった場合は接触不良などが考えられますので、一度電源を落として最初からやり直してみてください。

まとめ

メモリ増設は、パソコンのカバーを開けて何かするなんて難しそうというイメージがありますが、やってみると特別な道具も必要なく、とても簡単です。
いくつか注意することはありますが、それさえ気を付ければ誰でも簡単にメモリを増設することができます。 メモリも新たに購入すると二万円程度はどうしてもかかってしまいますが、それでもパソコンを新たに購入するよりはかなり安く済みます。
パソコンの動作が遅くて困っている人や買い替えを検討している人がいたら、是非一度メモリ増設を試してみてください。

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