家庭用エアコンが故障したときの主な原因と解決方法
はじめに
この記事では、エアコンの故障の主な原因と解決方法をご紹介します。
原因によっては業者に頼らず自分で解決することができますので、この記事を参考にして故障の原因を探してみましょう。
①エアコンの種類
まずはエアコンの種類についてご説明します。
エアコンは壁掛けと天井カセットと窓用エアコンの3種類があります。
壁掛け
家庭用で最も一般的なのが壁掛けのエアコンです。
据え付けの工事が必要になりますが、1時間から2時間ほどで終了しますし、作業はすべて業者が行ってくれるので手軽に設置できます。
天井カセット(ビルトインタイプ)
天井に埋め込むタイプのエアコンです。
部屋のスペースをほとんど使わないので、インテリアを重視したい方におすすめのタイプです。
設置には天井の工事が必要となるため、設置の費用や時間が他のタイプよりも多くかかります。
窓用エアコン
窓に取り付けるタイプのエアコンです。
壁掛けや天井カセットのエアコンとは違い、壁穴や室外機が要りません。
窓さえあれば取り付け場所を選ばず自分で簡単に設置することができます。
②主な症状とその原因
冷暖房が効かない
原因1:ホコリが詰まっている
エアコンの内部には、風の通り道となるフィルターやファンがあります。
フィルターやファンにホコリが詰まっていると、風が上手く通らなくなるので、冷暖房が効かなくなってしまいます。
ホコリが原因ならば、フィルターやファンを掃除してホコリを取り除くことで解決します。
自分でできない場合はエアコンのクリーニング業者に依頼しましょう。
原因2:室外機の周りに物が置いてある
室外機は、部屋の中の空気を外に出す役割を担っています。
そのため室外機の周りに物が置いてあると、空気が上手く外に流れなくなってしまいます。
もし自転車や掃除用具、ガーデニングの道具などを室外機の近くに置いている場合は移動させてください。
原因3:室外機の内部パーツが故障している
室外機の中には、制御基板、ファンモーター、コンプレッサー、四方弁など、さまざまな内部パーツがあります。
これらのパーツの故障が原因となっている場合は、自分で対処することはできません。
エアコンのメーカーや販売店に連絡して修理をしてもらうか、室外機を買い換えましょう。
原因4:エアコンがガス漏れしている
エアコンの冷暖房を使う時、内部では「冷媒」と呼ばれるガスが気体や液体に変化しながら、エアコンの室内機と室外機の間で熱を運びます。
室内機と室外機を繋ぐ配管が劣化や腐食などによって破損すると、冷媒が漏れてしまいます。
ガス漏れしているか確認する方法は簡単です。
室内機と室外機のカバーを開け、配管の接続口など、内部に霜がついていればガス漏れが原因だと分かります。
「冷媒漏れ」のエラーコードがリモコンに表示されていることもあります。
原因5:エアコン自体が故障している
寿命などによりエアコン自体が故障していることもあります。
その場合は自力で直すことはできませんので、メーカーに修理を頼むか新しいものに交換しましょう。
水漏れ
原因1:ドレンホースに異常がある
エアコンが冷気を作るとき、水を発生させます。
通常この水はドレンホースを通って外に排出されます。
しかしドレンホースの内部が汚れていたり何か異常があったりすると、水を外に上手く排出できずに水漏れが起こってしまいます。
ドレンホースの内部は時間が経つにつれてどうしても汚れがたまっていきますし、業者でも汚れを完全に綺麗に洗浄することはできません。
ですから、ドレンホースが原因で水漏れが起こった場合は新しいドレンホースに交換した方が良いでしょう。
原因2:エアコンが傾いている
設置工事の際の不備などにより、エアコンの室内機が傾いていることが原因の場合もあります。
室内機の内部にはドレンホースから水を排出する「ドレン穴」と、排出するまでの間に水を溜めておく「ドレンパン」があります。
室内機が水平に設置されていないとドレン穴から上手く水が流れず、ドレンパンに溜まり続けることになります。そのためドレンパンから水があふれて漏れてしまったり、それによってドレンパンが腐食してしまったりということが起こります。
もしエアコンが傾いているのならば、自分で設置し直すことは難しいので、エアコンの設置業者に依頼して水平に直してもらいます。
設置工事の不備で傾いている場合は、無償で工事してもらえます。
運転ランプが点滅している・点灯しない
原因1:故障を知らせている
エアコンには、運転ランプの点滅によって故障を知らせる機能が備わっています。
ランプの点滅の仕方によってそれぞれ意味があるのですが、どのような意味を持つのかはメーカーによって違います。
ですから、ランプが点滅している場合はエアコンの説明書やメーカーのホームページを見て、何を意味しているのか確認しましょう。
原因2:一時的な不具合
エアコンの運転ランプが点滅している場合や点灯しない場合は、一時的な不具合ということもあります。
一時的なものであれば簡単に直すことができます。
まずはエアコンの運転を停止させます。
次に電源プラグを抜き、5分から1時間ほどそのまま放置します。
その後電源を入れ直して運転を再開し、運転ランプが通常通り点灯していれば問題ありません。
原因3:運転ランプが故障している
運転ランプの点滅の意味を調べても故障の原因が分からず、電源の入れ直しをしても改善されないのならば、運転ランプ自体が故障しているのかもしれません。
業者に修理を頼むか、エアコンの買い換えをしましょう。
水漏れ
原因1:ドレンホースに異常がある
エアコンが冷気を作るとき、水を発生させます。
通常この水はドレンホースを通って外に排出されます。
しかしドレンホースの内部が汚れていたり何か異常があったりすると、水を外に上手く排出できずに水漏れが起こってしまいます。
ドレンホースの内部は時間が経つにつれてどうしても汚れがたまっていきますし、業者でも汚れを完全に綺麗に洗浄することはできません。
ですから、ドレンホースが原因で水漏れが起こった場合は新しいドレンホースに交換した方が良いでしょう。
原因2:エアコンが傾いている
設置工事の際の不備などにより、エアコンの室内機が傾いていることが原因の場合もあります。
室内機の内部にはドレンホースから水を排出する「ドレン穴」と、排出するまでの間に水を溜めておく「ドレンパン」があります。
室内機が水平に設置されていないとドレン穴から上手く水が流れず、ドレンパンに溜まり続けることになります。そのためドレンパンから水があふれて漏れてしまったり、それによってドレンパンが腐食してしまったりということが起こります。
もしエアコンが傾いているのならば、自分で設置し直すことは難しいので、エアコンの設置業者に依頼して水平に直してもらいます。
設置工事の不備で傾いている場合は、無償で工事してもらえます。
リモコンが反応しない
原因1:電池が切れているか、電池の向きが間違っている
リモコンのどのボタンを押しても反応しないときは、電池を新しいものと交換します。
その際、電池の向きが間違っていないかも確認しておきましょう。
電池を交換してもリモコンが使えない場合は、爪楊枝などの細い棒を使ってリセットボタンを押してみると直ることもあります。
原因2:リモコンの赤外線発信部分が汚れている
リモコンの赤外線を発信する部分に汚れがついていると、エアコンの本体に信号を上手く飛ばせなくなってしまいます。
汚れている場合は、ティッシュなどで汚れをよく拭き取ります。
原因3:ボタンの隙間にゴミが溜まっている
リモコンの特定のボタンのみが使えない場合は、そのボタンの隙間にゴミや汚れなどの異物が挟まっているのかもしれません。
隙間のゴミを取り除いて綺麗な状態にしましょう。
原因4:リモコン自体が故障している
電池の交換や汚れの掃除をしても直らない場合は、リモコン自体が故障していると思われます。
販売店やメーカーから新しいリモコンを取り寄せてください。
③修理依頼をする前にやっておくべきこと
業者に修理を依頼する際、何が原因だと思われるのか具体的に説明できる方がスムーズに対処できます。
原因によっては業者に頼らなくても自力で解決できる可能性もあります。
確認事項を簡単にまとめましたので、修理依頼をする前にまずは下記の事項を自分で確認してみましょう。
確認事項
・室外機の周りに物を置いていないか
・室内機のフィルターやファンにホコリが詰まっていないか
・冷媒漏れによって霜がついていないか
・室内機が傾いていないか
・運転ランプの点滅の意味を確認したか
・室内機の電源プラグを抜き、再び電源を入れても改善しないか
・リモコンの電池が切れていないか
・リモコンに汚れがついていないか
このほかにも、電源が抜けていたり、ブレーカーが落ちていたりといった初歩的なミスの場合もありますので、確認をしておくと良いでしょう。
また、冬は室外機が凍結していないかということにも注意してください。
④修理と買い換えのどちらがお得?
エアコンの保証期間内であれば、メーカーで無償で修理してもらえることが多いので、買い換えるよりも修理の方がお得です。
保証期間外の場合はどのような故障なのかにもよりますが、10万円以上かかってしまうこともあります。
新しくエアコンを買うのなら、安い機種なら10万円以下で済みますので買い換えた方がお得と言えます。
修理ができない場合もある
エアコンの保証期間は10年です。
しかし定期的に掃除やメンテナンスを行っていないと、10年経たないうちに寿命が尽きて壊れてしまうこともあります。
エアコンの寿命が近ければ近いほど修理をしてもすぐに壊れてしまう可能性が高まりますので、業者に相談しても修理を断られることもあります。
特に室外機は最も負荷がかかっている部分であるため室内機よりも故障しやすいので、修理はせずに新しいものに交換すると業者が判断する場合が多いです。
⑤修理依頼はメーカーと修理業者のどちらが良い?
修理を依頼する際、依頼先はメーカーと修理業者の2択です。
基本的には故障したエアコンのメーカーに依頼する方が無難ですが、それぞれに依頼した場合のメリットとデメリットをご説明しますので、どちらが良いかご自身でも考えてみてください。
メーカーに依頼するメリット
エアコンの保証期間内ならば、無償で修理してもらえる可能性が高いです。
無償で修理してもらうには保証書が必要ですので、保証書は必ず大切に保管しておきましょう。
また、メーカーの業者はそのエアコンの機種に使われている部品を把握していますし、その機種の修理経験もありますので、安心して任せることができます。
メーカーに依頼するデメリット
エアコンの保証期間外であれば、高い修理費や出張料金がかかります。
また、修理を依頼してもすぐに来てもらえるとは限りません。
特に真夏など、エアコンの設置や修理を頼みたい人が多い時期はメーカーへの依頼が集中してしまうからです。
修理業者に依頼するメリット
修理業者によって営業時間は違いますが、365日24時間対応を売りにしている修理業者はたくさんあります。
メーカーよりも修理業者の方が依頼が殺到しにくいため、依頼してからすぐに来てもらえる可能性があります。
修理業者に依頼するデメリット
故障したエアコンのメーカー専門の修理業者ではないため、何が原因で故障しているのか、どのように修理すれば良いのか判明するまでに時間がかかる場合があります。
修理する際に必要な部品はメーカーから取り寄せることになるので、メーカーに修理を依頼するよりも修理費が高額になってしまいます。
また、詐欺やぼったくりの可能性もありますので、その修理業者が本当に信頼できる業者なのかの見極めも必要です。
⑥修理は真冬・真夏の前に!
真冬の寒い日や真夏の猛暑日にエアコンが使えないと体調を崩してしまいますし、場合によっては命に関わる問題となります。
また、業者への依頼が殺到する時期は頼んでもすぐに来てもらえない可能性もあります。
ですから、定期的にエアコンが壊れていないかチェックしておいた方が良いでしょう。
⑦快適にエアコンを使うために
エアコンの寿命を少しでも伸ばして快適に使っていくために、定期的なチェックだけでなく掃除もしましょう。
頻度としては1か月に2回ほどが理想です。
1か月に2回は難しくても、1か月に1回や2か月に1回など、何も掃除をしないよりはできる範囲で少しでも掃除をしておくべきです。
掃除の方法を簡単に説明していきますので、ぜひ掃除をしてみてください。
手順1:エアコンの外部を掃除
まずはエアコンの外部のホコリを掃除機や布を使って取り払いましょう。
手順2:フィルターの掃除
フィルターを取り外す前に、フィルターの周りに掃除機をかけて軽くホコリを吸い取ります。
次にフィルターをゆっくりと外し、フィルターの外側から掃除機をかけます。
その後水洗いをしたら、日陰で干して乾燥させます。
手順3:前面パネルの掃除
前面パネルを取り外せる場合は、水洗いをして日陰で干します。
取り外せない場合は、薄めた家庭用中性洗剤を布に付けて拭き、その後水拭きと乾拭きをします。
手順4:エアコンの吹き出し口の掃除
エアコンの吹き出し口を掃除する場合は、必ずエアコンの電源プラグを抜いてから作業をしてください。
電源プラグを抜いたら、吹き出し口のルーバーを手で回します。
そして布に家庭用中性洗剤を付け、エアコンの吹き出し口を拭きます。
最後に水拭きと乾拭きをします。
手順5:部品を元に戻す
洗った部品が全て乾燥したら、元通りに取り付け直します。
手順6:クーラーを30分ほど稼働させる
部品を元通りに戻したらクーラーを30分ほど稼働させます。
内部に水滴が残っているとカビが繁殖してしまう可能性がありますので、必ずしっかり乾燥させましょう。
お掃除機能が搭載されているエアコンもある
エアコンにお掃除機能が搭載されている場合は掃除の必要がありません。
しかし、内部の細かな部分は自動で掃除することができないので、エアコンのクリーニング業者に頼んで掃除してもらった方が安心です。
まとめ
エアコンの寿命は10年ほどですが、こまめにメンテナンスを行うことで20年ほどに伸ばすことも可能です。
せっかく購入したエアコンですから、なるべく買い換えをせずに長く使いたいですよね。
今回ご紹介した故障の原因を知っていれば、普段の掃除やメンテナンスで故障を予防できることもありますし、エアコンの調子が悪くなってもすぐに対処できるようにもなります。
エアコンを適切に扱い、できるだけ寿命を延ばしてあげましょう。